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とにかく泣ける話。コミュの君と…番外編((2

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『変な話しちまってごめんな。そーえばお前の母さんに一度くれぇ会ってみてぇな』


最後にそう言って宏と海から帰ってきた



…宏は本当に伯父さんのことが好きなんだな…。。。

帰りも一緒に自転車に乗りながら伯父さんと行った公園、お祭り

伯父さんの笑い話、伯父さんと一緒に過ごした旅行…


宏の家庭は共働きで伯父さんが島に行くまでは一緒に暮らしていたという


宏にとって伯父さんは…貝頭晃は大切な存在なんだ

その人を傷つけた女性の娘と付き合ってるなんて宏は夢にも思ってない

…このまま隠し続ける?


それとも真実を告げる?


…どちらにしても宏を傷つけてしまう









別れよう。











日曜日


珍しく宏のバイトが休みだったので宏と遊ぶことにした

「愛ー…。」

「どうしたの?」

「すっげー言いにくいんだけど…」

まさか…


「残金千円なうww」

「なんだww」

ほっとする。

「なんだとはなんだ。まだ昼飯食ったばっかなのに千円しかないとは重大だ!」

「宏が食いすぎなんだよwセイゼリアで二千円超える人初めて見た」

「ンだとー!!愛は男がわかってないな!俺たちの中では三千円超えた者が勝ちなんだよ!!」

「意味わかんなーい」



…こういう微笑ましい会話をあと何回出来るのだろう。

そう考えると胸が痛くなる


「それより。これからどうするよ。」

「んー…。」

お金がなくても大丈夫な場所?

どこだろう…あるのかな。



「そうだ!」

名案というばかりに宏の目が光った

「俺んち来いよ!」










恋人の家というのは少しばかり緊張するものだな…

私は遠慮がちに「失礼します」と言って玄関をくぐった


「母さん!父さん!いんの?」

宏が大きな声を出した

すると横のドアがゆっくり開いた


「宏…早かったのね。あれ?そちらの方は?」

お母さんらしき人が愛犬とともに現れた

「あ。俺の彼女!」

やだ。宏ったら…。これじゃ別れられなくなっちゃう…

そう思いながらぺこりと頭を下げた

「突然お邪魔して申し訳ありません。私、宏と同じ高校に通ってる

佐藤愛と申します。」

「愛。かたっくるしーぞw俺の家族には礼儀正しいのは伯父ぐらいしかいないんだから気ぃぬけ。」

宏の伯父という言葉に反応してしまう

「そ…そうなんだ」

顔を俯かせる



客室に通されたかと思えばいきなり洋菓子と紅茶が出てきた

「ごめんなさいね。愛さん。いきなりだったものだからこんなものしか用意できなくて」

「いえいえ。とても美味しそうです」

こんなものと言いながら出されたものは本当に美味しそうだった

「…やっぱりこんなものじゃ失礼よね。何か買ってくるわ!」

そう言って止める暇もなく出て行ってしまった



少ししてからインターホンが鳴った




「誰だろ…」

宏もわからないらしい

「ちょっと行ってくるな」

そう言って客室を出てってしまった

…なんか落ち着かないな

そういえば宏のアルバムとかみたいな…


そう物思いにふけってると宏の大きな声が聞こえた


「伯父さん!」


…え。

いや。大丈夫だよね。

私は実際にはあったことないし

きっと大丈夫。ばれない…はず。

鼓動が速くなる


「愛!晃伯父さんがちょうどいい感じできてくれてよかったな!」

上機嫌で宏がドアを開けた

私がゆっくりと振り向くと

そこには40代くらいの細身で端麗な顔つきをした男性がいた

…この人が。

私のお母さんが一時期惚れていた人なんだ…


「愛っ!」

宏の声で我に返る

「あ。ごめん。ボーっとしちゃって」


私は立ちあがって晃さんの前まで行き目をそらしながらお辞儀した

「は…はじめまして。えっと、佐藤…愛です。」

その名前に晃さんは反応したように思えたが構わず続けた

「宏からはいろいろとお話を伺っています。よろしくお願いします」

顔をゆっくりとあげた

晃さんは笑顔だった

いや。作ったような笑顔だった


「…はじめまして。晃です。愛さん…だったね。宏から俺も聞いてるよ

うわさ通りしっかりした子だ。それに宏とは真逆で清楚っぽいねw」

「伯父さん。一言余計だよ!」

宏が晃さんの背中をたたく

二人の笑い声が響いた

…ほんとに仲が良いんだ

目の前にするとやはり現実のせいで目の前が真っ暗になる



ソファーに3人とも腰をかけ話題がなくなったので宏に言った

「そういえば、宏のアルバムみたいなー!どこにあるの?」

宏が恥ずかしそうに答える

「バカっ!んなもんみたってしょーもねぇのばっかだよ…」

「私、見たいの!取ってきてあげるから場所だけ言ってよ」

本当はこの場から少しでも離れていたいから提案したのだ

だが…

「しょうがねぇな…。今度愛の家に行ったら愛の存分に見してもらうからな!

