第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)
一、皇位奪取の計画 *p1035
二、御真木入彦(みまきいれひこ)の妻子 *p1047
三、祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ) *p1072
四、武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱 *p1104
五、四道將軍派遣の真相 *p1136
六、活目入彦(いくめいれひこ)の即位 *p1150
七、狭穂彦(さほひこ)の乱(らん) *p1157
八、御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)の真意 *p1209
【平成七年(1995)安原修氏より】
この歴史論文は私が神の御意志のもとに書いたものであり、これが本当の正しい日本歴史なのですからそのつもりでお読み頂きたいと思います。
三月二十四日
安原 修
✡令和２年２月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
一、皇位奪取の計画 *p1035
二、御真木入彦(みまきいれひこ)の妻子 *p1047
三、祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ) *p1072
四、武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱 *p1104
五、四道將軍派遣の真相 *p1136
六、活目入彦(いくめいれひこ)の即位 *p1150
七、狭穂彦(さほひこ)の乱(らん) *p1157
八、御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)の真意 *p1209
【平成七年(1995)安原修氏より】
この歴史論文は私が神の御意志のもとに書いたものであり、これが本当の正しい日本歴史なのですからそのつもりでお読み頂きたいと思います。
三月二十四日
安原 修
✡令和２年２月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
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コメント(34)
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔１〕
［p1035/p1035~p1212］
【一、１】皇位奪取の計画
［p1035/p1035~p1046］
>p1035-1行~
御真木入彦(みまきいれひこ)を開化(かいか)天皇の皇子崇神(すじん)天皇と言うのは大嘘である。
御真木入彦(みまきいれひこ)は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫内色許男命(うつしこをのみこと)の末子であり、
171年に生まれたのである。
そして大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が内色許男命(うつしこをのみこと)の娘細媛命(ささひめのみこと)を妃に迎えた関係で、
大吉備津日子命は内色許男命(うつしこをのみこと)の子である伊香色雄命(いかがしこをのみこと)と御真木入彦(みまきいれひこ)を義弟として引き立て、
大和朝廷の要職に就く機会を与えたのである。
>p1036
しかし邪悪な伊香色雄(いかがしこを)と御真木入彦(みまきいれひこ)は被差別階級から解放され、
大和朝廷の要職に就くことが出来たことを感謝するどころか、
その機会を利用して天皇家から皇位を奪い、
自分達が天皇になって日本中を支配しようと考える様になったのである。
しかし大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の在世中は彼らも手が出せなかったのである。
それで彼らは大吉備津日子命が死去するのを待って天皇家から皇位を奪おうとして時を待っていたのである。
>p1037
ところで時の天皇は倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)こと女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)であったが倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は生涯独身であったから子女がなかったのである。
故に女帝が死去された場合に誰が次の天皇になるかと言うことは重要な問題であったのである。
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が九十二才で死去した243年に倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は九十五才の高令だったのである。
故に女帝はいつ死んでも年に不足はないと言う年だったのであり、
自分が死んだ後の世
>p1038
継ぎを決めてなかったとは考えられないのである。
では倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の後継者として次の天皇と予想されていた人は一体誰だったのであろうか。
女帝にとって最も血縁も近く信頼出来る人は甥であり摂政でもあった若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)である。
しかし若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)は181年の生まれであるから243年には六十三才になっていたのであり、
女帝の後継者としては年を取り過ぎていたと言えるのである。
>p1039
そうかと言って大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の三男彦狭島命(ひこさじまのみこと)は三十二才の若さであったけれども吉備の国に住んでいたことと、
二人の兄をさし置いて天皇になる訳には行かなかったのである。
だから女帝の後継者候補として最も有力視されていたのは若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男伊佐佐彦命(いささひこのみこと)であり、
次が彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の長男丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)だったのである。
伊佐佐彦命(いささひこのみこと)は201年の生まれであるから243年に四十三才だったのであり、
次の天皇の候補にふさわしい
>p1040
人だったのである。
次に丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)は205年の生まれであるから243年に三十九才だったのであり、
次の天皇候補にふさわしい人だったのである。
故に女帝の後継者と目(もく)されていた人は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の長男丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の二人以外にはなかったのである。
【執筆：1995年、安原 修】
日本の歴史と最後の審判
第十三章 極悪人御真木入彦
【一、１】皇位奪取の計画 ［p1035-1行〜p1040-7行］
〇令和元年11月（2019）
福田 扶士男。五瀬月。
［p1035/p1035~p1212］
【一、１】皇位奪取の計画
［p1035/p1035~p1046］
>p1035-1行~
御真木入彦(みまきいれひこ)を開化(かいか)天皇の皇子崇神(すじん)天皇と言うのは大嘘である。
御真木入彦(みまきいれひこ)は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫内色許男命(うつしこをのみこと)の末子であり、
171年に生まれたのである。
そして大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が内色許男命(うつしこをのみこと)の娘細媛命(ささひめのみこと)を妃に迎えた関係で、
大吉備津日子命は内色許男命(うつしこをのみこと)の子である伊香色雄命(いかがしこをのみこと)と御真木入彦(みまきいれひこ)を義弟として引き立て、
大和朝廷の要職に就く機会を与えたのである。
>p1036
しかし邪悪な伊香色雄(いかがしこを)と御真木入彦(みまきいれひこ)は被差別階級から解放され、
大和朝廷の要職に就くことが出来たことを感謝するどころか、
その機会を利用して天皇家から皇位を奪い、
自分達が天皇になって日本中を支配しようと考える様になったのである。
しかし大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の在世中は彼らも手が出せなかったのである。
それで彼らは大吉備津日子命が死去するのを待って天皇家から皇位を奪おうとして時を待っていたのである。
>p1037
ところで時の天皇は倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)こと女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)であったが倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は生涯独身であったから子女がなかったのである。
故に女帝が死去された場合に誰が次の天皇になるかと言うことは重要な問題であったのである。
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が九十二才で死去した243年に倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は九十五才の高令だったのである。
故に女帝はいつ死んでも年に不足はないと言う年だったのであり、
自分が死んだ後の世
>p1038
継ぎを決めてなかったとは考えられないのである。
では倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の後継者として次の天皇と予想されていた人は一体誰だったのであろうか。
女帝にとって最も血縁も近く信頼出来る人は甥であり摂政でもあった若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)である。
しかし若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)は181年の生まれであるから243年には六十三才になっていたのであり、
女帝の後継者としては年を取り過ぎていたと言えるのである。
>p1039
そうかと言って大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の三男彦狭島命(ひこさじまのみこと)は三十二才の若さであったけれども吉備の国に住んでいたことと、
二人の兄をさし置いて天皇になる訳には行かなかったのである。
だから女帝の後継者候補として最も有力視されていたのは若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男伊佐佐彦命(いささひこのみこと)であり、
次が彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の長男丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)だったのである。
伊佐佐彦命(いささひこのみこと)は201年の生まれであるから243年に四十三才だったのであり、
次の天皇の候補にふさわしい
>p1040
人だったのである。
次に丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)は205年の生まれであるから243年に三十九才だったのであり、
次の天皇候補にふさわしい人だったのである。
故に女帝の後継者と目(もく)されていた人は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の長男丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の二人以外にはなかったのである。
【執筆：1995年、安原 修】
日本の歴史と最後の審判
第十三章 極悪人御真木入彦
【一、１】皇位奪取の計画 ［p1035-1行〜p1040-7行］
〇令和元年11月（2019）
福田 扶士男。五瀬月。
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔２〕
［p1040/p1035~p1212］
【一、２･終】皇位奪取の計画
［p1040/p1035~p1046］
>p1040-8行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)には正始(しょうじ)四年に倭王は再び大夫伊聲耆(いせき)、
掖邪狗(えきやく)ら八人を使者として派遣したと書いてある。
この伊聲耆(いせき)と掖邪狗(えきやく)が果たし
>p1041
て使者の名であったと言えるであろうか。
この場合正使が伊聲耆(いせき)で掖邪狗(えきやく)が副使であると言えるのである。
伊聲耆(いせき)も掖邪狗(えきやく)も使者の姓名ではないと私は断定するのである。
伊聲耆(いせき)とは一席(いーせき)と言う様な意味であろうと思うのである。
中国では毛沢東もうたくとう主席(しゅせき)と言う言い方がある。
日本語の一(いち)、二(に)、三(さん)は中国語では一(イー)、二(アル)、三(サン)であり、
伊聲耆(いせき)は一席(いーせき)で第一席、主席、筆頭と言う様な意味であり、
正使のことを第一席と言う様な意味で話したものが中国人の方
>p1042
で正使の姓名と思い違いされたのだと思うのである。
次に掖邪狗(えきやく)は脇役(わきやく)と言う様な意味であろうと思う。
主役と脇役と言う様に正使が主役で副使は脇役と言えるのである。
掖(えき)と言う字は掖(わき)と言う意味であり、
正使を一席(いっせき)、副使を脇役(わきやく)と言う様に呼んだのではなかろうか。
これは遣魏使の随員の人々が正使を一席、
副使を脇役(わきやく)と呼んでいたとは限らないのである。
当時の大和の国でその様な言葉が用いられてい
>p1043
たかどうかは判らない。
しかし遣魏使(けんぎし)の通辞(つうじ)が中国語があまり得意でないので知ったかぶりで正使を一席(いっせき)、
副使を脇役(わきやく)と言って相手に紹介したと言うことはあり得ると思う。
要するに伊聲耆(いせき)も掖邪狗(えきやく)も日本人の姓名ではないのであり、
正使と副使の地位とか身分を表わす言葉であったものを魏の人々が姓名と思い違いして書いたものだと思うのである。
では二回目の遣魏正使(けんぎせいし)は一体誰だったのであろうか。
私は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長子
>p1044
伊佐佐彦命(いささひこのみこと)以外にはないと思うのである。
そして掖邪狗(えきやく)は大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の三男彦狭島命(ひこさじまのみこと)であろうと思うのである。
何故ならば彦狭島命(ひこさじまのみこと)吉備海部(きびのあまべ)の祖であり、
吉備氏の水軍の將であったから遣魏使(けんぎし)を送る船団の司令官に選ばれたのだと思うのである。
女帝が何故二回目の遣魏志を派遣したのかと言うと若日子建吉備津日子命の長男伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を後継者と決定したから遣魏正使(けんぎせいし)の大役を与えたのだと思うのである。
正始四年は243
>p1045
年であり大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が死去した年である。
しかし遣使そのものは大吉備津日子命の在世中に行なわれたものと思うのである。
大吉備津日子命は女帝の後継者が決まったことで安心して世を去ったものと思われる。
しかし大吉備津日子命が死去するや否や御真木入彦(みまきいれひこ)は本性を現わし、
皇位を奪うために行動を起こしたのである。
そらは高令の女帝を恐迫して自分の子の活目入彦(いくめいれひこ)を次の天皇にすることを承知させたことである。
御真木入(みまきいれ)
>p1046
彦(ひこ)は女帝の後継者と決定していた伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を都から追い出し、
活目入彦(いくめいれひこ)を次の天皇にしようとしたのである。
若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)らも母方の叔父に当たる御真木入彦(みまきいれひこ)に押し切られてしまったのである。
しかしそのことが多くの悲劇を生む原因となったのであるがそれらのことについては後で詳しく述べよう。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦
【一、２･終】皇位奪取の計画 ［p1040-8行〜p1046-7行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
［p1040/p1035~p1212］
【一、２･終】皇位奪取の計画
［p1040/p1035~p1046］
>p1040-8行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)には正始(しょうじ)四年に倭王は再び大夫伊聲耆(いせき)、
掖邪狗(えきやく)ら八人を使者として派遣したと書いてある。
この伊聲耆(いせき)と掖邪狗(えきやく)が果たし
>p1041
て使者の名であったと言えるであろうか。
この場合正使が伊聲耆(いせき)で掖邪狗(えきやく)が副使であると言えるのである。
伊聲耆(いせき)も掖邪狗(えきやく)も使者の姓名ではないと私は断定するのである。
伊聲耆(いせき)とは一席(いーせき)と言う様な意味であろうと思うのである。
中国では毛沢東もうたくとう主席(しゅせき)と言う言い方がある。
日本語の一(いち)、二(に)、三(さん)は中国語では一(イー)、二(アル)、三(サン)であり、
伊聲耆(いせき)は一席(いーせき)で第一席、主席、筆頭と言う様な意味であり、
正使のことを第一席と言う様な意味で話したものが中国人の方
>p1042
で正使の姓名と思い違いされたのだと思うのである。
次に掖邪狗(えきやく)は脇役(わきやく)と言う様な意味であろうと思う。
主役と脇役と言う様に正使が主役で副使は脇役と言えるのである。
掖(えき)と言う字は掖(わき)と言う意味であり、
正使を一席(いっせき)、副使を脇役(わきやく)と言う様に呼んだのではなかろうか。
これは遣魏使の随員の人々が正使を一席、
副使を脇役(わきやく)と呼んでいたとは限らないのである。
当時の大和の国でその様な言葉が用いられてい
>p1043
たかどうかは判らない。
しかし遣魏使(けんぎし)の通辞(つうじ)が中国語があまり得意でないので知ったかぶりで正使を一席(いっせき)、
副使を脇役(わきやく)と言って相手に紹介したと言うことはあり得ると思う。
要するに伊聲耆(いせき)も掖邪狗(えきやく)も日本人の姓名ではないのであり、
正使と副使の地位とか身分を表わす言葉であったものを魏の人々が姓名と思い違いして書いたものだと思うのである。
では二回目の遣魏正使(けんぎせいし)は一体誰だったのであろうか。
私は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長子
>p1044
伊佐佐彦命(いささひこのみこと)以外にはないと思うのである。
そして掖邪狗(えきやく)は大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の三男彦狭島命(ひこさじまのみこと)であろうと思うのである。
何故ならば彦狭島命(ひこさじまのみこと)吉備海部(きびのあまべ)の祖であり、
吉備氏の水軍の將であったから遣魏使(けんぎし)を送る船団の司令官に選ばれたのだと思うのである。
女帝が何故二回目の遣魏志を派遣したのかと言うと若日子建吉備津日子命の長男伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を後継者と決定したから遣魏正使(けんぎせいし)の大役を与えたのだと思うのである。
正始四年は243
>p1045
年であり大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が死去した年である。
しかし遣使そのものは大吉備津日子命の在世中に行なわれたものと思うのである。
大吉備津日子命は女帝の後継者が決まったことで安心して世を去ったものと思われる。
しかし大吉備津日子命が死去するや否や御真木入彦(みまきいれひこ)は本性を現わし、
皇位を奪うために行動を起こしたのである。
そらは高令の女帝を恐迫して自分の子の活目入彦(いくめいれひこ)を次の天皇にすることを承知させたことである。
御真木入(みまきいれ)
>p1046
彦(ひこ)は女帝の後継者と決定していた伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を都から追い出し、
活目入彦(いくめいれひこ)を次の天皇にしようとしたのである。
若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)らも母方の叔父に当たる御真木入彦(みまきいれひこ)に押し切られてしまったのである。
しかしそのことが多くの悲劇を生む原因となったのであるがそれらのことについては後で詳しく述べよう。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦
【一、２･終】皇位奪取の計画 ［p1040-8行〜p1046-7行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔３〕
［p1047/p1035~p1212］
【二、1】御真木入彦の妻子
［p1047/p1047~p1071］
>p1047-1行~
御真木入彦(みまきいれひこ)の初めの妻は木国造荒河戸畔(きのくにのみやつこあらかわとべ)の娘遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)と言われている。
これは諡(おくりな)であり本名は不明である。
木国造(きのくにのみやつこ)は須佐之男命の子大屋毗古命(おほやひこのみこと)の子孫である。
大屋毗古命(おほやひこのみこと)の子孫の人々は神武(じんむ)東征の時天皇軍に対して協力的であったから、
大和平定後神武天皇から木国造(きのくにのみやつこ)に任じられたのである。
それに対して出雲の八束水臣津努命(やつかみずおみつぬのみこと)の子五十猛命(いそたけるのみこと)は神武天皇に徹底的に反抗した罰とし
>p1048
て被差別階級民に堕とされ陵墓造りを生業とする陵部(さざきべ)にならされたのである。
しかしそのことを歴史から消して大屋毗古命(おほやひこのみこと)と五十猛命(いそたけるのみこと)を同一人物としてごまかしたのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)と木国造荒河戸畔(きのくにのみやつこあらかわとべ)の娘遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)との間に生まれた子は豊城入彦命(とよきいれひこのみこと)と豊鍬入媛命(とよすきいれひめのみこと)の二人である。
ところでここで入彦(いりひこ)と入媛(いりひめ)について説明して置かねばならないであろう。
世間では御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家へ婿入(むこいり)したから入彦(いりひこ)と言うのだろうと考えている
>p1049
人々もある。
しかし皇室の系図や古事記や日本書紀を正しいと信ずる限り、
御真木入彦(みまきいれひこ)が天皇家へ婿入(むこい)りしたことにはなっていないのである。
更に豊城入彦(とよきいれひこ)も他家へ婿入りしたことになっていないのである。
だから入彦(いれひこ)は入婿(いりむこ)のことだと考えるのは誤りである。
それに入媛(いりひめ)とはどの様な意味かと言うと他家へ婿入りしたから入媛(いりひめ)と言うのだと考えたのでは説明にならないのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家の血統ではなく饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で被
>p1050
差別階級の出身であるにもかゝわらず、
開化(かいか)天皇の皇子と言うことにして皇室の系図へ書き込んだのである。
しかし兇賊の子孫であり被差別階級出身の御真木入彦(みまきいれひこ)を皇室の系図に書き込むことについては天皇家の血統の人々の間で反発があったのである。
それでこの男は開化(かいか)天皇の皇子として皇室の系図に書き込んであるけれども、
本当は天皇家の子孫ではないのだと言うことが判る様にと「入彦(いれひこ)」と言うことにして区別しているのである。
>p1051
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家とは全く血縁関係のなかった男であり、
彼の妻の遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)も天皇家とは全く血縁関係のない女性だったのである。
従って御真木入彦(みまきいれひこ)と遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)との間に生まれた豊木入彦(とよきいれひこ)と豊鍬入媛(とよすきいれひめ)の二人も天皇家とは全く血縁関係のない人間だったのである。
しかし御真木入彦を開化(かいか)天皇の皇子とし崇神(すじん)天皇として系図へ書き込んだから彼の妻は庶民の妻であったにもかゝわらず崇神(すじん)天皇妃と言うことになったのである。
>p1052
更に御真木入彦(みまきいれひこ)の子の豊城入彦(とよきいれひこ)と豊鍬入媛(とよすきいれひめ)の二人は庶民の子であるにもかゝわらず崇神(すじん)天皇の皇子と皇女と言うことにされて皇室の系図に記録されたのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は本当は御真木彦(みまきひこ)であり、
豊城入彦(とよきいれひこ)は本当は豊木彦(とよきひこ)であり、
豊鍬入媛(とよすきいりひめ)は本当は豊鍬媛(とよすきひめ)だったのであるが、
それぞれの名に入(いれ)の字を加えて御真木入彦(みまきいれひこ)、
豊城入彦(とよきいれひこ)、豊鍬入媛(とよすきいれひめ)として彼らは天皇家に生まれた皇子や皇女ではないと言う目印(めじるし)にしたのである。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦
【二、1】御真木入彦の妻子
［p1047-1行〜p1052-10行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
［p1047/p1035~p1212］
【二、1】御真木入彦の妻子
［p1047/p1047~p1071］
>p1047-1行~
御真木入彦(みまきいれひこ)の初めの妻は木国造荒河戸畔(きのくにのみやつこあらかわとべ)の娘遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)と言われている。
これは諡(おくりな)であり本名は不明である。
木国造(きのくにのみやつこ)は須佐之男命の子大屋毗古命(おほやひこのみこと)の子孫である。
大屋毗古命(おほやひこのみこと)の子孫の人々は神武(じんむ)東征の時天皇軍に対して協力的であったから、
大和平定後神武天皇から木国造(きのくにのみやつこ)に任じられたのである。
それに対して出雲の八束水臣津努命(やつかみずおみつぬのみこと)の子五十猛命(いそたけるのみこと)は神武天皇に徹底的に反抗した罰とし
>p1048
て被差別階級民に堕とされ陵墓造りを生業とする陵部(さざきべ)にならされたのである。
しかしそのことを歴史から消して大屋毗古命(おほやひこのみこと)と五十猛命(いそたけるのみこと)を同一人物としてごまかしたのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)と木国造荒河戸畔(きのくにのみやつこあらかわとべ)の娘遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)との間に生まれた子は豊城入彦命(とよきいれひこのみこと)と豊鍬入媛命(とよすきいれひめのみこと)の二人である。
ところでここで入彦(いりひこ)と入媛(いりひめ)について説明して置かねばならないであろう。
世間では御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家へ婿入(むこいり)したから入彦(いりひこ)と言うのだろうと考えている
>p1049
人々もある。
しかし皇室の系図や古事記や日本書紀を正しいと信ずる限り、
御真木入彦(みまきいれひこ)が天皇家へ婿入(むこい)りしたことにはなっていないのである。
更に豊城入彦(とよきいれひこ)も他家へ婿入りしたことになっていないのである。
だから入彦(いれひこ)は入婿(いりむこ)のことだと考えるのは誤りである。
それに入媛(いりひめ)とはどの様な意味かと言うと他家へ婿入りしたから入媛(いりひめ)と言うのだと考えたのでは説明にならないのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家の血統ではなく饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で被
>p1050
差別階級の出身であるにもかゝわらず、
開化(かいか)天皇の皇子と言うことにして皇室の系図へ書き込んだのである。
しかし兇賊の子孫であり被差別階級出身の御真木入彦(みまきいれひこ)を皇室の系図に書き込むことについては天皇家の血統の人々の間で反発があったのである。
それでこの男は開化(かいか)天皇の皇子として皇室の系図に書き込んであるけれども、
本当は天皇家の子孫ではないのだと言うことが判る様にと「入彦(いれひこ)」と言うことにして区別しているのである。
>p1051
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家とは全く血縁関係のなかった男であり、
彼の妻の遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)も天皇家とは全く血縁関係のない女性だったのである。
従って御真木入彦(みまきいれひこ)と遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)との間に生まれた豊木入彦(とよきいれひこ)と豊鍬入媛(とよすきいれひめ)の二人も天皇家とは全く血縁関係のない人間だったのである。
しかし御真木入彦を開化(かいか)天皇の皇子とし崇神(すじん)天皇として系図へ書き込んだから彼の妻は庶民の妻であったにもかゝわらず崇神(すじん)天皇妃と言うことになったのである。
>p1052
更に御真木入彦(みまきいれひこ)の子の豊城入彦(とよきいれひこ)と豊鍬入媛(とよすきいれひめ)の二人は庶民の子であるにもかゝわらず崇神(すじん)天皇の皇子と皇女と言うことにされて皇室の系図に記録されたのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は本当は御真木彦(みまきひこ)であり、
豊城入彦(とよきいれひこ)は本当は豊木彦(とよきひこ)であり、
豊鍬入媛(とよすきいりひめ)は本当は豊鍬媛(とよすきひめ)だったのであるが、
それぞれの名に入(いれ)の字を加えて御真木入彦(みまきいれひこ)、
豊城入彦(とよきいれひこ)、豊鍬入媛(とよすきいれひめ)として彼らは天皇家に生まれた皇子や皇女ではないと言う目印(めじるし)にしたのである。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦
【二、1】御真木入彦の妻子
［p1047-1行〜p1052-10行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔４〕
［p1053/p1035~p1212］
【二、２】御真木入彦の妻子
［p1053/p1047~p1071］
>p1053-1行~
だから入彦(いりひこ)、入媛(いりひめ)と読むべきではなく入彦(いれひこ)、
入媛(いれひめ)と読むのが正しいのである。
しかるに入彦(いりひこ)、入媛(いりひめ)と言うのは血統を表わす言葉だと思って系図の中から入彦(いりひこ)、
入媛(いりひめ)のつく人を選び出して新しい系図を作った馬鹿がいるが、
入(いり)のつく血統と言うものはないのである。
入彦(いれひこ)の始まりは御真木入彦(みまきいれひこ)であり、
豊城入彦(とよきいれひこ)、豊鍬入媛(とよすきいれひめ)は確かに御真木入彦(みまきいれひこ)の子であるが、
入彦(いれひこ)、入媛(いれひめ)のつくのはすべて御真木入彦(みまきいれひこ)の子孫かと言うとそうではないのである。
>p1054
御真木入彦(みまきいれひこ)の妻は古事記では遠津年魚目目微比売(とほつあゆめまぐわしひめ)と尾張連(をはりのむらぢ)の娘意富阿麻比売(おほあまひめ)と大毗古命(おほひこのみこと)の娘御眞津比売命(みまつひめのみこと)の三人となっている。
そして意富阿麻比売(おほあまひめ)との間に生まれた子は大入杵命(おほいりきのみこと)、
八坂之入日子命(やさかのいれひこのみこと)、沼名木之入日売命(ぬなきのいれひめのみこと)、
十市之入日売命(とをちのいれひめのみこと)の四人となっている。
しかし大入杵命(おほいりきのみこと)は御真木入彦(みまきいれひこ)の子ではないから入彦(いれひこ)になっていないのである。
大入杵命(おほいりきのみこと)はすでに述べた如く若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の三男である。
古事記では大入杵命(おほいりきのみこと)は能登臣(のとのおみ)の祖となって
>p1055
いる。
そして孝霊(こうれい)天皇皇子日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)は高志利波臣(こしのとなみのおみ)、
豊国国前臣(とよくにのくにさきのおみ)、五百原君(いほはらのきみ)、角鹿済直(つぬがのわたりのあたひ)らの祖となっている。
日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の別名である。
そして高志利波臣(こしのとなみのおみ)らのすべてが若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の子孫なのである。
しかし若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の子の誰が高志(こし)の利波臣(となみのおみ)の祖となったのかと言うことは消されてしまったのである。
高志(こし)の利波(となみ)とは今の富山県西砺波(にしとなみ)郡、東砺波(となみ)郡のあたりである。
能登(のと)とは今の石川県の
>p1056
能登(のと)半島である。
そして能登半島のつけ根の部分の東が富山県の西砺波(にしとなみ)郡である。
だから能登(のと)の隣が利波(となみ)なのである。
つまり若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の三男大入杵命(おほいりきのみこと)が能登臣(のとのおみ)と利波臣(となみのおみ)の祖となったのである。
しかるに大入杵命(おほいりきのみこと)を御真木入彦(みまきいれひこ)の子としてごまかし能登臣(のとのおみ)の祖とし、
日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)を利波臣(となみのおみ)の祖としてごまかしたのである。
故に御真木入彦(みまきいれひこ)と尾張連(をはりのむらぢ)の娘意富阿麻比売(おほあまひめ)との間に生まれた子は八坂之入日子(やさかのいれひこ)、
沼名木之入日売(ぬなきのいれひめ)、十市之入日売(とをちのいれひめ)の三
>p1057
人なのである。
次に御真木入彦と大毗古命(おほひこのみこと)の娘御眞津比売(みまつひめ)との間に生まれた子は伊玖米入日子伊沙知命(いくめいりひこいさちのみこと)、
伊邪能眞若命(いざのまわかのみこと)、国方比売命(くにかたひめのみこと)、千々都久和比売命(ちぢつくやまとひめのみこと)、
伊賀比売命(いがひめのみこと)、倭日子命(やまとひこのみこと)の六人となっている。
しかしこの中で本当に御真木入彦と御眞津比売(みまつひめ)との間に生まれた子は伊玖米入日子伊沙知命(いくめいりひこいさちのみこと)が一人丈である。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦
【二、２】御真木入彦の妻子
［p1053-1行〜p1057-7行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
［p1053/p1035~p1212］
【二、２】御真木入彦の妻子
［p1053/p1047~p1071］
>p1053-1行~
だから入彦(いりひこ)、入媛(いりひめ)と読むべきではなく入彦(いれひこ)、
