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とりあえず面白い話。コミュのでびクエ 一章

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 それは、勇者が30歳になった朝の事だった。


母「勇者、起きなさい」

シャーッ。

勇者の母は、部屋のカーテンを開けた。

差し込む真夏の日差し。


勇者「う…な、なんだよオフクロ…まだ朝じゃねーかよ…」

母「…ごめんね勇者。夜型のアナタを、こんな朝早くに起こしてしまって」

勇者「べ、別にいいけどよ…それより何か用か?」

母「ええ…」

勇者「何だよ…もったいぶらずに早く言えよ…」

母「…実はね、今まで黙っていたんだけど…アナタは伝説の勇者だったのよ」

勇者「え?」

母「…ごめんね、今まで黙ってて…」

勇者「冗談だろ?」

母「…本当よ。

お城で働く重役の人達は、皆知っているわ」

勇者「…マジかよ…」

母「…伝説の勇者は、30歳になったその日から、魔王を倒す旅に出なければならない。

これはこの国の決まり…」

勇者「…知ってるよ。それくらい学校で習ったよ…」

母「実はね、アナタのお父さんも…アナタが物心つく前に魔王討伐の旅に出たのよ」

勇者「え?マジか?…オヤジ、事故って亡くなったって言ってたじゃんか…」

母「あれはウソよ。

お父さんは、30年前、魔王を倒す旅に出かけたわ。

…そしてそれっきり…」


勇者「そうだったのか…」



勇者は部屋の中を見渡した。


16畳もある子供部屋(自分の部屋)

広い庭。

噴水やテニスコートもある庭。

そして完璧なセキュリティー…。



勇者「…おかしいと思ってたぜ…オヤジの遺族年金だけにしては…ちょっと贅沢な生活してるなってな…」

母「…勇者家系には、国から助成金が出るのよ…母さん、お父さんのおかげで随分楽をさせてもらったわ」

勇者「…オイオイ…そういう言い方…

…いや、オフクロを悪く言う資格なんてオレには無ーな。

…オレも…30にもなって無職で、月々20万小遣いもらってる身だもんな…」


母「そうよ。

母さんとアナタは…同じ穴のムジナ…」


勇者「…」


母「さあ、勇者。王様がお城で待ってるわ。

とっとと行って来なさい」


勇者「…オレが、魔王討伐の旅にか…。


…な、なあオフクロ、

もし、断ったらどうなるんだ?

正直なところ、オレ、魔王になんて勝てる気しねーし…」


母「そんな事したらアンタ、

助成金がもらえないどころか、国家反逆罪で、親族一同全員火あぶりの刑よ」


勇者「…人間って、残酷だよな…」


母「アナタに選択の余地は無いわ。さ、行きなさい」


勇者「…

…なあ、オフクロ、それってさ、30歳の誕生日が来たら行かなきゃなんねーんだよな?」

母「そうよ」

勇者「じゃ、今日中で良いんだろ?」

母「うん」

勇者「じゃあさ、王様の所行く前に、友達に挨拶しに行ってもいいかな?

ほら、急な事だからさ、皆に別れの挨拶とかしたいし…」

母「ええ。構わないわ。

…ただし、逃げよう等とは思わない事ね。

もう今頃は、外のいたる所に見張りの兵士が居るはずよ。

アナタが逃げようとすれば…わかるわね?」


勇者「…別に逃げる気はねーよ。

親戚のおっちゃんやオフクロに迷惑はかけたく無いしな」


母「フフ。良い子ね。

じゃ、行ってらっしゃい」

勇者「ああ」



 勇者は家を出た。

 そして、いつもつるんでいる、友達のDQNが集う公園へとやってきた。



勇者「よう」

DQN1「…よう…ってあれ?勇者?オマエ、今日早起きじゃね?」

DQN2「ほっほ〜ん、勇者じゃ〜ん、おっふぁよををを」


勇者「…まあな、色々あってな。

…ところで、どうしたんだDQN2は?

なんか様子がおかしくねーか?」


DQN1「ん?ああ、そうそう、

今日皆にもあげようと思ってたんだけどさ、

【ワキガの粉】を【せいすい】に溶かした液にさ、【薬草】を浸してな、

その草を燃やして煙を吸うと、なんかしらないけどスッゲー気分良くなること発見したんだよ。

DQN2見てみ。

見事にキマっちゃってんべ?」


勇者「…あいかわらず、こういう悪知恵に関しては神がかってんなオマエは…」

DQN1「はっはっは。

…あ、ところで、何かあったのか?

