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とりあえず面白い話。コミュのでびクエ 十九章

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    なんと【新喜劇バージョン】でお送りします!!!(ズババババーン!!←水木一郎風)




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


とある港町に、勇者と老賢者がやってきた。

勇者「おじゃましますカ?」

どてーっ!

町人A「聞くなや!」

勇者「え?あぁ、聞いたらダメなんですね?」

町人A「そらそうやろ、そこ言い切らなアカンやろ」

勇者「ああ、そうかそうか。

じゃあ、

ここは港の町で合ってます」


町人A「そこは【か】要るやろ!」

勇者「え、付けてもいいんですか?」

町人A「そこは最後に【か】付けんとダメなところやろ!」

勇者「ああ、最後に【か】付ければいいんですね」

町人A「そらそうやろ…」

勇者「あの、私は勇者と言うんですか…」


町人A「だから聞くなや!」

勇者「えー、どっちなんですかー」

町人A「今のはさいご【テンテン】いるやろ!【か】じゃなくて【が】やろ最後」

勇者「あぁ、テンテン付ければ良いんですね?」

町人A「おお…もう頼むでアンタ」

勇者「バのぼ、ばだぢ、ぢゅヴじゃど いヴんでずが…」

町人A「全部に付けんでええねん!

オマエもうええわ!

一緒におる老人と話すわ、ちょっと代われ」

勇者「もう〜、短気な人やなぁ」

町人A「…ってことで、何か聞きたい事があるんですか?老人さん」

老賢者「誰じゃぁ〜?」

町人A「え?私は町人Aという者ですが…」

老賢者「なぜじゃぁ〜」

町人A「え?いや、親がつけてくれた名前なんでなぜって言われても…」

老賢者「どうしてじゃぁ〜」

町人A「…いや、つけた理由までは親に聞いてないですけど、」

老賢者「なぜじゃぁ〜」

町人A「いや、だってそこまで普通聞かないでしょ?」

老賢者「何がじゃぁ〜」

町人A「もうええわ!終われへんわ!」


町人A「…まったく、なんやねんアンタらわ…。

そもそも何か聞きたい事あるんはアンタらやったんちゃうんか?

…なんでおれがこんなに疲れなアカンねん…」


勇者「ああ、すいません。

あのー、魔王城がある大陸に渡るための船が出てる港町っていうのは、ここでいいんですかね?」

町人A「…ああ、ここであってるで。

でも、出向まではまだ時間あるから、そこの酒場で時間でも潰したらええんとちゃうか?

…ちょうどおれも酒場に行くところや。

一緒に行くか?」

勇者「それは助かるな」

町人A「かまへんかまへん」

町人A(どさくさにまぎれて、先に出ていってこいつらに会計ぜんぶ払わせたろ…くっくっく)


ガラガラガラ。

町人Aは店の戸を開けた。

町人A「じゃまするでぇ〜」

マスター「邪魔すんねやったら帰ってや〜」

町人A「あいよ〜」

町人Aは店を出て、そしてすぐに入って来た。

町人A「オイ!邪魔するってそういう意味ちゃうねん!

おれら客や!」

マスター「ああ、お客さんでしたか。

それは失礼しました。

どうぞ、空いてる席に座ってください」


町人Aと勇者と老賢者は、マスターの顔を見た。

マスターは太っていて、なんかしらんけどくちびるがすこし尖がっている感じの顔だった。


勇者「…あの、マスター、失礼じゃないか?」

マスター「え?何がですか?」

勇者「あんた、接客中だろ?

接客中に口笛吹くのは良くないだろう?」

マスター「え?いやいや、吹いてませんよ」

勇者「いやいや、吹いてるでしょ?」

老賢者「そうじゃそうじゃ。

現に今だって、『いやいや、吹いてませんよ、ピュー』…って」

マスター「いや、吹いてませんって!」

勇者「いや、吹いてませんって!…ピュー」

マスター「マネせんでええねん!ほんで吹いてへんわ口笛!」


老賢者「むむ…」

老賢者はマスターの顔を覗き込んだ。

老賢者「ちょっとマスター、悪いが、口笛を吹いてみてもらえんか?」

マスター「…え?いいですけど…ピュ〜〜〜」

老賢者「…口笛辞めてみて」

マスター「〜〜〜…」

勇者/老賢者/町人A「口いっしょや!!!」


マスター「やかましわ!!!

