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真夜中、幽霊、シーツ、七階コミュの水よりジンジャーエール

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リビングで煙草を吸っているとキッチンから皿の割れる音が聞こえた。まただ。宥めるような優しい声と金切り声が混ざって、聞いてるこっちがおかしくなる。
すぐに何も無かったかのようにサンドイッチを持ってユフロンが現れた。頬が腫れていた。
「お腹空いちゃったな」
ユフロンは私を見て言い訳するように呟くとサンドイッチをやわらかく咀嚼し始めた。
「また叩かれたんでしょう」
ユフロンは少し笑って、でも何も言わない。腹がたつ。私はいつだって蚊帳の外だ。ユフロンはあの子が怖いと騒げば抱きしめ、眠いと喚けば本を読んでやる。長い、綺麗な髪もばっさりと切ってしまった。引っ張られると痛いから、とユフロンは笑っていた。
あの子だけなんて、そんなのは、ずるい。そう大声で言えれば良かった。私もあの子も立場は何も違わない。ユフロンの子供だ。けれど私は中途半端にまともに育ってしまったからそんなことは出来ない。
あの時、母親と留守番をしていて、火事が起きて、目の前で母親が焼け死んだのを見たのが私なら良かった。おかしくなってユフロンがずっとそばにいてくれる……なんて酷いのだ、私は。
泣きながら煙草を腕に押し付ける。 ユフロンは知らない。私の罪。

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