入媛(いれひめ)と読むのが正しいのである。
しかるに入彦(いりひこ)、入媛(いりひめ)と言うのは血統を表わす言葉だと思って系図の中から入彦(いりひこ)、
入媛(いりひめ)のつく人を選び出して新しい系図を作った馬鹿がいるが、
入(いり)のつく血統と言うものはないのである。
入彦(いれひこ)の始まりは御真木入彦(みまきいれひこ)であり、
豊城入彦(とよきいれひこ)、豊鍬入媛(とよすきいれひめ)は確かに御真木入彦(みまきいれひこ)の子であるが、
入彦(いれひこ)、入媛(いれひめ)のつくのはすべて御真木入彦(みまきいれひこ)の子孫かと言うとそうではないのである。
>p1054
御真木入彦(みまきいれひこ)の妻は古事記では遠津年魚目目微比売(とほつあゆめまぐわしひめ)と尾張連(をはりのむらぢ)の娘意富阿麻比売(おほあまひめ)と大毗古命(おほひこのみこと)の娘御眞津比売命(みまつひめのみこと)の三人となっている。
そして意富阿麻比売(おほあまひめ)との間に生まれた子は大入杵命(おほいりきのみこと)、
八坂之入日子命(やさかのいれひこのみこと)、沼名木之入日売命(ぬなきのいれひめのみこと)、
十市之入日売命(とをちのいれひめのみこと)の四人となっている。
しかし大入杵命(おほいりきのみこと)は御真木入彦(みまきいれひこ)の子ではないから入彦(いれひこ)になっていないのである。
大入杵命(おほいりきのみこと)はすでに述べた如く若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の三男である。
古事記では大入杵命(おほいりきのみこと)は能登臣(のとのおみ)の祖となって
>p1055
いる。
そして孝霊(こうれい)天皇皇子日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)は高志利波臣(こしのとなみのおみ)、
豊国国前臣(とよくにのくにさきのおみ)、五百原君(いほはらのきみ)、角鹿済直(つぬがのわたりのあたひ)らの祖となっている。
日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の別名である。
そして高志利波臣(こしのとなみのおみ)らのすべてが若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の子孫なのである。
しかし若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の子の誰が高志(こし)の利波臣(となみのおみ)の祖となったのかと言うことは消されてしまったのである。
高志(こし)の利波(となみ)とは今の富山県西砺波(にしとなみ)郡、東砺波(となみ)郡のあたりである。
能登(のと)とは今の石川県の
>p1056
能登(のと)半島である。
そして能登半島のつけ根の部分の東が富山県の西砺波(にしとなみ)郡である。
だから能登(のと)の隣が利波(となみ)なのである。
つまり若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の三男大入杵命(おほいりきのみこと)が能登臣(のとのおみ)と利波臣(となみのおみ)の祖となったのである。
しかるに大入杵命(おほいりきのみこと)を御真木入彦(みまきいれひこ)の子としてごまかし能登臣(のとのおみ)の祖とし、
日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)を利波臣(となみのおみ)の祖としてごまかしたのである。
故に御真木入彦(みまきいれひこ)と尾張連(をはりのむらぢ)の娘意富阿麻比売(おほあまひめ)との間に生まれた子は八坂之入日子(やさかのいれひこ)、
沼名木之入日売(ぬなきのいれひめ)、十市之入日売(とをちのいれひめ)の三
>p1057
人なのである。
次に御真木入彦と大毗古命(おほひこのみこと)の娘御眞津比売(みまつひめ)との間に生まれた子は伊玖米入日子伊沙知命(いくめいりひこいさちのみこと)、
伊邪能眞若命(いざのまわかのみこと)、国方比売命(くにかたひめのみこと)、千々都久和比売命(ちぢつくやまとひめのみこと)、
伊賀比売命(いがひめのみこと)、倭日子命(やまとひこのみこと)の六人となっている。
しかしこの中で本当に御真木入彦と御眞津比売(みまつひめ)との間に生まれた子は伊玖米入日子伊沙知命(いくめいりひこいさちのみこと)が一人丈である。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦
【二、２】御真木入彦の妻子
［p1053-1行〜p1057-7行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔５〕
［p1057/p1035~p1212］
【二、3】御真木入彦の妻子
［p1057/p1047~p1071］
>p1057-9行~
伊耶能眞若命(いざのまわかのみこと)は伊佐佐之眞若命(いざさのまわかのみこと)と言うことであり、
若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男伊佐佐(いささ)
>p1058
彦命(ひこのみこと)のことである。
伊佐佐彦命(いささひこのみこと)は伊邪佐彦命(いざさひこのみこと)とも呼ばれたのであり、
眞若命(まわかのみこと)とは後世の若君(わかぎみ)、
若様(わかさま)と言うのと同じ様な尊称なのである。
伊佐佐彦命(いささひこのみこと)は女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の甥であり摂政(せっしょう)でもあった若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男であり、
女帝の後継者として認められていたのである。
だから伊佐佐之眞若命(いささのまわかのみこと)と言う尊称で呼ばれていたのである。
それを御真木入彦の子としてごまかしたのである。
国方比売命(くにかたひめのみこと)は讃岐(さぬき)の豪族天板根命(あめのいたねのみこと)の娘であ
>p1059
り、若日子建吉備津日子命の二男で讃岐国造(さぬきのくにのみやつこ)の祖となった鶴彦命(つるひこのみこと)の妃だった女性である。
千千都久和比売命(ちちつくやまとひめのみこと)と言うのは本名が倭媛命であるが皇太神宮の初代斉宮(いつきのみや)となった倭媛命と区別するために千千都久和比売(ちちつくやまとひめ)としているのである。
千千都久(ちぢつく)とは千千(ちぢ)の付くと言う意味であり、
千千(ちぢ)とは天押帯日子命(あめのおしたらしひこのみこと)の妃千千速眞若媛(ちぢはやまわかひめ)、
天押帯日子命(あめのおしたらしひこのみこと)の娘で稚日本根子彦大日命(わかやまとねこひこおほひひのみこと)の妃となった姥津媛(ばばつひめ)こと千千速媛命(ちぢはやひめのみこと)らと同じ血統の女性であるから千千(ちぢ)が付くと言うこ
>p1060
とを表しているのである。
だから千千(ちぢ)の付(つ)く倭媛命と言う意味である。
従って千千都久和比売命(ちぢつくやまとひめのみこと)は天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子彦姥津命(ひこばはつのみこと)の子である彦国葺命(ひこくにふくのみこと)の娘であり、
御真木入彦の子ではないのである。
和珥臣彦国葺命(わにのおみひこくにふくのみこと)の娘倭媛命(やまとひめのみこと)は若日子建吉備津日子命の四男で伊賀国造(いがくにのみやつこ)祖となった若木日子命の妃となったのである。
そして御真木入彦の娘となっている伊賀媛命(いがひめのみこと)は伊賀国造(いがくにのみやつこ)若木日子命の妃倭媛命またの名は千千都久和比売(ちぢつくやまとひめ)
>p1061
命(のみこと)の別名なのである。
次に倭日子命(やまとひこのみこと)は和珥臣彦国葺命(わにのおみひこくにふくのみこと)の子であり倭媛命の弟なのである。
だから御真木入彦と御眞津媛(みまつひめ)との間に生まれた子は伊玖米入日子伊沙知命(いくめいれひこいさちのみこと)が一人丈なのである。
しかるに後世古事記を書く時に太安万侶(おほのやすまろ)と稗田阿礼(ひえだのあれ)が共謀して天皇ではなかった御真木入彦を崇神天皇として大嘘の歴史や系図をでっちあげたのであり、
崇神天皇には大勢の立派な皇子や皇女があったことにして見栄を張るために吉備氏
>p1062
や和珥(わに)氏の人々の名を盗んで御真木入彦の子としてごまかしたのである。
次に日本書紀では御間城入彦(みまきいれひこ)即ち崇神天皇皇后は大彦命(おほひこのみこと)の娘御間城媛(みまきひめ)としている。
しかし大彦命(おほひこのみこと)の娘の名は御眞津媛命(みまつひめのみこと)が本当であり御間城媛(みまきひめ)と言うのはごまかしである。
これは御真木入彦の素性をごまかすための嘘である。
御真木入彦の母は大綜麻杵(おほそうまき)の娘伊香色謎命(いかがしこめのみこと)となっている。
開化(かいか)天皇と皇后伊香色謎命(いかがしこめのみこと)との間に生まれた皇子が御真木入彦(みまきいれひこ)即ち崇神(すじん)天皇
>p1063
と言うのは古事記も日本書紀も共通である。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔５〕
【二、3】御真木入彦の妻子
［p1057-9行~p1063-1行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
［p1057/p1035~p1212］
【二、3】御真木入彦の妻子
［p1057/p1047~p1071］
>p1057-9行~
伊耶能眞若命(いざのまわかのみこと)は伊佐佐之眞若命(いざさのまわかのみこと)と言うことであり、
若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男伊佐佐(いささ)
>p1058
彦命(ひこのみこと)のことである。
伊佐佐彦命(いささひこのみこと)は伊邪佐彦命(いざさひこのみこと)とも呼ばれたのであり、
眞若命(まわかのみこと)とは後世の若君(わかぎみ)、
若様(わかさま)と言うのと同じ様な尊称なのである。
伊佐佐彦命(いささひこのみこと)は女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の甥であり摂政(せっしょう)でもあった若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男であり、
女帝の後継者として認められていたのである。
だから伊佐佐之眞若命(いささのまわかのみこと)と言う尊称で呼ばれていたのである。
それを御真木入彦の子としてごまかしたのである。
国方比売命(くにかたひめのみこと)は讃岐(さぬき)の豪族天板根命(あめのいたねのみこと)の娘であ
>p1059
り、若日子建吉備津日子命の二男で讃岐国造(さぬきのくにのみやつこ)の祖となった鶴彦命(つるひこのみこと)の妃だった女性である。
千千都久和比売命(ちちつくやまとひめのみこと)と言うのは本名が倭媛命であるが皇太神宮の初代斉宮(いつきのみや)となった倭媛命と区別するために千千都久和比売(ちちつくやまとひめ)としているのである。
千千都久(ちぢつく)とは千千(ちぢ)の付くと言う意味であり、
千千(ちぢ)とは天押帯日子命(あめのおしたらしひこのみこと)の妃千千速眞若媛(ちぢはやまわかひめ)、
天押帯日子命(あめのおしたらしひこのみこと)の娘で稚日本根子彦大日命(わかやまとねこひこおほひひのみこと)の妃となった姥津媛(ばばつひめ)こと千千速媛命(ちぢはやひめのみこと)らと同じ血統の女性であるから千千(ちぢ)が付くと言うこ
>p1060
とを表しているのである。
だから千千(ちぢ)の付(つ)く倭媛命と言う意味である。
従って千千都久和比売命(ちぢつくやまとひめのみこと)は天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子彦姥津命(ひこばはつのみこと)の子である彦国葺命(ひこくにふくのみこと)の娘であり、
御真木入彦の子ではないのである。
和珥臣彦国葺命(わにのおみひこくにふくのみこと)の娘倭媛命(やまとひめのみこと)は若日子建吉備津日子命の四男で伊賀国造(いがくにのみやつこ)祖となった若木日子命の妃となったのである。
そして御真木入彦の娘となっている伊賀媛命(いがひめのみこと)は伊賀国造(いがくにのみやつこ)若木日子命の妃倭媛命またの名は千千都久和比売(ちぢつくやまとひめ)
>p1061
命(のみこと)の別名なのである。
次に倭日子命(やまとひこのみこと)は和珥臣彦国葺命(わにのおみひこくにふくのみこと)の子であり倭媛命の弟なのである。
だから御真木入彦と御眞津媛(みまつひめ)との間に生まれた子は伊玖米入日子伊沙知命(いくめいれひこいさちのみこと)が一人丈なのである。
しかるに後世古事記を書く時に太安万侶(おほのやすまろ)と稗田阿礼(ひえだのあれ)が共謀して天皇ではなかった御真木入彦を崇神天皇として大嘘の歴史や系図をでっちあげたのであり、
崇神天皇には大勢の立派な皇子や皇女があったことにして見栄を張るために吉備氏
>p1062
や和珥(わに)氏の人々の名を盗んで御真木入彦の子としてごまかしたのである。
次に日本書紀では御間城入彦(みまきいれひこ)即ち崇神天皇皇后は大彦命(おほひこのみこと)の娘御間城媛(みまきひめ)としている。
しかし大彦命(おほひこのみこと)の娘の名は御眞津媛命(みまつひめのみこと)が本当であり御間城媛(みまきひめ)と言うのはごまかしである。
これは御真木入彦の素性をごまかすための嘘である。
御真木入彦の母は大綜麻杵(おほそうまき)の娘伊香色謎命(いかがしこめのみこと)となっている。
開化(かいか)天皇と皇后伊香色謎命(いかがしこめのみこと)との間に生まれた皇子が御真木入彦(みまきいれひこ)即ち崇神(すじん)天皇
>p1063
と言うのは古事記も日本書紀も共通である。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔５〕
【二、3】御真木入彦の妻子
［p1057-9行~p1063-1行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔６〕
［p1063/p1035~p1212］
【二、4】御真木入彦の妻子
［p1063/p1047~p1071］
>p1063-2行~
しかし古事記は更に開化(かいか)天皇と伊香色謎命(いかがしこめのみこと)との間に御眞津媛命(みまつひめのみこと)が生まれたことにしているのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)も御眞津媛(みまつひめ)も開化(かいか)天皇の子ではないのである。
そして伊香色謎命(いかがしこめのみこと)は開化(かいか)天皇の皇后ではないのである。
しかし御眞津媛(みまつひめ)は伊香色謎命(いかがしこめのみこと)の娘だったのである。
御眞津媛(みまつひめ)は大彦命(おほひこのみこと)の娘であると共に伊香色謎命(いかがしこめのみこと)の娘でもあった訳である。
それは伊香色謎命(いかがしこめのみこと)は開化(かいか)天皇の皇后と言うのは大嘘であり、国(くに)
>p1064
玖琉命(くるのみこと)の長男大彦命(おほひこのみこと)の妃だったからである。
古事記では穂積(ほづみ)臣らの祖内色許男命(うつしこをのみこと)の娘伊迦賀色許売命(いかがしこめのみこと)と書いてあり、
日本書紀では物部氏(もののべし)の遠祖大綜麻杵(おほそうまき)の娘伊香色謎命(いかがしこめのみこと)となっているのは後世の人々を迷わせごまかすためである。
内色許男命(うつしこをのみこと)が葬儀部(もののべ)の頭(かしら)であると共に葬儀に必要な棺桶を作る人々の親方即ち大綜麻杵(おほそうまき)だったのである。
麻杵(まき)とは即ち槇(まき)の木と言う意味であり、
槇(まき)の木は棺桶を作る材料とされていたのである。
>p1065
だから大綜麻杵(おほそうまき)と言うのは人名ではなく職業名であり、
葬儀部(もののべ)の頭(かしら)内色許男命(うつしこをのみこと)が同時に棺桶造りの親方大綜麻杵(おほそうまき)だったのであり、
穂積(ほづみ)氏も物部(もののべ)氏も共に内色許男命(うつしこをのみこと)の子孫なのである。
そして内色許男命(うつしこをのみこと)の娘細媛命(ささひめのみこと)を大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が妃に迎えた関係で、
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)は細媛命(ささひめのみこと)の妹伊香色謎命(いかがしこめのみこと)を大彦命(おほひこのみこと)の妃にすゝめたのである。
何故ならばそうすることによって大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の一族と内色許男命(うつしこをのみこと)の一族と大彦命(おほひこのみこと)の一族とが親族となるからであ
>p1066
る。大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)は陵部(さざきべ)の国玖琉命(くにくるのみこと)や葬儀部(もののべ)の内色許男命(うつしこをのみこと)らを被差別階級から解放するに当たって、
彼らの一族と婚姻を結び、
彼らと親族となって仲良く助け合うことの出来る世の中にしようと努力したのである。
しかし厭く迄も心の邪悪な御真木入彦(みまきいれひこ)は大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の死後、
天皇家から皇位を奪取しようと考え、
実際に皇位を奪ったのである。
そのことについては後で詳しく述べよう。
ところで内色許男命(うつしこをのみこと)の娘伊香色謎命(いかがしこめのみこと)の弟が御真(みま)
>p1067
木入彦(きいれひこ)であり、
大彦命(おほひこのみこと)と伊香色謎命(いかがしこめのみこと)との間に生まれた御眞津媛命(みまつひめのみこと)が御真木入彦(みまきいれひこ)の妻になったのであるから御眞津媛命(みまつひめのみこと)は御真木入彦(みまきいれひこ)の姪だったのである。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔６〕
【二、4】御真木入彦の妻子
［p1063-2行~p1067-4行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
［p1063/p1035~p1212］
【二、4】御真木入彦の妻子
［p1063/p1047~p1071］
>p1063-2行~
しかし古事記は更に開化(かいか)天皇と伊香色謎命(いかがしこめのみこと)との間に御眞津媛命(みまつひめのみこと)が生まれたことにしているのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)も御眞津媛(みまつひめ)も開化(かいか)天皇の子ではないのである。
そして伊香色謎命(いかがしこめのみこと)は開化(かいか)天皇の皇后ではないのである。
しかし御眞津媛(みまつひめ)は伊香色謎命(いかがしこめのみこと)の娘だったのである。
御眞津媛(みまつひめ)は大彦命(おほひこのみこと)の娘であると共に伊香色謎命(いかがしこめのみこと)の娘でもあった訳である。
それは伊香色謎命(いかがしこめのみこと)は開化(かいか)天皇の皇后と言うのは大嘘であり、国(くに)
>p1064
玖琉命(くるのみこと)の長男大彦命(おほひこのみこと)の妃だったからである。
古事記では穂積(ほづみ)臣らの祖内色許男命(うつしこをのみこと)の娘伊迦賀色許売命(いかがしこめのみこと)と書いてあり、
日本書紀では物部氏(もののべし)の遠祖大綜麻杵(おほそうまき)の娘伊香色謎命(いかがしこめのみこと)となっているのは後世の人々を迷わせごまかすためである。
内色許男命(うつしこをのみこと)が葬儀部(もののべ)の頭(かしら)であると共に葬儀に必要な棺桶を作る人々の親方即ち大綜麻杵(おほそうまき)だったのである。
麻杵(まき)とは即ち槇(まき)の木と言う意味であり、
槇(まき)の木は棺桶を作る材料とされていたのである。
>p1065
だから大綜麻杵(おほそうまき)と言うのは人名ではなく職業名であり、
葬儀部(もののべ)の頭(かしら)内色許男命(うつしこをのみこと)が同時に棺桶造りの親方大綜麻杵(おほそうまき)だったのであり、
穂積(ほづみ)氏も物部(もののべ)氏も共に内色許男命(うつしこをのみこと)の子孫なのである。
そして内色許男命(うつしこをのみこと)の娘細媛命(ささひめのみこと)を大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が妃に迎えた関係で、
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)は細媛命(ささひめのみこと)の妹伊香色謎命(いかがしこめのみこと)を大彦命(おほひこのみこと)の妃にすゝめたのである。
何故ならばそうすることによって大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の一族と内色許男命(うつしこをのみこと)の一族と大彦命(おほひこのみこと)の一族とが親族となるからであ
>p1066
る。大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)は陵部(さざきべ)の国玖琉命(くにくるのみこと)や葬儀部(もののべ)の内色許男命(うつしこをのみこと)らを被差別階級から解放するに当たって、
彼らの一族と婚姻を結び、
彼らと親族となって仲良く助け合うことの出来る世の中にしようと努力したのである。
しかし厭く迄も心の邪悪な御真木入彦(みまきいれひこ)は大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の死後、
天皇家から皇位を奪取しようと考え、
実際に皇位を奪ったのである。
そのことについては後で詳しく述べよう。
ところで内色許男命(うつしこをのみこと)の娘伊香色謎命(いかがしこめのみこと)の弟が御真(みま)
>p1067
木入彦(きいれひこ)であり、
大彦命(おほひこのみこと)と伊香色謎命(いかがしこめのみこと)との間に生まれた御眞津媛命(みまつひめのみこと)が御真木入彦(みまきいれひこ)の妻になったのであるから御眞津媛命(みまつひめのみこと)は御真木入彦(みまきいれひこ)の姪だったのである。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔６〕
【二、4】御真木入彦の妻子
［p1063-2行~p1067-4行］
〇令和元年12月（2019年）
福田 扶士男。五瀬月。
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔７〕
［p1067/p1035~p1212］
【二、5.終】御真木入彦の妻子
［p1067/p1047~p1071］
>p1067-5行~
さて日本書紀では崇神(すじん)天皇と皇后御間城媛(みまきひめ)との間に生まれた子は活目入彦五十狭茅天皇(いくめいれひこいさちのすめらみこと)、
彦五十狭茅命(ひこいさちのみこと)、国方媛命(くにかたひめのみこと)、千千衝倭媛命(ちぢつくやまとひめのみこと)、倭彦命(やまとひこのみこと)、
五十日鶴彦命(いかつるひこのみこと)らの六人となっているが活目入彦(いくめいれひこ)と彦五十狭茅命(ひこいさちのみこと)は同一人物であり、
国方媛命(くにかたひめのみこと)は讃岐の豪族天板根命(あめのいたねのみこと)の娘であり、
>p1068
千千衝倭媛命(ちぢつくやまとひめのみこと)は彦国葺命(ひこくにふくのみこと)の娘であり、
倭彦命(やまとひこのみこと)も彦国葺命(ひこくにふくのみこと)の子であり、
五十日鶴彦命(いかつるひこのみこと)は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の子鶴彦命(つるひこのみこと)の名を変えてごまかしているのである。
日本書紀では御間城入彦(みまきいれひこ)と紀伊国(きのくに)の荒川戸畔(あらかわとべ)の娘遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくはしひめ)との間に生まれた子は豊城入彦命(とよきいれひこのみこと)、
豊鍬入媛命(とよすきいれひめのみこと)の二人としているがこれは古事記と共通である。
更に御間城入彦(みまきいれひこ)と尾張大海媛(をはりのおほあまひめ)との間に生まれた子は八坂入彦命(やさかのいれひこのみこと)、
停名城入媛命(ぬなきいれひめのみこと)、十市瓊入媛命(とをちにいれひめのみこと)の二人と
>p1069
しているが、これは本当である。
故に御真木入彦(みまきいれひこ)には三人の妻と六人の子女があったのであるが、
いずれも入彦(いれひこ)、入媛(いれひめ)となっているのである。
それは御真木入彦(みまきいれひこ)自身が葬儀部(もののべ)の内色許男命(うつしこをのみこと)の子であるにもかゝわらず開化(かいか)天皇皇子として皇統譜(こうとうふ)に書き入れたから入彦(いれひこ)として目印にしているのであり、
御真木入彦(みまきいれひこ)の子女六人はいずれも天皇家の子孫でないにもかゝわらず崇神(すじん)天皇の皇子、
皇女として皇統譜(こうとうふ)に書き入れられたから入彦(いれひこ)、入媛(いれひめ)として区別
>p1070
しているのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は１７１年に生まれたのである。
だから二十才位で結婚したとすれば１９０年頃となる。
御真木入彦(みまきいれひこ)の最初の妻が遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)であり、
二人の間に豊城入彦(とよきいれひこ)が生まれたのは大体１９２３年頃であり、
豊鍬入媛(とよすきいれひめ)が生まれたのは１９５年頃と思うのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)が御眞津媛(みまつひめ)と結婚したのは２００年を過ぎてからのことである。
何故ならば御眞津媛(みまつひめ)は御真木入彦(みまきいれひこ)よりずっと年下であっ
>p1071
たからである。
御眞津媛(みまつひめ)が生まれたのは大体１８５年から１９０年迄の間と考えられるのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)と御眞津媛命(みまつひめのみこと)との間に活目入彦(いくめいれひこ)が生まれたのは２０５年のことである。
だから御真木入彦(みまきいれひこ)と御眞津媛命(みまつひめのみこと)が結婚したのは２０３年か２０４年であり、
御真木入彦(みまきいれひこ)が三十三才位、御眞津媛(みまつひめ)が十五六才位だったと考えられるのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)が尾張(をはり)の大海媛(おほあまひめ)を妻にしたのは２０５年よりずっと後であろうと思うのである。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔７〕
【二、5.終】御真木入彦の妻子
［p1067-5行~p1071-10行］
〇令和元年十二月（2019年）
苅場 扶士男。五瀬月。
［p1067/p1035~p1212］
【二、5.終】御真木入彦の妻子
［p1067/p1047~p1071］
>p1067-5行~
さて日本書紀では崇神(すじん)天皇と皇后御間城媛(みまきひめ)との間に生まれた子は活目入彦五十狭茅天皇(いくめいれひこいさちのすめらみこと)、
彦五十狭茅命(ひこいさちのみこと)、国方媛命(くにかたひめのみこと)、千千衝倭媛命(ちぢつくやまとひめのみこと)、倭彦命(やまとひこのみこと)、
五十日鶴彦命(いかつるひこのみこと)らの六人となっているが活目入彦(いくめいれひこ)と彦五十狭茅命(ひこいさちのみこと)は同一人物であり、
国方媛命(くにかたひめのみこと)は讃岐の豪族天板根命(あめのいたねのみこと)の娘であり、
>p1068
千千衝倭媛命(ちぢつくやまとひめのみこと)は彦国葺命(ひこくにふくのみこと)の娘であり、
倭彦命(やまとひこのみこと)も彦国葺命(ひこくにふくのみこと)の子であり、
五十日鶴彦命(いかつるひこのみこと)は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の子鶴彦命(つるひこのみこと)の名を変えてごまかしているのである。
日本書紀では御間城入彦(みまきいれひこ)と紀伊国(きのくに)の荒川戸畔(あらかわとべ)の娘遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくはしひめ)との間に生まれた子は豊城入彦命(とよきいれひこのみこと)、
豊鍬入媛命(とよすきいれひめのみこと)の二人としているがこれは古事記と共通である。
更に御間城入彦(みまきいれひこ)と尾張大海媛(をはりのおほあまひめ)との間に生まれた子は八坂入彦命(やさかのいれひこのみこと)、
停名城入媛命(ぬなきいれひめのみこと)、十市瓊入媛命(とをちにいれひめのみこと)の二人と
>p1069
しているが、これは本当である。
故に御真木入彦(みまきいれひこ)には三人の妻と六人の子女があったのであるが、
いずれも入彦(いれひこ)、入媛(いれひめ)となっているのである。
それは御真木入彦(みまきいれひこ)自身が葬儀部(もののべ)の内色許男命(うつしこをのみこと)の子であるにもかゝわらず開化(かいか)天皇皇子として皇統譜(こうとうふ)に書き入れたから入彦(いれひこ)として目印にしているのであり、
御真木入彦(みまきいれひこ)の子女六人はいずれも天皇家の子孫でないにもかゝわらず崇神(すじん)天皇の皇子、
皇女として皇統譜(こうとうふ)に書き入れられたから入彦(いれひこ)、入媛(いれひめ)として区別
>p1070
しているのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は１７１年に生まれたのである。
だから二十才位で結婚したとすれば１９０年頃となる。
御真木入彦(みまきいれひこ)の最初の妻が遠津年魚眼眼妙媛(とほつあゆめまくわしひめ)であり、
二人の間に豊城入彦(とよきいれひこ)が生まれたのは大体１９２３年頃であり、
豊鍬入媛(とよすきいれひめ)が生まれたのは１９５年頃と思うのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)が御眞津媛(みまつひめ)と結婚したのは２００年を過ぎてからのことである。
何故ならば御眞津媛(みまつひめ)は御真木入彦(みまきいれひこ)よりずっと年下であっ
>p1071
たからである。
御眞津媛(みまつひめ)が生まれたのは大体１８５年から１９０年迄の間と考えられるのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)と御眞津媛命(みまつひめのみこと)との間に活目入彦(いくめいれひこ)が生まれたのは２０５年のことである。
だから御真木入彦(みまきいれひこ)と御眞津媛命(みまつひめのみこと)が結婚したのは２０３年か２０４年であり、
御真木入彦(みまきいれひこ)が三十三才位、御眞津媛(みまつひめ)が十五六才位だったと考えられるのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)が尾張(をはり)の大海媛(おほあまひめ)を妻にしたのは２０５年よりずっと後であろうと思うのである。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔７〕
【二、5.終】御真木入彦の妻子
［p1067-5行~p1071-10行］
〇令和元年十二月（2019年）
苅場 扶士男。五瀬月。
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔８〕
［p1072/p1035~p1212］
【三、1】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1072/p1072~p1103］
>p1072-1行~
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が吉備津の宮で死去するや否や御真木入彦(みまきいれひこ)はたちまち本性を現わし皇位を奪う計画を実行に移し始めたのである。
その手始めに彼は皇太神宮(こうたいじんぐう)の祭祀権(さいしけん)と倭神社(やまとじんじゃ)の祭祀権(さいしけん)を奪ったのである。
皇太神宮の祭神は天照大神(あまてらすおほみかみ)であり、
天照大神の子孫の天皇家の人々が祭祀を行なっていたのである。
また倭神社(やまとじんじゃ)は五瀬命(いつせのみこと)のために水先案内の大役を果たした椎根津彦命(しひねつひこのみこと)を祭神とするもので
>p1073
あり、大和国造(やまとくにのみやつこ)の祖となった椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫が祭祀を行っていたのである。
しかるに我欲で邪悪な御真木入彦(みまきいれひこ)は女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)から皇太神宮とその祭祀権を奪い、
更に椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫から大和神社とその祭祀権を奪ったのである。
神社を奪うとか神社の祭祀権を奪うと言うことがどの様なことであるか現代人には想像も出来ないであろうから説明しよう。
神社には参拝人があり、参拝人の供(そな)え物(もの)がある。供(そな)
>p1074
え物(もの)は本来は神への供え物であるけれども最終的には神主の収入となるのである。
だから神社の祭祀権を奪うと言うことは供え物其他の収入を奪うと言うことなのである。
小さな村の小さな社(やしろ)の供え物なら奪っても大した収入にはならないが、
皇室の祖先の神である皇太神宮ともなれば参拝人も多く収入も多いのである。
我欲で邪悪な御真木入彦(みまきいれひこ)は皇太神宮と大和神社を奪い、
神社の莫大な収入を横取りした
>p1075
のである。神社には氏子の供え物の他様々な祈祷料(きとうりょう)、
お札(ふだ)やお守(まもり)の販売収入などがある。
だから大きな神社の祭祀権を奪うと言うことはそれらの莫大な収入を横取りすることになるのである。
日本書紀では崇神(すじん)天皇の治世は六十八年、
都は磯城(しき)の瑞籬宮(みつかきのみや)となっているけれども、
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇ではなかったのであるから治世も都もないのでである。
崇神紀(すじんき)によれば崇神(すじん)天皇五年に国内に疫病(えきびょう)が流行(はや)り、
多くの国民
>p1076
が死んだと言う。
六年には百姓が家や土地を放棄して流民となる者が多かったと言う。
その前に御真木入彦(みまきいれひこ)は天照大神(あまてらすおほみかみ)と倭大国魂神(やまとおほくにたまのかみ)の二柱の神を自分の屋敷の内に並べて祭っていたのである。
しかし神の勢(いきほひ)が強くて一緒に自分の屋敷内に住むことが出来なかったのである。
それで御真木入彦(みまきいれひこ)は天照大神(あまてらすおほみかみ)の神社を自分の屋敷内から笠縫邑(かさぬひのむら)に移転し、
自分の娘の豊鍬入媛(とよすきいれひめ)を祭主にして祭らせたのである。
しかしそれがどの様な意味であるか気付い
>p1077
人はいないのである。
現在でも皇室では皇居内に天照大神其他の神々を祀っているのであり、
それは昔から伝えられて来た習慣である。
しかるに崇神(すじん)天皇が自分の御殿内(ごてんない)に天照大神(あまてらすおほみかみ)と倭大国魂神(やまとおほくにたまのかみ)を祀ったところ神の勢いが強くて家に住むことが出来なくなったから笠縫邑(かさぬいのむら)に移転して豊鍬入媛(とよすきいれひめ)に祀らせたと言うのである。
このことは御真木入彦(みまきいれひこ)が天皇であったと信じている限り理解出来ないのである。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔８〕
【三、1】祭祀権の強奪［p1072-1行~p1077-9行］
✡令和二年一月（2020年）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1072/p1035~p1212］
【三、1】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1072/p1072~p1103］
>p1072-1行~
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が吉備津の宮で死去するや否や御真木入彦(みまきいれひこ)はたちまち本性を現わし皇位を奪う計画を実行に移し始めたのである。
その手始めに彼は皇太神宮(こうたいじんぐう)の祭祀権(さいしけん)と倭神社(やまとじんじゃ)の祭祀権(さいしけん)を奪ったのである。
皇太神宮の祭神は天照大神(あまてらすおほみかみ)であり、
天照大神の子孫の天皇家の人々が祭祀を行なっていたのである。
また倭神社(やまとじんじゃ)は五瀬命(いつせのみこと)のために水先案内の大役を果たした椎根津彦命(しひねつひこのみこと)を祭神とするもので
>p1073
あり、大和国造(やまとくにのみやつこ)の祖となった椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫が祭祀を行っていたのである。
しかるに我欲で邪悪な御真木入彦(みまきいれひこ)は女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)から皇太神宮とその祭祀権を奪い、
更に椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫から大和神社とその祭祀権を奪ったのである。