なんやねんアンタら、失礼やな!」

勇者「マスター、ひょっとこみたいな口してますね?」

マスター「ハッキリ言うな!何やねんひょっとこって」

老賢者「…いやいや勇者、よく見るとこのマスター、なかなかのひょっとこ前じゃぞ」

マスター「『おとこまえ』やろそれ言うんやったら!失礼すぎるやろお前ら!」

勇者「あ、ひょっとこしてマスター、怒ってる?」

マスター「『ひょっとして』や!もうなんやねんこの客!!!」


町人A「まあまあマスター、この二人よそ者でまだ詳しく町のことわからんねん。

大目に見たってや」

マスター「…まったく…」

町人A「さあさあ、二人とも座ろうや」

勇者「…ああ、そうしよう」

老賢者「うむ」


三人は、とりあえずテーブルの席に座った。


バイト「マスタ〜〜〜」

その時、出前にでかけていたバイトが店に戻ってきた。


マスター「おお、やっと戻ってきたんか。えらい遅かったなあ」

バイト「違うんですよマスター。

あのね、出前に行こうとしてる途中でね、大きなトラックが走ってきて、小さい子供をはねたんですよ」

マスター「ええ!ほんまかいな!」

バイト「はい。ほんでね、ものっすごい人が集まってきましてね、

そのひとごみの中に、真犯人が姿を現したんですよ」

マスター「真犯人?何、その子供はねたっていうのは、事故じゃないんかいな!」

バイト「どうもそうみたいなんですよ〜」

マスター「ほんで、その事件それからどないなってんや」

バイト「そこでCMですわぁ」

マスター「テレビの話かーい!!」

どてーっ!

バイト「すいません、途中通りかかった電気屋でやってたサスペンスがあまりにおもしろくて…」

マスター「もう何やねんおまえ…。まあ済んだ事はもうええわ。

ほら、お客さんに飲み物運んで」

バイト「ああ、珍しく客きてるんですね。

わかりました」


バイトはそう言うと、生中三つを勇者達のテーブルに運んだ。


コトッ。

 コトッ。

老賢者「…」

老賢者「バイトの人よ」

バイト「何ですか?」

老賢者「…お主、小さいな」

バイト「!?

な、何を言うねん急にこのじいさんは!」

老賢者「気にしておるんか?」

バイト「べ、別に気にしてなんかないわ!

うわーん うわーん」

背の低いバイトは、子供のように泣き出した。


勇者「おお、よしよし。

おい老賢者、失礼だろ!」

老賢者「す、すまん。

悪い事を言った」

バイト「うううん。ボク、もうこのくらいの事では泣かない。

ママもパパも、ボクに強い大人になってほしいって思ってるから」

勇者「そうなのか…。

なあバイト、オマエ、何か好きなアニメとかあるのか?」

バイト「うん!バビル二世が好き!」

勇者/老賢者/町人A「おまえオッサンやろ!!」


町人A「まあ、気を取り直して、おれらの出会いに、かんぱーい!」

勇者「…かんぱーい」

老賢者「かんぺーい」


 三人は生中をイッキした。


町人A「ひゃ〜〜うまい!

マスターもう一杯!」

マスター「あいよ〜〜」



 ガラガラガラ。

と、その時、ガラの悪そうな男二人が店に入って来た。


ガラ悪A「おい、町人A!」

ガラ悪B「早く借金返してもらおうか!」


ガラ悪Aは坊主刈りでけっこう太った大きな男だった。


マスター「熊や!死んだフリせい!」

勇者「!?」

町人A「!?」

老賢者「!?」

バイト「!?」

ガラ悪B「!?」


ガラ悪A以外は、こぞって死んだフリをした。


ガラ悪A「えっ!?熊!?熊どこ??

どこ?熊?」


ガラ悪Aは店の中をうろちょろ跳びはね回った。

皆は死んだフリをしていた。

その中でも、老賢者はイスに逆立ちするような格好で死んだフリをしていた。


ガラ悪A「お、おい!お前ら起きろや!

おれ熊ちゃうわ!