俺が今持ってきてやるよ。」

「え…。私が持ってくるからいいよ。」

「なんでだよwそれくらい持ってくるよ。待ってろ」


さっさと宏が出てってしまい晃さんと二人の状態になってしまった


…息苦しい


そう思った矢先に晃さんに質問された


「そういえば、愛ちゃん。俺の前の奥さんのこと知ってる?」

…完全に気付いてる

もう隠せないと思った

「はい。」

「いや別に、愛ちゃんのこと責めるわけじゃないからそんなに緊張しないで」

医者なだけに相手のことをちゃんと見れているんだと思った

「愛ちゃんには一つだけ聞いておきたいんだ。あと忠告もね。」

目を合わせることができずに黙っていた

「…お母さんは。美菜子は幸せ?」

「え…。」

私は顔を上げた

まさかそんな質問してくるなんて思わなかった

「そんなに意外?」

私の心を見透かしたかのように聞いてくる

私は正直に頷いた

「俺は医者だよ。人の幸せを願うのは当然だ。

もしそれが昨日見た患者だとしても…俺をフッた彼女だとしても」

晃さんの視線が遠くを見つめていた


私は静かに答えた

「母は…。きっと幸せなのだと思います。

晃さんといた時がどういう心境だったかは私にはわからないけど

でも父は母を幸せに出来ると思います。

ほかのだれよりも。過去も現在も未来も。

母を幸せにできるのは父であり、父を幸せにできるのは母であると私は考えています。」

私が正直にこたえると晃さんはフッと笑った

「その答えが聞けてよかった。俺は正直ね、君のお母さんを幸せにできるかどうか
不安だったんだ。でも君のお父さんは違う。

どんな状況であっても美菜子の幸せを優先していた。

情けないことに俺は別れ間際泣くことしかできなかった。

君のお父さんのようにエールを送ることは到底出来なかった。

自分自身のことしか考えられていなかった自分が本当に情けないよ」


静寂が私たちを襲う



私はこの発言になんて反応していいかわからなかった

晃さんが責めていたのはお母さんでもなくお父さんでもなく私でもなく

晃さん自身だった

大人なのだな…と思った



やっと静寂が崩れた

「あ…。あとね忠告だけど…

愛ちゃんのお母さんが俺の元奥さんだったということは宏には言わないほうが」

その時


バン



本が落ちる音がした

宏がドアの目の前に立っていた

「…ひ…宏…」

宏は青い顔をしていた


「あ…あたし帰ります。また!」


そう言って私は宏の家を後にした


また…

またなんてない

宏に知られてしまった

こんな形で知られたくなかった

自分からちゃんと告げて別れたかった

甘かった




私はただただ泣いて駅に向かった














家には帰りたくなかった

帰ったらまた号泣してしまいそうで嫌だった

なにもかも忘れたい…

本気でそう思った









気が付いたら見知らぬホームにいた

どうやらかなり都会のほうらしい


…これからどうしようかな



駅を出てふらふらしていた


細い路地に入った時


「ねね。お姉ちゃん」

知らない中年の男性に話しかけられた

「なんですか」

「ふふふ。3万でどう?」

え…

その時には遅かった

既に腕をつかまれ強引に裏道に連れて行かれた


怖い…

私はすでに泣き始めていた

拒みたいのに拒めない

放してほしいのに力が強すぎて抵抗することさえできない

こんな時…

私の脳裏には一人しか浮かんでこなかった

お母さんでもお父さんでも友達でもなく


…宏



でも。

宏はもう私のそばにはいないんだ…

宏とは前みたいにはしゃいだり真剣に話したり愚痴聞いたり言ったり…

そんな当たり前のことが出来ないんだ


わかっていたのに

わかっていたのに

なのにこんなにも悲しくなるのは…





宏を愛していたから…








「やめて!!」


そう言って拒んだ

私は今ここにいる場合ではない

宏とちゃんと話し合わなければ…

宏にちゃんと感謝と気持ちを伝えなければ…


そして案外簡単に腕をふりほどけた




今来た道を走った







月曜日



宏は学校にいつもどおり来た

だけどいつものような朝の挨拶はなかった



昼休み

宏はいつものように屋上に登っていた

私はそれを追いかけた


宏がいつものように漫画を顔の上にのせて寝そべっている隣に座って話しかけた

「宏…ごめんね」

宏は無言だ