神社を奪うとか神社の祭祀権を奪うと言うことがどの様なことであるか現代人には想像も出来ないであろうから説明しよう。
神社には参拝人があり、参拝人の供(そな)え物(もの)がある。供(そな)
>p1074
え物(もの)は本来は神への供え物であるけれども最終的には神主の収入となるのである。
だから神社の祭祀権を奪うと言うことは供え物其他の収入を奪うと言うことなのである。
小さな村の小さな社(やしろ)の供え物なら奪っても大した収入にはならないが、
皇室の祖先の神である皇太神宮ともなれば参拝人も多く収入も多いのである。
我欲で邪悪な御真木入彦(みまきいれひこ)は皇太神宮と大和神社を奪い、
神社の莫大な収入を横取りした
>p1075
のである。神社には氏子の供え物の他様々な祈祷料(きとうりょう)、
お札(ふだ)やお守(まもり)の販売収入などがある。
だから大きな神社の祭祀権を奪うと言うことはそれらの莫大な収入を横取りすることになるのである。
日本書紀では崇神(すじん)天皇の治世は六十八年、
都は磯城(しき)の瑞籬宮(みつかきのみや)となっているけれども、
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇ではなかったのであるから治世も都もないのでである。
崇神紀(すじんき)によれば崇神(すじん)天皇五年に国内に疫病(えきびょう)が流行(はや)り、
多くの国民
>p1076
が死んだと言う。
六年には百姓が家や土地を放棄して流民となる者が多かったと言う。
その前に御真木入彦(みまきいれひこ)は天照大神(あまてらすおほみかみ)と倭大国魂神(やまとおほくにたまのかみ)の二柱の神を自分の屋敷の内に並べて祭っていたのである。
しかし神の勢(いきほひ)が強くて一緒に自分の屋敷内に住むことが出来なかったのである。
それで御真木入彦(みまきいれひこ)は天照大神(あまてらすおほみかみ)の神社を自分の屋敷内から笠縫邑(かさぬひのむら)に移転し、
自分の娘の豊鍬入媛(とよすきいれひめ)を祭主にして祭らせたのである。
しかしそれがどの様な意味であるか気付い
>p1077
人はいないのである。
現在でも皇室では皇居内に天照大神其他の神々を祀っているのであり、
それは昔から伝えられて来た習慣である。
しかるに崇神(すじん)天皇が自分の御殿内(ごてんない)に天照大神(あまてらすおほみかみ)と倭大国魂神(やまとおほくにたまのかみ)を祀ったところ神の勢いが強くて家に住むことが出来なくなったから笠縫邑(かさぬいのむら)に移転して豊鍬入媛(とよすきいれひめ)に祀らせたと言うのである。
このことは御真木入彦(みまきいれひこ)が天皇であったと信じている限り理解出来ないのである。
【執筆：1995年、安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔８〕
【三、1】祭祀権の強奪［p1072-1行~p1077-9行］
✡令和二年一月（2020年）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔９〕
［p1077/p1035~p1212］
【三、2】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1077/p1072~p1103］
>p1077-10行~
天照大神を始めとする皇祖皇宗(こうそこうそう)の神霊を皇
>p1078
居内に祀り、天皇や皇族が毎日祭祀をするのは昔から伝えられて来た習慣であり、
それで天皇が神罰を受けるはずはないのである。
それ迄女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が宮殿の中に天照大神(あまてらすおほみかみ)の神殿を設けて祭っていたのである。
しかるに御真木入彦(みまきいれひこ)が女帝を恐迫して天照大神の御神体を女帝の宮殿から自分の屋敷内へ持ち帰り、
祀ることにしたのである。
もっとも皇居内の天照大神の神殿と皇太神宮とはまた別であると言えるのである。何故
>p1079
ならば皇居内の神殿は天皇や皇族の人々が参拜する所であって一般の国民が参拜することは出来ないからである。
だから一般の国民が参拜することの出来る皇太神宮は皇居の外の近い所に設けられていたものと思う。
御真木入彦(みまきいれひこ)は天照大神の御神体と皇太神宮を自分の屋敷内へ移転したのである。
だから天皇や皇族の人々が皇太神宮へ参拜しようと思えば御真木入彦(みまきいれひこ)に頭を下げて彼の屋敷内へ入らせて貰わねばならないことになったので
>p1080
ある。
古来から日本は敬神崇祖(けいしんすうそ)の国だったのであり、
皆が自分の祖先の神々を崇拜していたのである。
そして祖先の神を祀るのは子孫の義務であり権利でもあったのである。
だから天照大神を始めとする皇祖皇宗の神霊を祀るのは天皇家の子孫の当然の義務であり権利でもあったのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫であるから彼の祖神は磯城県(しきのあがた)の坐神社(にますじんじゃ)であり、
もっと前の祖神は三輪の大神神社(おほかみじんじゃ)祭神大物主命(おほものぬしのみこと)なのである。
>p1081
しかるに天皇でもなく皇族でもない御真木入彦(みまきいれひこ)が天皇家の祖神天照大神を祀る皇太神宮を自分の屋敷内に祀ったのであるから神を盗んだのと同じことである。
そのために天皇も皇族も自分達の祖先神である天照大神を祀ることも思う様に出来なくなり、
皇太神宮へ参拜しようと思えば御真木入彦(みまきいれひこ)に頭を下げて屋敷内へ入れて貰わねばならず、
天照大神への供え物は御真木入彦(みまきいれひこ)が横領して私服を肥(こ)やすもとになったのである。
>p1082
そのために天照大神の祟(たたり)りが起こり御真木入彦(みまきいれひこ)は恐ろしくて自分の屋敷に住めなくなったのである。
それで御真木入彦(みまきいれひこ)は皇太神宮を自分の屋敷内から笠縫邑(かさぬいのむら)に移転したけれども、
祭主は自分の娘の豊鍬入媛(とよすきいれひめ)にして皇太神宮に入って来る供えや祈祷料などの収入をがっちりと自分のふところへ取り込んでいたのである。
豊鍬入媛(とよすきいれひめ)は成り上がり者の御真木入彦(みまきいれひこ)の娘であって天皇家に生まれた女性ではないので
>p1083
あるから皇太神宮の祭主になる資格はなかったのである。
だから豊鍬入媛(とよすきいれひめ)を皇太神宮の初代祭主と言うのは誤りである。
皇太神宮を盗んだ御真木入彦(みまきいれひこ)が勝手に祭主に任命した豊鍬入媛(とよすきいれひめ)は皇太神宮の祭主とは言えないのである。
【執筆：平成７年 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔９〕
【三、2】祭祀権の強奪［p1077-10行~p1083-5行］
✡令和２年１月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1077/p1035~p1212］
【三、2】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1077/p1072~p1103］
>p1077-10行~
天照大神を始めとする皇祖皇宗(こうそこうそう)の神霊を皇
>p1078
居内に祀り、天皇や皇族が毎日祭祀をするのは昔から伝えられて来た習慣であり、
それで天皇が神罰を受けるはずはないのである。
それ迄女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が宮殿の中に天照大神(あまてらすおほみかみ)の神殿を設けて祭っていたのである。
しかるに御真木入彦(みまきいれひこ)が女帝を恐迫して天照大神の御神体を女帝の宮殿から自分の屋敷内へ持ち帰り、
祀ることにしたのである。
もっとも皇居内の天照大神の神殿と皇太神宮とはまた別であると言えるのである。何故
>p1079
ならば皇居内の神殿は天皇や皇族の人々が参拜する所であって一般の国民が参拜することは出来ないからである。
だから一般の国民が参拜することの出来る皇太神宮は皇居の外の近い所に設けられていたものと思う。
御真木入彦(みまきいれひこ)は天照大神の御神体と皇太神宮を自分の屋敷内へ移転したのである。
だから天皇や皇族の人々が皇太神宮へ参拜しようと思えば御真木入彦(みまきいれひこ)に頭を下げて彼の屋敷内へ入らせて貰わねばならないことになったので
>p1080
ある。
古来から日本は敬神崇祖(けいしんすうそ)の国だったのであり、
皆が自分の祖先の神々を崇拜していたのである。
そして祖先の神を祀るのは子孫の義務であり権利でもあったのである。
だから天照大神を始めとする皇祖皇宗の神霊を祀るのは天皇家の子孫の当然の義務であり権利でもあったのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫であるから彼の祖神は磯城県(しきのあがた)の坐神社(にますじんじゃ)であり、
もっと前の祖神は三輪の大神神社(おほかみじんじゃ)祭神大物主命(おほものぬしのみこと)なのである。
>p1081
しかるに天皇でもなく皇族でもない御真木入彦(みまきいれひこ)が天皇家の祖神天照大神を祀る皇太神宮を自分の屋敷内に祀ったのであるから神を盗んだのと同じことである。
そのために天皇も皇族も自分達の祖先神である天照大神を祀ることも思う様に出来なくなり、
皇太神宮へ参拜しようと思えば御真木入彦(みまきいれひこ)に頭を下げて屋敷内へ入れて貰わねばならず、
天照大神への供え物は御真木入彦(みまきいれひこ)が横領して私服を肥(こ)やすもとになったのである。
>p1082
そのために天照大神の祟(たたり)りが起こり御真木入彦(みまきいれひこ)は恐ろしくて自分の屋敷に住めなくなったのである。
それで御真木入彦(みまきいれひこ)は皇太神宮を自分の屋敷内から笠縫邑(かさぬいのむら)に移転したけれども、
祭主は自分の娘の豊鍬入媛(とよすきいれひめ)にして皇太神宮に入って来る供えや祈祷料などの収入をがっちりと自分のふところへ取り込んでいたのである。
豊鍬入媛(とよすきいれひめ)は成り上がり者の御真木入彦(みまきいれひこ)の娘であって天皇家に生まれた女性ではないので
>p1083
あるから皇太神宮の祭主になる資格はなかったのである。
だから豊鍬入媛(とよすきいれひめ)を皇太神宮の初代祭主と言うのは誤りである。
皇太神宮を盗んだ御真木入彦(みまきいれひこ)が勝手に祭主に任命した豊鍬入媛(とよすきいれひめ)は皇太神宮の祭主とは言えないのである。
【執筆：平成７年 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔９〕
【三、2】祭祀権の強奪［p1077-10行~p1083-5行］
✡令和２年１月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔10〕
［p1083/p1035~p1212］
【三、3】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1083/p1072~p1103］
>p1083-6行~
次に御真木入彦(みまきいれひこ)は大和神社を椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫から奪ったのである。
そして自分の娘の渟名城入媛(ぬなきいれひめ)を祭主にしたところ渟名城入媛(ぬなきいれひめ)は髪毛(かみげ)が抜け落ち体が痩(や)せ衰(おとろ)えて倭大国魂神(やまとおほくにたまのかみ)を祀ることが出来なかったのである。
それは大
>p1084
和神社の祭神椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の祟(たた)りだったのである。
しかし日本書紀は御真木入彦(みまきいれひこ)が皇太神宮と大和神社の祭祀権を強奪(ごうだつ)して神の祟(たた)りを受けたことはうやむやにしてごまかしているのである。
それのみではない。
御真木入彦(みまきいれひこ)は大神神社(おほみわじんじゃ)の祭祀権をも奪って供え物を横領して罰を受けたのではなかろうか。
とに角他人の祖先を祀る神社の祭祀権を奪って供え物を横領して私腹を肥やそうとするが如きは一般人の考え
>p1085
つかない様な犯罪であるが御真木入彦(みまきいれひこ)と言う悪党はそれをやってのけたのである。
それで崇神(すじん)の治世七年の八月に倭迹速神浅茅原目妙媛(やまととはやかむあさぢはらまくはしひめ)、
穂積臣(ほづみのおみ)の遠祖大水口宿祢(おほみくちのすくね)、
伊勢麻績君(いせのをみのきみ)の三人が同じ夢を見て御真木入彦(みまきいれひこ)に神意を告げたことになっている。
それは「大田田根子命(おほたたねこのみこと)を大神(おほみわ)神社の神主とし、市磯長尾市(いちしのながをち)を大和神社の神主とすれば天下大平となる」と言う神のお告げだったと言うものである。
倭迹速神浅茅原目妙媛(やまととはやかむあさぢはらまくはしひめ)とは女帝倭迹迹日百(やまとととひもも)
>p1086
襲媛命(そひめのみこと)のことであり、
女帝の宮殿が神浅茅原(かむあさぢはら)と言う土地にあったからその様に呼んでいるのである。
穂積(ほづみ)臣の遠祖大水口宿祢(おほみくちのすくね)は御真木入彦(みまきいれひこ)の兄である。
また伊勢麻績君(いせのをみのきみ)は北九州千綿国(ちまたこく)から伊勢へ移住した猿田彦命(さるたひこのみこと)の直系に近い子孫であると考えてよいであろう。
それらの三人の人々が同じ夢を見たと言う話は疑(うたが)わしいが、
要するに御真木入彦(みまきいれひこ)が奪った祭祀権(さいしけん)を正当な神主に返す様にと言う警告であることは確かであろう。
>p1087
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家から皇位を奪うつもりだったのであるから皇太神宮丈は自分の屋敷内から笠縫邑(かさぬいのむら)へ移した丈で祭祀権は遂に天皇家へは返さなかったのである。
その辺が悪党の悪党らしいところであろう。
そして大和神社の祭祀権丈は仕方なく椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫に返したのである。
椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫は市磯長尾市(いちしのながをち)と言われているがこの名の読み方は疑問であると思う。
私は市磯(いちし)の長尾市(をさをいち)と言う意味であろうと思う
>p1088
のである。
魏志東夷伝(ぎしとういでん)にも書かれている如く２４０年頃には大和の国の都の近くで盛大に物々交換の市が開かれていたのである。
市磯(いちし)とは十市(とをち)郡の地名と言われているが、
十市(とをち)と言う地名そのものが物々交換の市に関係のある地名と考えられるのであり、
市磯(いちし)とは市場(いちば)のあった土地ではないであろうか。
【執筆：平成７年 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔10〕
【三、3】祭祀権の強奪［p1083-10行~p1088-7行］
✡令和２年１月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1083/p1035~p1212］
【三、3】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1083/p1072~p1103］
>p1083-6行~
次に御真木入彦(みまきいれひこ)は大和神社を椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫から奪ったのである。
そして自分の娘の渟名城入媛(ぬなきいれひめ)を祭主にしたところ渟名城入媛(ぬなきいれひめ)は髪毛(かみげ)が抜け落ち体が痩(や)せ衰(おとろ)えて倭大国魂神(やまとおほくにたまのかみ)を祀ることが出来なかったのである。
それは大
>p1084
和神社の祭神椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の祟(たた)りだったのである。
しかし日本書紀は御真木入彦(みまきいれひこ)が皇太神宮と大和神社の祭祀権を強奪(ごうだつ)して神の祟(たた)りを受けたことはうやむやにしてごまかしているのである。
それのみではない。
御真木入彦(みまきいれひこ)は大神神社(おほみわじんじゃ)の祭祀権をも奪って供え物を横領して罰を受けたのではなかろうか。
とに角他人の祖先を祀る神社の祭祀権を奪って供え物を横領して私腹を肥やそうとするが如きは一般人の考え
>p1085
つかない様な犯罪であるが御真木入彦(みまきいれひこ)と言う悪党はそれをやってのけたのである。
それで崇神(すじん)の治世七年の八月に倭迹速神浅茅原目妙媛(やまととはやかむあさぢはらまくはしひめ)、
穂積臣(ほづみのおみ)の遠祖大水口宿祢(おほみくちのすくね)、
伊勢麻績君(いせのをみのきみ)の三人が同じ夢を見て御真木入彦(みまきいれひこ)に神意を告げたことになっている。
それは「大田田根子命(おほたたねこのみこと)を大神(おほみわ)神社の神主とし、市磯長尾市(いちしのながをち)を大和神社の神主とすれば天下大平となる」と言う神のお告げだったと言うものである。
倭迹速神浅茅原目妙媛(やまととはやかむあさぢはらまくはしひめ)とは女帝倭迹迹日百(やまとととひもも)
>p1086
襲媛命(そひめのみこと)のことであり、
女帝の宮殿が神浅茅原(かむあさぢはら)と言う土地にあったからその様に呼んでいるのである。
穂積(ほづみ)臣の遠祖大水口宿祢(おほみくちのすくね)は御真木入彦(みまきいれひこ)の兄である。
また伊勢麻績君(いせのをみのきみ)は北九州千綿国(ちまたこく)から伊勢へ移住した猿田彦命(さるたひこのみこと)の直系に近い子孫であると考えてよいであろう。
それらの三人の人々が同じ夢を見たと言う話は疑(うたが)わしいが、
要するに御真木入彦(みまきいれひこ)が奪った祭祀権(さいしけん)を正当な神主に返す様にと言う警告であることは確かであろう。
>p1087
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家から皇位を奪うつもりだったのであるから皇太神宮丈は自分の屋敷内から笠縫邑(かさぬいのむら)へ移した丈で祭祀権は遂に天皇家へは返さなかったのである。
その辺が悪党の悪党らしいところであろう。
そして大和神社の祭祀権丈は仕方なく椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫に返したのである。
椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫は市磯長尾市(いちしのながをち)と言われているがこの名の読み方は疑問であると思う。
私は市磯(いちし)の長尾市(をさをいち)と言う意味であろうと思う
>p1088
のである。
魏志東夷伝(ぎしとういでん)にも書かれている如く２４０年頃には大和の国の都の近くで盛大に物々交換の市が開かれていたのである。
市磯(いちし)とは十市(とをち)郡の地名と言われているが、
十市(とをち)と言う地名そのものが物々交換の市に関係のある地名と考えられるのであり、
市磯(いちし)とは市場(いちば)のあった土地ではないであろうか。
【執筆：平成７年 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔10〕
【三、3】祭祀権の強奪［p1083-10行~p1088-7行］
✡令和２年１月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔11〕
［p1088/p1035~p1212］
【三、4】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1088/p1072~p1103］
>p1088-8行~
そしてその様な市を取締(とりしま)る人が市磯(いちし)の長(をさ)の尾市(をいち)と言う人だったのではないかと思うのである。
私が何故その様に考えるかと言うと、
>p1089
椎根津彦命(しいねつひこのみこと)は吉備児島の和田の人で、
船に様々な品物を積んで瀬戸内海沿岸の港を廻り、
物々交換をして歩く大商人だったと思うからである。
だから椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫は大和国造(やまとくにのみやつこ)となってからも大和の国の物々交換の市場の管理や取締(とりしま)りなどをしていたから市磯(いちし)の長(をさ)だったのだと思うのである。
案外御真木入彦(みまきいれひこ)が大和神社の祭祀権を奪う前の大和神社の神主が市磯(いちし)の長尾市(をさをいち)だったのではなかろうか。
そして御真木入彦が市磯(いちし)の長尾市(をさをいち)に返還した丈
>p1090
ではなかろうか。
次に三輪(みわ)の大神(おほみわ)神社の祭神は大物主命であり、
大物主命の夢のお告(つ)げで大田田根子命(おほたたねこのみこと)を大神神社の神主にしたことは事実である。
しかし大田田根子(おほたたねこ)の素性については非常に疑(うたが)わしい点が多いのである。
大田田根子が大物主命の子であり、
母は陶津耳命(すえつみみのみこと)の娘活玉依媛(いくたまよりひめ)と言うのは古事記も日本書紀も共通である。
しかし大田田根子(おほたたねこ)の父が三輪の大物主神と言うのは嘘である。
肉体を持たれない神と人間の
>p1091
女性との間に子が生まれると言う様なことはあり得ないのである。
古事記は大田田根子(おほたたねこ)について名は櫛御方命(くしみかたのみこと)の子、
�楔�巣見命(いいかたすみのみこと)の子、建甕槌命(たけみかづちのみこと)の子である大田田根子と書いている。
櫛御方命(くしみかたのみこと)と言う名の人は実際にいた訳ではないのであり、
大物主命(おほものぬしのみこと)の子孫の饒速日命のことを難しく書いているだけである。
饒速日命(にぎはやひのみこと)は天照国照彦天火明櫛玉(あまてらすくにてらすひこあめのほあかりくしたま)饒速日命とも言うのである。
櫛御方命(くしみかたのみこと)と言うのは櫛玉饒速日命(くしたまにぎはやひのみこと)の系統の人と言う意味であ
>p1092
る。�楔�巣見命(いいかたすみのみこと)と言うのはその当時の北九州は神武天皇の兄稻飯命(いないいのみこと)の子孫八幡国(やはたこく)の領土であり、
大田田根子(おほたたねこ)の祖先はかつては稻飯命(いないいのみこと)の国に住んでいた人であると言う意味であり、
��(いい)は稻飯命(いないいのみこと)を表わし、
方(かた)はそちらの方角と言うことであり、
巣見(すみ)は住(すみ)で住んでいたと言うことを示しているのである。
建甕槌命(たけみかづちのみこと)丈は実名であり北九州邪馬台(やまた)国王だった饒速日命(にぎはやひのみこと)の叔父だった建甕槌命(たけみかづちのみこと)のことである。
だから櫛御方命(くしみかたのみこと)の子、�楔�巣見命(いいかたすみのみこと)の
>p1093
子、建甕槌命(たけみかづちのみこと)の子大田田根子(おほたたねこ)と言うことは、
櫛玉饒速日命(くしたまにぎはやひのみこと)と同じ系統の子孫であり、
稻飯命(いないいのみこと)の国(つまり北九州)にかつて住んでいた人の子孫であり、
建甕槌命(たけみかづちのみこと)と同じ系統の人の子孫である大田田根子であると言う意味になるのである。
日本書紀は更に大田田根子の母について奇日方天日方武茅渟祇(くしひかたあまつひかたたけちぬつみ)の女(むすめ)なりと書いている。
これは陶津耳命(すえつみみのみこと)と言う人の素性を表わしているのである。
奇日方(くしひかた)、天日方(あまつひがた)はいずれも日の
>p1094
神の系統、天津神の系統、天孫系と言うことを表わしているのであり、
陶津耳命(すえつみみのみこと)は皇孫邇邇芸尊(ににぎのみこと)の子孫であると言うことを示しているのである。
【執筆：平成７年(1995) 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔11〕
【三、4】祭祀権の強奪［p1088-8行~p1094-4行］
✡令和２年１月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1088/p1035~p1212］
【三、4】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1088/p1072~p1103］
>p1088-8行~
そしてその様な市を取締(とりしま)る人が市磯(いちし)の長(をさ)の尾市(をいち)と言う人だったのではないかと思うのである。
私が何故その様に考えるかと言うと、
>p1089
椎根津彦命(しいねつひこのみこと)は吉備児島の和田の人で、
船に様々な品物を積んで瀬戸内海沿岸の港を廻り、
物々交換をして歩く大商人だったと思うからである。
だから椎根津彦命(しいねつひこのみこと)の子孫は大和国造(やまとくにのみやつこ)となってからも大和の国の物々交換の市場の管理や取締(とりしま)りなどをしていたから市磯(いちし)の長(をさ)だったのだと思うのである。
案外御真木入彦(みまきいれひこ)が大和神社の祭祀権を奪う前の大和神社の神主が市磯(いちし)の長尾市(をさをいち)だったのではなかろうか。
そして御真木入彦が市磯(いちし)の長尾市(をさをいち)に返還した丈
>p1090
ではなかろうか。
次に三輪(みわ)の大神(おほみわ)神社の祭神は大物主命であり、
大物主命の夢のお告(つ)げで大田田根子命(おほたたねこのみこと)を大神神社の神主にしたことは事実である。
しかし大田田根子(おほたたねこ)の素性については非常に疑(うたが)わしい点が多いのである。
大田田根子が大物主命の子であり、
母は陶津耳命(すえつみみのみこと)の娘活玉依媛(いくたまよりひめ)と言うのは古事記も日本書紀も共通である。
しかし大田田根子(おほたたねこ)の父が三輪の大物主神と言うのは嘘である。
肉体を持たれない神と人間の
>p1091
女性との間に子が生まれると言う様なことはあり得ないのである。
古事記は大田田根子(おほたたねこ)について名は櫛御方命(くしみかたのみこと)の子、
�楔�巣見命(いいかたすみのみこと)の子、建甕槌命(たけみかづちのみこと)の子である大田田根子と書いている。
櫛御方命(くしみかたのみこと)と言う名の人は実際にいた訳ではないのであり、
大物主命(おほものぬしのみこと)の子孫の饒速日命のことを難しく書いているだけである。
饒速日命(にぎはやひのみこと)は天照国照彦天火明櫛玉(あまてらすくにてらすひこあめのほあかりくしたま)饒速日命とも言うのである。
櫛御方命(くしみかたのみこと)と言うのは櫛玉饒速日命(くしたまにぎはやひのみこと)の系統の人と言う意味であ
>p1092
る。�楔�巣見命(いいかたすみのみこと)と言うのはその当時の北九州は神武天皇の兄稻飯命(いないいのみこと)の子孫八幡国(やはたこく)の領土であり、
大田田根子(おほたたねこ)の祖先はかつては稻飯命(いないいのみこと)の国に住んでいた人であると言う意味であり、
��(いい)は稻飯命(いないいのみこと)を表わし、
方(かた)はそちらの方角と言うことであり、
巣見(すみ)は住(すみ)で住んでいたと言うことを示しているのである。
建甕槌命(たけみかづちのみこと)丈は実名であり北九州邪馬台(やまた)国王だった饒速日命(にぎはやひのみこと)の叔父だった建甕槌命(たけみかづちのみこと)のことである。
だから櫛御方命(くしみかたのみこと)の子、�楔�巣見命(いいかたすみのみこと)の
>p1093
子、建甕槌命(たけみかづちのみこと)の子大田田根子(おほたたねこ)と言うことは、
櫛玉饒速日命(くしたまにぎはやひのみこと)と同じ系統の子孫であり、
稻飯命(いないいのみこと)の国(つまり北九州)にかつて住んでいた人の子孫であり、
建甕槌命(たけみかづちのみこと)と同じ系統の人の子孫である大田田根子であると言う意味になるのである。
日本書紀は更に大田田根子の母について奇日方天日方武茅渟祇(くしひかたあまつひかたたけちぬつみ)の女(むすめ)なりと書いている。
これは陶津耳命(すえつみみのみこと)と言う人の素性を表わしているのである。
奇日方(くしひかた)、天日方(あまつひがた)はいずれも日の
>p1094
神の系統、天津神の系統、天孫系と言うことを表わしているのであり、
陶津耳命(すえつみみのみこと)は皇孫邇邇芸尊(ににぎのみこと)の子孫であると言うことを示しているのである。
【執筆：平成７年(1995) 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔11〕
【三、4】祭祀権の強奪［p1088-8行~p1094-4行］
✡令和２年１月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔12〕
［p1094/p1035~p1212］
【三、５】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1094/p1072~p1103］
>p1094-5行~
茅渟祇(ちぬつみ)とは茅渟(ちぬ)の神と言う様な意味である。
茅渟(ちぬ)は茅渟(ちぬ)の海のことであり、
昔神武(じんむ)東征の時五瀬命(いつせのみこと)が鳥見(とみ)の長脛彦(ながすねひこ)らの矢で負傷し、
海で手の血を洗ったことからそのあたりの海を血沼(みぬ)の海と言う様になったと伝えられているのである。
つまり茅渟(ちぬ)の海は五瀬命(いつせのみこと)の故事に
>p1095
因んだ名であるから茅渟祇(ちぬつみ)とは五瀬命(いつせのみこと)のことである。
そして活玉依媛(いくたまよりひめ)とは今生(い)きて居られる玉依媛(たまよりひめ)と言う意味である。
それは五瀬命(いつせのみこと)の母は綿津見神(わたつみのかみ)の娘玉依媛命(たまよりひめのみこと)であったが、
陶津耳命(すえつみみのみこと)の娘も玉依媛(たまよりひめ)であり、
五瀬命(いつせのみこと)の母の玉依媛(たまよりひめ)は故人であるのに対して大田田根子(おほたたねこ)の母の玉依媛(たまよりひめ)は今も生きている人であるから活玉依媛(いくたまよりひめ)と言っているのである。
だから奇日方天日方武茅渟祇(くしひかたあまつひかたたけちぬつみ)の娘と言うことは大田田根子(おほたたねこ)が自分の母のことを陶津耳命(すえつみみのみこと)
>p1096
と言う尊い方の娘と言った後で更に天津神の系統、邇邇芸尊(ににぎのみこと)の系統である五瀬命(いつせのみこと)の子孫に当たる娘ですと述べているのである。
だから大田田根子(おほたたねこ)は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫とか建甕槌命(たけみかづちのみこと)の子孫と言う訳ではないのである。
大田田根子(おほたたねこ)は猿田彦命(さるたひこのみこと)が河内の国を開拓した頃からそこに住みついた子孫なのである。
そして大田田根子と言う名も深い意味を含んでいるのである。
大田は大きい田と言う意味ではなく多田(おほた)即ち多い田、
沢山の田と言う意味で
>p1097
あり、田根子(たねこ)とは種子(たねこ)と言う意味である。
故に大田田根子(おほたたねこ)とは多くの田と種を持つ人と言う意味の名であり、
大田田根子(おほたたねこ)は現代的な言い方をすれば多くの田と多くの種を持つ大地主だった訳である。
古代には一枚で一町も二町もある様な大きな田はなく小さな田が沢山あったのである。
だから大きい田を表わす大田(おほた)と言う姓はなかったのであり、
多くの田を持つ人を多田(おほた)と言っていたのである。
それが後世大きな田が作
>p1098
られる様になってから大田(おほた)や太田(おほた)の姓が出来多田(おほた)とまぎらわしくなったから、
多田(おほた)を多田(ただ)と呼ぶ様になったのである。
だから大田田根子(おほたたねこ)は多田種子(おほたたねこ)と書く方が判り易いのである。
大田田根子は天孫系の名門である五瀬命の子孫陶津耳命(すえつみみのみこと)の娘活玉依媛(いくたまよりひめ)を母として生まれた人であるから土地の有力者であり富裕な大地主であり、
更に土器の生産もてがける実業家だったかも知れないのである。
その頃は各家庭で必要な土器を生産していたのではなく、土
>p1099
器の大産地があり、
物々交換の仲介をする大商人がいて船などで大量に消費地へ運んで市(いち)を開いて交換をしていたのである。
市磯(いちし)の長尾市(をさおいち)などがそう言う大商人だったのである。
【執筆：平成７年(1995) 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔12〕
【三、５】祭祀権の強奪［p1094-5行~p1099-4行］
✡令和２年１月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1094/p1035~p1212］
【三、５】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1094/p1072~p1103］
>p1094-5行~
茅渟祇(ちぬつみ)とは茅渟(ちぬ)の神と言う様な意味である。
茅渟(ちぬ)は茅渟(ちぬ)の海のことであり、
昔神武(じんむ)東征の時五瀬命(いつせのみこと)が鳥見(とみ)の長脛彦(ながすねひこ)らの矢で負傷し、
海で手の血を洗ったことからそのあたりの海を血沼(みぬ)の海と言う様になったと伝えられているのである。
つまり茅渟(ちぬ)の海は五瀬命(いつせのみこと)の故事に
>p1095
因んだ名であるから茅渟祇(ちぬつみ)とは五瀬命(いつせのみこと)のことである。
そして活玉依媛(いくたまよりひめ)とは今生(い)きて居られる玉依媛(たまよりひめ)と言う意味である。
それは五瀬命(いつせのみこと)の母は綿津見神(わたつみのかみ)の娘玉依媛命(たまよりひめのみこと)であったが、
陶津耳命(すえつみみのみこと)の娘も玉依媛(たまよりひめ)であり、
五瀬命(いつせのみこと)の母の玉依媛(たまよりひめ)は故人であるのに対して大田田根子(おほたたねこ)の母の玉依媛(たまよりひめ)は今も生きている人であるから活玉依媛(いくたまよりひめ)と言っているのである。
だから奇日方天日方武茅渟祇(くしひかたあまつひかたたけちぬつみ)の娘と言うことは大田田根子(おほたたねこ)が自分の母のことを陶津耳命(すえつみみのみこと)
>p1096
と言う尊い方の娘と言った後で更に天津神の系統、邇邇芸尊(ににぎのみこと)の系統である五瀬命(いつせのみこと)の子孫に当たる娘ですと述べているのである。
だから大田田根子(おほたたねこ)は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫とか建甕槌命(たけみかづちのみこと)の子孫と言う訳ではないのである。
大田田根子(おほたたねこ)は猿田彦命(さるたひこのみこと)が河内の国を開拓した頃からそこに住みついた子孫なのである。
そして大田田根子と言う名も深い意味を含んでいるのである。
大田は大きい田と言う意味ではなく多田(おほた)即ち多い田、
沢山の田と言う意味で
>p1097
あり、田根子(たねこ)とは種子(たねこ)と言う意味である。
故に大田田根子(おほたたねこ)とは多くの田と種を持つ人と言う意味の名であり、
大田田根子(おほたたねこ)は現代的な言い方をすれば多くの田と多くの種を持つ大地主だった訳である。
古代には一枚で一町も二町もある様な大きな田はなく小さな田が沢山あったのである。
だから大きい田を表わす大田(おほた)と言う姓はなかったのであり、
多くの田を持つ人を多田(おほた)と言っていたのである。
それが後世大きな田が作
>p1098
られる様になってから大田(おほた)や太田(おほた)の姓が出来多田(おほた)とまぎらわしくなったから、
多田(おほた)を多田(ただ)と呼ぶ様になったのである。
だから大田田根子(おほたたねこ)は多田種子(おほたたねこ)と書く方が判り易いのである。
大田田根子は天孫系の名門である五瀬命の子孫陶津耳命(すえつみみのみこと)の娘活玉依媛(いくたまよりひめ)を母として生まれた人であるから土地の有力者であり富裕な大地主であり、
更に土器の生産もてがける実業家だったかも知れないのである。
その頃は各家庭で必要な土器を生産していたのではなく、土
>p1099
器の大産地があり、
物々交換の仲介をする大商人がいて船などで大量に消費地へ運んで市(いち)を開いて交換をしていたのである。
市磯(いちし)の長尾市(をさおいち)などがそう言う大商人だったのである。
【執筆：平成７年(1995) 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔12〕
【三、５】祭祀権の強奪［p1094-5行~p1099-4行］
✡令和２年１月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦(みまきいれひこ)〔13〕
［p1099/p1035~p1212］
【三、６･終】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1099/p1072~p1103］
>p1099-5行~
大物主神(おほものぬしのかみ)が大田田根子(おほたたねこ)を大神神社の神主に選んだ理由は大田田根子(おほたたねこ)が有力者であり富裕な大地主であったからである。
倭国大乱によって大神神社は見る影もなく荒れはてていたものと思うのである。
その後大神神社は一応再建されたであろうけれどもみすぼらしい神
>p1100
社だったのだと思うのである。
それに饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫らは磯城県(しきのあがた)の坐神社(にますじんじゃ)ばかりを重視して大神神社をおろそかにしていたのではないかと思うのである。
それで大神神社の社殿を立派なものに再建し、
盛大な祭祀(さいし)を行なうには財力の豊かな神主が必要だったのである。
さて御真木入彦(みまきいれひこ)が皇太神宮や大和神社の祭祀権を奪って神罰を受けたのは大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が死去した２４３年であり、