人間や!

に ん げ ん!」


マスター「え〜…人間なんですか〜。

それならそうと早く言ってくださいよ〜」

ガラ悪A「どからどう見ても人間やろが!

おい、そこのじじい、オマエ死んだフリでなんで逆立ちしてんねん」

老賢者「…あ、あぁ」

ガラ悪A「ワシは人間や人間!!

人間や!

もし熊やったらこんなんして歩かなアカンやろが!」

ガラ悪Aはそう言うと、四本足で歩く仕草をした。

マスター「え?そんなんできるんですか?」

ガラ悪A「だからできへんわ!

熊やなくて人間やからちゃんと普通に歩くわ!」

マスター「ああ、じゃあ人間なんですねあなた?」

ガラ悪A「だから人間やいうてるやろ!

もし熊やったらワシこんなんして歩かなアカンやないか!」

ガラ悪Aはそう言うと、四本足で歩く仕草をした。

マスター「え?そんなんできるんですか?」

ガラ悪A「だからできへん言うてるやろーー!」


ガラ悪B「…あの、もういいですか?」

ガラ悪A/マスター「え?」

ガラ悪B「あんたら長いねん!おれも早よ喋らせろや!」

勇者/老賢者/バイト(なんだろう、あのガラ悪Bって人、全身緑色や…)

勇者「あ、あの〜」

ガラ悪B「なんや?」

勇者「なんでそんな服とか髪の色、全部緑色なんですか?」

ガラ悪B「あぁ?そんなもんオマエ、ファッションにきまっとるやないか」

勇者「ファッション?

ファッションって、良くする為にするものでしょ?」

ガラ悪B「そうやけど何や」

勇者「それ、どう見てもバッタやないですか…」

ガラ悪B「バ、バッタ!?何言うねんオマエ!

…まあそんな事はええわ。

オイ!町人A!


オマエ、借金の500万ゴールド、早く返してもらおうか」

勇者「ええっ!?五百万!!?」

老賢者「五百万!!?」

町人A「五百万!!!」


バイト「合わせて1500万!!?」


マスター「なんでそうなんねん!


そこは足さんでええやろ。

500万や」


町人A「…あぁ、500万…。

でも、なんでですか?

僕借りたんはたしか100万やったはず…」

ガラ悪B「あぁ〜?

そんなもん利子っちゅーもんがあるやろが」

町人A「そんなめちゃくちゃな…利子でそんだけ増えるわけ無いやないですか」

ガラ悪B「はぁ?こっちにはほら、借用書があるんや。

ちゃんとここ書いてるやろが?

ちゃんと内容確認せんとハンコ押したお前が悪いんとちゃうんか」

町人A「そんなぁ…」


バイト「…ちょっと待てや借金取り」

ガラ悪B「あぁ?」

バイト「…黙って聞いてれば好き勝手言いおって…。

オイ!そんなべらぼうな利息があるわけないやろうが!」

ガラ悪B「だから言うとるやろが。

ちゃんと借用書があるんや」


バイト「おい!言うてもわからん奴やなオマエは!」

そういうと、バイトはネクタイを外し始めた。

バイト「おれがこのネクタイを外したらどうなるか知ってるか?」

ガラ悪B「し、知らんわ。どうなんねん」

バイトはネクタイを、自分の頭の高さからだらんと垂れ下げた。


町人A「うわ!長さ一緒や!」

どてーっ!


ガラ悪B「そ、それが何やねん!」

バイト「…」


ガラ悪A「…おい、ガラ悪B。

相手がそのつもりなら、こっちもそれなりに行かなあかんようやのお」

ガラ悪Aはそういうと、服を脱ぎ始めた。


バイト「な、何や…何する気や!」

ガラ悪A「よう見とけやお前ら!

これが、港町名物、パチパ○パンチや!!」

ガラ悪Aはそういうと、自分の両肩をパチパチと高速で叩き始めた。


パチパチパチパチパチパチ…パチ!!!