夜型のオマエがこんな朝早くからどうしたんだよ」


勇者「…ああ。

実はな、ほら、おれ今日で30歳じゃんか」

DQN1「ああ、そういえば勇者今日誕生日だったな。おめでとう」

勇者「ありがとう…。

…でな、オフクロに朝たたき起こされて知らされたんだけど、

おれ、伝説の勇者だったらしい…」


DQN1「は?オマエが?

はっはっは!

オイオイ、冗談はやめろよ!

オマエはオレ達と同じ、世間のつまはじき者じゃねーか。

そのオマエが伝説の勇者?

笑わせるなってーの」


勇者「…いや、どうやらマジらしいんだ。

今から、オレ王様ん所に行かなきゃなんねーんだよ。

…ホラ、そこの草むら見てみ。

見張りの兵士がコッチおもいっきり睨んでんだろ?」

DQN1「…え?

…うわっ!本当だ。

マッポに囲まれてんじゃんオレら」


勇者「…アレはオレを見張ってんだよ。

…オレを逃がさない為にね…」


DQN1「…し、しかしオマエが伝説の勇者ね…。

ハハ。良いのかよ?

オマエ、勇者らしからぬ事いっぱいしてきたじゃん」


勇者「…本当だよ…。

もっと早く教えてくれてたら、おれ色々とまじめにやってきたかもしんないのによ…」

DQN1「汚点だらけの勇者か…」


勇者「…格好よく言うなよ…」

DQN1「ま、まあさ、頑張って来いよ。

今まで色々と、楽しかったぜ。

お土産よろしくな!」


勇者「…はぁ…他人事だなオマエにとっては…」


DQN1「あったりめーじゃん!

今日の仲間達との話題は、【オマエがどのモンスターにやられるか】だなきっと!ハッハッハ!」


勇者(…コイツで魔王討伐のリハーサルやってやろうかな…)


勇者「…ま、そういう事だから、オレ行くわ。

皆によろしくな」


DQN1「ああ、気をつけてな…っと、あ、そうだ、これ持ってけよ」


勇者「ん?何だこれ」

DQN1「なんか、ばあちゃんがこないだ山で拾ってきた石なんだけどさ、

金とか銀みたいにキレイじゃねーし、よく解んない石だからオマエにあげるわ。

お守りにでもしてろよ」


勇者「…

…まあ、旅先でこれ見てお前らの顔思い出すよ。

ありがとな」


DQN1「ああ、元気でな」


勇者はオリハルゴンを手に入れた。





 DQN1達と別れた勇者は、王様の所へとやってきた。


王様「おお!おうおうおう!王様だけにおう!なんつってな!はっはっは!」


勇者「…」


王様「いやいや、遅かったな勇者よ」


勇者「ええ、すいません」

王様「まあええわい。

そなたの母から聞いただろうが、

そちは伝説の勇者として、三十路を境に魔王討伐の旅に出向いてもらう。

行ってくれるな?」


勇者「…行きますよ。行かなきゃ、親族一同火あぶりなんでしょ?」


王様「ほっほっほ。そうじゃ。

まあ、火あぶりの前にももっと拷問をするんじゃけどな」

勇者(…人の皮をかぶった悪魔め…)

王様「まあ、お主がマジメに勇者をやっておれば、オマエの母の生活の保障は我々が国をあげて支援するから、安心して旅立って来るんじゃぞ」

勇者「…」

王様「ほっほっほ。あ、それとじゃ、

一人旅は何かと大変じゃろうから、3人ほど仲間を連れて行く事を許可するぞい。

町の端っこにある酒場に行って、適当に三人選んで旅して来い」

勇者「…」



 色んな思いの中、勇者は城を出て酒場へとやってきた。


ダルーイ「はぁ〜い、私【ダルーイ】。ようこそ、ダルーイの酒場へ。

今日も暑っついわね…ダルいわぁ〜…」


勇者「…」

勇者(コイツ、仕事やる気あんのかよ…)


ダルーイ「あ、アナタ伝説の勇者ね?

王様から聞いてるわよぉ。

たしか、仲間三人連れて行く許可もらってるんでしょ?

ウフフ。


丁度居るのよ、三人すごい腕の立つツワモノがさ」


勇者「…そうなんですか…」

ダルーイ「皆、出てきて〜」


戦士「お初にお目にかかります」

僧侶「はじめまして」

魔法使い「おはようございます」



ダルーイ「この三人は、この町の選りすぐりなのよ〜。

まずはこの戦士!