その年を崇神(すじん)の治世五年としたのである。
だから崇神(すじん)元年
>p1101
は２３９年であり、女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が魏へ使者を派遣した年であり、
御真木入彦(みまきいれひこ)は副使都市牛利(としにょり)として魏へ行ったのである。
それで御真木入彦(みまきいれひこ)を崇神(すじん)天皇として偽歴史をでっちあげるに際して遣魏副使(けんぎふくし)として魏へ行った年を崇神元年(すじんがんねん)としたのである。
そしてそれから五年後の２４３年に大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が死去するや否や御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家から皇位を奪取するために先ず皇太神宮と大和神社を自分の屋敷内へ移転し、
祭祀権を
>p1102
奪って供(そな)え物(もの)などを横領して私腹を肥やし、
神の祟(たた)りを受けたのである。
それにこりて御真木入彦(みまきいれひこ)は２４４年に皇太神宮を自分の屋敷内から笠縫邑(かさぬいのむら)に移したのである。
それは女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の治世六十四年である。
御真木入彦(みまきいれひこ)は始めは自分が大物主神(おほものぬしのかみ)を祀っていたのであるが大物主神は喜ばなかったので、
２４５年８月に大田田根子(おほたたねこ)を探し出して大神神社(おほみわじんじゃ)の神主にしたのである。
そして崇神(すじん)八年即ち２４６年に御真木入彦(みまきいれひこ)は大田田(おほたた)
>p1103
根子(ねこ)に盛大な祭りをさせたのである。
それは多分大田田根子(おほたたねこ)が大神神社(おほみわじんじゃ)の社殿を新築したので落成式を兼ねた大祭を挙行したものであろう。
御真木入彦(みまきいれひこ)が皇太神宮の祭祀権を奪った理由はもう一つある。
それは皇太神宮の祭祀権を握ることによっていずれは自分達が天照大神(あまてらすおほみかみ)の正統の子孫だと称し、
天孫系の天皇家を滅ぼして饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫が天皇となって日本の国を支配する目的だったのである。
【執筆：平成７年(1995) 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔13〕
【三、６･終】祭祀権の強奪［p1099-5行~p1103-10行］
✡令和２年２月１日（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1099/p1035~p1212］
【三、６･終】祭祀権(さいしけん)の強奪(ごうだつ)
［p1099/p1072~p1103］
>p1099-5行~
大物主神(おほものぬしのかみ)が大田田根子(おほたたねこ)を大神神社の神主に選んだ理由は大田田根子(おほたたねこ)が有力者であり富裕な大地主であったからである。
倭国大乱によって大神神社は見る影もなく荒れはてていたものと思うのである。
その後大神神社は一応再建されたであろうけれどもみすぼらしい神
>p1100
社だったのだと思うのである。
それに饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫らは磯城県(しきのあがた)の坐神社(にますじんじゃ)ばかりを重視して大神神社をおろそかにしていたのではないかと思うのである。
それで大神神社の社殿を立派なものに再建し、
盛大な祭祀(さいし)を行なうには財力の豊かな神主が必要だったのである。
さて御真木入彦(みまきいれひこ)が皇太神宮や大和神社の祭祀権を奪って神罰を受けたのは大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が死去した２４３年であり、
その年を崇神(すじん)の治世五年としたのである。
だから崇神(すじん)元年
>p1101
は２３９年であり、女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が魏へ使者を派遣した年であり、
御真木入彦(みまきいれひこ)は副使都市牛利(としにょり)として魏へ行ったのである。
それで御真木入彦(みまきいれひこ)を崇神(すじん)天皇として偽歴史をでっちあげるに際して遣魏副使(けんぎふくし)として魏へ行った年を崇神元年(すじんがんねん)としたのである。
そしてそれから五年後の２４３年に大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が死去するや否や御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇家から皇位を奪取するために先ず皇太神宮と大和神社を自分の屋敷内へ移転し、
祭祀権を
>p1102
奪って供(そな)え物(もの)などを横領して私腹を肥やし、
神の祟(たた)りを受けたのである。
それにこりて御真木入彦(みまきいれひこ)は２４４年に皇太神宮を自分の屋敷内から笠縫邑(かさぬいのむら)に移したのである。
それは女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の治世六十四年である。
御真木入彦(みまきいれひこ)は始めは自分が大物主神(おほものぬしのかみ)を祀っていたのであるが大物主神は喜ばなかったので、
２４５年８月に大田田根子(おほたたねこ)を探し出して大神神社(おほみわじんじゃ)の神主にしたのである。
そして崇神(すじん)八年即ち２４６年に御真木入彦(みまきいれひこ)は大田田(おほたた)
>p1103
根子(ねこ)に盛大な祭りをさせたのである。
それは多分大田田根子(おほたたねこ)が大神神社(おほみわじんじゃ)の社殿を新築したので落成式を兼ねた大祭を挙行したものであろう。
御真木入彦(みまきいれひこ)が皇太神宮の祭祀権を奪った理由はもう一つある。
それは皇太神宮の祭祀権を握ることによっていずれは自分達が天照大神(あまてらすおほみかみ)の正統の子孫だと称し、
天孫系の天皇家を滅ぼして饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫が天皇となって日本の国を支配する目的だったのである。
【執筆：平成７年(1995) 安原 修】
『日本の歴史と最後の審判』
第十三章 極悪人御真木入彦〔13〕
【三、６･終】祭祀権の強奪［p1099-5行~p1103-10行］
✡令和２年２月１日（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔14〕
［p1104/p1035〜p1212］
【四、１】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1104/p1104〜p1135］
>p1104-1行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)には倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)の晩年に女王と不仲であった狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)の乱が起こったと書かれている。
狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)とは国玖琉命(くにくるのみこと)の子武埴安彦(たけはにやすひこ)のことである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)が狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)であると言っている人は何人かいるけれども、
何故武埴安彦(たけはにやすひこ)が狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)であるのか理由の判っている人はいないのである。
古事記や日本書紀では武埴安彦(たけはにやすひこ)は孝元(こうげん)天皇
>p1105
の皇子となっているのであるから狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)と言うのはおかしい訳である。
しかし孝元(こうげん)天皇は仮空の天皇であり、
本当は須佐之男命(すさのをのみこと)の子孫であり熊野(くまの)の豪族だったのである。
それで孝元(こうげん)天皇こと国玖琉命(くにくるのみこと)の子の武埴安彦(たけはにやすひこ)を狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)と言ったのである。
しかし魏志東夷伝(ぎしとういでん)にも誤りや思い違いが色々とあるのでその点をよく注意して読まないと騙されるのである。
当時の中国人は女王卑弥呼(ひみこ)の都のある所を北九州邪馬台国(やまたこく)と思い違
>p1106
いしていたのであり、
邪馬台(やまた)国の南に女王卑弥呼(ひみこ)の支配する多くの国々があり、
それらの国々の一番南のはてに奴国(なこく)があり、
奴国(なこく)の南に女王卑弥呼(ひみこ)と対立する独立国の狗奴国(くなこく)があると考えていたのである。
しかし実際には女王卑弥呼(ひみこ)の都は北九州ではなく、
大和の国の三輪山の麓の近く、
浅茅原(あさぢはら)と呼ばれる所にあったのであり、
狗奴国(くなこく)と言うのは木(き)の国(くに)の熊野地方のことだったのである。
そして狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)の乱はそれより
>p1107
約六十年前の倭国大乱(わこくたいらん)の再発だったとも言えるのである。
しかし中国人は１７０年頃から１８０年迄倭国に大乱があったことは知っていたけれども、
戦争の当事者が誰であったかと言う様な詳しいことは知らなかったのである。
そして大和朝廷は古事記と日本書紀を編纂する時倭国大乱の歴史を消し、
倭国大乱の首謀者国玖琉命(くにくるのみこと)を孝霊(こうれい)天皇の皇子として歴史と系図をごまかしたから倭国大乱の真相判らなくなったのである。
>p1108
武埴安彦(たけはにやすひこ)が国玖琉命(くにくるのみこと)の子であり大彦命(おほひこのみこと)の異母弟であることは事実である。
そして武埴安彦(たけはにやすひこ)が魏志東夷伝(ぎしとういでん)の狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)に該当(がいとう)する人物であることも事実であるけれども、
では何故武埴安彦(たけはにやすひこ)が狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)と書かれているのかと言うことについては本当のことは判っていないのである。
魏志東夷伝(ぎしとういでん)によれば狗奴国(くなこく)は女王卑弥呼(ひみこ)の
都から遠く離れた所にあり、独立国であり、
国王がいて国を治めて居り、倭国の女王卑弥(ひみ)
>p1109
呼(こ)と対立していたことになっている。
しかし実際には狗奴国(くなこく)は熊野であり、
大和の国から遠く離れた所にあったのではなく、
大和の国のすぐ南にあったのであり、
独立国ではなく国王でもなかったのである。
只中国人がその様に思い違いをしていた丈である。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 【四、１】武埴安彦の乱［p1104-1行〜p1109-6行］
✡令和２年２月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1104/p1035〜p1212］
【四、１】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1104/p1104〜p1135］
>p1104-1行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)には倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)の晩年に女王と不仲であった狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)の乱が起こったと書かれている。
狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)とは国玖琉命(くにくるのみこと)の子武埴安彦(たけはにやすひこ)のことである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)が狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)であると言っている人は何人かいるけれども、
何故武埴安彦(たけはにやすひこ)が狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)であるのか理由の判っている人はいないのである。
古事記や日本書紀では武埴安彦(たけはにやすひこ)は孝元(こうげん)天皇
>p1105
の皇子となっているのであるから狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)と言うのはおかしい訳である。
しかし孝元(こうげん)天皇は仮空の天皇であり、
本当は須佐之男命(すさのをのみこと)の子孫であり熊野(くまの)の豪族だったのである。
それで孝元(こうげん)天皇こと国玖琉命(くにくるのみこと)の子の武埴安彦(たけはにやすひこ)を狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)と言ったのである。
しかし魏志東夷伝(ぎしとういでん)にも誤りや思い違いが色々とあるのでその点をよく注意して読まないと騙されるのである。
当時の中国人は女王卑弥呼(ひみこ)の都のある所を北九州邪馬台国(やまたこく)と思い違
>p1106
いしていたのであり、
邪馬台(やまた)国の南に女王卑弥呼(ひみこ)の支配する多くの国々があり、
それらの国々の一番南のはてに奴国(なこく)があり、
奴国(なこく)の南に女王卑弥呼(ひみこ)と対立する独立国の狗奴国(くなこく)があると考えていたのである。
しかし実際には女王卑弥呼(ひみこ)の都は北九州ではなく、
大和の国の三輪山の麓の近く、
浅茅原(あさぢはら)と呼ばれる所にあったのであり、
狗奴国(くなこく)と言うのは木(き)の国(くに)の熊野地方のことだったのである。
そして狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)の乱はそれより
>p1107
約六十年前の倭国大乱(わこくたいらん)の再発だったとも言えるのである。
しかし中国人は１７０年頃から１８０年迄倭国に大乱があったことは知っていたけれども、
戦争の当事者が誰であったかと言う様な詳しいことは知らなかったのである。
そして大和朝廷は古事記と日本書紀を編纂する時倭国大乱の歴史を消し、
倭国大乱の首謀者国玖琉命(くにくるのみこと)を孝霊(こうれい)天皇の皇子として歴史と系図をごまかしたから倭国大乱の真相判らなくなったのである。
>p1108
武埴安彦(たけはにやすひこ)が国玖琉命(くにくるのみこと)の子であり大彦命(おほひこのみこと)の異母弟であることは事実である。
そして武埴安彦(たけはにやすひこ)が魏志東夷伝(ぎしとういでん)の狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)に該当(がいとう)する人物であることも事実であるけれども、
では何故武埴安彦(たけはにやすひこ)が狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)と書かれているのかと言うことについては本当のことは判っていないのである。
魏志東夷伝(ぎしとういでん)によれば狗奴国(くなこく)は女王卑弥呼(ひみこ)の
都から遠く離れた所にあり、独立国であり、
国王がいて国を治めて居り、倭国の女王卑弥(ひみ)
>p1109
呼(こ)と対立していたことになっている。
しかし実際には狗奴国(くなこく)は熊野であり、
大和の国から遠く離れた所にあったのではなく、
大和の国のすぐ南にあったのであり、
独立国ではなく国王でもなかったのである。
只中国人がその様に思い違いをしていた丈である。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 【四、１】武埴安彦の乱［p1104-1行〜p1109-6行］
✡令和２年２月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔15〕
［p1,109/p1,035〜p1,212］
【四、２】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,109/p1,104〜p1,135］
>p1,109-7行~
武埴安彦(たけはにやすひこ)は熊野の国王ではないが、
熊野の豪族国玖琉命(くにくるのみこと)の子であるから中国人が狗奴国王(くなこくおう)と思い違いしたのである。
そして卑弥弓呼(ひみここ)と言うのは姓名ではなく「日御子子(ひみここ)」と言う
>p1,110
意味である。
当時の大和の国では天皇のことを日(ひ)の御子(みこ)と呼んでいたのである。
だから倭国の女王卑弥呼(ひみこ)も日御子(ひのみこ)と言う尊称の「の」が抜けて「日御子(ひみこ)」となったものを中国人が女王の名と思い違いしたものでる。
狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)も狗奴国王(くなこくおう)の姓名ではなく「日(ひ)の御子(みこ)の子(こ)」と言う意味で「の」が抜けて日御子子(ひみここ)となったものである。
これは魏(ぎ)の使者張政(ちょうせい)らが実際に大和の国の都に滞在している間に見聞したことを魏帝(ぎてい)への報告書の
>p1,111
様な形式で書いたものを参考にして魏志東夷伝(ぎしとういでん)を書いたものであろう。
だから張政(ちょうせい)らは武埴安彦(たけはにやすひこ)のことを熊野の国王の子と思い違いして熊野の日の御子の子だから狗奴国王(くなこくおう)日御子子(ひみここ)と書いたものを魏志東夷伝(ぎしとういでん)の著者が狗奴国王(くなこくおう)の名が卑弥弓呼(ひみここ)だと思い違いして書いたものであろう。
日本書紀では武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱は崇神(すじん)十年の十月に起こり、
間もなく終わったことになっているがそれは大嘘なのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
>p1,112
が起こったのは２４５年であり、
２４８年に乱が鎮圧されて間もなく女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が治世六十八年、
享年百才で死去したのである。
だから武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱は四年に亘る大乱であり、
正に倭国大乱の再発だったのである。
しかし武埴安彦(たけはにやすひこ)が何故反乱を起こしたのかと言う本当の理由は消されているのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)が反乱を起こす気になったのは四道將軍の派遣が決定してからのことである。
大和朝廷の有力者四人が多くの兵を率いて遠国
>p1,113
へ出征すれば都の防備が手薄になることは判り切ったことである。
その虚に乗じて武埴安彦(たけはにやすひこ)は都へ攻め入り、
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)や御真木入彦(みまきいれひこ)らを殺して大和の国を支配しようとしたのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)が反乱を起こすきっかけとなったのは四道將軍の派遣であるが、
彼は大和朝廷に大きな不平不満を持っていたのだと考えられるのである。
それで四道將軍の派遣によって都の防備が手薄になったすきに大軍を率い
>p1,114
て都へ攻め上り、一挙に大和の国を占領しようと考えたものであろう。
しかし事前にそれが御真木入彦(みまきいれひこ)の方へもれたために御真木入彦(みまきいれひこ)は四道將軍の派遣を中止し武埴安彦(たけはにやすひこ)の攻撃に対する防備を固めたのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)の計略を事前に知ったのは大彦命(おほひこのみこと)と言うことになっている。
大彦命(おほひこのみこと)は少女が唱っていた奇怪な歌を聞いて武埴安彦(たけはにやすひこ)の反乱計画を知ったことになっているが、
そんな話はまゆつばものであり信用出来ないのである。
>p1,115
私は武埴安彦(たけはにやすひこ)が異母兄の大彦命(おほひこのみこと)に御真木入彦(みまきいれひこ)を殺して大和の国を支配しようではないかと相談したのではないかと思うのである。
しかし大彦命(おほひこのみこと)の娘の御眞津媛(みまつひめ)が御真木入彦の妻となっていたから大彦命は武埴安彦(たけはにやすひこ)の相談に応じなかったのだと思うのである。
それで大彦命は御真木入彦(みまきいれひこ)に告げ、
それで御真木入彦は四道將軍の派遣を延期して武埴安彦(たけはにやすひこ)の反乱に備えたのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔15〕 【四、２】武埴安彦の乱［p1,109-7行〜p1,115-9行］
✡令和二年二月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,109/p1,035〜p1,212］
【四、２】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,109/p1,104〜p1,135］
>p1,109-7行~
武埴安彦(たけはにやすひこ)は熊野の国王ではないが、
熊野の豪族国玖琉命(くにくるのみこと)の子であるから中国人が狗奴国王(くなこくおう)と思い違いしたのである。
そして卑弥弓呼(ひみここ)と言うのは姓名ではなく「日御子子(ひみここ)」と言う
>p1,110
意味である。
当時の大和の国では天皇のことを日(ひ)の御子(みこ)と呼んでいたのである。
だから倭国の女王卑弥呼(ひみこ)も日御子(ひのみこ)と言う尊称の「の」が抜けて「日御子(ひみこ)」となったものを中国人が女王の名と思い違いしたものでる。
狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)も狗奴国王(くなこくおう)の姓名ではなく「日(ひ)の御子(みこ)の子(こ)」と言う意味で「の」が抜けて日御子子(ひみここ)となったものである。
これは魏(ぎ)の使者張政(ちょうせい)らが実際に大和の国の都に滞在している間に見聞したことを魏帝(ぎてい)への報告書の
>p1,111
様な形式で書いたものを参考にして魏志東夷伝(ぎしとういでん)を書いたものであろう。
だから張政(ちょうせい)らは武埴安彦(たけはにやすひこ)のことを熊野の国王の子と思い違いして熊野の日の御子の子だから狗奴国王(くなこくおう)日御子子(ひみここ)と書いたものを魏志東夷伝(ぎしとういでん)の著者が狗奴国王(くなこくおう)の名が卑弥弓呼(ひみここ)だと思い違いして書いたものであろう。
日本書紀では武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱は崇神(すじん)十年の十月に起こり、
間もなく終わったことになっているがそれは大嘘なのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
>p1,112
が起こったのは２４５年であり、
２４８年に乱が鎮圧されて間もなく女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が治世六十八年、
享年百才で死去したのである。
だから武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱は四年に亘る大乱であり、
正に倭国大乱の再発だったのである。
しかし武埴安彦(たけはにやすひこ)が何故反乱を起こしたのかと言う本当の理由は消されているのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)が反乱を起こす気になったのは四道將軍の派遣が決定してからのことである。
大和朝廷の有力者四人が多くの兵を率いて遠国
>p1,113
へ出征すれば都の防備が手薄になることは判り切ったことである。
その虚に乗じて武埴安彦(たけはにやすひこ)は都へ攻め入り、
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)や御真木入彦(みまきいれひこ)らを殺して大和の国を支配しようとしたのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)が反乱を起こすきっかけとなったのは四道將軍の派遣であるが、
彼は大和朝廷に大きな不平不満を持っていたのだと考えられるのである。
それで四道將軍の派遣によって都の防備が手薄になったすきに大軍を率い
>p1,114
て都へ攻め上り、一挙に大和の国を占領しようと考えたものであろう。
しかし事前にそれが御真木入彦(みまきいれひこ)の方へもれたために御真木入彦(みまきいれひこ)は四道將軍の派遣を中止し武埴安彦(たけはにやすひこ)の攻撃に対する防備を固めたのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)の計略を事前に知ったのは大彦命(おほひこのみこと)と言うことになっている。
大彦命(おほひこのみこと)は少女が唱っていた奇怪な歌を聞いて武埴安彦(たけはにやすひこ)の反乱計画を知ったことになっているが、
そんな話はまゆつばものであり信用出来ないのである。
>p1,115
私は武埴安彦(たけはにやすひこ)が異母兄の大彦命(おほひこのみこと)に御真木入彦(みまきいれひこ)を殺して大和の国を支配しようではないかと相談したのではないかと思うのである。
しかし大彦命(おほひこのみこと)の娘の御眞津媛(みまつひめ)が御真木入彦の妻となっていたから大彦命は武埴安彦(たけはにやすひこ)の相談に応じなかったのだと思うのである。
それで大彦命は御真木入彦(みまきいれひこ)に告げ、
それで御真木入彦は四道將軍の派遣を延期して武埴安彦(たけはにやすひこ)の反乱に備えたのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔15〕 【四、２】武埴安彦の乱［p1,109-7行〜p1,115-9行］
✡令和二年二月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔16〕
［p1,115/p1,035〜p1,212］
【四、3】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,115/p1,104〜p1,135］
>p1,115-10行~
ところで大彦命は国玖琉命(くにくるのみこと)の嫡子(ちゃくし)であり、
>p1,116
武埴安彦(たけはにやすひこ)は庶子だったのである。
それで国玖琉命(くにくるのみこと)は長男の大彦命には都へ居らせて大和朝廷の要職に就け、
武埴安彦(たけはにやすひこ)には熊野を領土として与えたと言うことも考えられるのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)を狗奴国王(くなこくおう)と言うのも実際に武埴安彦(たけはにやすひこ)が熊野を領土としていたからかも知れないのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)の攻撃は非常に激しかったのである。
それで大和朝廷は魏へ使者を派遣したのである。
それは２４５年、魏の正始六年のこ
>p1,117
とである。魏の皇帝は倭国の難升米(あんしゃま)に詔書と黄幢(おうどう)を与えたが帯方郡(たいほうぐん)に反乱が起こって詔書と黄幢は難升米(あんしゃま)の所へ届かなかったのである。
黄幢(おうどう)とは軍旗のことであり、
魏帝は難升米(あんしゃま)即ち女帝の摂政である若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)に詔書と軍旗を与えることで支持を表明した訳である。
そして政始八年即ち２４７年に帯方郡に新しい太守王頎が着任し、
六年に帯方郡に預ったまゝになっていた詔書と黄幢を塞曹掾史張
>p1,118
政らを倭国へ派遣して難升米に届けたのである。
その頃女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は九十九才の高令であり、
病気で床に就いていたのである。
それで女帝の代理として難升米(あんしゃま)こと若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)が詔書と黄幢を受け取ったのである。
若日子建吉備津日子命は魏帝から与えられた詔書と軍旗を將兵に示して士気を鼓舞し、
それによって武埴安彦(たけはにやすひこ)の軍は敗れ、
四年に亘った武埴安彦の乱も鎮圧され大和の国にやっ
>p1,119
と平和が甦ったのである。
日本書紀では武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱は起こってから一ヶ月も経たない裡に終わったことになっているが、
決してそんなものではなかったのである。
武埴安彦の乱があまりにも大規模で激しいものであったから大和朝廷は魏へ使者を派遣して援助を求めたのである。
それに対して魏帝は詔書と軍旗を若日子建吉備津日子命に与えようとしたのであるが、
帯方郡に乱が起こり詔書と軍旗は帯方郡に預ったまゝになって
>p1,120
いたのである。
それを正始八年に帯方郡の太守として着任した王頎が塞曹掾史張政らを派遣してわざわざ若日子建吉備津日子命の処へ届けて呉れたのである。
その事実から考えても武埴安彦の乱は四年に亘る大乱であったことが判るのである。
魏の方では難升米こと若日子建吉備津日子命が景初三年に使者として帯方郡へ行った時以来、
若日子建吉備津日子命が女帝の甥であり摂政であることを知っていたからこそ、正
>p1,121
始六年にも詔書と軍旗を若日子建吉備津日子命に与え、
更に正始八年に帯方郡の太守王頎は張政らを派遣して詔書と軍旗を若日子建吉備津日子命に届けさせたのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔16〕 【四、3】武埴安彦の乱［p1,115-10行〜p1,121-4行］
✡令和二年二月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,115/p1,035〜p1,212］
【四、3】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,115/p1,104〜p1,135］
>p1,115-10行~
ところで大彦命は国玖琉命(くにくるのみこと)の嫡子(ちゃくし)であり、
>p1,116
武埴安彦(たけはにやすひこ)は庶子だったのである。
それで国玖琉命(くにくるのみこと)は長男の大彦命には都へ居らせて大和朝廷の要職に就け、
武埴安彦(たけはにやすひこ)には熊野を領土として与えたと言うことも考えられるのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)を狗奴国王(くなこくおう)と言うのも実際に武埴安彦(たけはにやすひこ)が熊野を領土としていたからかも知れないのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)の攻撃は非常に激しかったのである。
それで大和朝廷は魏へ使者を派遣したのである。
それは２４５年、魏の正始六年のこ
>p1,117
とである。魏の皇帝は倭国の難升米(あんしゃま)に詔書と黄幢(おうどう)を与えたが帯方郡(たいほうぐん)に反乱が起こって詔書と黄幢は難升米(あんしゃま)の所へ届かなかったのである。
黄幢(おうどう)とは軍旗のことであり、
魏帝は難升米(あんしゃま)即ち女帝の摂政である若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)に詔書と軍旗を与えることで支持を表明した訳である。
そして政始八年即ち２４７年に帯方郡に新しい太守王頎が着任し、
六年に帯方郡に預ったまゝになっていた詔書と黄幢を塞曹掾史張
>p1,118
政らを倭国へ派遣して難升米に届けたのである。
その頃女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は九十九才の高令であり、
病気で床に就いていたのである。
それで女帝の代理として難升米(あんしゃま)こと若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)が詔書と黄幢を受け取ったのである。
若日子建吉備津日子命は魏帝から与えられた詔書と軍旗を將兵に示して士気を鼓舞し、
それによって武埴安彦(たけはにやすひこ)の軍は敗れ、
四年に亘った武埴安彦の乱も鎮圧され大和の国にやっ
>p1,119
と平和が甦ったのである。
日本書紀では武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱は起こってから一ヶ月も経たない裡に終わったことになっているが、
決してそんなものではなかったのである。
武埴安彦の乱があまりにも大規模で激しいものであったから大和朝廷は魏へ使者を派遣して援助を求めたのである。
それに対して魏帝は詔書と軍旗を若日子建吉備津日子命に与えようとしたのであるが、
帯方郡に乱が起こり詔書と軍旗は帯方郡に預ったまゝになって
>p1,120
いたのである。
それを正始八年に帯方郡の太守として着任した王頎が塞曹掾史張政らを派遣してわざわざ若日子建吉備津日子命の処へ届けて呉れたのである。
その事実から考えても武埴安彦の乱は四年に亘る大乱であったことが判るのである。
魏の方では難升米こと若日子建吉備津日子命が景初三年に使者として帯方郡へ行った時以来、
若日子建吉備津日子命が女帝の甥であり摂政であることを知っていたからこそ、正
>p1,121
始六年にも詔書と軍旗を若日子建吉備津日子命に与え、
更に正始八年に帯方郡の太守王頎は張政らを派遣して詔書と軍旗を若日子建吉備津日子命に届けさせたのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔16〕 【四、3】武埴安彦の乱［p1,115-10行〜p1,121-4行］
✡令和二年二月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔17〕
［p1,121/p1,035〜p1,212］
【四、4】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,121/p1,104〜p1,135］
>p1,121-5行~
日本書紀では和珥臣彦国葺命(わにのおみひこくにふくのみこと)と武埴安彦(たけはにやすひこ)が兵を率いて輪韓河(わからがわ)を挟んで対持し、
先ず武埴安彦が彦国葺命(ひこくにふくのみこと)に向かって射た矢は当たらず、
彦国葺命の射た矢は武埴安彦の胸に当たって武埴安彦は死に、
そのために武埴安彦の兵は恐れて逃げ出したところを追い詰めて殺した
>p1,122
と言うことになっている。
だから彦国葺命(ひこくにふくのみこと)と武埴安彦(たけはにやすひこ)とは戦争らしい戦争はして居らず、
彦国葺命の一方的な勝利になった様に書いてあるけれども、
決してそんな生易しい戦いではなかったのである。
そしてもう一つ、山城から都へ攻め上ろうとした武埴安彦軍を防いで活躍したのが大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の二男彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)だったのである。
彦湯産隅命は今の京都府相楽郡山城町を本拠として都の北の守りを固めていたのである。
>p1,123
しかし彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)のことは歴史から全く消されてしまい、
今は只彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の陵墓である山城町椿井(つばゐ)の椿井大塚山古墳(つばゐおほつかやまこふん)が残るのみである。
次に大坂から都へ攻め上ろうとした武埴安彦(たけはにやすひこ)の妻吾田媛(あたひめ)を五十狭芹彦命(いさせりひこのみこと)が殺してその軍を破ったと言うがこれは大嘘である。
五十狭芹彦命とは孝霊(こうれい)天皇皇子大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)のことであり、
大吉備津日子命はそれより五年前に吉備津の宮で死去しているのである。だか
>p1,124
ら武埴安彦の乱に大坂から攻め上ろうとした吾田媛(あたひめ)を討ったのは五十狭芹彦命(いさせりひこのみこと)ではなく、
