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頑張った!せつな☆Fプリキュアコミュのお話:第二話「忘れられない夜」

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※残酷な表現があり、血といったものが苦手な方は注意して下さいm(__)m






どこまでも真っ暗な風景

そこに、いくつかの影があった。

ぐったりと倒れて動かない。

キュアベリーとキュアパイン。

擦り傷だらけで、ガクガクと膝が揺れ立っているのもやっとなキュアエンジェルのピーチ。

そして、ピーチと対面するように立つ、キュアパッション。

キュアパッションは静かに目を閉じ、胸の前で手を動かすと、低く唱えた。

「ダークハートは私の心!羽ばたけ!スイッチオーバー!キュアダークネス!」
パッションから紫の光が放射され、全身を覆った。その中でパッションの衣服は溶けてゆき、代わって黒い装飾服や装甲がほっそりとした全身を覆っていく。

それは、優美であると同時に邪悪なドレスの鎧だった。

笑う髑髏のような醜悪なシルエットドレス。

鋭い爪が付いた手甲や足甲。

背中からは黒い翼を生やして羽ばたくと羽がシンシンと降っている。

まるで堕天使のような風貌だ。

キュアダークネスは紅いアイシャドーを塗った眼を細める。

セミロングの銀髪が緩やかに風に揺れた。

「ラブ、これが私の本当の姿よ?メビウス様が全パラレルワールドを支配しようとしたように、今度は私が世界を手に入れてみせる!」

「せつな!嘘でしょ!?こんなの…こんなのないよ!嘘だと言ってよ!!」

ラブはポロポロと涙を流して叫ぶ。せつなはクスクスと笑って、人差し指を動かしキュアベリーとキュアパインを浮かばせる。

「甘い友情ごっこはここでおしまいにしましょ?キュアピーチ、我が名はキュアダークネス!全世界を支配する死と絶望を司る女神!!」

ダークネスが口上を述べると闇より触手が伸び、て宙に浮かべたプリキュア達を捕食するように絡めとる。
「やめてー!!」

ピーチは眼を見開いて、止めにはいるが…ベリーとパインは闇に飲み込まれて姿を消してしまった。

ピーチの手が空を掴み、闇に甲高い悲鳴が木霊する。
「あら残念、大切なお友達は死んでしまったわ。あっははははははははは!」

ダークネスは、ピーチを見下ろしながら高笑いをあげる。

残酷で血も涙もないような冷たく歪んだ笑い声を。
「うわあああ!!」

その瞬間。

ピーチの体が弾ける。

弾丸となったその体は拳をダークネスの顔面に放つ。
しかし、手応えがなかった。

一瞬で、拳はダークネスが受け止めていた。

「せつなあぁぁぁぁぁ!!」
怒りと悲しみに囚われたピーチはもう片方の拳も放つがあっさりと受けとめられてしまう。

「そうよ、憎みなさい。大切な友達を殺した私を!でなければ私を倒せないわよピーチ!」

ダークネスは助言すると、ピーチの体を蹴り飛ばした。
ピーチの体が百メートル近く飛ばされる。 しかし、直ぐ様体制を立て直す。

「プリキュア・ラビング・トゥルー・ハート!」

ピーチが構え唱えると、空に巨大なハート型オーラを作り出す。

友を殺された怒りもあるも、これ以上の悲しみは要らないと、聖なる技で負の対象を浄化する狙いだ。

「ピーチ、私がそんなもので浄化されると思って?とんだお笑い草だわ、力を見せてあげる…プリキュア・ラビング・トゥルー・ダークネス!!」

ダークネスは凄絶な笑みをたたえ構えて唱える。

空に巨大な髑髏型オーラを作り出し放つ。

光と闇がぶつかり、バチバチと放電が起こる。

優劣は闇の方にあり、ハート型のオーラは劣勢に押されていく。

「あらつまらない、あなたの力はこんなものなの?」
ダークネスは、なおも力を込めて光をジリジリと破っていく。

「ピーチ、冥土の土産に教えてあげるわ、光はいずれ消えるけど闇は永遠に消えることはないのよ」

ついに光が闇に押し負け、爆発が起こる。

衣服が汚れ生傷が絶えないピーチが膝をついて、荒い息を吐いてる。

「しぶといのね?でも、これで終わりにしてあげる」
ダークネスは片手をかざすと、空間から鎌を取りだす。

鋭利な刃が、ピーチの首を刈り取ろうと振り下ろされようとした時。

ピーチは最後の力を振り絞ってダークネスに駆け寄る。

「無駄なあがきを!」

ドスっという鈍い音が響く。

「せつな…し、幸せゲッ…ぐぅっ…!ゲ、ゲットだよ…」

ピーチはダークネスの体を抱き締めたまま耳元で、ごふっと吐血しながら最後の言葉を綴った。

「私の幸せは、ピーチ、最後のプリキュアのあなたの死を持って叶ったわ。ありがとうと、お礼を言っておくべきかしら?」

ダークネスは頬の返り血を指で拭いながら、刃を引き抜く。

ピーチの体が支えを失って倒れる。

寸前、ダークネスは肩を掴んで抱き寄せる。

「でも、私、正直あなたをまだ殺し足りないの…」

ダークネスは冷笑を浮かべると、ピーチの細い首筋に牙を立てる。

こくこく、と喉を鳴らして流れる血を飲み下してゆく。

ピーチを掴む手に力が入り、鋭い爪が触れている肌に食い込み新たな鮮血を生む。

返り血で赤く染まった少女の姿はまるで血を求める吸血鬼のようだった。


暗い、暗い暗闇が二人を包んでいった。




「ーーーーっ!!?」


その光景が夢だと気付くまで、せつなはベットの中で声にならない悲鳴をあげて手足をバタバタと動かした。

涙や鼻水で顔をクシャクシャにして、いつまでも悲痛な叫びをあげる。


その夜、何事かと飛び起きたラブや両親に体を抱き締められながら、せつなは夜が明けるまで苦しみ続けた。

生々しく口内に感じる血の味を覚えながら。


それでもラブは必死にせつなの体を抱き締め続けた。

暴れるせつなに殴られようが、引っ掻かれよて血を流しても決して引かない。


ラブは耳元で優しく「せつな、大丈夫だよ、大丈夫だから私はここにいるよ…だから怖がらなくていいんだよ」と、囁き続ける。



第二話おわり。

コメント(2)

ゆ、ゆめで良かった冷や汗手(パー)

キュアダークネスか・・・・がまん顔たらーっ(汗)

す、すごい発想だと思いますげっそりダッシュ(走り出す様)

最近ネカフェ通いで、《彼岸島》というマンガを読み漁っているので、リンクしたらガクガクしちゃいましたあせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)
吸血鬼の島の話なんで手(パー)たらーっ(汗)

この先の展開を静かに見守りたいと思いますですあせあせ(飛び散る汗)
> ★ローリー★さん

いきなりブラックに飛ばしてすみませんm(__)m

彼岸島は、飛び飛びですが読んだことがあります。あの暗い独特な雰囲気は作品の濃い味と思っています。個人的にはコーヒーのブラック味。

今後もブラックな一面も垣間見えると思いますが、どうかお付き合い下さればと思っています指でOK

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