薩摩示現流免許皆伝の使い手なの!

彼の剣の前には、どんな硬いモンスターも受け太刀すら出来ずに真っ二つよ!」

戦士「拙者、勇者様に仕官する為、この身を削る努力をして参りました。

是非とも、是非とも魔王討伐の旅にお連れ下さい!!!」


勇者「…」

ダルーイ「続いて、僧侶よ。

この僧侶は、【教会の小悪魔】といわれているくらい性格が悪い女の子なんだけど、

でも、実はツンデレで、すごく優しいの!

え?回復魔法?

そこそこよ」


僧侶「よろしくね。フン」

勇者「…」


ダルーイ「そして最後はこの魔法使い!


彼、スゴイのよ。

イケメンだし、魔法のセンスは極上品なのよ!

その秘密はね、彼、実は半分魔物の血が流れているのよ。

だからレベル1なのに、メマモーマとか使えるのよ」


魔法使い「是非、私をお供に」

勇者「…」


ダルーイ「さあ!勇者さま!

ぜひ、彼らを連れて行ってくださいな!」



勇者「…


…いや、この三人はいいや」


ダルーイ「…え?」

戦士「え?」

僧侶「え?」

魔法使い「え?」



勇者「…あのさ、仲間に連れて行く三人って、オレが決めていいんだよね?

…じゃ、ちょっと町回って誰連れてくか決めてくるから。

…そういう事で」

ダルーイ「ちょ、ちょっとまってよ勇者さま!」

勇者「何?」

ダルーイ「この三人は、超選りすぐりの三人なのよ?

アナタを助ける為に、ものすごい努力をした者もいるの!!

なんで連れてかないのよ!!」


勇者「…いや…なんか、オレが決めていいって言ってたわりに、

なんかその三人を連れて行くように仕組んでる感じがしてさ。

そういうの、嫌じゃん」


ダルーイ「な…」


勇者は店のはしっこをチラリと見た。


勇者「お〜い、見張りの兵士」

兵士「!?」

勇者「いいっていいって。お前がオレを見張ってた事はずっとバレバレだったし」

兵士「な…そ、そんな事は…」

勇者「はいはい。

あのさ、ちょっと付いてきてくんない?

今から町を巡って、仲間探すから」

兵士「え…し、しかし…」

勇者「オマエ、勇者に逆らうのかよ?」

兵士「ひいいい!わ、わかりました」



ダルーイ「…」


戦士「ちょ、ちょっと待ってください勇者さま!」

勇者「何?」


戦士「わ、我々では不服なんですか?

我々三人は、戦いのエキスパートであります…

他に我々以上腕の立つ者など…」


勇者「…あのさ、戦う以外の取り得って、何かあるの?」


戦士「え?」

勇者「…おれ、嫌なんだよ。

戦うとかそういうの。

できれば、魔王とも話し合いで解決できないかなってさ」


戦士「…」

僧侶「…」

魔法使い「…」


勇者「じゃ、そういう事で」



ダルーイ(…とんでもない甘ちゃんだわコイツ…)



 勇者は酒場を出た。


兵士「い、一体何を考えているんですか勇者様!

あの三人に匹敵する仲間なんて、他に居ませんよ!!

町で仲間を探すって言ってますけど、一体どこに行く気なんですか?」


勇者「う〜ん、そうだな。

とりあえず、風俗でも行くか!」

兵士「は?」


勇者「…ほら、長旅になるだろ?

【慰み者】は要ると思うよ。

だから、とりあえず一人目の仲間は風俗嬢かなってさ」


兵士(この人…どんだけ魔王討伐を舐めきっとるんや…)


 とはいえ、兵士も男。

二人は風俗店にやってきた。


ボーイ「いらっしゃぁ〜いどの子にしましょ〜」


勇者「パネル見せてくれるか?」

ボーイ「はいは〜い。

今いけるのはこの子とこの子とこの子ですよ〜」

勇者「ステータスプリーズ」


ボーイ「この子はベテランテクニシャンで〜、

この子は中堅美人で〜

この子は新人です〜。

どの子も良い子ですよ〜〜」


勇者「…じゃ、この新人良いかな」

ボーイ「は〜い。

新人ちゃ〜ん、お客さんですよ〜」


新人「ど、どうも、オラ、新人だで、やさしぐしてくんろ…」


勇者「うん。気に入った!