若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男で四道將軍となった伊佐佐彦命(いささひこのみこと)だったのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が終わって間もなく女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は百才の高令で死去したのであるが日本書紀は倭迹迹日百襲媛命が大物主神(おほものぬしのかみ)の妻となったと書いている。
それは魏志東夷伝(ぎしとういでん)に倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)は生涯独身で夫も壻(むこ)もなかったと書いてあることから、
倭迹迹日百襲
>p1,125
媛命には夫があったから、
倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は倭国の女王卑弥呼ではないと思わせるためにでっちあげた大嘘である。
武埴安彦の母は河内の青玉(あをたま)の娘埴安媛(はにやすひめ)である。
それで武埴安彦は熊野を領土に持ちながら河内に本拠を構えていたのであろう。
楠葉(くすは)と言う土地も武埴安彦の領土だったのである。
武埴安彦が大和朝廷に対して四年間も激しい抵抗を続けることが出来たのは、
熊野と河内に拡大な領土を持ち、
多くの兵を持ち、財力
>p1,126
も豊かであったからであろう。
次に武埴安彦の領土であったと思われる熊野について少し述べたいと思う。
和歌山県は木の国であって熊野は木の国の一部分であり熊野の国があった訳ではない。
そして木の国はもともと須佐之男命(すさのをのみこと)の子である大屋毗古命(おほやひこのみこと)らが開いた国であり、
大屋毗古命とその子孫の人々が本拠とした土地は紀ノ川の川口であった秋月地方などであり、
和歌山市秋月の日前(ひのくま)神宮、
国懸(くにかゞす)神宮はもともとは大屋毗古命らを
>p1,127
祀っていたものを、
後世に歴史を書き変えてごまかすために祭神を変えたり神名を変えたりして本当のことが判らない様にしたものであろう。
もっとも日前(ひのくま)神宮は須佐之男命の姉天照大神(あまてらすおほみかみ)を祀り、
国懸(くにかゞす)神宮(じんじゃ)は須佐之男命と大屋毗古命(おほやひこのみこと)らを祀っていたと言うことも考えられるが、
要するにこの両神宮は須佐之男命の子孫である紀国造(きのくにのみやつこ)の人々が代々祀っていたものであろうと思う。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔17〕 【四、4】武埴安彦の乱［p1,121-5行〜p1,127-8行］
✡令和二年二月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,121/p1,035〜p1,212］
【四、4】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,121/p1,104〜p1,135］
>p1,121-5行~
日本書紀では和珥臣彦国葺命(わにのおみひこくにふくのみこと)と武埴安彦(たけはにやすひこ)が兵を率いて輪韓河(わからがわ)を挟んで対持し、
先ず武埴安彦が彦国葺命(ひこくにふくのみこと)に向かって射た矢は当たらず、
彦国葺命の射た矢は武埴安彦の胸に当たって武埴安彦は死に、
そのために武埴安彦の兵は恐れて逃げ出したところを追い詰めて殺した
>p1,122
と言うことになっている。
だから彦国葺命(ひこくにふくのみこと)と武埴安彦(たけはにやすひこ)とは戦争らしい戦争はして居らず、
彦国葺命の一方的な勝利になった様に書いてあるけれども、
決してそんな生易しい戦いではなかったのである。
そしてもう一つ、山城から都へ攻め上ろうとした武埴安彦軍を防いで活躍したのが大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の二男彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)だったのである。
彦湯産隅命は今の京都府相楽郡山城町を本拠として都の北の守りを固めていたのである。
>p1,123
しかし彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)のことは歴史から全く消されてしまい、
今は只彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の陵墓である山城町椿井(つばゐ)の椿井大塚山古墳(つばゐおほつかやまこふん)が残るのみである。
次に大坂から都へ攻め上ろうとした武埴安彦(たけはにやすひこ)の妻吾田媛(あたひめ)を五十狭芹彦命(いさせりひこのみこと)が殺してその軍を破ったと言うがこれは大嘘である。
五十狭芹彦命とは孝霊(こうれい)天皇皇子大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)のことであり、
大吉備津日子命はそれより五年前に吉備津の宮で死去しているのである。だか
>p1,124
ら武埴安彦の乱に大坂から攻め上ろうとした吾田媛(あたひめ)を討ったのは五十狭芹彦命(いさせりひこのみこと)ではなく、
若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男で四道將軍となった伊佐佐彦命(いささひこのみこと)だったのである。
武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が終わって間もなく女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は百才の高令で死去したのであるが日本書紀は倭迹迹日百襲媛命が大物主神(おほものぬしのかみ)の妻となったと書いている。
それは魏志東夷伝(ぎしとういでん)に倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)は生涯独身で夫も壻(むこ)もなかったと書いてあることから、
倭迹迹日百襲
>p1,125
媛命には夫があったから、
倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)は倭国の女王卑弥呼ではないと思わせるためにでっちあげた大嘘である。
武埴安彦の母は河内の青玉(あをたま)の娘埴安媛(はにやすひめ)である。
それで武埴安彦は熊野を領土に持ちながら河内に本拠を構えていたのであろう。
楠葉(くすは)と言う土地も武埴安彦の領土だったのである。
武埴安彦が大和朝廷に対して四年間も激しい抵抗を続けることが出来たのは、
熊野と河内に拡大な領土を持ち、
多くの兵を持ち、財力
>p1,126
も豊かであったからであろう。
次に武埴安彦の領土であったと思われる熊野について少し述べたいと思う。
和歌山県は木の国であって熊野は木の国の一部分であり熊野の国があった訳ではない。
そして木の国はもともと須佐之男命(すさのをのみこと)の子である大屋毗古命(おほやひこのみこと)らが開いた国であり、
大屋毗古命とその子孫の人々が本拠とした土地は紀ノ川の川口であった秋月地方などであり、
和歌山市秋月の日前(ひのくま)神宮、
国懸(くにかゞす)神宮はもともとは大屋毗古命らを
>p1,127
祀っていたものを、
後世に歴史を書き変えてごまかすために祭神を変えたり神名を変えたりして本当のことが判らない様にしたものであろう。
もっとも日前(ひのくま)神宮は須佐之男命の姉天照大神(あまてらすおほみかみ)を祀り、
国懸(くにかゞす)神宮(じんじゃ)は須佐之男命と大屋毗古命(おほやひこのみこと)らを祀っていたと言うことも考えられるが、
要するにこの両神宮は須佐之男命の子孫である紀国造(きのくにのみやつこ)の人々が代々祀っていたものであろうと思う。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔17〕 【四、4】武埴安彦の乱［p1,121-5行〜p1,127-8行］
✡令和二年二月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔18〕
［p1,128/p1,035〜p1,212］
【四、5】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,128/p1,104〜p1,135］
>p1,127-9行~
それに対して熊野本宮は須佐之男命(すさのをのみこと そ)を主祭
>p1,128
神として、
出雲の八束水臣津努命(やつかみずおみつぬのみこと)の子五十猛命(いそたけるのみこと)や後世の孝元(こうげん)天皇こと国玖琉命(くにくるのみこと)なども祀っていたのではないかと思う。
しかし五十猛命(いそたけるのみこと)が神武(じんむ)天皇に激しく反抗した罪で子孫は被差別階級民に堕とされたために熊野本宮の祭神の名を変えて誰のことか判らなくしてごまかしたのだと思うのである。
しかしいくら祭神の名を変えてごまかしても神社名を変えなければ嘘はばれるのである。
熊野本宮と言う社名そのものが島根県八束郡
>p1,129
八雲村の熊野大社の分社であることを証明しているのである。
出雲の熊野大社の起源は大体西紀前四世紀頃、
木の国の日前(ひのくま)神宮、
国懸(くにかがす)神宮の起源は神武東遷以前で大体西紀前二世紀頃、
それに対して熊野本宮は倭国大乱が終わって女王卑弥呼が即位した後であり、
創建せられた時代はずっと遅いのである。
だから出雲の熊野大社が本社であり熊野の熊野本宮は分社であることが判るのである。
熊野本宮の社伝では創建は崇神(すじん)天皇六十五
>p1,130
年となっている様であるが崇神(すじん)天皇の治世などないのであるから大嘘である。
国玖琉命(くにくるのみこと)は二世紀の終わり頃に死去しているので熊野本宮は国玖琉命(くにくるのみこと)の子孫の時代に建てられたものであろう。
そうすると大彦命(おほひこのみこと)とその子の少名日子建猪心命(すくなひこたけいごころのみこと)、
武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)らが、
武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が終わった後熊野を自分達の領土として接収し、
出雲の熊野大社から神霊を迎えて熊野本宮を立てたものであろう。
だから熊野本宮が創建されたのは大体２５
>p1,131
０年より少し後と言うことになるであろう。
日本書紀では崇神(すじん)天皇が六十年に出雲臣(いづものおみ)の所有する神宝(かむたから)を取り上げたことから出雲臣の兄弟の間に争いが起こり、
兄の出雲振根(いづもふるね)が弟の�榮�根(いひいりね)を殺したので崇神(すじん)が吉備津彦と武渟河別(たけぬなかわわけ)とを派遣して出雲振根(いづもふるね)を誅(ころ)したことになっている。
崇神(すじん)六十年と言うのは大嘘で大体は２５０年頃と考えてよいのであり、
その時武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)が出雲の熊野大社へ参拝して須佐之男命(すさのをのみこと)の神霊を迎え、
２５５年頃に熊野本宮を
>p1,132
建てたものと思うのである。
崇神(すじん)こと御真木入彦(みまきいれひこ)は治世六十八年に死んだことになっているが大嘘である。
御真木入彦(みまきいれひこ)が死んだのは２５８年であり、
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去した２４８年から十年後のことである。
だから熊野本宮が創建された崇神六十五年は２５５年頃となるのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔18〕 【四、5】武埴安彦の乱［p1,127-9行〜p1,132-7行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,128/p1,035〜p1,212］
【四、5】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,128/p1,104〜p1,135］
>p1,127-9行~
それに対して熊野本宮は須佐之男命(すさのをのみこと そ)を主祭
>p1,128
神として、
出雲の八束水臣津努命(やつかみずおみつぬのみこと)の子五十猛命(いそたけるのみこと)や後世の孝元(こうげん)天皇こと国玖琉命(くにくるのみこと)なども祀っていたのではないかと思う。
しかし五十猛命(いそたけるのみこと)が神武(じんむ)天皇に激しく反抗した罪で子孫は被差別階級民に堕とされたために熊野本宮の祭神の名を変えて誰のことか判らなくしてごまかしたのだと思うのである。
しかしいくら祭神の名を変えてごまかしても神社名を変えなければ嘘はばれるのである。
熊野本宮と言う社名そのものが島根県八束郡
>p1,129
八雲村の熊野大社の分社であることを証明しているのである。
出雲の熊野大社の起源は大体西紀前四世紀頃、
木の国の日前(ひのくま)神宮、
国懸(くにかがす)神宮の起源は神武東遷以前で大体西紀前二世紀頃、
それに対して熊野本宮は倭国大乱が終わって女王卑弥呼が即位した後であり、
創建せられた時代はずっと遅いのである。
だから出雲の熊野大社が本社であり熊野の熊野本宮は分社であることが判るのである。
熊野本宮の社伝では創建は崇神(すじん)天皇六十五
>p1,130
年となっている様であるが崇神(すじん)天皇の治世などないのであるから大嘘である。
国玖琉命(くにくるのみこと)は二世紀の終わり頃に死去しているので熊野本宮は国玖琉命(くにくるのみこと)の子孫の時代に建てられたものであろう。
そうすると大彦命(おほひこのみこと)とその子の少名日子建猪心命(すくなひこたけいごころのみこと)、
武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)らが、
武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が終わった後熊野を自分達の領土として接収し、
出雲の熊野大社から神霊を迎えて熊野本宮を立てたものであろう。
だから熊野本宮が創建されたのは大体２５
>p1,131
０年より少し後と言うことになるであろう。
日本書紀では崇神(すじん)天皇が六十年に出雲臣(いづものおみ)の所有する神宝(かむたから)を取り上げたことから出雲臣の兄弟の間に争いが起こり、
兄の出雲振根(いづもふるね)が弟の�榮�根(いひいりね)を殺したので崇神(すじん)が吉備津彦と武渟河別(たけぬなかわわけ)とを派遣して出雲振根(いづもふるね)を誅(ころ)したことになっている。
崇神(すじん)六十年と言うのは大嘘で大体は２５０年頃と考えてよいのであり、
その時武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)が出雲の熊野大社へ参拝して須佐之男命(すさのをのみこと)の神霊を迎え、
２５５年頃に熊野本宮を
>p1,132
建てたものと思うのである。
崇神(すじん)こと御真木入彦(みまきいれひこ)は治世六十八年に死んだことになっているが大嘘である。
御真木入彦(みまきいれひこ)が死んだのは２５８年であり、
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去した２４８年から十年後のことである。
だから熊野本宮が創建された崇神六十五年は２５５年頃となるのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔18〕 【四、5】武埴安彦の乱［p1,127-9行〜p1,132-7行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Caliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔19〕
［p1,132/p1,035〜p1,212］
【四、6終】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,132/p1,104〜p1,135］
>p1,132-8行~
熊野本宮の祭神は確かに須佐之男命(すさのをのみこと)と一族の人々である。
しかるに熊野本宮の祭神の名が変えられてうやむやにされたのは、
魏志東(ぎしとう)
>p1,133
夷伝(いでん)の狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)が武埴安彦(たけはにやすひこ)であることが判れば、
倭国大乱の謎も解け、
更に孝元(こうげん)天皇が実際には孝霊(こうれい)天皇の皇子ではなく、
須佐之男命(すさのをのみこと)の子孫であることが判ることを恐れたからである。
さて魏志東夷伝(ぎしとういでん)には狗奴国(くなこく)について「其官狗古智卑狗有(そのかんくこちひくあ)り」と書いてある。
しかし狗古智卑狗(くこちひく)とはどの様な意味か判っていない。
狗古智(くこち)とは木と言う意味である。
古事記には伊邪那岐神(いざなぎのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)が生まれた多くの神々
>p1,134
の中に木の神である久久能智(くくのち)の神がある。
つまり久久能智(くくのち)とは木と言う意味であり久久能智(くくのち)から能(の)が抜けた久久智(くくち)が魏志東夷伝(ぎしとういでん)の狗古智卑狗(くこちひく)の狗古智(くこち)なのである。
日本語の古い数詞である九(ここのつ)とは木の意味であり、
ここのつがなまったのがくくのちである。
九(ここのつ)はもとは九(ここつ)と言っていたのが九(ここのつ)になったもと思うのであり、
九(ここつ)がなまって九(くくち)になり更に九(くくのち)になったものであろう。
そして熊野は木の国であり、
須佐之男命(すさのをのみこと)や大屋毗古命(おほやひこのみこと)は木の
>p1,135
神の化身と言ってもよい人々である。
だから木の国の神は木の神であり、
木の神の名が九(ここのつ)の神であり、
それがなまって九(くくのち)の神となったものであろう。
そして狗奴国(くなこく)に狗古智卑狗(くこちひく)と言う官があるのは熊野は木の国で林業が盛んであるから、
建築や造船などに必要な木材を伐り出して運んだり製材をしたりすることを監督する役人の如き人がいたのではないかと思うのであり、
その様な官職が狗古智卑狗(くこちひく)であろうと思う。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔19〕 【四、6終】武埴安彦の乱［p1,132-8行〜p1,135-10行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,132/p1,035〜p1,212］
【四、6終】武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱
［p1,132/p1,104〜p1,135］
>p1,132-8行~
熊野本宮の祭神は確かに須佐之男命(すさのをのみこと)と一族の人々である。
しかるに熊野本宮の祭神の名が変えられてうやむやにされたのは、
魏志東(ぎしとう)
>p1,133
夷伝(いでん)の狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)が武埴安彦(たけはにやすひこ)であることが判れば、
倭国大乱の謎も解け、
更に孝元(こうげん)天皇が実際には孝霊(こうれい)天皇の皇子ではなく、
須佐之男命(すさのをのみこと)の子孫であることが判ることを恐れたからである。
さて魏志東夷伝(ぎしとういでん)には狗奴国(くなこく)について「其官狗古智卑狗有(そのかんくこちひくあ)り」と書いてある。
しかし狗古智卑狗(くこちひく)とはどの様な意味か判っていない。
狗古智(くこち)とは木と言う意味である。
古事記には伊邪那岐神(いざなぎのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)が生まれた多くの神々
>p1,134
の中に木の神である久久能智(くくのち)の神がある。
つまり久久能智(くくのち)とは木と言う意味であり久久能智(くくのち)から能(の)が抜けた久久智(くくち)が魏志東夷伝(ぎしとういでん)の狗古智卑狗(くこちひく)の狗古智(くこち)なのである。
日本語の古い数詞である九(ここのつ)とは木の意味であり、
ここのつがなまったのがくくのちである。
九(ここのつ)はもとは九(ここつ)と言っていたのが九(ここのつ)になったもと思うのであり、
九(ここつ)がなまって九(くくち)になり更に九(くくのち)になったものであろう。
そして熊野は木の国であり、
須佐之男命(すさのをのみこと)や大屋毗古命(おほやひこのみこと)は木の
>p1,135
神の化身と言ってもよい人々である。
だから木の国の神は木の神であり、
木の神の名が九(ここのつ)の神であり、
それがなまって九(くくのち)の神となったものであろう。
そして狗奴国(くなこく)に狗古智卑狗(くこちひく)と言う官があるのは熊野は木の国で林業が盛んであるから、
建築や造船などに必要な木材を伐り出して運んだり製材をしたりすることを監督する役人の如き人がいたのではないかと思うのであり、
その様な官職が狗古智卑狗(くこちひく)であろうと思う。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔19〕 【四、6終】武埴安彦の乱［p1,132-8行〜p1,135-10行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔20〕
［p1,136/p1,035〜p1,212］
【五、1】四道將軍派遣の真相
［p1,136/p1,136〜p1,149］
>p1,136-1行~
四道將軍とは崇神(すじん)天皇が四人の皇族を將軍として四つの地方へ派遣したことであると考えられている。
四人の皇族と言うのは大彦命(おほひこのみこと)、
武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)、吉備津彦命(きびつひこのみこと)、丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)であり、この四人が世に言う四道將軍である。
しかし崇神(すじん)天皇は仮空の天皇であり、
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇ではなかったのである。
だから御真木入彦(みまきいれひこ)が四道將軍を派遣出来る様な立場ではなかったのである。
>p1,137
四道將軍の派遣が決定されたのは２４５年である。
しかし四道將軍の派遣が決定して間もなく武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が起こり、
そのために四道將軍の派遣は延期となったのであり、
実際に四道將軍の派遣が実施されたのは武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が鎮圧された２４８年の十月だったのである。
では何の目的で四道將軍の派遣が行なわれたかと言うと表向きは地方の賊を平定するためと言うことになっているけれども、
実際は
>p1,138
そうではなかったのである。
例えば吉備の国の歴史では垂仁天皇の時代に百済(くだら)の王子温羅(うら)が渡って来て阿曽郷(あそごう)新山(にいやま)に山城を築き、
瀬戸内海を航行する船を襲って海賊を働いたり、
吉備の国を人々を苦しめたりするために、
孝霊(こうれい)天皇皇子四道將軍吉備津彦命が吉備の国へ来て温羅(うら)を退治したと言うことになっているのである。
しかし孝霊(こうれい)天皇皇子大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)と四道將軍吉備津彦命(きびつひこのみこと)とは別人なのであり、
時代が
>p1,139
違うのである。
阿曽郷新山の温羅(うら)を退治したのは孝霊(こうれい)天皇皇子大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)であって四道將軍伊佐佐彦命(いささひこのみこと)ではないのである。
大吉備津日子命が吉備の国へ来たのは女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の治世二十一年、
西紀２０１年のことであり、
四道將軍伊佐佐彦命(いささひこのみこと)が吉備の国へ来たのは武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が鎮圧され、
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が治世六十八年、
享年百才で死去した後であり、
２４８年の終わり頃だったのである。
>p1,140
では四道將軍派遣の本当の理由は何だったのであろうか。
その理由は魏志東夷伝(ぎしとういでん)に書かれているのである。
魏志東夷伝(ぎしとういでん)には女王卑弥呼(ひみこ)の死後のことについて「更立男王、国中不服、更相誅殺、当時殺千余人。復立卑弥呼宗女壹与年十三為王、国中遂定」と書いてある。
その意味は女王卑弥呼(ひみこ)こと女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去した後、
男子の王が立てられたが、
その男王に対して国中に不平不満、反感の声が挙がったと言うことである。
>p1,141
そして男王に対して反乱が起こり、
双方が殺し合い、その時に千余人の人々が殺されたのである。
それで男王に国を治める能力がないことが判って男王は退位させられ、
その後再び女王卑弥呼(ひみこ)の宗女、
つまり卑弥呼(ひみこ)の同族の女性である壹与(いよ)が十三才で女王となったところ国民は満足して国中が平和になったと言うものである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔20〕 【五、1】四道將軍派遣の真相［p1,136-1行〜p1,141-8行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,136/p1,035〜p1,212］
【五、1】四道將軍派遣の真相
［p1,136/p1,136〜p1,149］
>p1,136-1行~
四道將軍とは崇神(すじん)天皇が四人の皇族を將軍として四つの地方へ派遣したことであると考えられている。
四人の皇族と言うのは大彦命(おほひこのみこと)、
武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)、吉備津彦命(きびつひこのみこと)、丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)であり、この四人が世に言う四道將軍である。
しかし崇神(すじん)天皇は仮空の天皇であり、
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇ではなかったのである。
だから御真木入彦(みまきいれひこ)が四道將軍を派遣出来る様な立場ではなかったのである。
>p1,137
四道將軍の派遣が決定されたのは２４５年である。
しかし四道將軍の派遣が決定して間もなく武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が起こり、
そのために四道將軍の派遣は延期となったのであり、
実際に四道將軍の派遣が実施されたのは武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が鎮圧された２４８年の十月だったのである。
では何の目的で四道將軍の派遣が行なわれたかと言うと表向きは地方の賊を平定するためと言うことになっているけれども、
実際は
>p1,138
そうではなかったのである。
例えば吉備の国の歴史では垂仁天皇の時代に百済(くだら)の王子温羅(うら)が渡って来て阿曽郷(あそごう)新山(にいやま)に山城を築き、
瀬戸内海を航行する船を襲って海賊を働いたり、
吉備の国を人々を苦しめたりするために、
孝霊(こうれい)天皇皇子四道將軍吉備津彦命が吉備の国へ来て温羅(うら)を退治したと言うことになっているのである。
しかし孝霊(こうれい)天皇皇子大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)と四道將軍吉備津彦命(きびつひこのみこと)とは別人なのであり、
時代が
>p1,139
違うのである。
阿曽郷新山の温羅(うら)を退治したのは孝霊(こうれい)天皇皇子大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)であって四道將軍伊佐佐彦命(いささひこのみこと)ではないのである。
大吉備津日子命が吉備の国へ来たのは女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の治世二十一年、
西紀２０１年のことであり、
四道將軍伊佐佐彦命(いささひこのみこと)が吉備の国へ来たのは武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が鎮圧され、
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が治世六十八年、
享年百才で死去した後であり、
２４８年の終わり頃だったのである。
>p1,140
では四道將軍派遣の本当の理由は何だったのであろうか。
その理由は魏志東夷伝(ぎしとういでん)に書かれているのである。
魏志東夷伝(ぎしとういでん)には女王卑弥呼(ひみこ)の死後のことについて「更立男王、国中不服、更相誅殺、当時殺千余人。復立卑弥呼宗女壹与年十三為王、国中遂定」と書いてある。
その意味は女王卑弥呼(ひみこ)こと女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去した後、
男子の王が立てられたが、
その男王に対して国中に不平不満、反感の声が挙がったと言うことである。
>p1,141
そして男王に対して反乱が起こり、
双方が殺し合い、その時に千余人の人々が殺されたのである。
それで男王に国を治める能力がないことが判って男王は退位させられ、
その後再び女王卑弥呼(ひみこ)の宗女、
つまり卑弥呼(ひみこ)の同族の女性である壹与(いよ)が十三才で女王となったところ国民は満足して国中が平和になったと言うものである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔20〕 【五、1】四道將軍派遣の真相［p1,136-1行〜p1,141-8行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔21〕
［p1,141/p1,035〜p1,212］
【五、2】四道將軍派遣の真相
［p1,141/p1,136〜p1,149］
>p1,141-9行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)を研究した人は大勢いるけれども、
女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王が誰で
>p1,142
あるかと言うことについて真剣に考えた人はいないのである。
女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王は卑弥呼(ひみこ)の同族ではなく、
血統の違う家の人物だったのである。
それで国民が男王を認めず、
国中に不平不満の声が起こり、
更に男王に対して反乱が起こり、
双方が戦って千余人の人々が死に、
遂に男王は退位させられ、
女王卑弥呼(ひみこ)の同族の女性壹与(いよ)が十三才で女王として立てられたところ国民は満足し、
国が治まったのである。
>p1,143
女王卑弥呼(ひみこ)は孝霊(こうれい)天皇皇女女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)であるが、
倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の死後立てられた天皇は天皇家の血統ではないにもかゝわらず天皇の位を奪って天皇になったのである。
それで国中に反感が起こり、
更に天皇に対して反乱が起こり、
千余人の人が殺され皇位を奪って天皇になった男は退位させられたのである。
その後倭迹迹日百襲媛命の同族の女性、
つまり天皇家の血統の女性が女帝として即位したところ国中が満足して平和にな
>p1,144
ったのである。
しかし古事記と日本書紀は女王卑弥呼(ひみこ)と後継者の女王壹与(いよ)の二人の女帝を歴史から消し去って、
その代わりに孝元(こうげん)天皇、開化(かいか)天皇、崇神(すじん)天皇、垂仁(すいにん)天皇らの偽天皇をでっちあげて歴史をごまかしたのである。
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の死後立てられた天皇は皇族の出身ではなく、
饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で棺桶造りの子御真木入彦の子である活目入彦(いくめいれひこ)だったのである。
女帝倭迹迹日百襲媛命の後継者は女帝の弟大吉備津日子命の長男であり、
>p1,145
女帝の摂政でもあった若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と決まっていたのである。
しかるに大吉備津日子命が２４３年に吉備津の宮で死去するや否や、
邪悪な御真木入彦(みまきいれひこ)は女帝を恐迫して伊佐佐彦命(いささひこのみこと)の後継者を取り消し、
自分の子の活目入彦(いくめいれひこ)を女帝の後継者に決定したのである。
それが２４５年のことであり、
活目入彦を次の天皇にすると決定したことによって女帝の正統の後継者である伊佐佐彦命(いささひこのみこと)の存在が邪魔になったのである。
>p1,146
それで伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と共に女帝の後継者として有力な候補であった、
彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の長男丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の二人を都から追い出そうとしたのである。
しかし女帝の後継者であった伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と有力候補であった丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の二人を都から追い出せば世間から激しい非難の声が起こることは確実である。
そこで悪賢(わるがしこ)い御真木入彦(みまきいれひこ)は自分の叔父に当たる大彦命(おほひこのみこと)と義理の兄弟に当たる武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)の二人を加えて伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)らの四人を四道將軍と言
>p1,147
う名目で四つの地方へ派遣すると言うことにして世間の目をごまかそうとしたのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔21〕 【五、2】四道將軍派遣の真相［p1,141-9行〜p1,147-2行］
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,141/p1,035〜p1,212］
【五、2】四道將軍派遣の真相
［p1,141/p1,136〜p1,149］
>p1,141-9行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)を研究した人は大勢いるけれども、
女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王が誰で
>p1,142
あるかと言うことについて真剣に考えた人はいないのである。
女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王は卑弥呼(ひみこ)の同族ではなく、
血統の違う家の人物だったのである。
それで国民が男王を認めず、
国中に不平不満の声が起こり、
更に男王に対して反乱が起こり、
双方が戦って千余人の人々が死に、
遂に男王は退位させられ、
女王卑弥呼(ひみこ)の同族の女性壹与(いよ)が十三才で女王として立てられたところ国民は満足し、
国が治まったのである。
>p1,143
女王卑弥呼(ひみこ)は孝霊(こうれい)天皇皇女女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)であるが、
倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の死後立てられた天皇は天皇家の血統ではないにもかゝわらず天皇の位を奪って天皇になったのである。
それで国中に反感が起こり、
更に天皇に対して反乱が起こり、
千余人の人が殺され皇位を奪って天皇になった男は退位させられたのである。
その後倭迹迹日百襲媛命の同族の女性、
つまり天皇家の血統の女性が女帝として即位したところ国中が満足して平和にな
>p1,144
ったのである。
しかし古事記と日本書紀は女王卑弥呼(ひみこ)と後継者の女王壹与(いよ)の二人の女帝を歴史から消し去って、
その代わりに孝元(こうげん)天皇、開化(かいか)天皇、崇神(すじん)天皇、垂仁(すいにん)天皇らの偽天皇をでっちあげて歴史をごまかしたのである。
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の死後立てられた天皇は皇族の出身ではなく、
饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で棺桶造りの子御真木入彦の子である活目入彦(いくめいれひこ)だったのである。
