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mixi小説:白球のゆくえコミュの第27話

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学校祭の振り替え休日明けの日、僕は普段より1時間も早く学校に向かっていた。

なんでも、フォークダンスをしたときのキャンプファイヤーの片付けをするという、地味な仕事が回ってきたからである。


「なんでオレがこんな役回りに・・・」


秋口の涼しい空気の中、僕はブツブツ言いながら自転車をこいでいた。



学校に入る直前、カコーン、カコーンという音がすることに気付いた。

それは、おそらく木製バットでボールを打つ音だということはすぐに察しがついた。



学校に着き、グラウンドの方へ歩いていくと、やはりユニホーム姿の2人組が見えた。



「誰だ? こんな朝早くに・・・」



その2人組みに近づいていくと、僕に気付いた1人が僕の方へ振り返った。


「あっ、先輩、おはようございますっ!」



それにつられて、もう一人も

「えっ、あっ、おはょござぁーす!!」

と僕に挨拶をした。



僕は右手を上げ、「オッス」と軽く返した。


「お前ら早いなぁ、毎日朝連してんのか?」



「あ、一応2学期始まってからです」

と答えたのは、1年生の外野手の信吾だ。


「先輩も早いすねー、どうしたんすか?」

こちらの敬語が軽いヤツは、同じく1年で内野手の中林だ。



「あー、あの焚き火の片付けだよ」

僕はグラウンドの中央にある、黒く焦げた木の山を指した。




「マジっすか!? マジめんどいすね」

「ちょうどいいから、お前らも手伝えよ」

「いや、僕らはヘタクソなんで練習しなきゃいけないんでっ!」


そう言うとまた中林が木製バットを構え、信吾がティーを上げる準備をした。






2学期の始めからか・・・、全然知らなかったな。



そうぼんやり考えながら、黒く焦げた木の山に集まりだした生徒の輪の方へ僕は歩き出した。







秋の涼しい空に、木製バットの乾いた音が響き渡っていた。






第28話へ続く



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