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東日本大震災の被災者を応援するために、マキさんと東洋思想研究家の田口佳史さんのコラボで作った歌「きずな」の紹介記事が掲載されました。(*^-^)ﾆｺ
★★★2011年7月22日 東京新聞 朝刊★★★
『あなたとの絆 それは宝物
命の危機乗り越えた２人、被災地応援歌』
不慮の事故や難病で生死の境をさまよった男女が手を携え、東日本大震災の被災者を応援する歌をつくった。後遺症や薬の副作用などの苦しみを背負いながらも前向きに生きる２人が、復興に立ち向かう東北の人々へ送る思いとは−。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「完治が難しい病を患ったという状態を自分で『受け入れる』ことで、『生きている』ことに感謝できるようになったんです」
八月下旬に石巻市で開かれる被災地支援イベントのテーマソング「きずな」を作曲したシンガー・ソングライターの小川マキさんは、病を感じさせない明るい声でそう語る。
小川さんは三年前、リンパ球が赤血球のもととなる細胞を破壊する難病「赤芽球ろう」を発病した。一時はヘモグロビン値が通常の四分の一まで低下し、輸血で命をつなぐ状態にまで陥った。「死ぬのかな」と涙ながらに夜を過ごしたこともあったという。
現在は、リンパ球の機能を抑える免疫抑制剤を服用している。しかし、本来の免疫機能も下げるためにウィルスや細菌などの感染に気を使わなければならない。薬の副作用で体がだるくなることもしばしばある。
小川さんが曲作りにかかわるきっかけは、震災発生直後にさかのぼる。被災地支援イベント開催を思い立った人材戦略コンサルタントの雑賀日出男さんが、師と仰ぐ東洋思想研究家の田口佳史さんに相談した。
雑賀さんと田口さんは「被災地の皆さんの心と心をつなぐ歌をつくろう」と考え、作詞を田口さんが自ら担当し、雑賀さんが知人を介して小川さんに作曲を依頼した。
田口さんは、二十五歳の時にタイの農村で巨大な水牛二頭に襲われ、内臓が体から飛び出すほどの重症を負った。奇跡的に命を取り留めたが、長年心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされた。現在も腎臓などに障害が残り、痛みも消えていない。
体のハンディを抱えながらも田口さんは、震災後、津波の被害で存続が危ぶまれた宮城県気仙沼市の伝統芸能「大島磯草虎舞」の支援に取り組んできた。多くの人たちからの善意が実り九月、「虎舞」が復活する。「震災をきっかけに、逆に地域のきずなが強まれば」
そうした活動のかたわら田口さんが書いた詞は「いつか見た岸辺のタンポポ 今も道標」など、東北も含め日本の原風景を思わせる言葉が連なる。結びは「この手の中に希望の光 あなたとの絆 それは宝物」。小川さんは「包容力の中に明るい未来を感じさせる」イメージを思い浮かべ、童謡のようにゆったりして優しいテンポの曲を付けた。
「二人とも一度失いかけた人間。『助かってよかった』という気持ちが生きる底力になる。そんな経験や思いが伝われば」。田口さんは静かに語る。小川さんも「被災地の皆さんは、どうか希望を持ち続けて生きてほしい」と願う。
(2011年7月22日 東京新聞朝刊より)
★★★2011年7月22日 東京新聞 朝刊★★★
『あなたとの絆 それは宝物
命の危機乗り越えた２人、被災地応援歌』
不慮の事故や難病で生死の境をさまよった男女が手を携え、東日本大震災の被災者を応援する歌をつくった。後遺症や薬の副作用などの苦しみを背負いながらも前向きに生きる２人が、復興に立ち向かう東北の人々へ送る思いとは−。
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「完治が難しい病を患ったという状態を自分で『受け入れる』ことで、『生きている』ことに感謝できるようになったんです」
八月下旬に石巻市で開かれる被災地支援イベントのテーマソング「きずな」を作曲したシンガー・ソングライターの小川マキさんは、病を感じさせない明るい声でそう語る。
小川さんは三年前、リンパ球が赤血球のもととなる細胞を破壊する難病「赤芽球ろう」を発病した。一時はヘモグロビン値が通常の四分の一まで低下し、輸血で命をつなぐ状態にまで陥った。「死ぬのかな」と涙ながらに夜を過ごしたこともあったという。
現在は、リンパ球の機能を抑える免疫抑制剤を服用している。しかし、本来の免疫機能も下げるためにウィルスや細菌などの感染に気を使わなければならない。薬の副作用で体がだるくなることもしばしばある。
小川さんが曲作りにかかわるきっかけは、震災発生直後にさかのぼる。被災地支援イベント開催を思い立った人材戦略コンサルタントの雑賀日出男さんが、師と仰ぐ東洋思想研究家の田口佳史さんに相談した。
雑賀さんと田口さんは「被災地の皆さんの心と心をつなぐ歌をつくろう」と考え、作詞を田口さんが自ら担当し、雑賀さんが知人を介して小川さんに作曲を依頼した。
田口さんは、二十五歳の時にタイの農村で巨大な水牛二頭に襲われ、内臓が体から飛び出すほどの重症を負った。奇跡的に命を取り留めたが、長年心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされた。現在も腎臓などに障害が残り、痛みも消えていない。
体のハンディを抱えながらも田口さんは、震災後、津波の被害で存続が危ぶまれた宮城県気仙沼市の伝統芸能「大島磯草虎舞」の支援に取り組んできた。多くの人たちからの善意が実り九月、「虎舞」が復活する。「震災をきっかけに、逆に地域のきずなが強まれば」
そうした活動のかたわら田口さんが書いた詞は「いつか見た岸辺のタンポポ 今も道標」など、東北も含め日本の原風景を思わせる言葉が連なる。結びは「この手の中に希望の光 あなたとの絆 それは宝物」。小川さんは「包容力の中に明るい未来を感じさせる」イメージを思い浮かべ、童謡のようにゆったりして優しいテンポの曲を付けた。
「二人とも一度失いかけた人間。『助かってよかった』という気持ちが生きる底力になる。そんな経験や思いが伝われば」。田口さんは静かに語る。小川さんも「被災地の皆さんは、どうか希望を持ち続けて生きてほしい」と願う。
(2011年7月22日 東京新聞朝刊より)
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