「私…言いだせなかった。最低だよね。宏が好きだったから言いだせなかった。

結果的に宏が一番傷ついたよね…。」

私はすでに泣きそうになっていた

あんなにやさしい宏が無反応なんて…

…本当に傷つけちゃったんだ

ごめんじゃ言い表せない


「宏…。私ね…宏といれて本当に嬉しかったし楽しかった。

今まで恋なんてしてこなかったから。恋ってものがどんなものなのか知った。

ううん。宏からは本当にいろいろ教えてもらった。

この痛みも…大事なことなんだよね…。

本当にありがとうね…ばいばい」


もう涙で視界が見えなくなっていた

涙を止めるすべがわかんなかった

止めたいのに止まらない

こんなじゃ宏に申し訳ない


立ちあがって教室に戻ろうとした時…


ふいに腕を掴まれた

「愛…」

いつの間にか宏が座っていた

「お前…俺が言った言葉覚えてるか?

なにがあってもお前を守る…。お前を悲しませるやつなんか俺が許さない

それが今回俺だった。だから俺はショックだったんだ

お前が今何から守られなきゃならないのか。

それが俺なのか。そう考えたんだ。…でも違ったな。」


抱きしめられた


「愛してるよ。だから…離れないでくれ」

私の肩に液体がついた



宏が泣いていた


私も泣いていた











もう。離れない。

たとえどんなに辛いことがあってもあなただけを信じて前を向く

大喧嘩してもすっごく嫉妬しあっても

それでもあなたしか考えられない









「愛は高校からの友達です。

私の一番の親友でした。

彼と付き合うにはいろいろな困難がありました。

それでも愛は乗り越えてこれました。

本当に友達として今日以上に嬉しいことはありません。

おめでとう…!」



桃花がスピーチしてくれた

この日のことも和風にするか洋風にするか。

散々もめたな〜…

でも決め手はこの真っ白なドレスかな。

すっごくデザインがかわいくて私も彼もガラス越しに見惚れてしまった

『このドレス着てくれるなら…洋風でもいいか…な。』

そういう彼の顔は耳まで赤かった





私は今、とっても幸せです

あなたとこうして人生を歩んできて歩んで歩めて。

きっと世界で一番幸せ。

こんなにも熱く愛情を捧ぐことができるあなたに15歳の春に出会うことができていたのだから…



愛してるよ…。











*+*+*+*+*+*+*+



…反応がドキドキww


やばいw




次回作も読んでくださると嬉しいです!







今まで読んでくださった皆さん。ありがとうございました!

コメント(17)

まだ続くんですか?
もー何話でも続けてください(*´Д`*)
本にしてください\(^o^)/てり
愛ちゃん良かった!
このシリーズ本当に楽しく読ませて頂きました
読みやすい文章、引き込まれてしまうシチュエーション、描写の素晴らしい事!
まだお若い方とお見受けしますが、才能をどんどん伸ばして下さいね
次回作楽しみにしてます
きゅんきゅんほわーん(//∇//)いつもありがとうございますっ
>>[3]

へへっ((w
次回作もよろしくおねがいしますね!わら
>>[4]

すっごく褒め言葉もらえてうれしいです!
そうなんです…まだまだ経験値が…ww
これから頑張りたいと思います!!
>>[5]

最後まで読んでくださったみたいで嬉しいです!
ありがとうございました(^O^)/

一つ忘れていたことがあったことに気づきました!汗

番外編の一話目のほうのURLです!

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=71115992&comm_id=4198707

いやぁ〜涙が止まらないです(;_;)
幸せになれて良かった(;_;)
本当に良いお話を有り難うです(;_;)
>>[012]
コメントありがとうございます目ハート 次回作もよろしくお願いします(^o^)/
>>[013]

読んで頂き嬉しいです←
残念ながらこの話はここで終了です。
ここから先は読者のみなさんの頭の中で生き続けたらいいなとおもいます!
なんか…
目が霞む…
打ってる文字がみえない…

こんな恋が出来てたらなぁー涙
>>[16]

コメ返遅くなってすみませんでしたっ!!汗

作者もこんな恋がしてみたいけどきっとできないです←爆笑

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