ガラ悪A「どやぁ!!!」


勇者「…いや…どやって言われても…」


ガラ悪A「ほほう…。

これ見てもまだ解らんかぁ」


ガラ悪Aはそういうと、ポケットから小さい金属製の灰皿を二つ取り出した。

老賢者「こ、こんどは何じゃ」

ガラ悪A「聞いて驚くな!これは港町名物【ポコポ○ヘッド】や!!」

ガラ悪A「ポコポ○ヘッドは〜!…」

バイト「男のロマン!」

ガラ悪A「言うなぁ!!先言うなぁ!!

まあいい、よう見とけ!!これがポコポ○ヘッドや!」

ポコポコポコポコポンポン! ポッコポコン!


ガラ悪Aは、頭を灰皿でポコポコ叩いた。

ガラ悪A「どやー!!」

勇者「…いや、だからどやって言われても…」

ガラ悪A「ひぃ〜〜!

まだ解らんのかオマエらわぁ!

…しゃあないな、ほんなら最終手段やなぁ」

ガラ悪Aはそう言うと、どこからともなく一斗缶を持って来た。


バイト「…今度はそれで何やんねん」

ガラ悪A「いいか、見とけよ!

これが港町名物、カンカ○ヘッドやぁ!」


ガラ悪Aはそう言うと、一斗缶で自分の頭をカンカン叩きだした。

ガンガンガンガンガンガン! ガンガン!!!

ガラ悪A「どやぁー!」

勇者「…いや、頑張ってるのは解るけどさぁ、」

ガラ悪A「はぁ…はぁ…な、なんや」

勇者「それ、平たいところで叩いてるだけだろ?」

ガラ悪A「そ、それが何や」

勇者はそっと、一斗缶の角を指さした。

勇者「どうせ行くなら、ここで行くべきだろ?

そしたらすごいって思うよ」

ガラ悪A「な…。

よ、よっしゃわかった。

よう見とけよ!」

そう言うと、ガラ悪Aは一斗缶の角を自分に向け、構えた。

ガラ悪A「よ〜し、行くぞ〜、よう見とけよぉ〜」

勇者「…」

老賢者「…」

バイト「…」

町人A「…」

マスター「…」

ガラ悪A「いくぞ〜…



…出来るかぁ!!

こんな所で行ったら死んでしまうわぁ!」


老賢者「いい加減にせんかぁ!!」

パシッ!!

と、その時、なぜか老賢者がいきなり怒り出してガラ悪Aの頬を叩いた。

ガラ悪Aは頬を抑えた。


ガラ悪A「…ヒドイ、ヒドイわぁ!!」

ガラ悪Aはそう叫ぶと、お姉さん座りみたいな格好で床に倒れこんだ。


ガラ悪B「アニキ!!

お、お前ら覚えとけよ!!!」


ガラ悪Bはそう言うと、ガラ悪Aを抱え上げた。


ガラ悪A「あぁ〜〜ほんまにワシ、しまったしまった…」

バイト「島倉ちよこ」

ガラ悪A「言うなぁ!!!


…くそぉ〜〜。

ほんまにワシ、まいったまいった…」

勇者「マイケルジャクソン」

ガラ悪A「だから言うなぁーーー!!

くそぉ!!!

本当に、こまったこまった…」

老賢者「こまどり姉妹」

ガラ悪A「あああーーーもうう!!

全部言われてもうたがなぁ!

もう、こうなったらワシのギャグも、

愛知県、名古屋…」


マスター「終わり(尾張)」


ガラ悪A「最後まで言われてもたああ!!


くそおおおおいいいいいい…。


キィー(最後裏声)」


ガラ悪B「お、お前ら覚えとけよ!!!」


ガラの悪い男達はそう言うと、店から去っていった。


マスター「…アイツら、一体何がしたかってん…。


…まあ、ええわ。

それより町人Aさん、アンタ、怖いところから借金とか、なんでしてはるんですか」


町人A「…すいません…じつはおれ、田舎に病気の両親が居るんです…」

勇者「…えっ…」

町人A「…両親がそんな状態だから、妹も付きっきりで両親の看病をしてて…。

…それで…

…せめてオレだけでも楽したいなって…」

マスター「最後おかしいやろ…。

おまえもちゃんと働けや!」


町人A「す、すいません…」

そんなやりとりを見て、とうとう老賢者がゆっくりと立ち上がった。

老賢者「…おい、若造」

町人A「は、はい…」

老賢者「すこしそこに座れ。

ワシが説教をしてやる」

町人A「わ、わかりました…」

町人Aはイスに座った。

老賢者は立ったまま、町人の前で話を始めた。

老賢者「…あのな、そもそもな…。

…お金というものはやなぁ…。



…家族というものはな…ムニャムニャ…。

…えーっと…。

…その……それや…。

…えっと…何やったかな…。


…フゥ…。

…え〜〜っと………。





…」


勇者はそーっと老賢者の顔を近くで見た。

そして、


勇者「寝んなーーー!!」

スパーン!!!