女帝倭迹迹日百襲媛命の後継者は女帝の弟大吉備津日子命の長男であり、
>p1,145
女帝の摂政でもあった若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)の長男伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と決まっていたのである。
しかるに大吉備津日子命が２４３年に吉備津の宮で死去するや否や、
邪悪な御真木入彦(みまきいれひこ)は女帝を恐迫して伊佐佐彦命(いささひこのみこと)の後継者を取り消し、
自分の子の活目入彦(いくめいれひこ)を女帝の後継者に決定したのである。
それが２４５年のことであり、
活目入彦を次の天皇にすると決定したことによって女帝の正統の後継者である伊佐佐彦命(いささひこのみこと)の存在が邪魔になったのである。
>p1,146
それで伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と共に女帝の後継者として有力な候補であった、
彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の長男丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の二人を都から追い出そうとしたのである。
しかし女帝の後継者であった伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と有力候補であった丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の二人を都から追い出せば世間から激しい非難の声が起こることは確実である。
そこで悪賢(わるがしこ)い御真木入彦(みまきいれひこ)は自分の叔父に当たる大彦命(おほひこのみこと)と義理の兄弟に当たる武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)の二人を加えて伊佐佐彦命(いささひこのみこと)と丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)らの四人を四道將軍と言
>p1,147
う名目で四つの地方へ派遣すると言うことにして世間の目をごまかそうとしたのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔21〕 【五、2】四道將軍派遣の真相［p1,141-9行〜p1,147-2行］
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔22〕
［p1,147/p1,035〜p1,212］
【五、3終】四道將軍派遣の真相
［p1,147/p1,136〜p1,149］
>p1,147-3行~
大彦命(おほひこのみこと)は１６０年頃の生まれであるから２４８年には九十才位の高令になっていたのであり、
四道將軍として遠隔の地へ派遣される様な年ではなかったのである。
だから大彦命が実際に北陸(くぬがのみち)に遠征したかどうかと言うことは甚だ疑わしいのである。
大彦命が四道將軍と言うのは名目丈で実際には高令であったから北陸地方へ遠征はしていないにもかゝわら
>p1,148
ず、北陸地方へ行ったことにしてごまかしている公算が大きいのである。
四人の將軍が都を出発したと言うのは崇神(すじん)十年十月で女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去した２４８年のことである。
そして翌年の夏四月には大彦命(おほひこのみこと)、武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)、丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の三人は都へ帰ったものと考えられるのである。
だから遠征と言う程のことではなかったのである。
しかし西道將軍(せいどうしょうぐん)伊佐佐彦命(いささひこのみこと)のみは再び都へ帰ることなく、
現在の岡山市一宮の備前一
>p1,149
宮吉備津彦神社の近くに屋敷を立てて住み、
吉備の国で一生を終わったのである。
その様な事実からも四道將軍の派遣と言うのは女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の正統の後継者であった伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を都から追い出して、
我が子の活目入彦(いくめいれひこ)を天皇にして天孫系の天皇家から皇位を奪おうとした御真木入彦(みまきいれひこ)の邪悪な手段であったことは歴然としているのである。
だから御真木入彦(みまきいれひこ)と活目入彦(いくめいれひこ)父子に対して全国的な反感が湧き起こったのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔22〕 【五、3終】四道將軍派遣の真相［p1,147-3行〜p1,149-10行］
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,147/p1,035〜p1,212］
【五、3終】四道將軍派遣の真相
［p1,147/p1,136〜p1,149］
>p1,147-3行~
大彦命(おほひこのみこと)は１６０年頃の生まれであるから２４８年には九十才位の高令になっていたのであり、
四道將軍として遠隔の地へ派遣される様な年ではなかったのである。
だから大彦命が実際に北陸(くぬがのみち)に遠征したかどうかと言うことは甚だ疑わしいのである。
大彦命が四道將軍と言うのは名目丈で実際には高令であったから北陸地方へ遠征はしていないにもかゝわら
>p1,148
ず、北陸地方へ行ったことにしてごまかしている公算が大きいのである。
四人の將軍が都を出発したと言うのは崇神(すじん)十年十月で女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去した２４８年のことである。
そして翌年の夏四月には大彦命(おほひこのみこと)、武渟河別命(たけぬなかわわけのみこと)、丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の三人は都へ帰ったものと考えられるのである。
だから遠征と言う程のことではなかったのである。
しかし西道將軍(せいどうしょうぐん)伊佐佐彦命(いささひこのみこと)のみは再び都へ帰ることなく、
現在の岡山市一宮の備前一
>p1,149
宮吉備津彦神社の近くに屋敷を立てて住み、
吉備の国で一生を終わったのである。
その様な事実からも四道將軍の派遣と言うのは女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の正統の後継者であった伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を都から追い出して、
我が子の活目入彦(いくめいれひこ)を天皇にして天孫系の天皇家から皇位を奪おうとした御真木入彦(みまきいれひこ)の邪悪な手段であったことは歴然としているのである。
だから御真木入彦(みまきいれひこ)と活目入彦(いくめいれひこ)父子に対して全国的な反感が湧き起こったのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔22〕 【五、3終】四道將軍派遣の真相［p1,147-3行〜p1,149-10行］
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔23〕
［p1,150/p1,035〜p1,212］
【六-1】活目入彦(いくめいれひこ)の即位
［p1,150/p1,150〜p1,156］
>p1,150-1行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)に記録せられている倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)の死後に立てられた男王は兇賊饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で葬儀部(もののべ)の内色許男命(うつしこをのみこと)の末子御真木入彦(みまきいれひこ)の子活目入彦(いくめいれひこ)だったのである。
活目入彦(いくめいれひこ)は御真木入彦(みまきいれひこ)と御真津媛(みまつひめ)との間に２０５年に生まれたのである。
だから活目入彦(いくめいれひこ)は四道將軍吉備津彦命より四才年下であり、
四道將軍丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)と同年だったのである。
日本書紀では垂仁天皇(すいにんてんのう)活目入彦(いくめいれひこ)は崇神(すじん)天皇
>p1,151
が治世六十八年で死んだ後(のち)に即位したことになっているけれども全く大嘘である。
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇ではなかったのであり、
日本書紀の崇神(すじん)十年に倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去し、
それから五十八年後に御真木入彦(みまきいれひこ)が死に、
その後で垂仁(すいにん)天皇が即位したことになっているのは、
倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)が女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)であり、
女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王が垂仁(すいにん)天皇活目入彦(いくめいれひこ)であることを後世の人々に気付かれない様にするための大嘘だったの
>p1,152
である。
活目入彦(いくめいれひこ)の妻は狭穂媛(さほひめ)である。
活目入彦(いくめいれひこ)が狭穂媛(さほひめ)と結婚したのは２２８年であり、
その年に活目入彦(いくめいれひこ)は二十四才だったのである。
狭穂媛(さほひめ)の年令は大体十八才前後位だったと考えられるから狭穂媛(さほひめ)の生年２１０年頃と考えられるのである。
そして二人の間に誉津別命(ほむつわけのみこと)が生まれたのが翌年の２２９年であり、
それから二三年以内に五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)が生まれたのであり、
活目入彦(いくめいれひこ)と狭穂媛(さほひめ)との間に生まれ
>p1,153
た子は誉津別命(ほむつわけのみこと)と五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)の二人だったのである。
活目入彦(いくめいれひこ)の子である誉津別命(ほむつわけのみこと)は入(いれ)の字がついていないが、
それは皇后狭穂媛(さほひめ)が皇族の女性だから入彦(いれひこ)になってないのである。
それに対して五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)には入彦(いれひこ)がついているのは、
五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)は活目入彦(いくめいれひこ)と狭穂媛(さほひめ)との間に生まれた子であるにもかゝわらず、
活目入彦(いくめいれひこ)と皇后日葉酢媛命(ひばすひめのみこと)との間に生まれたことにしてごまかし、
日葉酢媛命(ひばすひめのみこと)の子として系図に書き込んだから入彦(いれひこ)としている
>p1,154
のである。
活目入彦(いくめいれひこ)が天皇として即位したのは女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去した２４８年の10月であるが、
２４８年迄は女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の治世として計算するから活目入彦(いくめいれひこ)の治世元年は２４９年となるのである。
故に２４９年は活目入彦(いくめいれひこ)は四十五才であり、
狭穂媛(さほひめ)は四十才近くになっていたのであり、
誉津別命(ほむつわけのみこと)は二十一才になっていたけれども唖(おし)であり、
五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)は十八才位だったのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔23〕 【六-1】活目入彦の即位［p1,150-1行〜p1,154-10行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,150/p1,035〜p1,212］
【六-1】活目入彦(いくめいれひこ)の即位
［p1,150/p1,150〜p1,156］
>p1,150-1行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)に記録せられている倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)の死後に立てられた男王は兇賊饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で葬儀部(もののべ)の内色許男命(うつしこをのみこと)の末子御真木入彦(みまきいれひこ)の子活目入彦(いくめいれひこ)だったのである。
活目入彦(いくめいれひこ)は御真木入彦(みまきいれひこ)と御真津媛(みまつひめ)との間に２０５年に生まれたのである。
だから活目入彦(いくめいれひこ)は四道將軍吉備津彦命より四才年下であり、
四道將軍丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)と同年だったのである。
日本書紀では垂仁天皇(すいにんてんのう)活目入彦(いくめいれひこ)は崇神(すじん)天皇
>p1,151
が治世六十八年で死んだ後(のち)に即位したことになっているけれども全く大嘘である。
御真木入彦(みまきいれひこ)は天皇ではなかったのであり、
日本書紀の崇神(すじん)十年に倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去し、
それから五十八年後に御真木入彦(みまきいれひこ)が死に、
その後で垂仁(すいにん)天皇が即位したことになっているのは、
倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)が女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)であり、
女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王が垂仁(すいにん)天皇活目入彦(いくめいれひこ)であることを後世の人々に気付かれない様にするための大嘘だったの
>p1,152
である。
活目入彦(いくめいれひこ)の妻は狭穂媛(さほひめ)である。
活目入彦(いくめいれひこ)が狭穂媛(さほひめ)と結婚したのは２２８年であり、
その年に活目入彦(いくめいれひこ)は二十四才だったのである。
狭穂媛(さほひめ)の年令は大体十八才前後位だったと考えられるから狭穂媛(さほひめ)の生年２１０年頃と考えられるのである。
そして二人の間に誉津別命(ほむつわけのみこと)が生まれたのが翌年の２２９年であり、
それから二三年以内に五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)が生まれたのであり、
活目入彦(いくめいれひこ)と狭穂媛(さほひめ)との間に生まれ
>p1,153
た子は誉津別命(ほむつわけのみこと)と五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)の二人だったのである。
活目入彦(いくめいれひこ)の子である誉津別命(ほむつわけのみこと)は入(いれ)の字がついていないが、
それは皇后狭穂媛(さほひめ)が皇族の女性だから入彦(いれひこ)になってないのである。
それに対して五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)には入彦(いれひこ)がついているのは、
五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)は活目入彦(いくめいれひこ)と狭穂媛(さほひめ)との間に生まれた子であるにもかゝわらず、
活目入彦(いくめいれひこ)と皇后日葉酢媛命(ひばすひめのみこと)との間に生まれたことにしてごまかし、
日葉酢媛命(ひばすひめのみこと)の子として系図に書き込んだから入彦(いれひこ)としている
>p1,154
のである。
活目入彦(いくめいれひこ)が天皇として即位したのは女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)が死去した２４８年の10月であるが、
２４８年迄は女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の治世として計算するから活目入彦(いくめいれひこ)の治世元年は２４９年となるのである。
故に２４９年は活目入彦(いくめいれひこ)は四十五才であり、
狭穂媛(さほひめ)は四十才近くになっていたのであり、
誉津別命(ほむつわけのみこと)は二十一才になっていたけれども唖(おし)であり、
五十瓊敷入彦命(いにしきいれひこのみこと)は十八才位だったのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔23〕 【六-1】活目入彦の即位［p1,150-1行〜p1,154-10行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔24〕
［p1,155/p1,035〜p1,212］
【六-2】活目入彦(いくめいれひこ)の即位
［p1,155/p1,150〜p1,156］
>p1,155-1行~
ところで垂仁(すいにん)天皇皇后狭穂媛(さほひめ)の素性は極めて疑わしいのである。
狭穂媛(さほひめ)は開化(かいか)天皇の皇子彦坐王(ひこいますのみこ)の娘となっている。
しかし開化(かいか)天皇こと稚日本根子彦大日日命(わかやまとねこひこおほひひのみこと)は実際は天皇ではなく女帝の兄君だったのであり、
病弱な方であったから子女は一人もいなかったのである。
従って開化(かいか)天皇皇子となっている彦坐王(ひこいますのみこ)は仮空の人物であり、
太安万侶(おほのやすまろ)と稗田阿礼(ひえだのあれ)が古事記を書く時に偽歴史と偽系図をでっちあげる目的で、
兇賊饒速日命(にぎはやひのみこと)を祀る磯城県(しきのあがた)の坐神社(にますじんじゃ)
>p1,156
の名を取って彦坐王(ひこいますのみこ)と言う仮空の皇子をでっちあげたものである。
彦坐王(ひこいますのみこ)が仮空の人物であるから彦坐王(ひこいますのみこ)の妃とか子女と言うのはすべて嘘である。
従って狭穂媛(さほひめ)が彦坐王(ひこいますのみこ)の娘と言うのも大嘘である。
日本書紀は垂仁(すいにん)二年春二月に狭穂媛(さほひめ)を立てて皇后とすと書いているけれども、
狭穂媛(さほひめ)の父の名や家系について何も書いてないのである。
それは狭穂媛(さほひめ)の父が彦坐王(ひこいますのみこ)ではないからであるが、
それについては次で述べよう。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔24〕 【六-2】活目入彦の即位［p1,155-1行〜p1,156-10行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,155/p1,035〜p1,212］
【六-2】活目入彦(いくめいれひこ)の即位
［p1,155/p1,150〜p1,156］
>p1,155-1行~
ところで垂仁(すいにん)天皇皇后狭穂媛(さほひめ)の素性は極めて疑わしいのである。
狭穂媛(さほひめ)は開化(かいか)天皇の皇子彦坐王(ひこいますのみこ)の娘となっている。
しかし開化(かいか)天皇こと稚日本根子彦大日日命(わかやまとねこひこおほひひのみこと)は実際は天皇ではなく女帝の兄君だったのであり、
病弱な方であったから子女は一人もいなかったのである。
従って開化(かいか)天皇皇子となっている彦坐王(ひこいますのみこ)は仮空の人物であり、
太安万侶(おほのやすまろ)と稗田阿礼(ひえだのあれ)が古事記を書く時に偽歴史と偽系図をでっちあげる目的で、
兇賊饒速日命(にぎはやひのみこと)を祀る磯城県(しきのあがた)の坐神社(にますじんじゃ)
>p1,156
の名を取って彦坐王(ひこいますのみこ)と言う仮空の皇子をでっちあげたものである。
彦坐王(ひこいますのみこ)が仮空の人物であるから彦坐王(ひこいますのみこ)の妃とか子女と言うのはすべて嘘である。
従って狭穂媛(さほひめ)が彦坐王(ひこいますのみこ)の娘と言うのも大嘘である。
日本書紀は垂仁(すいにん)二年春二月に狭穂媛(さほひめ)を立てて皇后とすと書いているけれども、
狭穂媛(さほひめ)の父の名や家系について何も書いてないのである。
それは狭穂媛(さほひめ)の父が彦坐王(ひこいますのみこ)ではないからであるが、
それについては次で述べよう。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔24〕 【六-2】活目入彦の即位［p1,155-1行〜p1,156-10行］
✡令和二年三月（2020）
✡福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔25〕
［p1,157/p1,035〜p1,212］
【七、1】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,157/p1,157〜p1,208］
>p1,157-1行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)には倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)が死去した後、
男王が立てられたが国中不服で遂に男王に対して反乱が起こり、
千余人の人々が死に、
遂に男王は退位させられて女王卑弥呼(ひみこ)の宗女壹与(いよ)が十三才で女王となった所国民は満足し国が治まったと書かれているのである。
女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王が御真木入彦(みまきいれひこ)の子活目入彦(いくめいれひこ)であり、
活目入彦(いくめいれひこ)に対して反乱を起こしたのが活目入彦(いくめいれひこ)の妻狭穂媛(さほひめ)の兄
>p1,158
狭穂彦(さほひこ)だったのである。
狭穂彦(さほひこ)の乱は活目入彦(いくめいれひこ)が天皇となった２４８年の翌年の２４９年の10月に起こったのである。
故に狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)の乱即ち武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が終わった２４８年10月から丁度一年後の２４９年10月に狭穂彦(さほひこ)の乱が起こったのである。
しかるに日本書紀は女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の死去した２４８年を崇神(すじん)十年とし、
御真木入彦(みまきいれひこ)が死んだ２５８年を崇神(すじん)六十八年とし、
活目入彦(いくめいれひこ)の元年である２４９年、
更に狭穂彦(さほひこ)の
>p1,159
乱の起こった２４９年を垂仁五年とし、
武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が終わって狭穂彦(さほひこ)の乱が起こったのが六十三年後と言うことにして狭穂彦(さほひこ)の乱が武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱の終わった一年後に起こったことをごまかして判らなくしたのである。
それで今迄女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王が垂仁天皇(すいにんてんのう)活目入彦(いくめいれひこ)であり、
男王に反乱を起こしたのが狭穂彦(さほひこ)であることが誰にも気付かれなかったのである。
狭穂彦(さほひこ)の乱が起こった２４９年が垂仁元年
>p1,160
であるにもかゝわらず、
日本書紀はそれを垂仁(すいにん)五年としているのである。
何故そうしたかと言うと御真木入彦(みまきいれひこ)が女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)を強迫して次の天皇と決定していた大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の嫡孫伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を皇太子の地位から降ろし、
自分の子の活目入彦(いくめいれひこ)を女帝の後継者と決定したのが２４５年であるからその年を垂仁元年としたのである。
日本書紀では活目入彦(いくめいれひこ)は崇神(すじん)二十九年に生まれ、
崇神(すじん)五十二年に二十四才で皇太子にな
>p1,161
り、崇神(すじん)六十八年に御真木入彦(みまきいれひこ)が死んだ時が四十才であり、
崇神(すじん)の死んだ翌年に四十一才で即位したことになっているのである。
しかし実際は活目入彦(いくめいれひこ)は２０５年、
御真木入彦(みまきいれひこ)の三十五才の年に生まれ、
二十四才になった２２８年に狭穂媛(さほひめ)と結婚し、
四十一才になった２４５年に女帝の後継者に決まり、
四十五才になった２４９年が即位元年だったのである。
そして２４９年、垂仁(すいにん)元年十月に狭穂彦(さほひこ)の乱が起こり、
狭穂彦(さほひこ)が殺された後垂仁(すいにん)天皇活(いく)
>p1,162
目入彦(めいれひこ)は退位させられ、
倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の同族即ち天皇家の血統の女性伊予媛命(いよひめのみこと)が十三才で女帝として即位したのである。
故に垂仁(すいにん)天皇の治世は元年の２４９年丈であり、
僅か一年の短い治世に過ぎなかったのである。
しかるに日本書紀は垂仁(すいにん)天皇の治世九十九年と言う大嘘の歴史をでっちあげたのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔25〕 【七、1】狭穂彦の乱［p1,157-1行〜p1,162-7行］
記：令和２年４月（2020）福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,157/p1,035〜p1,212］
【七、1】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,157/p1,157〜p1,208］
>p1,157-1行~
魏志東夷伝(ぎしとういでん)には倭国(わこく)の女王卑弥呼(ひみこ)が死去した後、
男王が立てられたが国中不服で遂に男王に対して反乱が起こり、
千余人の人々が死に、
遂に男王は退位させられて女王卑弥呼(ひみこ)の宗女壹与(いよ)が十三才で女王となった所国民は満足し国が治まったと書かれているのである。
女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王が御真木入彦(みまきいれひこ)の子活目入彦(いくめいれひこ)であり、
活目入彦(いくめいれひこ)に対して反乱を起こしたのが活目入彦(いくめいれひこ)の妻狭穂媛(さほひめ)の兄
>p1,158
狭穂彦(さほひこ)だったのである。
狭穂彦(さほひこ)の乱は活目入彦(いくめいれひこ)が天皇となった２４８年の翌年の２４９年の10月に起こったのである。
故に狗奴国王(くなこくおう)卑弥弓呼(ひみここ)の乱即ち武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が終わった２４８年10月から丁度一年後の２４９年10月に狭穂彦(さほひこ)の乱が起こったのである。
しかるに日本書紀は女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の死去した２４８年を崇神(すじん)十年とし、
御真木入彦(みまきいれひこ)が死んだ２５８年を崇神(すじん)六十八年とし、
活目入彦(いくめいれひこ)の元年である２４９年、
更に狭穂彦(さほひこ)の
>p1,159
乱の起こった２４９年を垂仁五年とし、
武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱が終わって狭穂彦(さほひこ)の乱が起こったのが六十三年後と言うことにして狭穂彦(さほひこ)の乱が武埴安彦(たけはにやすひこ)の乱の終わった一年後に起こったことをごまかして判らなくしたのである。
それで今迄女王卑弥呼(ひみこ)の死後立てられた男王が垂仁天皇(すいにんてんのう)活目入彦(いくめいれひこ)であり、
男王に反乱を起こしたのが狭穂彦(さほひこ)であることが誰にも気付かれなかったのである。
狭穂彦(さほひこ)の乱が起こった２４９年が垂仁元年
>p1,160
であるにもかゝわらず、
日本書紀はそれを垂仁(すいにん)五年としているのである。
何故そうしたかと言うと御真木入彦(みまきいれひこ)が女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)を強迫して次の天皇と決定していた大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の嫡孫伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を皇太子の地位から降ろし、
自分の子の活目入彦(いくめいれひこ)を女帝の後継者と決定したのが２４５年であるからその年を垂仁元年としたのである。
日本書紀では活目入彦(いくめいれひこ)は崇神(すじん)二十九年に生まれ、
崇神(すじん)五十二年に二十四才で皇太子にな
>p1,161
り、崇神(すじん)六十八年に御真木入彦(みまきいれひこ)が死んだ時が四十才であり、
崇神(すじん)の死んだ翌年に四十一才で即位したことになっているのである。
しかし実際は活目入彦(いくめいれひこ)は２０５年、
御真木入彦(みまきいれひこ)の三十五才の年に生まれ、
二十四才になった２２８年に狭穂媛(さほひめ)と結婚し、
四十一才になった２４５年に女帝の後継者に決まり、
四十五才になった２４９年が即位元年だったのである。
そして２４９年、垂仁(すいにん)元年十月に狭穂彦(さほひこ)の乱が起こり、
狭穂彦(さほひこ)が殺された後垂仁(すいにん)天皇活(いく)
>p1,162
目入彦(めいれひこ)は退位させられ、
倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の同族即ち天皇家の血統の女性伊予媛命(いよひめのみこと)が十三才で女帝として即位したのである。
故に垂仁(すいにん)天皇の治世は元年の２４９年丈であり、
僅か一年の短い治世に過ぎなかったのである。
しかるに日本書紀は垂仁(すいにん)天皇の治世九十九年と言う大嘘の歴史をでっちあげたのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
第十三章 極悪人御真木入彦〔25〕 【七、1】狭穂彦の乱［p1,157-1行〜p1,162-7行］
記：令和２年４月（2020）福田 扶士男(Kaliva Fujio)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔26〕
［p1,162/p1,035〜p1,212］
【七、2】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,162/p1,157〜p1,208］
>p1,162-8行~
さて次に垂仁(すいにん)天皇皇后狭穂媛(さほひめ)と狭穂媛(さほひめ)の兄狭穂彦(さほひこ)について述べよう。
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の兄妹は開化(かいか)天皇皇子彦坐王(ひこいますのみこ)の子となっている
>p1,163
けれどもそれは大嘘である。
しかし活目入彦(いくめいれひこ)が被差別階級出身であったのに対して、
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)が皇族の出身であったことは確かである。
しかし狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の本当の素性は完全に消されて彦坐王(ひこいますのみこ)の子としてごまかされてしまったのである。
狭穂彦(さほひこ)は妹の狭穂媛(さほひめ)に垂仁(すいにん)天皇を暗殺させた上で狭穂媛(さほひめ)を皇后にし、
自分は天皇になって大和の国を治めようとしたと伝えられているが、
それは事実と考えてよいのである。で
>p1,164
は何故狭穂彦(さほひこ)は垂仁(すいにん)天皇を暗殺して自分が天皇になろうとしたのであろうか。
それは被差別階級出身の活目入彦(いくめいれひこ)が御真木入彦(みまきいれひこ)の強引(ごういん)な後楯によって天皇家から皇位を奪って天皇になったことに対して全国からごうごうたる非難の声が湧き上がっていたからである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は非常に悪賢くて強引な実力者であったが活目入彦(いくめいれひこ)は極く平凡でくだらぬ人物だったのである。
その活目入彦(いくめいれひこ)がともかくも天皇になれたのは父御真木入彦(みまきいれひこ)の後楯があ
>p1,165
ったことと、もう一つは皇族の女性である狭穂媛(さほひめ)を妻にしていたからである。
皇族の狭穂媛(さほひめ)が妻でなかったならばいくら御真木入彦(みまきいれひこ)の後楯があっても活目入彦(いくめいれひこ)が天皇になれることはなかったのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)と活目入彦(いくめいれひこ)に対する全国的な非難に気を良くしたのが狭穂彦(さほひこ)である。
かつて女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の皇太子として皇位を嗣ぐはずであった伊佐佐彦命(いささひこのみこと)は四道將軍として都を去り吉備の国に住んでいたのであり、
>p1,166
活目入彦(いくめいれひこ)を殺しさえすれば自分が天皇になれると狭穂彦(さほひこ)は単純に考えたのである。
狭穂彦(さほひこ)は被差別階級出身の活目入彦(いくめいれひこ)が天皇家から皇位を奪って天皇になったから国民が非難しているのであるから、
皇族の自分が活目入彦(いくめいれひこ)を殺して天皇になれば国民は喜んで支持して呉れると思ったのである。
狭穂彦(さほひこ)とはそう言う頭の単純な男だったのである。
しかし名門の貴公子と言う丈で狭穂彦(さほひこ)には活目入彦(いくめいれひこ)と戦って勝つ丈の実力がなかったの
>p1,167
である。
それで狭穂彦(さほひこ)は活目入彦(いくめいれひこ)の皇后となっている妹の狭穂媛(さほひめ)に活目入彦(いくめいれひこ)を暗殺させようとしたのである。
その点に大きな謎があると言えるのである。
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)が仲の良い兄妹であったことは確かである。
しかし狭穂媛と活目入彦が相思想愛で心から愛し合っている様な夫婦であったならば、
兄の狭穂彦も妹に夫を殺せと言うことは出来ないはずであり、
狭穂媛にしてもいくら仲の良い兄の頼みであっても夫を殺すことを承知するはずはな
>p1,168
いのである。
狭穂彦(さほひこ)が狭穂媛(さほひめ)をそそのかして活目入彦を殺させようとしたのは、
狭穂媛と活目入彦との間につけ込む丈のすきがあったからである。
それは何かと言うと活目入彦は被差別階級出身であり、
狭穂媛は最上流階級の出身であり、
二人の身分の差があまりにも大き過ぎたことである。
しかし身分に大きな差があっても、
狭穂媛と活目入彦とがお互いに好意を持ち合い、
愛し合って結婚した仲であったなら
>p1,169
それでよかったのである。
しかし狭穂媛(さほひめ)と活目入彦との結婚のいきさつはそんな良いものではなかったのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔26〕 【七、2】狭穂彦の乱)
［p1,162-8行〜p1,169-3行］
記：令和二年四月（2020）
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,162/p1,035〜p1,212］
【七、2】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,162/p1,157〜p1,208］
>p1,162-8行~
さて次に垂仁(すいにん)天皇皇后狭穂媛(さほひめ)と狭穂媛(さほひめ)の兄狭穂彦(さほひこ)について述べよう。
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の兄妹は開化(かいか)天皇皇子彦坐王(ひこいますのみこ)の子となっている
>p1,163
けれどもそれは大嘘である。
しかし活目入彦(いくめいれひこ)が被差別階級出身であったのに対して、
