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真夜中、幽霊、シーツ、七階コミュのゆるいパン種

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彼のことはあまり知らない。出身地、どんな両親の元に育ったか、きらいな食べ物は、どんな仕事をしているか。。
活気のない商店街をふたり、歩いていると突然雨が降ってきた。シャッターが閉まった店の軒先に避難する。雨は続かないだろう。
「ネオは、珍しい煙草を吸っているよね。」
「そうですね、何処にでも売っているものではないです。」
ネオは、人差し指と中指に挟んでいた煙草を掲げて見せた。
「どこに売っている?」
「吸いたいですか?」
「…この前急にその煙草のことを思い出してね、煙草屋に走ったの。でも見つからなかった。あちこち探し回ったけれど、見つからなかった。」
「…」
ネオは目を伏せて煙草を吸い、ゆっくりけむりを吐き出した。
「それは、あかるさんは、僕をすきということではないでしょうか。」
「…」
「あなたは煙草でなく僕を思い出したんだ。」
ネオはわたしの方を見なかった。けれどあまりにきっぱり言うので何も言えなくなってしまった。短くなる煙草。灰ははらはらと舞いすぐに見えなくなる。
これはなんだか。まるで。
ネオの指先からゆっくり煙草が放れ、地面に着地した。
「あなたは僕がすきなんだ。」
刷り込みだ。
ネオのことは勿論嫌いではない。けれど男性としてすきかと言われたら、どうだろうか。わからない。なんとなくばつが悪くなって、ネオと喋っているとばかになった気がするよと言うと、ネオは目を細めて笑った。
「良いんです、あかるさんは。頭が悪くっても。」
赤面して俯くしかなかった。

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