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2次創作SS置き場コミュの【種運命】嬉しい言葉(アスラン×カガリ)

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 書いてみたので投下します。設定など矛盾している部分がありましても大目に見てくれると幸いです。

 ★★★

【種運命SS】嬉しい言葉

 大戦が終わり世界は再び復興の道を歩み始めた。両陣営は一応のところ停戦状態で平和の道をお互いに模索しているように見えるが、二回目の大戦のときと同じく、心の底では、コーディネイターが憎い、ナチュラルは愚かだ、と思っている輩も居る。それらの思想はけっして絶えることはない。人類は今、大まかな括りで言えば二極化で自分の属性が決まってしまう。まだ宇宙時代ではない旧世紀ならば様々な価値観や国があったので憎悪の対象は分散されるが人類が二分された単純な図式になってしまった今では憎む対象はお互いにでしかない。嫌なことがあるだろうが隣人は一人しかいないので表面上は手をつないで歩んでいる。
 ……争いの種はつきない。平和な状態が訪れても、二回の大戦で、伝説的な活躍をし、中心人物であったアスラン・ザラは自分体験から水面下にあるそれらを敏感に感じ取っていた。具体的な形を持った敵は見えない。だからといって気を抜くことはできない。墓標の前で誓ったではないか。本当の自分たちの使命はこれからだと──。
「なあ、アスラン、もう平和なんだ。戦時中みたいに緊張して眉間に皺をつくるのはやめないか──こちらも疲れる」
 オーブ代表首長の執務室でデスクに頬杖をついたカガリ・ユラ・アスハが言った。自分の思考に集中していたアスランはカガリの少し拗ねたような表情を見て苦笑した。
「あ、すまない」
 今はこの笑顔があるではないか。気負いすぎることはない。平和なのだ。大戦中袂を分けた状態にもなったがアスランはカガリのもとに帰ってきた。俺の戻る場所はここしかないな──と思う。
 カガリは復興と平和の為に日々公務をこなしている。アスランは再び彼女の護衛の任についた。正式な任ではないのでオーブ軍に軍籍は残っている。任つかせたのはカガリの一存でアスランと共に居たいと思う彼女の唯一のわがままだった。その意図をアスランは理解したが、一緒に居たのか? と指摘するわけにもいかず、まして、そういうことをする性格ではないと自覚しているので、こそばゆい思いをしながら、カガリの傍にいるわけだ。
「何を考えていた? また戦争が起きるかもしれないと思っていたのか?」
 折角傍に居れるんだ。少しは私の事も見て欲しい──と消え入りそうな声でカガリは続けた。「あまり戦争のことを引きずるな。私たちが経験したことから学ぶものがありそれを活かすことは大切だが、捉え方よっては後ろ向きになってしまう。争いは終わったんだ。前を向こう──例えば私たちのこととか……」
 最後のフレーズを聞いて、アスランは鼓動が高鳴った。オーブに亡命しカガリの護衛についた当時もこのような具体的な話をカガリはしたことがなかったし、今、アスランを見つめる瞳は気のせいか潤んでいるように見える。
「私たちのことって……?」
 一応聞いてみる。何となくではなくカガリが言葉にしなくても何を言いたいのか、戦闘中、高揚したときの知覚が広がるあの感覚で得られた様々な情報を理解してしまうように、確信を持ってわかってはいるが口に出すのは何故か躊躇われた。
 ちらりと脳裏にメイリン・ホークの姿がよぎる。……何故よぎるんだ? ──よぎる理由も心当たりがあるが意識しないことにした。これが躊躇われる理由とも思いたくない。
 アスランとて健全な男子であるし、恋愛ごとに疎い朴念仁でもない。知識もあるし、少なくともカガリとは、前大戦でザフトに復帰する前までは、いい雰囲気だったのだ。指輪を渡しキスをした感覚はまだ唇に残っている。再び、オーブに戻ったがその後は停戦、復興と多忙でカガリと私的な関係を深める暇はなかったし、その種の会話もする時間なんてあるはずがなく──気になりながらも日々を過ごしてきたのだ。
