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真夜中、幽霊、シーツ、七階コミュの人身御供

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夜中小便に起きると、洗面所で物音がした。
「誰?」「弘昭、起きていたの、」「姉さんこそ何しているんだ。」
洗面台の鏡越しに目が合う。姉は顔色が酷く悪かった。
「ちょっと食中りしたみたいネ、ここのところ日射しも強いし。弘昭も早くお眠り。」
姉は来る長月、嫁ぐ事が決まっていた。相手は商家という裕福な家柄である。姉の美貌が無ければうちなどとは縁が無かっただろう。
次の朝、父と母に呼び出された。深刻な顔をしている。
「弘子が身篭った。」
いくら婚姻が決まっているとはいえ、相手の家はふしだらな娘だと腹をたてている。どうも相手は弘子に誘惑されたと話しているようだ。
話を要約するとこうだった。
父は黙りこみ母は啜り泣いている。
「姉さんは?」「物置に閉じ込めてある。」「そんな、こんな暑い中、、しかも子を宿しているというのに!」
僕は離れの物置に走った。
入り口は棒で開かないようになっていた。ゴメンナサイ、ゴメンナサイと泣く声が聞こえる。扉を開けると裸足の姉がいた。多分悪阻で苦しんでいるところを見つかりそのまま放り込まれたのだろう。
「弘昭、、、」「姉さん、、弘子、、」
僕は姉を強く抱き締める。姉は大声で泣いた。「ゴメンナサイ、私、こんなことになるなんて、」「何も云うな。」
一月以上前だったか。
真夜中、ふすまが開く音で起きた。
「誰だ?」「私よ。」「姉さんか。」
姉は白い寝間着で、暗い部屋の中、異様に明るく見えた。
「どうしたんだ。」「私、縁談が決まったの。」
「それは、、、良かったじゃないか。おめでとう。」「弘昭、」「僕達はいつまでもこんなことを続けていてはいけないんだよ。いい機会だ。」「弘昭、」
姉は身体を押し付けてくる。そんな事を云わないでと耳元で囁いた。姉と関係を持って、一年が過ぎようとしていた。最初こそ欲しくて欲しくて堪らなかったものを手に入れた悦びにのぼせあがっていたが、段々と、日々不安にかられるようになっていった。してはいけないことをしている。その気持ちがどんどん膨らんで、胸を圧迫する。
「今日で最後で良いから、抱いて。」
姉はそう僕を押し倒した。




多分、姉はわかっていた。隠蔽を謀るためあちらの男とも関係を持ったのだ。姉は、嫁にいく。長月に。僕の子を胎に抱えて。

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