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)が皇族の出身であったことは確かである。
しかし狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の本当の素性は完全に消されて彦坐王(ひこいますのみこ)の子としてごまかされてしまったのである。
狭穂彦(さほひこ)は妹の狭穂媛(さほひめ)に垂仁(すいにん)天皇を暗殺させた上で狭穂媛(さほひめ)を皇后にし、
自分は天皇になって大和の国を治めようとしたと伝えられているが、
それは事実と考えてよいのである。で
>p1,164
は何故狭穂彦(さほひこ)は垂仁(すいにん)天皇を暗殺して自分が天皇になろうとしたのであろうか。
それは被差別階級出身の活目入彦(いくめいれひこ)が御真木入彦(みまきいれひこ)の強引(ごういん)な後楯によって天皇家から皇位を奪って天皇になったことに対して全国からごうごうたる非難の声が湧き上がっていたからである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は非常に悪賢くて強引な実力者であったが活目入彦(いくめいれひこ)は極く平凡でくだらぬ人物だったのである。
その活目入彦(いくめいれひこ)がともかくも天皇になれたのは父御真木入彦(みまきいれひこ)の後楯があ
>p1,165
ったことと、もう一つは皇族の女性である狭穂媛(さほひめ)を妻にしていたからである。
皇族の狭穂媛(さほひめ)が妻でなかったならばいくら御真木入彦(みまきいれひこ)の後楯があっても活目入彦(いくめいれひこ)が天皇になれることはなかったのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)と活目入彦(いくめいれひこ)に対する全国的な非難に気を良くしたのが狭穂彦(さほひこ)である。
かつて女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の皇太子として皇位を嗣ぐはずであった伊佐佐彦命(いささひこのみこと)は四道將軍として都を去り吉備の国に住んでいたのであり、
>p1,166
活目入彦(いくめいれひこ)を殺しさえすれば自分が天皇になれると狭穂彦(さほひこ)は単純に考えたのである。
狭穂彦(さほひこ)は被差別階級出身の活目入彦(いくめいれひこ)が天皇家から皇位を奪って天皇になったから国民が非難しているのであるから、
皇族の自分が活目入彦(いくめいれひこ)を殺して天皇になれば国民は喜んで支持して呉れると思ったのである。
狭穂彦(さほひこ)とはそう言う頭の単純な男だったのである。
しかし名門の貴公子と言う丈で狭穂彦(さほひこ)には活目入彦(いくめいれひこ)と戦って勝つ丈の実力がなかったの
>p1,167
である。
それで狭穂彦(さほひこ)は活目入彦(いくめいれひこ)の皇后となっている妹の狭穂媛(さほひめ)に活目入彦(いくめいれひこ)を暗殺させようとしたのである。
その点に大きな謎があると言えるのである。
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)が仲の良い兄妹であったことは確かである。
しかし狭穂媛と活目入彦が相思想愛で心から愛し合っている様な夫婦であったならば、
兄の狭穂彦も妹に夫を殺せと言うことは出来ないはずであり、
狭穂媛にしてもいくら仲の良い兄の頼みであっても夫を殺すことを承知するはずはな
>p1,168
いのである。
狭穂彦(さほひこ)が狭穂媛(さほひめ)をそそのかして活目入彦を殺させようとしたのは、
狭穂媛と活目入彦との間につけ込む丈のすきがあったからである。
それは何かと言うと活目入彦は被差別階級出身であり、
狭穂媛は最上流階級の出身であり、
二人の身分の差があまりにも大き過ぎたことである。
しかし身分に大きな差があっても、
狭穂媛と活目入彦とがお互いに好意を持ち合い、
愛し合って結婚した仲であったなら
>p1,169
それでよかったのである。
しかし狭穂媛(さほひめ)と活目入彦との結婚のいきさつはそんな良いものではなかったのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔26〕 【七、2】狭穂彦の乱)
［p1,162-8行〜p1,169-3行］
記：令和二年四月（2020）
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔27〕
［p1,169/p1,035〜p1,212］
【七、3】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,169/p1,157〜p1,208］
>p1,169-4行~
活目入彦(いくめいれひこ)の父御真木入彦(みまきいれひこ)は成り上がり者であり、
悪賢くて強引であり、
上品さとか教養と言うものの欠除した人物だったのである。
だから御真木入彦(みまきいれひこ)は皇太神宮や大和神社の祭祀権を奪ったり、
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の後継者と決定していた伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を四道將軍の名目で吉備の国へ追い出して自分の子の活目(いくめ)
>p1,170
入彦(いれひこ)を女帝の後継者にして皇位を奪ったり、
出雲臣(いづものおみ)の神宝(かむたから)を取り上げたり、
常人には思いつかない様な悪事を重ねたのである。
そして御真木入彦(みまきいれひこ)は大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が死去したら天皇家から皇位を奪うつもりで着々と計画を立てていたのである。
活目入彦(いくめいれひこ)が狭穂媛(さほひめ)を妻に迎えたのも御真木入彦(みまきいれひこ)のすゝめであると断言出来るのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は自分の子の活目入彦(いくめいれひこ)の妻に上流階級の女性を迎えて上流階級の仲間入りさせ、
やがては天皇に
>p1,171
しようとたくらんでいたのである。
しかし御真木入彦(みまきいれひこ)自身が成り上がり者であり邪悪で我欲な人物であり、
その息子の活目入彦(いくめいれひこ)はぼんくらな男であるから上流階級の女性が喜んで活目入彦(いくめいれひこ)の妻になるはずはなかったのである。
しかし強引な御真木入彦(みまきいれひこ)は最上流階級の女性である狭穂媛(さほひめ)に目をつけ無理矢理に活目入彦(いくめいれひこ)の妻にならせたものと思われるのである。
狭穂媛(さほひめ)は粗野で下品で教養のない活目入彦(いくめいれひこ)の妻になることを強く拒否していたが大吉備津
>p1,172
日子命の義弟として大和朝廷の中でも大きな力を持っていた御真木入彦(みまきいれひこ)に強迫されて泣く泣く活目入彦(いくめいれひこ)の妻にならされたと言うのが真相であろう。
その様ないきさつがあったから狭穂彦(さほひこ)は妹の狭穂媛(さほひめ)に活目入彦(いくめいれひこ)を殺せと言えば喜んで承知すると考えたのである。
狭穂彦(さほひこ)が狭穂媛(さほひめ)に活目入彦(いくめいれひこ)を殺すことを依頼する前に「兄と夫とどちらが愛(いとお)しいか」と尋ねたところ狭穂媛(さほひめ)は「兄が愛(いとお)しい」と答えたと言う。
それで狭(さ)
>p1,173
穂彦(ほひこ)は妹に「活目入彦(いくめいれひこ)を殺して二人で天皇と皇后になって大和の国を治めようではないか」と言う様なことを言って狭穂媛(さほひめ)に短刀を渡して活目入彦(いくめいれひこ)を殺せとそそのかしたのである。
狭穂彦(さほひこ)は狭穂媛(さほひめ)に活目入彦(いくめいれひこ)を殺して夫婦となり天皇と皇后になって二人で天下を治めようではないかと誘ったのである。
それは狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の二人が単なる兄妹と言うのみでなく夫と妻と言う関係にもあったと考えられるのである。
狭穂媛(さほひめ)が御真木入彦(みまきいれひこ)から息子の
>p1,174
妻にと求められた時に狭穂媛(さほひめ)は激しく拒否し狭穂彦(さほひこ)も妹を活目入彦(いくめいれひこ)如き男の妻にしたくないと強く思っていたのであろう。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔27〕【七の3】狭穂彦の乱)
［p1,169-4行〜p1,174-3行］
記：令和二年四月（2020）
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,169/p1,035〜p1,212］
【七、3】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,169/p1,157〜p1,208］
>p1,169-4行~
活目入彦(いくめいれひこ)の父御真木入彦(みまきいれひこ)は成り上がり者であり、
悪賢くて強引であり、
上品さとか教養と言うものの欠除した人物だったのである。
だから御真木入彦(みまきいれひこ)は皇太神宮や大和神社の祭祀権を奪ったり、
女帝倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の後継者と決定していた伊佐佐彦命(いささひこのみこと)を四道將軍の名目で吉備の国へ追い出して自分の子の活目(いくめ)
>p1,170
入彦(いれひこ)を女帝の後継者にして皇位を奪ったり、
出雲臣(いづものおみ)の神宝(かむたから)を取り上げたり、
常人には思いつかない様な悪事を重ねたのである。
そして御真木入彦(みまきいれひこ)は大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)が死去したら天皇家から皇位を奪うつもりで着々と計画を立てていたのである。
活目入彦(いくめいれひこ)が狭穂媛(さほひめ)を妻に迎えたのも御真木入彦(みまきいれひこ)のすゝめであると断言出来るのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は自分の子の活目入彦(いくめいれひこ)の妻に上流階級の女性を迎えて上流階級の仲間入りさせ、
やがては天皇に
>p1,171
しようとたくらんでいたのである。
しかし御真木入彦(みまきいれひこ)自身が成り上がり者であり邪悪で我欲な人物であり、
その息子の活目入彦(いくめいれひこ)はぼんくらな男であるから上流階級の女性が喜んで活目入彦(いくめいれひこ)の妻になるはずはなかったのである。
しかし強引な御真木入彦(みまきいれひこ)は最上流階級の女性である狭穂媛(さほひめ)に目をつけ無理矢理に活目入彦(いくめいれひこ)の妻にならせたものと思われるのである。
狭穂媛(さほひめ)は粗野で下品で教養のない活目入彦(いくめいれひこ)の妻になることを強く拒否していたが大吉備津
>p1,172
日子命の義弟として大和朝廷の中でも大きな力を持っていた御真木入彦(みまきいれひこ)に強迫されて泣く泣く活目入彦(いくめいれひこ)の妻にならされたと言うのが真相であろう。
その様ないきさつがあったから狭穂彦(さほひこ)は妹の狭穂媛(さほひめ)に活目入彦(いくめいれひこ)を殺せと言えば喜んで承知すると考えたのである。
狭穂彦(さほひこ)が狭穂媛(さほひめ)に活目入彦(いくめいれひこ)を殺すことを依頼する前に「兄と夫とどちらが愛(いとお)しいか」と尋ねたところ狭穂媛(さほひめ)は「兄が愛(いとお)しい」と答えたと言う。
それで狭(さ)
>p1,173
穂彦(ほひこ)は妹に「活目入彦(いくめいれひこ)を殺して二人で天皇と皇后になって大和の国を治めようではないか」と言う様なことを言って狭穂媛(さほひめ)に短刀を渡して活目入彦(いくめいれひこ)を殺せとそそのかしたのである。
狭穂彦(さほひこ)は狭穂媛(さほひめ)に活目入彦(いくめいれひこ)を殺して夫婦となり天皇と皇后になって二人で天下を治めようではないかと誘ったのである。
それは狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の二人が単なる兄妹と言うのみでなく夫と妻と言う関係にもあったと考えられるのである。
狭穂媛(さほひめ)が御真木入彦(みまきいれひこ)から息子の
>p1,174
妻にと求められた時に狭穂媛(さほひめ)は激しく拒否し狭穂彦(さほひこ)も妹を活目入彦(いくめいれひこ)如き男の妻にしたくないと強く思っていたのであろう。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔27〕【七の3】狭穂彦の乱)
［p1,169-4行〜p1,174-3行］
記：令和二年四月（2020）
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔28〕
［p1,174/p1,035〜p1,212］
【七、4】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,174/p1,157〜p1,208］
>p1,174-4行~
しかしどうしても御真木入彦(みまきいれひこ)の要求に従わねばならなくなった時、
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)とはお互いに不運をなげきながら夫婦として結ばれてしまったのだと思うのである。
そして狭穂媛(さほひめ)が生んだ子が誉津別命(ほむつわけのみこと)なのである。
だから誉津別命(ほむつわけのみこと)は狭穂媛(さほひめ)と活目入彦(いくめいれひこ)とが結婚した後に生まれた子ではあるけれども、
本当の父
>p1,175
は活目入彦(いくめいれひこ)ではなく狭穂彦(さほひこ)であると考えられるのである。
世間ではよく近親結婚の夫婦の間に唖(おし)の子や不具の子が生まれたと言う例がある。
誉津別命(ほむつわけのみこと)が唖(おし)であったのも、
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の兄妹の間に生まれた子であり、
父母の血があまりにも濃い過ぎたことが原因と考えれば納得出来るのである。
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)に「兄と夫といずれが愛(いとお)しいか」と尋ねたことも、
狭穂媛(さほひめ)が「兄が愛(いとお)しい」と答えたことも二人が単なる兄と妹と言
>p1,176
う丈でなく男と女、
夫と妻と言う関係にあったことを示しているのである。
だからこそ狭穂彦(さほひこ)は狭穂媛(さほひめ)に向かって「嫌な活目入彦(いくめいれひこ)を殺して二人で夫婦になり天皇となり皇后となって天下を治め、仲良く幸福な人生を送ろうではないか」と言う意味で誘ったのだと思うのである。
狭穂媛(さほひめ)も一旦はその気になったもののいざ活目入彦(いくめいれひこ)を殺す段階になって狭穂媛(さほひめ)に迷いが生じたのだと思うのである。
始めは活目入彦(いくめいれひこ)と
>p1,177
結婚することを嫌い泣く泣く結婚させられた狭穂媛(さほひめ)ではあったが子供も生まれ結婚生活も二十年になり活目入彦(いくめいれひこ)に対して或る程度の愛情を持つ様になっていたと思われるのである。
それは活目入彦(いくめいれひこ)は下層階級出身であるから上流階級の女性である狭穂媛(さほひめ)を大切にしていたものと思われるのである。
活目入彦(いくめいれひこ)にとっては狭穂媛(さほひめ)は天上人の如きものであり得難い宝物の如き存在であったであろう。
だから狭穂媛(さほひめ)にとっては活目入彦(いくめいれひこ)との結婚
>p1,178
生活は嫌なこともあったであろうけれども地獄の様な生活ではなかったのである。
そして活目入彦(いくめいれひこ)が天皇になってからは狭穂媛(さほひめ)は皇后になれたのであるからそれなりに満足していた面もあったのである。
それに二人の子が父になついていたとすれば活目入彦(いくめいれひこ)を殺せば子供達が悲しむことになる訳である。
その様なことから狭穂媛(さほひめ)は活目入彦(いくめいれひこ)を殺す時になって心に迷いや乱れを生じたのである。
所詮上流階級のか弱い女性に人一人を殺すこ
>p1,179
とは無理だったのだとも言えるであろう。
しかし狭穂媛(さほひめ)にとっても夫の活目入彦(いくめいれひこ)が天皇家から皇位を奪って天皇になったために全国からごうごうたる非難の声があがっていたのであるから、
活目入彦(いくめいれひこ)がいつ迄天皇の地位に居れるものか全く予想もつかずお先真っ闇な状態だったのであり、
狭穂媛(さほひめ)自身もいつ迄皇后の地位に居れるかあてはなかったのである。
【執筆：平成七年(1995)安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔28〕【七の4】狭穂彦の乱)
［p1,174-4行〜p1,179-8行］
記：令和二年四月(2020)
✡Kaliba Fujio.(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,174/p1,035〜p1,212］
【七、4】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,174/p1,157〜p1,208］
>p1,174-4行~
しかしどうしても御真木入彦(みまきいれひこ)の要求に従わねばならなくなった時、
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)とはお互いに不運をなげきながら夫婦として結ばれてしまったのだと思うのである。
そして狭穂媛(さほひめ)が生んだ子が誉津別命(ほむつわけのみこと)なのである。
だから誉津別命(ほむつわけのみこと)は狭穂媛(さほひめ)と活目入彦(いくめいれひこ)とが結婚した後に生まれた子ではあるけれども、
本当の父
>p1,175
は活目入彦(いくめいれひこ)ではなく狭穂彦(さほひこ)であると考えられるのである。
世間ではよく近親結婚の夫婦の間に唖(おし)の子や不具の子が生まれたと言う例がある。
誉津別命(ほむつわけのみこと)が唖(おし)であったのも、
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の兄妹の間に生まれた子であり、
父母の血があまりにも濃い過ぎたことが原因と考えれば納得出来るのである。
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)に「兄と夫といずれが愛(いとお)しいか」と尋ねたことも、
狭穂媛(さほひめ)が「兄が愛(いとお)しい」と答えたことも二人が単なる兄と妹と言
>p1,176
う丈でなく男と女、
夫と妻と言う関係にあったことを示しているのである。
だからこそ狭穂彦(さほひこ)は狭穂媛(さほひめ)に向かって「嫌な活目入彦(いくめいれひこ)を殺して二人で夫婦になり天皇となり皇后となって天下を治め、仲良く幸福な人生を送ろうではないか」と言う意味で誘ったのだと思うのである。
狭穂媛(さほひめ)も一旦はその気になったもののいざ活目入彦(いくめいれひこ)を殺す段階になって狭穂媛(さほひめ)に迷いが生じたのだと思うのである。
始めは活目入彦(いくめいれひこ)と
>p1,177
結婚することを嫌い泣く泣く結婚させられた狭穂媛(さほひめ)ではあったが子供も生まれ結婚生活も二十年になり活目入彦(いくめいれひこ)に対して或る程度の愛情を持つ様になっていたと思われるのである。
それは活目入彦(いくめいれひこ)は下層階級出身であるから上流階級の女性である狭穂媛(さほひめ)を大切にしていたものと思われるのである。
活目入彦(いくめいれひこ)にとっては狭穂媛(さほひめ)は天上人の如きものであり得難い宝物の如き存在であったであろう。
だから狭穂媛(さほひめ)にとっては活目入彦(いくめいれひこ)との結婚
>p1,178
生活は嫌なこともあったであろうけれども地獄の様な生活ではなかったのである。
そして活目入彦(いくめいれひこ)が天皇になってからは狭穂媛(さほひめ)は皇后になれたのであるからそれなりに満足していた面もあったのである。
それに二人の子が父になついていたとすれば活目入彦(いくめいれひこ)を殺せば子供達が悲しむことになる訳である。
その様なことから狭穂媛(さほひめ)は活目入彦(いくめいれひこ)を殺す時になって心に迷いや乱れを生じたのである。
所詮上流階級のか弱い女性に人一人を殺すこ
>p1,179
とは無理だったのだとも言えるであろう。
しかし狭穂媛(さほひめ)にとっても夫の活目入彦(いくめいれひこ)が天皇家から皇位を奪って天皇になったために全国からごうごうたる非難の声があがっていたのであるから、
活目入彦(いくめいれひこ)がいつ迄天皇の地位に居れるものか全く予想もつかずお先真っ闇な状態だったのであり、
狭穂媛(さほひめ)自身もいつ迄皇后の地位に居れるかあてはなかったのである。
【執筆：平成七年(1995)安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔28〕【七の4】狭穂彦の乱)
［p1,174-4行〜p1,179-8行］
記：令和二年四月(2020)
✡Kaliba Fujio.(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔29〕
［p1,179/p1,035〜p1,212］
【七の5】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,179/p1,157〜p1,208］
>p1,179-9行~
しかし活目入彦(いくめいれひこ)に長く天皇に留まれる可能性はもうなかったのである。だから見
>p1,180
込みのない活目入彦(いくめいれひこ)を殺して兄の狭穂彦(さほひこ)と新しい生活を送って見たいと言う気も多分にあったと考えられるのである。
活目入彦(いくめいれひこ)の未来に希望があったならば狭穂媛(さほひめ)もついて行く気になったであろう。
また活目入彦(いくめいれひこ)と深い愛情で結ばれていたのであれば活目入彦(いくめいれひこ)を殺す気など起こらなかったであろう。
しかし活目入彦(いくめいれひこ)の天皇の地位はもうあてにはならず、
活目入彦(いくめいれひこ)と深い愛情で結ばれていたのでもない上に、
兄の狭穂彦(さほひこ)とは単なる兄
>p1,181
妹の関係ではなく子迄生んだ間柄であったからこそ狭穂媛(さほひめ)の心は迷い乱れたのである。
結局狭穂媛(さほひめ)が兄の頼みをきっぱり拒否するか、
思い切って活目入彦(いくめいれひこ)を殺すかしていたら狀勢は大きく変わっていたのである。
そのどちらも出来なかったところに狭穂媛(さほひめ)の迷いや弱さがあったのであり、
それが大きな悲劇の起こる原因となったのである。
狭穂媛(さほひめ)の告白を聞いて活目入彦(いくめいれひこ)がひどく怒ったことは確かである。
しかし活目入彦(いくめいれひこ)がす
>p1,182
ぐに兵を差し向けて狭穂彦(さほひこ)を殺そうとしたとは考えられないのである。
何故ならばその頃活目入彦(いくめいれひこ)の人気は極めて悪く、
いつ天皇の地位を失なうか判らない狀態であったのであり、
その上に皇后の兄の狭穂彦(さほひこ)を殺せば一層活目入彦(いくめいれひこ)に対する世間の非難は大きくなるばかりである。
それが判らぬ活目入彦(いくめいれひこ)ではなかったのである。
だからその時点で狭穂彦(さほひこ)が謝罪でもして居れば活目入彦(いくめいれひこ)も何とか我慢して狭穂彦(さほひこ)を許し
>p1,183
たはずである。
しかし思い上がった狭穂彦(さほひこ)は活目入彦(いくめいれひこ)が不人気であるのを良いことにして謝罪をしなかったのである。
だから狭穂彦(さほひこ)の所へ活目入彦(いくめいれひこ)の方が使者を派遣して罪をなじったであろう。
それに対して狭穂彦(さほひこ)は痛烈な侮辱の言葉を返したに違いないのである。
それが活目入彦(いくめいれひこ)を本気で怒らせてしまったのである。
狭穂彦(さほひこ)の方は活目入彦(いくめいれひこ)を怒らせたから戦いになるかも知れないと思って稻城(いなき)を造ったり
>p1,184
兵を集めたりしたのである。
狭穂媛(さほひめ)は皇居の裏門から抜け出て狭穂彦(さほひこ)の屋敷へ逃げ込んだことになっているが本当かどうかは判らないのである。
活目入彦(いくめいれひこ)にとっては狭穂媛(さほひめ)に逃げられたら万事休すと言うことになるのである。
だから活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂媛(さほひめ)を厳重に監視していたはずである。
ことによれば狭穂媛(さほひめ)の方から兄の狭穂彦(さほひこ)の所へ説得に行きたいと言って活目入彦(いくめいれひこ)に了解を得て御殿を出たと言うことも考えられるのである。
>p1,185
活目入彦(いくめいれひこ)にして見れば兵を送って狭穂彦(さほひこ)を殺すのは容易であるけれどもそれでは自分の天皇の地位が危いのである。
狭穂彦(さほひこ)も活目入彦(いくめいれひこ)の最大の弱みを握っているから活目入彦(いくめいれひこ)が本気で攻めて来るとは思わず甘く見ていたのである。
活目入彦(いくめいれひこ)が本気で怒っていることを知ったのは狭穂媛(さほひめ)が狭穂彦(さほひこ)の屋敷へ馳け込んでからのことであろう。
【執筆：平成七年(1995)安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔29〕【七の5】狭穂彦の乱)
［p1,179-9行〜p1,185-8行］
記：令和二年四月(2020)
✡Kaliba Fujio.(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,179/p1,035〜p1,212］
【七の5】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,179/p1,157〜p1,208］
>p1,179-9行~
しかし活目入彦(いくめいれひこ)に長く天皇に留まれる可能性はもうなかったのである。だから見
>p1,180
込みのない活目入彦(いくめいれひこ)を殺して兄の狭穂彦(さほひこ)と新しい生活を送って見たいと言う気も多分にあったと考えられるのである。
活目入彦(いくめいれひこ)の未来に希望があったならば狭穂媛(さほひめ)もついて行く気になったであろう。
また活目入彦(いくめいれひこ)と深い愛情で結ばれていたのであれば活目入彦(いくめいれひこ)を殺す気など起こらなかったであろう。
しかし活目入彦(いくめいれひこ)の天皇の地位はもうあてにはならず、
活目入彦(いくめいれひこ)と深い愛情で結ばれていたのでもない上に、
兄の狭穂彦(さほひこ)とは単なる兄
>p1,181
妹の関係ではなく子迄生んだ間柄であったからこそ狭穂媛(さほひめ)の心は迷い乱れたのである。
結局狭穂媛(さほひめ)が兄の頼みをきっぱり拒否するか、
思い切って活目入彦(いくめいれひこ)を殺すかしていたら狀勢は大きく変わっていたのである。
そのどちらも出来なかったところに狭穂媛(さほひめ)の迷いや弱さがあったのであり、
それが大きな悲劇の起こる原因となったのである。
狭穂媛(さほひめ)の告白を聞いて活目入彦(いくめいれひこ)がひどく怒ったことは確かである。
しかし活目入彦(いくめいれひこ)がす
>p1,182
ぐに兵を差し向けて狭穂彦(さほひこ)を殺そうとしたとは考えられないのである。
何故ならばその頃活目入彦(いくめいれひこ)の人気は極めて悪く、
いつ天皇の地位を失なうか判らない狀態であったのであり、
その上に皇后の兄の狭穂彦(さほひこ)を殺せば一層活目入彦(いくめいれひこ)に対する世間の非難は大きくなるばかりである。
それが判らぬ活目入彦(いくめいれひこ)ではなかったのである。
だからその時点で狭穂彦(さほひこ)が謝罪でもして居れば活目入彦(いくめいれひこ)も何とか我慢して狭穂彦(さほひこ)を許し
>p1,183
たはずである。
しかし思い上がった狭穂彦(さほひこ)は活目入彦(いくめいれひこ)が不人気であるのを良いことにして謝罪をしなかったのである。
だから狭穂彦(さほひこ)の所へ活目入彦(いくめいれひこ)の方が使者を派遣して罪をなじったであろう。
それに対して狭穂彦(さほひこ)は痛烈な侮辱の言葉を返したに違いないのである。
それが活目入彦(いくめいれひこ)を本気で怒らせてしまったのである。
狭穂彦(さほひこ)の方は活目入彦(いくめいれひこ)を怒らせたから戦いになるかも知れないと思って稻城(いなき)を造ったり
>p1,184
兵を集めたりしたのである。
狭穂媛(さほひめ)は皇居の裏門から抜け出て狭穂彦(さほひこ)の屋敷へ逃げ込んだことになっているが本当かどうかは判らないのである。
活目入彦(いくめいれひこ)にとっては狭穂媛(さほひめ)に逃げられたら万事休すと言うことになるのである。
だから活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂媛(さほひめ)を厳重に監視していたはずである。
ことによれば狭穂媛(さほひめ)の方から兄の狭穂彦(さほひこ)の所へ説得に行きたいと言って活目入彦(いくめいれひこ)に了解を得て御殿を出たと言うことも考えられるのである。
>p1,185
活目入彦(いくめいれひこ)にして見れば兵を送って狭穂彦(さほひこ)を殺すのは容易であるけれどもそれでは自分の天皇の地位が危いのである。
狭穂彦(さほひこ)も活目入彦(いくめいれひこ)の最大の弱みを握っているから活目入彦(いくめいれひこ)が本気で攻めて来るとは思わず甘く見ていたのである。
活目入彦(いくめいれひこ)が本気で怒っていることを知ったのは狭穂媛(さほひめ)が狭穂彦(さほひこ)の屋敷へ馳け込んでからのことであろう。
【執筆：平成七年(1995)安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔29〕【七の5】狭穂彦の乱)
［p1,179-9行〜p1,185-8行］
記：令和二年四月(2020)
✡Kaliba Fujio.(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔30〕
［p1,185/p1,035〜p1,212］
【七の6】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,185/p1,157〜p1,208］
>p1,185-9行~
狭穂媛(さほひめ)は何とかして兄に謝罪させて活目入彦(いくめいれひこ)と仲直りをさせ、
家の滅亡を防ぎたいと考
>p1,186
えたに違いないのである。
しかし愚かな狭穂彦(さほひこ)は飽く迄も謝罪せず、
逆に狭穂媛(さほひめ)を人質にとって身の安全を図ろうとしたものであろう。
狭穂彦(さほひこ)にして見れば狭穂媛(さほひめ)が自分の家にいる限り活目入彦(いくめいれひこ)はうかつに手を出せないだろうと思ってたかをくくっていたのである。
狭穂媛(さほひめ)もまた活目入彦(いくめいれひこ)が兄を許さなければ二度と活目入彦(いくめいれひこ)の許へ帰らず、
兄と共に死のうと思っていたのである。
それは狭穂媛(さほひめ)が活目入彦(いくめいれひこ)を殺せなかったばかりに狭穂彦(さほひこ)が滅亡
>p1,187
の危機に追い込まれることになったからであり、
狭穂媛(さほひめ)は責任を感じていたのである。
そして兄は絶対に活目入彦(いくめいれひこ)に謝罪する気はなく、
活目入彦(いくめいれひこ)ももはや兄を許さないことが判ったから、
狭穂媛(さほひめ)は兄に殉じて死ぬる代わりに活目入彦(いくめいれひこ)をも天皇の地位から追い落とそうとしたのである。
一方活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂彦(さほひこ)は殺さずには置けない程憎いが、
狭穂媛(さほひめ)は愛(いとお)しくて仕方がなかったのである。
だから活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂彦(さほひこ)は必ず
>p1,188
殺せ、狭穂媛(さほひめ)はどんなにしてでも奪い返せと部下達に嚴令したのである。
しかし狭穂彦(さほひこ)にして見れば狭穂媛(さほひめ)が取り返されたら自分が殺されることが判っていたから狭穂媛(さほひめ)を敵の手に渡さない様に注意していたし、
狭穂媛(さほひめ)もまた自分が活目入彦(いくめいれひこ)の所へ帰ったら兄がすぐに殺されることが判っていたから用心していたのである。
それで活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂彦(さほひこ)の屋敷を兵を以って囲んだまま手をこまねいていたのである。
>p1,189
そして日が経つ程活目入彦(いくめいれひこ)の人気は悪くなり狭穂彦(さほひこ)の方が有利になることは判り切っていたのである。
活目入彦(いくめいれひこ)にとっては狭穂媛(さほひめ)は一度失ったら二度と手に入らない宝物の如き存在だったのである。
だからどうしても狭穂媛(さほひめ)を取り返そうとして必死になっていたのである。
活目入彦(いくめいれひこ)が狭穂媛(さほひめ)に未練(みれん)たっぷりであるのをはがゆく思っていたのは御真木入彦(みまきいれひこ)だったのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は自分の長男豊城入彦(とよきいれひこ)の子八綱(やつな)
>p1,190
田(だ)に狭穂彦(さほひこ)の屋敷を焼いて一族を皆殺しにしてしまえと命令したのだと思うのである。
八綱田(やつなだ)のことは日本書紀にあって古事記にはない。
それは八綱田(やつなだ)に命じて狭穂彦(さほひこ)の屋敷を焼き打ちにしたのは活目入彦(いくめいれひこ)ではなく御真木入彦(みまきいれひこ)だったからである。
古事記も日本書紀も崇神(すじん)天皇が死んだ後(のち)に垂仁(すいにん)天皇が即位したと書いてあるからその頃御真木入彦(みまきいれひこ)が生きていたとは絶対に書けないことだったのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は狭穂媛(さほひめ)が
>p1,191
活目入彦(いくめいれひこ)の許へ帰って来ることは絶対にないと思い、
狭穂媛(さほひめ)を取り返すことも不可能であると判断していたのである。
しかし狭穂媛(さほひめ)に未練たっぷりの活目入彦(いくめいれひこ)には正しい判断が出来ず、
決断を下せなかったのである。
【執筆：平成七年(1995)安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔30〕【七の6】狭穂彦の乱)
［p1,185-9行〜p1,191-5行］
記：令和二年五月(2020)
✡Kaliba Fujio,(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,185/p1,035〜p1,212］
【七の6】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,185/p1,157〜p1,208］
>p1,185-9行~
狭穂媛(さほひめ)は何とかして兄に謝罪させて活目入彦(いくめいれひこ)と仲直りをさせ、
家の滅亡を防ぎたいと考
>p1,186
えたに違いないのである。
しかし愚かな狭穂彦(さほひこ)は飽く迄も謝罪せず、
逆に狭穂媛(さほひめ)を人質にとって身の安全を図ろうとしたものであろう。
狭穂彦(さほひこ)にして見れば狭穂媛(さほひめ)が自分の家にいる限り活目入彦(いくめいれひこ)はうかつに手を出せないだろうと思ってたかをくくっていたのである。
狭穂媛(さほひめ)もまた活目入彦(いくめいれひこ)が兄を許さなければ二度と活目入彦(いくめいれひこ)の許へ帰らず、
兄と共に死のうと思っていたのである。
それは狭穂媛(さほひめ)が活目入彦(いくめいれひこ)を殺せなかったばかりに狭穂彦(さほひこ)が滅亡
>p1,187
の危機に追い込まれることになったからであり、
狭穂媛(さほひめ)は責任を感じていたのである。
そして兄は絶対に活目入彦(いくめいれひこ)に謝罪する気はなく、
活目入彦(いくめいれひこ)ももはや兄を許さないことが判ったから、
狭穂媛(さほひめ)は兄に殉じて死ぬる代わりに活目入彦(いくめいれひこ)をも天皇の地位から追い落とそうとしたのである。
一方活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂彦(さほひこ)は殺さずには置けない程憎いが、
狭穂媛(さほひめ)は愛(いとお)しくて仕方がなかったのである。
だから活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂彦(さほひこ)は必ず
>p1,188
殺せ、狭穂媛(さほひめ)はどんなにしてでも奪い返せと部下達に嚴令したのである。
しかし狭穂彦(さほひこ)にして見れば狭穂媛(さほひめ)が取り返されたら自分が殺されることが判っていたから狭穂媛(さほひめ)を敵の手に渡さない様に注意していたし、
狭穂媛(さほひめ)もまた自分が活目入彦(いくめいれひこ)の所へ帰ったら兄がすぐに殺されることが判っていたから用心していたのである。
それで活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂彦(さほひこ)の屋敷を兵を以って囲んだまま手をこまねいていたのである。
>p1,189
そして日が経つ程活目入彦(いくめいれひこ)の人気は悪くなり狭穂彦(さほひこ)の方が有利になることは判り切っていたのである。
活目入彦(いくめいれひこ)にとっては狭穂媛(さほひめ)は一度失ったら二度と手に入らない宝物の如き存在だったのである。
だからどうしても狭穂媛(さほひめ)を取り返そうとして必死になっていたのである。
活目入彦(いくめいれひこ)が狭穂媛(さほひめ)に未練(みれん)たっぷりであるのをはがゆく思っていたのは御真木入彦(みまきいれひこ)だったのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は自分の長男豊城入彦(とよきいれひこ)の子八綱(やつな)
>p1,190