 気にしてはいたが、いざ、そのような雰囲気になると、なにせこの感覚は久しぶりなので、はじめてキラと対峙したときのような、あの緊張感が走る──というのは大げさだとしても妙な空気が流れ、耐え難い。話を誤魔化したいがそうもいかず、けれども打開策などあるはずもなく、カガリの視線から、彼女に悟られないように目をそらし、言葉を待っているしかなかった。
「私たちはもう十八だ……」
 カガリはそこで言葉を止める。さらに強く視線をアスランに向ける。ここまで、言ったんだ、後は私に言わせないで、アスランが言ってくれ──と瞳は語っているようにアスランは思えたが、何も言わない。沈黙が流れる……。
 最後まで私に言わせるのか! と瞳で訴え、しかし、仕方がなくカガリは口を開いた。「……思い出したくもないが私はユウナと結婚させられようとした……」
 また言葉を止める。何かを思いついたような表情をした。
「──そういえば聞いていなかったが、アスランは私が結婚する話を聞いてどう思ったんだ? 非常に気になるところだ。キラが来てくれたからよかったものを結婚させられてたらどうするつもりだったんだ?」
 本当だったらあれはキラの役目ではなくアスランの役目だろう? ──何故か語気が強くなるカガリ。何か思うことがあったらしい。
「そりゃびっくりしたし──焦ったよ。今すぐ駆けつけたいと思った」
「じゃあどうして直ぐに来なかったんだ!」
「俺がそのときどうしていたかは説明しただろ?」
「……わかっているけど、私は、怖かったんだ……」
 カガリは俯いた。
 アスランは、今更ながらに理解する。カガリは女の子だ。オーブ代表という顔があったとしてもそれはカガリの本質ではない。まだ守ってあげるものが必要な十八の少女だ。誰が彼女を守る? ……一瞬考えて直ぐに回答が導き出される。
 それは俺だ、と──。
「もっとアスランが態度をはっきりさせていてくたれら私は立場を捨てて一人の女性として結婚を断ることができたのに……」
 これ以上は言わせまい。アスランは言葉を継いだ。
「……俺は今思うとカガリのウェディングドレス姿を直接見なくてよかったと思っている。もし直接みていたら、嫉妬で彼を殺していたかもしれない。あの時はそれが許される立場ではなかったからな」
「私はよくない。あんな思いはもう嫌だ!」
「それは結婚式なんてもうあげたくないってことかい?」
 アスランは、カガリを守るのは自分だ、と自覚し、心に余裕が生まれた。少し場を柔らかくしようと彼なりにユーモアを含めて、言ってみた。アスランが言わんとしていることは雰囲気で伝わる。直接それを言われなくても言葉の裏にある本当に言いたいことを理解した。
 察してカガリは赤くなる。
「……い、いや、結婚式が嫌というわけではなくて……」
 声が小さい。聞こえない。もう一度言ってくれとでも言おうかとも思ったがそこまでしてからかって後が大変かもしれないのでやめておくことにした。
 そして、カガリにわからないように深呼吸をして次に言う台詞を言うための覚悟を決め、気合を入れた──。
 アスランは、カガリの人生の中で今までで一番嬉しく、死ぬまで忘れないだろう言葉を言った。

「見損ねたからカガリのウェディングドレス姿──見せてくれるかい?」

 ★★★

 お目汚しすみません……。
  

コメント(8)

感想どうもありがとうございます。久しぶりのSSで資料を探して作るのが大変な面もありましたが、楽しい作業でもありました。正直二次創作は楽しい(笑)。カップリングの好みも人それぞれですが、僕は基本的に、王道カップルが好きなので、キララク、シンルナ、などが好きですね。シンステラというのもありますが、『その後』の二次創作を書くので、これはちと難しいカップリングです^^;。

アスランは意外と場に流されそうなので言い寄られたらメイリンにも情を移しそうですが、資料によるとメイリンには、恩人(親友)という感情しか抱いていないのではないか、とありましたので、これに準拠しました。

結婚して浮気ネタというのも面白そうですねー(笑)。
何故か性別まで変わってしまうキャラもいますし(笑)。
タイトルの件了解しました。

まあ声から判断するとどちらも受けキャラというイメージがありますねぇ(笑)。

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