じゃ、この子連れてくね〜」


ボーイ「え?」

新人「え?キャッ」




 新人が仲間に加わった。


兵士「ほ、本当に良いんですか?この子で?」

勇者「十分だろう。新人でまだスレて無い所も良いしさ」


兵士「…まあこの子は良いとして、他二人はどうすんですか?」


勇者「そうだなぁ。

さっきの僧侶の子もけっこうかわいかったから、あの子やっぱり仲間にしようか。

やっぱ、回復呪文とかは居りそうだしな」


兵士「そ、そうですよねぇ。

よかったぁ〜、あなたもまともな考え方できるところあるんですねぇ。

…で、あと一人はどうします?

戦士ですか?魔法使い?」

勇者「もう、オマエでいいよ、あと一人」


兵士「え?」

勇者「ほら、縁って大事じゃんか」


兵士「い、いや、縁とかそういう問題では…」

勇者「おまえ、勇者の命令聞けねーの?」


兵士「ひいいい!わ、わかりました!お供しますう!!」


兵士が仲間に加わった。

僧侶が仲間に加わった。





 かくして、勇者、兵士、僧侶、新人の四人は、魔王討伐に向けて町を出る事となりました。



 この先、四人にはどんな困難が待ち受けている事やら…。



 【でびゴンクエスト3 〜第一章〜】  完







 【おまけ】


息子「ねえねえ母ちゃん、今日はおいしいゴハン食べれるのかな?」

母ちゃん「さあ、どうだかねぇ〜。お父っつあんの仕官が無事叶ったら、食えるけどねぇ」

娘「おいしいごはんを腹いっぱいに、食いたいなぁ〜」

母「でも、今回はお父っつあん、かなり自信あるみたいだったからねぇ。

お父っつあん、かなり剣の修行もしてたしねぇ」

息子「うん!しってるよ!

お父っつあん、毎日刀をブンブン振り回してたもんね!

汗いっぱいかいてね!」

母「フフフ」


母(…アナタ…。

優しいアナタ…。

アナタの剣は、本当に素晴らしい剣だと思います。

…たとえ、今回仕官が叶わなかたっとしても、

また、一緒に頑張って行きましょう。

貧乏には、もう慣れていますから、私達)



 母と子供達は、家にたどり着いた。


そして、玄関を開けた。



 ガラガラガラ…。


母「!???」


息子「!???」

娘「!!!!」


母「あ、あなたああ!!!」

息子「おとっつあん!!!!」


 母と子供達の目に飛び込んできたもの、

それは、自らの腹に刀を突き立て、息絶えた父の姿だった。


母「アナタ!アナタなんで…

なんで!!!」


 父の傍らには、一枚の遺書があった。



【妻、息子、娘よ、スマン。

父ちゃん、今回も仕官できなんだ。

父ちゃん、今まで色んな所に仕官しても叶わず、

かといって、父ちゃんは剣でしか生きる術を知らないから、

今回こそはと、必死に努力したけど、

 でも、ダメだった。

勇者様は、父ちゃんを必要としていないらしい。


…ごめんな、情けない父ちゃんで。

これ以上、父ちゃんはオマエ達にひもじい思いはさせとうない。


父ちゃんが死ねば、遺族年金と生命保険のお金が入る。

それで、家族三人、末永く幸せに暮らしていってほしい。

…本当に、頼りない父ちゃんでごめんな。


 息子、娘。

おまえ達は、ちゃんと勉強するんだぞ。

勇者様が魔王を倒し、平和な世の中が来ると、剣のいらない時代がきっと来るだろう。

その中で役に立つのは、剣では無く勉学だろう。

 情けない父ちゃんの姿を目に焼きつけ、

おまえらは剣の道に進まずに勉学に励め。


    ダメな父ちゃんより  】



母「あなたああああ!!!」


娘「うわあああああんん!!!」




 息子(…父ちゃん…。

何だよそれ…うう…。



…くそう…勇者め…。

許さんぞ勇者め…)



 息子は、父が使っていた刀を手に取った。


息子(お父っつあん、ごめん…。

…オレ…お父っつあんの願いは聞けねぇ…。

…オレ…強くなってお父っつあんの仇を討ってやるって今決めた!!!)


 息子の目は、ギラギラと血走っていた…。


【おまけ:完】

コメント(2)

うお!Σ( ̄□ ̄)!!
物凄いものを発見!!
待ち望んでいたデビくえじゃないか!!
ステキすぎる!
続き楽しみだ!あ、縛りメンバーも誘います!

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