田(だ)に狭穂彦(さほひこ)の屋敷を焼いて一族を皆殺しにしてしまえと命令したのだと思うのである。
八綱田(やつなだ)のことは日本書紀にあって古事記にはない。
それは八綱田(やつなだ)に命じて狭穂彦(さほひこ)の屋敷を焼き打ちにしたのは活目入彦(いくめいれひこ)ではなく御真木入彦(みまきいれひこ)だったからである。
古事記も日本書紀も崇神(すじん)天皇が死んだ後(のち)に垂仁(すいにん)天皇が即位したと書いてあるからその頃御真木入彦(みまきいれひこ)が生きていたとは絶対に書けないことだったのである。
御真木入彦(みまきいれひこ)は狭穂媛(さほひめ)が
>p1,191
活目入彦(いくめいれひこ)の許へ帰って来ることは絶対にないと思い、
狭穂媛(さほひめ)を取り返すことも不可能であると判断していたのである。
しかし狭穂媛(さほひめ)に未練たっぷりの活目入彦(いくめいれひこ)には正しい判断が出来ず、
決断を下せなかったのである。
【執筆：平成七年(1995)安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔30〕【七の6】狭穂彦の乱)
［p1,185-9行〜p1,191-5行］
記：令和二年五月(2020)
✡Kaliba Fujio,(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔31〕
［p1,191/p1,035〜p1,212］
【七の7】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,191/p1,157〜p1,208］
>p1,191-6行~
ところで古事記は皇后狭穂媛(さほひめ)は妊娠中で、
狭穂彦(さほひこ)の屋敷へ逃げ込んで皇子の誉津別命(ほむつわけのみこと)を生んだと書いてあるが、
それは完全に大嘘である。
活目入彦(いくめいれひこ)と狭穂媛(さほひめ)とが結婚したのは２２８年であり、
翌２２９年に誉津別命(ほむつわけのみこと)が生ま
>p1,192
れたのであり、狭穂彦(さほひこ)の乱の２４９年には誉津別命(ほむつわけのみこと)は二十一才になっていたのである。
だから狭穂媛(さほひめ)が燃えさかる兄の屋敷で皇子を生んだから本牟智和気命(ほむちわけのみこと)と名付けたと言うのも大嘘である。
また狭穂媛(さほひめ)が頭の髪を剃(そ)ってその髪で頭を覆い、
玉(たま)の緒(を)を腐(くさ)らせて三重に手に巻き、
酒で腐(くさ)らせた衣を着て稻城(いなき)から出て来たなどと言うのも大嘘なのである。
更に狭穂媛(さほひめ)が死ぬる前に活目入彦(いくめいれひこ)に対して丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の女(むすめ)を皇后に迎える様にすゝめた
>p1,193
と言うのも大嘘である。
古事記では丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の娘は二人と書いてあり、
日本書紀では五人となっている。
丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の娘は二人だったのである。
しかし丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の娘は誰も活目入彦(いくめいれひこ)の妃にはなっていないのである。
そのことについては次章で述べよう。
さて狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)は稻城(いなき)の中で死に、
活目入彦(いくめいれひこ)は戦いには勝ったけれども遂に退位させられたのである。
被差別階級出身の活目入彦(いくめいれひこ)は皇族の女性である狭穂媛(さほひめ)を皇后としたか
>p1,194
らやっと天皇になれたのであるが、
全国的な非難を受けていたのである。
だからその様な時に狭穂媛(さほひめ)に去られたならば天皇の地位に留まることは出来ない狀態だったのである。
まして活目入彦(いくめいれひこ)は皇族の狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)を殺したのであるから即座に退位させられるのが当然だったのである。
狭穂媛(さほひめ)は活目入彦(いくめいれひこ)のもとを去ったら活目入彦(いくめいれひこ)が退位させられることをよく知っていたのであり、
活目入彦(いくめいれひこ)もそのことをよく知ってい
>p1,195
たのである。だから活目入彦(いくめいれひこ)はどんな手段を用いてでも狭穂媛(さほひめ)を奪い返えそうとしたのに対して、
狭穂媛(さほひめ)は兄が許されない以上絶対に活目入彦(いくめいれひこ)の許へは帰らない決意だったのである。
狭穂媛(さほひめ)は兄の狭穂彦(さほひこ)と自分が活目入彦(いくめいれひこ)に殺される代わりに、
活目入彦(いくめいれひこ)を天皇の地位から追い落すつもりだったのである。
だから狭穂媛(さほひめ)が活目入彦(いくめいれひこ)に丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の娘を皇后や妃に迎える様にすゝめることなど絶対にあり得なかったのである。
活目入彦(いくめいれひこ)と狭(さ)
>p1,196
穂彦(ほひこ)とが和解出来なかった最大の原因は、
狭穂彦(さほひこ)は単に皇后狭穂媛(さほひめ)の兄であったのみならず、
活目入彦(いくめいれひこ)の恋仇(こいがたき)でもあったのである。
狭穂彦(さほひこ)と活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂媛(さほひめ)を挟んで三角関係にあったのである。
そして活目入彦(いくめいれひこ)は誉津別命(ほむつわけのみこと)の父が狭穂彦(さほひこ)であることを承知の上で自分の子として育てていたのだと思うのである。
だからこそ活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂彦(さほひこ)を絶対に許せない気持ちだったのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔31〕【七の7】狭穂彦の乱)
［p1,191-6行〜p1,196-9行］
記：令和二年五月(2020)
✡Kaliba Fujio.(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,191/p1,035〜p1,212］
【七の7】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,191/p1,157〜p1,208］
>p1,191-6行~
ところで古事記は皇后狭穂媛(さほひめ)は妊娠中で、
狭穂彦(さほひこ)の屋敷へ逃げ込んで皇子の誉津別命(ほむつわけのみこと)を生んだと書いてあるが、
それは完全に大嘘である。
活目入彦(いくめいれひこ)と狭穂媛(さほひめ)とが結婚したのは２２８年であり、
翌２２９年に誉津別命(ほむつわけのみこと)が生ま
>p1,192
れたのであり、狭穂彦(さほひこ)の乱の２４９年には誉津別命(ほむつわけのみこと)は二十一才になっていたのである。
だから狭穂媛(さほひめ)が燃えさかる兄の屋敷で皇子を生んだから本牟智和気命(ほむちわけのみこと)と名付けたと言うのも大嘘である。
また狭穂媛(さほひめ)が頭の髪を剃(そ)ってその髪で頭を覆い、
玉(たま)の緒(を)を腐(くさ)らせて三重に手に巻き、
酒で腐(くさ)らせた衣を着て稻城(いなき)から出て来たなどと言うのも大嘘なのである。
更に狭穂媛(さほひめ)が死ぬる前に活目入彦(いくめいれひこ)に対して丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の女(むすめ)を皇后に迎える様にすゝめた
>p1,193
と言うのも大嘘である。
古事記では丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の娘は二人と書いてあり、
日本書紀では五人となっている。
丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の娘は二人だったのである。
しかし丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の娘は誰も活目入彦(いくめいれひこ)の妃にはなっていないのである。
そのことについては次章で述べよう。
さて狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)は稻城(いなき)の中で死に、
活目入彦(いくめいれひこ)は戦いには勝ったけれども遂に退位させられたのである。
被差別階級出身の活目入彦(いくめいれひこ)は皇族の女性である狭穂媛(さほひめ)を皇后としたか
>p1,194
らやっと天皇になれたのであるが、
全国的な非難を受けていたのである。
だからその様な時に狭穂媛(さほひめ)に去られたならば天皇の地位に留まることは出来ない狀態だったのである。
まして活目入彦(いくめいれひこ)は皇族の狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)を殺したのであるから即座に退位させられるのが当然だったのである。
狭穂媛(さほひめ)は活目入彦(いくめいれひこ)のもとを去ったら活目入彦(いくめいれひこ)が退位させられることをよく知っていたのであり、
活目入彦(いくめいれひこ)もそのことをよく知ってい
>p1,195
たのである。だから活目入彦(いくめいれひこ)はどんな手段を用いてでも狭穂媛(さほひめ)を奪い返えそうとしたのに対して、
狭穂媛(さほひめ)は兄が許されない以上絶対に活目入彦(いくめいれひこ)の許へは帰らない決意だったのである。
狭穂媛(さほひめ)は兄の狭穂彦(さほひこ)と自分が活目入彦(いくめいれひこ)に殺される代わりに、
活目入彦(いくめいれひこ)を天皇の地位から追い落すつもりだったのである。
だから狭穂媛(さほひめ)が活目入彦(いくめいれひこ)に丹波道主命(たにはみちぬしのみこと)の娘を皇后や妃に迎える様にすゝめることなど絶対にあり得なかったのである。
活目入彦(いくめいれひこ)と狭(さ)
>p1,196
穂彦(ほひこ)とが和解出来なかった最大の原因は、
狭穂彦(さほひこ)は単に皇后狭穂媛(さほひめ)の兄であったのみならず、
活目入彦(いくめいれひこ)の恋仇(こいがたき)でもあったのである。
狭穂彦(さほひこ)と活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂媛(さほひめ)を挟んで三角関係にあったのである。
そして活目入彦(いくめいれひこ)は誉津別命(ほむつわけのみこと)の父が狭穂彦(さほひこ)であることを承知の上で自分の子として育てていたのだと思うのである。
だからこそ活目入彦(いくめいれひこ)は狭穂彦(さほひこ)を絶対に許せない気持ちだったのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔31〕【七の7】狭穂彦の乱)
［p1,191-6行〜p1,196-9行］
記：令和二年五月(2020)
✡Kaliba Fujio.(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔32〕
［p1,196/p1,035〜p1,212］
【七の8】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,196/p1,157〜p1,208］
>p1,196-10行~
では狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)は一体誰の子だったの
>p1,197
であろうか。
開化(かいか)天皇皇子彦坐王(ひこいますのみこ)は仮空の人物であるから狭穂彦(さほひこ)らが彦坐王(ひこいますのみこ)の子でないことは確実である。
しかし狭穂彦と狭穂媛の父の名は歴史や系図から消されてしまったのだと思うのである。
狭穂彦らの父は狭穂彦(さほひこ)の乱で一緒に殺され、
一族の大部分が死んだのだと思うのである。
狭穂媛は活目入彦(いくめいれひこ)の妃であり活目入彦は２０５年の生まれてあるから狭穂彦も活目入彦と大差ない年令であることは確かである。そ
>p1,198
して四道將軍吉備津彦命が２０１年の生まれであるから、
狭穂彦の父は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)や彦湯産隅命(ゆむすみのみこと)らと大体同じ世代の人であると考えられるのである。
狭穂彦が天皇家と非常に血縁の濃(こ)い人物であったことは確かである。
だから狭穂彦は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で皇位を奪った活目入彦(いくめいれひこ)が国民に不人気であるのにつけ込んで活目入彦を殺して自分が天皇になれば国民は喜んで支持して呉れると単純に考えたのである。だから狭(さ)
>p1,199
穂彦は上流階級の名門の出身ではあるけれども思慮のない浅はかな男だったのである。
ところでその頃の皇族にはどの様な家系があったのであろうか。
先ず孝霊(こうれい)天皇の四人の子のうちで長男の若日本根子彦大日日命(わかやまとねこひこおほひひのみこと)には子孫はいなかったのである。
また皇女の倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)と倭迹迹稚屋媛命(やまとととわかやひめのみこと)の二人は生涯独身であったから子孫はいなかったのである。
故に孝霊天皇の子で子孫のあったのは大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)丈であり、
大吉備津日子命の子であ
>p1,200
る若日子建吉備津日子命、彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)、
彦狭島命(ひこさじまのみこと)、吉備津媛命(きびつひめのみこと)、武国凝別命(たけくにこりわけのみこと)の五人が孝霊(こうれい)天皇の子孫として最も血縁が濃いかったのである。
次に天皇家の血統で血縁の濃いかったのは孝霊天皇の兄天押帯彦命(あめおしたらしひこのみこと)の子孫である。
しかし天押帯彦命(あめおしたらしひこのみこと)の子は彦姥津命(ひこばばつのみこと)、姥津媛命(ばばつひめのみこと)の二人と姥津媛の妹で彦坐王妃(ひこいますのみこひ)となっている袁祁都比売(をけつひめ)の三人しか系図に書かれていないのである。
しかし彦坐王(ひこいますのみこ)は偽系図をでっちあげ
>p1,201
るために作られた仮空の人物であり、
袁祁都比売(をけつひめ)もまた仮空の人物なのである。
天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子は彦姥津命(ひこばばつのみこと)と姥津媛命(ばばつひめのみこと)の二人丈だったのかと言うとそうとは限らないと思うのである。
まだ他に系図から名を消された子が一人か二人あったかも知れないのである。
そして彦姥津命の子が彦国葺命(ひこくにふくのみこと)であることは確かである。
彦姥津命は大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の従兄弟(いとこ)であり、
彦国葺命は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)と従兄弟半(いとこはん)だったのである。
また彦(ひこ)
>p1,202
国葺命(くにふくのみこと)の娘千千衝倭媛命(ちぢつくやまとひめのみこと)が若日子建吉備津日子命の四男伊賀国造(いがくにのみやつこ)祖若木彦命(わかぎひこのみこと)の妃となったのである。
しかし彦姥津命(ひこばばつのみこと)の子で系図や歴史に名が残っているのは彦国葺命一人丈である。
彦国葺命は和邇臣(わにのおみ)の祖となって居り、
現在の天理市和邇町を本拠としていたが、
後に子孫は奈良市の春日へ移ったと言われている。
私は彦姥津命の子孫のことがあいまいであるのが最も不審な点であると断定するのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔32〕【七の8】狭穂彦の乱 )
［p1,196-10行〜p1,202-10行］
【記】令和二年五月（2020）
✡Kaliba Fujio.(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
［p1,196/p1,035〜p1,212］
【七の8】狭穂彦(さほひこ)の乱
［p1,196/p1,157〜p1,208］
>p1,196-10行~
では狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)は一体誰の子だったの
>p1,197
であろうか。
開化(かいか)天皇皇子彦坐王(ひこいますのみこ)は仮空の人物であるから狭穂彦(さほひこ)らが彦坐王(ひこいますのみこ)の子でないことは確実である。
しかし狭穂彦と狭穂媛の父の名は歴史や系図から消されてしまったのだと思うのである。
狭穂彦らの父は狭穂彦(さほひこ)の乱で一緒に殺され、
一族の大部分が死んだのだと思うのである。
狭穂媛は活目入彦(いくめいれひこ)の妃であり活目入彦は２０５年の生まれてあるから狭穂彦も活目入彦と大差ない年令であることは確かである。そ
>p1,198
して四道將軍吉備津彦命が２０１年の生まれであるから、
狭穂彦の父は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)や彦湯産隅命(ゆむすみのみこと)らと大体同じ世代の人であると考えられるのである。
狭穂彦が天皇家と非常に血縁の濃(こ)い人物であったことは確かである。
だから狭穂彦は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で皇位を奪った活目入彦(いくめいれひこ)が国民に不人気であるのにつけ込んで活目入彦を殺して自分が天皇になれば国民は喜んで支持して呉れると単純に考えたのである。だから狭(さ)
>p1,199
穂彦は上流階級の名門の出身ではあるけれども思慮のない浅はかな男だったのである。
ところでその頃の皇族にはどの様な家系があったのであろうか。
先ず孝霊(こうれい)天皇の四人の子のうちで長男の若日本根子彦大日日命(わかやまとねこひこおほひひのみこと)には子孫はいなかったのである。
また皇女の倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)と倭迹迹稚屋媛命(やまとととわかやひめのみこと)の二人は生涯独身であったから子孫はいなかったのである。
故に孝霊天皇の子で子孫のあったのは大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)丈であり、
大吉備津日子命の子であ
>p1,200
る若日子建吉備津日子命、彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)、
彦狭島命(ひこさじまのみこと)、吉備津媛命(きびつひめのみこと)、武国凝別命(たけくにこりわけのみこと)の五人が孝霊(こうれい)天皇の子孫として最も血縁が濃いかったのである。
次に天皇家の血統で血縁の濃いかったのは孝霊天皇の兄天押帯彦命(あめおしたらしひこのみこと)の子孫である。
しかし天押帯彦命(あめおしたらしひこのみこと)の子は彦姥津命(ひこばばつのみこと)、姥津媛命(ばばつひめのみこと)の二人と姥津媛の妹で彦坐王妃(ひこいますのみこひ)となっている袁祁都比売(をけつひめ)の三人しか系図に書かれていないのである。
しかし彦坐王(ひこいますのみこ)は偽系図をでっちあげ
>p1,201
るために作られた仮空の人物であり、
袁祁都比売(をけつひめ)もまた仮空の人物なのである。
天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子は彦姥津命(ひこばばつのみこと)と姥津媛命(ばばつひめのみこと)の二人丈だったのかと言うとそうとは限らないと思うのである。
まだ他に系図から名を消された子が一人か二人あったかも知れないのである。
そして彦姥津命の子が彦国葺命(ひこくにふくのみこと)であることは確かである。
彦姥津命は大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の従兄弟(いとこ)であり、
彦国葺命は若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)と従兄弟半(いとこはん)だったのである。
また彦(ひこ)
>p1,202
国葺命(くにふくのみこと)の娘千千衝倭媛命(ちぢつくやまとひめのみこと)が若日子建吉備津日子命の四男伊賀国造(いがくにのみやつこ)祖若木彦命(わかぎひこのみこと)の妃となったのである。
しかし彦姥津命(ひこばばつのみこと)の子で系図や歴史に名が残っているのは彦国葺命一人丈である。
彦国葺命は和邇臣(わにのおみ)の祖となって居り、
現在の天理市和邇町を本拠としていたが、
後に子孫は奈良市の春日へ移ったと言われている。
私は彦姥津命の子孫のことがあいまいであるのが最も不審な点であると断定するのである。
【執筆：平成七年（1995）安原 修】
(第十三章 極悪人御真木入彦〔32〕【七の8】狭穂彦の乱 )
［p1,196-10行〜p1,202-10行］
【記】令和二年五月（2020）
✡Kaliba Fujio.(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔33〕(p1,203／p1,035〜p1,212)
【七、終9】狭穂彦(さほひこ)の乱(p1,203／p1,157〜p1,208)
>p1,203-1行~
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の父は彦姥津命(ひこばばつのみこと)の子であり、
和邇臣(わにのおみ)彦国葺命(ひこくにふくのみこと)の兄弟だったのだと思うので
ある。孝霊(こうれい)天皇の直系の子孫が若日子建吉備(わかひこたけきび)
津日子命(つひこのみこと)の長男四道將軍吉備津彦伊佐佐彦命(いささひこのみこと)
であったのに対して、孝霊(こうれい)天皇の兄天押帯日(あめおしたらしひ)
子命(このみこと)の直系の子孫が彦姥津命(ひこばばつのみこと)の子で彦国葺命(ひこくにふくのみこと)
の兄に当たる人物の子狭穂彦だったのではな
いかと思うのである。
少なくとも狭穂彦が天皇の活目入彦(いくめいれひこ)を殺し
て自分が天皇になれば国民は喜んで支持して
>p1,204
呉れると考えたのは、狭穂彦(さほひこ)自身が天皇家の
同族であり天皇になってもおかしくはない名
門の生まれであったことは断言出来るのであ
る。狭穂彦は孝霊(こうれい)天皇の直系の四道將軍吉備
津彦伊佐佐彦命(いささひこのみこと)が天皇にならずに吉備の国へ
去り、大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の子孫は誰も天皇にな
ろうと思っていないことを幸いに、活目入彦(いくめいれひこ)
を殺せば自分が天皇になるのが当然だと思い
上がっていたのである。
狭穂彦と狭穂媛(さほひめ)は彦姥津命(ひこばばつのみこと)の孫としか考え
>p1,205
られないのである。何故ならば当時の皇族で
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の子孫以外で天皇家に最も血
緣が近かったのは孝霊(こうれい)天皇の兄天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)
の子孫丈だったからである。孝霊天皇の父孝(こう)
安(あん)天皇は孝昭(こうしょう)天皇の一子であり兄弟がなかっ
たのである。更に孝昭天皇も懿徳(いとく)天皇の一子
であり兄弟がなかったのである。だから天皇
家と血緣の近い皇族と言えば大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)
の子孫と彦姥津命(ひこばばつのみこと)の子孫しかなかったのであ
る。
>p1,206
そして狭穂彦(さほひこ)の本拠であった狭穂(さほ)は現在の
奈良市法蓮町のあたりであり、和邇(わに)氏の本拠
のあった春日(かすが)とも近いのである。その点から
も狭穂彦は天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子孫で和邇(わに)氏の同
族であると断定出来るのである。また狭穂彦
の父らは狭穂彦の乱の時稻城(いなき)で一緒に殺され
たものであろう。狭穂彦が天押帯日子命の系
図から消されて開化(かいか)天皇の子孫にされてごま
かされたのは、和邇(わに)氏の人々が狭穂彦(さほひこ)を一族
の恥と考えて系図から除外したがっていたこ
>p1,207
とも原因であろうと思う。天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子
孫の系図が極めてあいまいであり、子孫の数
も少ないのは狭穂彦の乱で一族の多くが殺さ
れたことを恥と思って系図から消したことも
原因であろうと思うのである。
次に狭穂彦の乱で稻城(いなき)に火をつけて狭穂彦(さほひこ)
らを殺した豊城入彦(とよきいれひこ)の子八綱田(やつなだ)に対して、活
目入彦は倭日向武日向彦八綱田(やまとひむかたけひむかひこやつなだ)と言う称号を
与えたと言う。日向(ひむか)の日(ひ)は天孫系の天皇家を
表わし、向(むか)は刃向(はむか)うことを表わしているので
>p1,208
あり、倭日向(やまとひむか)とは倭(やまと)の国で天皇家に刃向(はむ)かっ
たと言う意味であり、武日向(たけひむか)とは天皇家に刃(は)
向(む)かって勝った強い男と言う意味であり、倭(やまと)
日向武日向彦八綱田(ひむかたけひむかひこやつなだ)とは倭(やまと)の国で天皇家に刃
向かって勝った強い男八綱田命(やつなだのみこと)と言う尊称な
のである。饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で被差別階級出身
の活目入彦(いくめいれひこ)は天皇家の中でもタカ派であり、
差別を強行した天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子孫狭穂彦(さほひこ)を殺して勝ったことに大満足して八綱田(やつなだ)に尊称
を与えたのである。
(第十三章 極悪人御真木入彦〔33〕【七、終9】狭穂彦の乱 p1,203-1行〜p1,208-10行)
執筆：平成７年（1995）安原 修
✡記：令和２年６月（2020）苅場 扶士男(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
【七、終9】狭穂彦(さほひこ)の乱(p1,203／p1,157〜p1,208)
>p1,203-1行~
狭穂彦(さほひこ)と狭穂媛(さほひめ)の父は彦姥津命(ひこばばつのみこと)の子であり、
和邇臣(わにのおみ)彦国葺命(ひこくにふくのみこと)の兄弟だったのだと思うので
ある。孝霊(こうれい)天皇の直系の子孫が若日子建吉備(わかひこたけきび)
津日子命(つひこのみこと)の長男四道將軍吉備津彦伊佐佐彦命(いささひこのみこと)
であったのに対して、孝霊(こうれい)天皇の兄天押帯日(あめおしたらしひ)
子命(このみこと)の直系の子孫が彦姥津命(ひこばばつのみこと)の子で彦国葺命(ひこくにふくのみこと)
の兄に当たる人物の子狭穂彦だったのではな
いかと思うのである。
少なくとも狭穂彦が天皇の活目入彦(いくめいれひこ)を殺し
て自分が天皇になれば国民は喜んで支持して
>p1,204
呉れると考えたのは、狭穂彦(さほひこ)自身が天皇家の
同族であり天皇になってもおかしくはない名
門の生まれであったことは断言出来るのであ
る。狭穂彦は孝霊(こうれい)天皇の直系の四道將軍吉備
津彦伊佐佐彦命(いささひこのみこと)が天皇にならずに吉備の国へ
去り、大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の子孫は誰も天皇にな
ろうと思っていないことを幸いに、活目入彦(いくめいれひこ)
を殺せば自分が天皇になるのが当然だと思い
上がっていたのである。
狭穂彦と狭穂媛(さほひめ)は彦姥津命(ひこばばつのみこと)の孫としか考え
>p1,205
られないのである。何故ならば当時の皇族で
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)の子孫以外で天皇家に最も血
緣が近かったのは孝霊(こうれい)天皇の兄天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)
の子孫丈だったからである。孝霊天皇の父孝(こう)
安(あん)天皇は孝昭(こうしょう)天皇の一子であり兄弟がなかっ
たのである。更に孝昭天皇も懿徳(いとく)天皇の一子
であり兄弟がなかったのである。だから天皇
家と血緣の近い皇族と言えば大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)
の子孫と彦姥津命(ひこばばつのみこと)の子孫しかなかったのであ
る。
>p1,206
そして狭穂彦(さほひこ)の本拠であった狭穂(さほ)は現在の
奈良市法蓮町のあたりであり、和邇(わに)氏の本拠
のあった春日(かすが)とも近いのである。その点から
も狭穂彦は天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子孫で和邇(わに)氏の同
族であると断定出来るのである。また狭穂彦
の父らは狭穂彦の乱の時稻城(いなき)で一緒に殺され
たものであろう。狭穂彦が天押帯日子命の系
図から消されて開化(かいか)天皇の子孫にされてごま
かされたのは、和邇(わに)氏の人々が狭穂彦(さほひこ)を一族
の恥と考えて系図から除外したがっていたこ
>p1,207
とも原因であろうと思う。天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子
孫の系図が極めてあいまいであり、子孫の数
も少ないのは狭穂彦の乱で一族の多くが殺さ
れたことを恥と思って系図から消したことも
原因であろうと思うのである。
次に狭穂彦の乱で稻城(いなき)に火をつけて狭穂彦(さほひこ)
らを殺した豊城入彦(とよきいれひこ)の子八綱田(やつなだ)に対して、活
目入彦は倭日向武日向彦八綱田(やまとひむかたけひむかひこやつなだ)と言う称号を
与えたと言う。日向(ひむか)の日(ひ)は天孫系の天皇家を
表わし、向(むか)は刃向(はむか)うことを表わしているので
>p1,208
あり、倭日向(やまとひむか)とは倭(やまと)の国で天皇家に刃向(はむ)かっ
たと言う意味であり、武日向(たけひむか)とは天皇家に刃(は)
向(む)かって勝った強い男と言う意味であり、倭(やまと)
日向武日向彦八綱田(ひむかたけひむかひこやつなだ)とは倭(やまと)の国で天皇家に刃
向かって勝った強い男八綱田命(やつなだのみこと)と言う尊称な
のである。饒速日命(にぎはやひのみこと)の子孫で被差別階級出身
の活目入彦(いくめいれひこ)は天皇家の中でもタカ派であり、
差別を強行した天押帯日子命(あめおしたらしひこのみこと)の子孫狭穂彦(さほひこ)を殺して勝ったことに大満足して八綱田(やつなだ)に尊称
を与えたのである。
(第十三章 極悪人御真木入彦〔33〕【七、終9】狭穂彦の乱 p1,203-1行〜p1,208-10行)
執筆：平成７年（1995）安原 修
✡記：令和２年６月（2020）苅場 扶士男(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
第十三章 極悪人御真木入彦〔34･終〕(p1,209／p1,035〜p1,212)
【八】御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)の真意(p1,209／p1,209〜p1,212)
>p1,209-1行~
八、御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)の真意
古事記、日本書紀共に御真木入彦(みまきいれひこ)を御肇国(はつくにしら)
天皇(すすめらみこと)としている。しかし実際には天皇ではな
かった御真木入彦(みまきいれひこ)を崇神(すじん)天皇とし、その上に
日本で始めて国を治めた天皇と言う尊称をつ
けたことは極めて邪悪な犯罪なのである。古
事記も日本書紀も綏靖(すいぜい)天皇から開化(かいか)天皇迄の
歴史を消している。そして更に天皇ではなか
った御真木入彦(みまきいれひこ)を崇神(すじん)天皇として御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)
として大嘘の歴史と系図をでっち上げたので
>p1,210
ある。
そのために後世の愚かな歴史家は崇神(すじん)天皇
が大和朝廷で最初の天皇であり、崇神(すじん)天皇以
前の天皇はすべて仮空の天皇であると言って
はばからないなげかわしい有様である。古事
記も日本書紀も一応は天孫降臨や神武東遷を
歴史に書いているけれども、御真木入彦(みまきいれひこ)を
御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)と書くことによって崇神(すじん)天皇が大
和朝廷で最初の天皇であると言うことを強調することによって崇神(すじん)天皇以前は仮空の
>p1,211
天皇であり、天孫降臨や神武東遷は仮空の物
語りだと思わせようとしているのである。
そして古事記も日本書紀も邇邇芸尊(ににぎのみこと)以来の
天孫系の名門の家系の大部分を歴史や系図か
ら抹殺し去り、その代わりに兇賊饒速日命(にぎはやひのみこと)の
子孫、宇宙人の重罪人天児屋根命(あめのこやねのみこと)の子孫、天
孫降臨に反抗した賊の子孫、神武東遷に反抗
した賊の子孫、其他天孫系の天皇家に反抗し
た賊の子孫らを偽系図をでっちあげて天孫系
の名門の家系としてごまかし、或は皇位を奪
>p1,212
った賊を天孫系の名門の子孫として偽歴史や
偽系図をでっちあげてごまかしたのである。
そして天孫系の正しい人々の歴史や系図を
消してそれらの人々の地位や身分を奪い、罪
人や悪人の子孫が歴史や系図をごまかして上
流階級や支配階級に成り上がり、私利私欲を
図り栄耀栄華を誇り、多くの国民を苦しめ、
天孫降臨と八紘一宇(はっこういちう)の大精神をごまかして日
本民族の心を堕落頽廃(だらくたいはい)させて今日の日本の危
機をもたらしたのである。
✡執筆：平成７年（1995）安原 修
(第十三章 極悪人御真木入彦〔34･終〕【八】御肇国天皇の真意 p1,209-1行〜p1,212-10行)
✡記：令和２年６月（2020）苅場 扶士男(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
【八】御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)の真意(p1,209／p1,209〜p1,212)
>p1,209-1行~
八、御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)の真意
古事記、日本書紀共に御真木入彦(みまきいれひこ)を御肇国(はつくにしら)
天皇(すすめらみこと)としている。しかし実際には天皇ではな
かった御真木入彦(みまきいれひこ)を崇神(すじん)天皇とし、その上に
日本で始めて国を治めた天皇と言う尊称をつ
けたことは極めて邪悪な犯罪なのである。古
事記も日本書紀も綏靖(すいぜい)天皇から開化(かいか)天皇迄の
歴史を消している。そして更に天皇ではなか
った御真木入彦(みまきいれひこ)を崇神(すじん)天皇として御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)
として大嘘の歴史と系図をでっち上げたので
>p1,210
ある。
そのために後世の愚かな歴史家は崇神(すじん)天皇
が大和朝廷で最初の天皇であり、崇神(すじん)天皇以
前の天皇はすべて仮空の天皇であると言って
はばからないなげかわしい有様である。古事
記も日本書紀も一応は天孫降臨や神武東遷を
歴史に書いているけれども、御真木入彦(みまきいれひこ)を
御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)と書くことによって崇神(すじん)天皇が大
和朝廷で最初の天皇であると言うことを強調することによって崇神(すじん)天皇以前は仮空の
>p1,211
天皇であり、天孫降臨や神武東遷は仮空の物
語りだと思わせようとしているのである。
そして古事記も日本書紀も邇邇芸尊(ににぎのみこと)以来の
天孫系の名門の家系の大部分を歴史や系図か
ら抹殺し去り、その代わりに兇賊饒速日命(にぎはやひのみこと)の
子孫、宇宙人の重罪人天児屋根命(あめのこやねのみこと)の子孫、天
孫降臨に反抗した賊の子孫、神武東遷に反抗
した賊の子孫、其他天孫系の天皇家に反抗し
た賊の子孫らを偽系図をでっちあげて天孫系
の名門の家系としてごまかし、或は皇位を奪
>p1,212
った賊を天孫系の名門の子孫として偽歴史や
偽系図をでっちあげてごまかしたのである。
そして天孫系の正しい人々の歴史や系図を
消してそれらの人々の地位や身分を奪い、罪
人や悪人の子孫が歴史や系図をごまかして上
流階級や支配階級に成り上がり、私利私欲を
図り栄耀栄華を誇り、多くの国民を苦しめ、
天孫降臨と八紘一宇(はっこういちう)の大精神をごまかして日
本民族の心を堕落頽廃(だらくたいはい)させて今日の日本の危
機をもたらしたのである。
✡執筆：平成７年（1995）安原 修
(第十三章 極悪人御真木入彦〔34･終〕【八】御肇国天皇の真意 p1,209-1行〜p1,212-10行)
✡記：令和２年６月（2020）苅場 扶士男(かりば ふじお)
✡五瀬月(いつせのつき)
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