勇者はスリッパで思いっきり老賢者の頭を引っぱたいた。


老賢者「はわわ!!!


…あ!

三途の川やぁ〜〜」


マスター「渡ったらアカン!!渡ったら!!!」



ガタッ!!


と、その時だった。

悪そうな男が店に入ってきて、老賢者を人質にとった。

ナイフを突きつけられる老賢者。


老賢者「はわわ…」

悪男「おまえら!!大人しくしろ!!

おれはそこの銀行で銀行強盗やった犯人や!!

おれに変な事したら、コイツを殺すぞぉ!」

老賢者「ひゃー」


警察「犯人待てえ!」

警察も、遅れてやってきた。

警察「くそぉ!卑怯やぞ犯人!!」

犯人「うるせーー!!

おれはこんな所で捕まれへんぞーー!!」

警察「黙れー!」

バキューン!

警察はそう叫ぶと、銃を撃った。


犯人「うわっ!!!」

銃弾は見事犯人の腕に握られているナイフに命中し、犯人は凶器を落とした。

マスター「今や!老人を助けろ!」

バイト「よっしゃ!」

バイトは素早くナイフを拾うと、それを犯人に握らせ、町人Aを犯人に渡して、老賢者をこっち側へと連れ戻った。


バイト「じいさん助けましたよマスター!」


マスター「なんで代わりの人質渡してんねん…」

バイト「え?ダメでしたか?」

マスター「ダメやし、律儀に凶器まで返さんでええねん…」

バイト「あぁ…落としてしまいはったからつい…」

マスター「もー!おまえのせいでまたフリダシやんけ!」


犯人「お前らええかげんにせいー!

ホンマに殺すぞこの人質!!!」


警察「まて!早まるな犯人!!!」

犯人「うっせー!!

どうせおれなんて生きててもしょうがない人間なんや!

こいつをころしていっその事死んだる!!」


勇者「待てよ犯人!!!」

犯人「!?」

勇者「…何があったか知らないけどよ。

おまえの親はそんな事言うおまえを見たら悲しむと思うぜ?」

犯人「うぅ…」


警官「!?

い、今です皆さん!

何か、悲しい歌を歌って犯人の心を揺さぶるんです!」


バイト「よ、よっしゃ!まかせとき!


…か〜さんが〜よなべ〜をして〜…」


犯人「うわああああん」

犯人は凶器を落とし、泣き出した。


老賢者「今じゃ!皆かかれ!!」

老賢者の掛け声と共に、皆はどこから出て来たか解らない棒を持って一斉に犯人を殴り倒した。


犯人「痛いっ!痛いッ!やめてくれ!!いたい!!!」

マスター「痛い!!痛いッ!!!…オイ!ちょっと待て、なんでおまえオレまで殴ってんねん!」

バイト「あ、つい…」

マスター「つい…やあるか!」


警察「皆さん、どうもご協力ありがとうございました」

警察は皆に頭を下げると、意気消沈している犯人の元へと近付いた。


犯人「うぅ…」


あきらかに戦意を喪失している犯人に対して、警察は銃を向けて構えた。


警察「おおおおおおとなしくしろおおおお!!!」


マスター「もうしてる!!

既におとなしなってるがな」

警察「…あ、そうですか。

…よいしょっと」

警察は手錠を取り出し、犯人の腕にはめた。


警察「では皆さん、ご協力ありがとうございました」

ペコリと皆に頭を下げる警察。


犯人「ほら!行くぞ!」

警察「はい…」

そして犯人に引き連れられ、警察官は署の方へと歩いていった…。


マスター「逆なってる!!!

逆なってるでー!!



…まったく、大丈夫かいなあの警察官…。


…あ、それより、大丈夫やったか?町人Aさん」


町人A「…ああ。ぜんぜん大丈夫でしたよ」

町人Aはなぜか清々しい笑顔で背伸びをした。



ガラ悪B「…また来たでぇ」


マスター「あ、さっきの借金取り」

ガラ悪B「…あんなぁ、

利子はまけといたるから、元金の100万ゴールドだけでも返す事できへんか?」


町人A「あ、それで良いんですか?

なら、はい」

町人Aは100万ゴールドをガラ悪Bに手渡した。


ガラ悪B「…お、何やあるんかいな…。

…ま、でも返すもんかえしてもろたらそれでええわ。

ほら、借用書や。

また何か困ったら借りに来てやー!」


ガラ悪Bは帰っていった。


マスター「…あれ?町人Aさんって、そんなにお金持ってはりましたっけ?」

町人A「え?

はっはっは。持ってましたよ〜」

町人Aはそう言うと、さっき銀行強盗をした犯人が置いていった黒いバッグを見せた。


マスター「あんた、それあんたのお金ちゃうがな!」


バイト「ほんまや!そんなもんおまえが持ってたら何に使うかわからん!

どれ、おれが預かろう!」


マスター「おまえも危ないわ!」




警察「あの〜、犯人が盗んだお金をここに忘れていったって言うてるんですけど〜」

警察が戻ってきた。


町人A「あ、やべ!

ほなマスター、これ、おあいそね!」

町人Aは1万ゴールドを置いて逃げていった。

警察「あ、こらまてー!!」

バイト「せめて僕にもすこしわけて〜〜!」


皆走り出した。



酒場はバタバタになった…。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 ボォ〜〜〜。



夕方。


船は汽笛を鳴らし、出発した。


船のデッキで、はるか遠くに小さく見える大陸を眺める勇者と老賢者。


勇者「…いよいよだな、じいさん」

老賢者「…ああ。この船が辿り付けば、もう魔王城もすぐそこじゃ」

勇者「…それにしてもさっきの町…めちゃくちゃな所だったな」

老賢者「フォッフォッフォ。

まあ、これから生きるか死ぬかの戦いをしに行くんじゃ。

バカなことでもやらんと心が持たんぞい」


勇者「…フフ。

たしかにそうかもな」

勇者は柵に肘を置いた。


勇者「なあじいさん。

…今のおれは…魔王を倒すつもりでいるよ。

ずっとずっと、魔王とは話し合いで解決するつもりでいたのに、

ここ最近色んな事があって…

魔王の部下も斬ってしまったし、個人的な恨みで多くの人間も斬ってしまった…。


…こんな最低な人間のおれが、おれ個人の思いなんかで生きてたらいけないと思ったんだ。

…だからおれはおれでは無く…


…これからは勇者として生きる。

…魔王を倒す運命を持った勇者として…」

老賢者「…うむ。

理由は何でもいいぞい。

勇者なら、勇者らしく生きる。

それが真理というもんじゃて」


勇者は刀を縛っている縄を、きつく締め直した。

この先は、いよいよ魔王城。


自分の旅の終着駅…。



…そして老賢者もまた、魔王の大陸を見つめながら、色んな思いをたぎらせる…。


老賢者(…まさか、この歳になってまた魔王に立ち向かう事になるとはな…。

…18の頃…まだ何もわからぬワシは、勇者様に必死に着いていったが、魔王城まではたどり着けなんだ…。


…初めて魔王まで辿り着けたのは60を過ぎた時じゃった。


…正直、魔王の強さに圧倒され、ワシは何もすることが出来なかった…。



…あれから、半世紀か…。


…この勇者は強い。

…まぎれもなく、今まで仕えてきた勇者の中では最高クラスじゃ…。


…魔王…今度こそ見ておれ。

…ワシにはもう、捨てるものは何も無い。

…じゃから魔王…どんな手を使ってでも…



  … ワ シ は お ま え を 倒 す !  ! !)


老賢者は熱くそう誓うと、杖を体にくくりつけている縄をきつく縛りなおした。


…高齢の為、後日縄が触れる部分に青アザが出来た。


【でびクエ 〜第十九章〜】 完

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