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とにかく泣ける話。コミュのじいちゃんの見せてくれた夢

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「バッカじゃねぇのお前!サンタなんかいねぇんだよ!ありゃ〜親だ!まだ信じてたのかぁ?バッカで〜」

え。

小学二年生だった。もうじきクリスマス。友達にサンタさんに何を頼むのか尋ねた答えだった…

だって…

だって毎年…

翌朝には大きな靴下にプレゼントが…

夕食中。俺は口を開いた。

「サンタさんがいないって…本当?」

食卓が凍りつく。

「やっぱり!やっぱりいないんだ!今まで僕を騙し続けて来たんだぁぁ!!!」

ウワァァと俺は泣いた。

「ゆ…勇樹!サンタさんいるよ!お姉ちゃん夜中に何回も見たよ!」

姉は当時中学1年生。優しい姉だった。必死に俺の夢を守ろうとしてくれたのだろう。

「ほ…本当に?」

「本当だよ!ねぇ!?お父さん、お母さん!」

「あ…ああ!本当だとも!」

俺は素直だった。なぁんだ。ひと安心。


「勇樹、今年はサンタさんに何をもらうの?」

「内緒」

「え」

「サンタさんにだけ分かればいい!」

俺はサンタさんに手紙を書いた。大好きなONE PIECEの特大パズルが欲しいと。

ピッチリと封をして母に渡した。

「いつもみたくサンタさんに渡してね。お母さんは見ちゃダメだよ」

「ハイハイ」

母は内心ホッとしたのだろう。

俺は意気揚々とこの話を友達数人にした。

皆大笑い。

「おめーどこまでアホなんだよぉ!?家族全員に担がれてんだよ!おめーのかわい〜いこども心を必死に守っ…プッ!!」

ギャハハと皆で腹を抱えて笑いだした…



そんな…

そんな訳ない…

俺の家族が嘘をつくはずが…

12月20日だった。

臨時休校で早く家に帰った時だった…

「ただいま」

「キャア!」

「え?」

母親が後ろに何かを隠した。

それはあまりに大きくて隠しきれていない…

ONE PIECEのパズルだった。


全身から血の気が引くと共に怒りがふつふつと沸いてきた…

「お母さんのバカ!!嘘つき嘘つき!お陰でみんなの笑い者だよ!どうして本当の事言わなかった!バカヤロー!」

ウワァと俺は部屋にこもり鍵をかけて泣いた。

お父さんも…お母さんも…お姉ちゃんもみんなみんな大嫌いだ!!!


母は誰かに電話をしているようだった。

「勇樹…お母さんちょっと出掛けてくるからね?お姉ちゃんと待っててね…お父さんと出前とって食べてね…」

無視した。

母は次の朝にも居なかった。

ちょっと言い過ぎた……?

違う!悪いのは俺じゃない!
父も姉も母の事に触れない。

「亜美クリスマス楽しみだなぁ」

「うん!お父さん!」

「お前はサンタさんに何をもらうんだ?」

「内緒だよ〜!」

「白々しい演技は止めろよ!!」

俺はぶちギレて家を飛び出した。


母はいつまで経っても帰って来なかった…


俺にも意地があった。どうしても父と姉に母の事を聞き出せなかった…


迎えたクリスマスイブ。

「勇樹!今日は寝ないでサンタさん待ってようか!」

姉がウィンクする。

「お姉ちゃん…いい加減にしてよ!僕は見たんだ!お母さんが…お母さんが…」

お母さん…一体いつまで帰って来ないんだろう…

皆……僕の夢を壊したくなかっただけじゃないか…

必死に僕に夢を見せてくれようとしただけじゃないか……

「お母さん…お母さんごめん〜!!もう怒ってないから…怒ってないから帰ってきてくれよぉ!!」

ウワァァンと泣き出した僕に姉は微笑んだ。

「お母さんはもう帰ってくるよ」

その瞬間。

コンコン。

え?

窓を誰かが叩いている。

ど…泥棒?

「あ、サンタさんだぁ!」

姉がカーテンを開けようとする。

「や…止めろよ!サンタなんていないんだ!泥棒だよ!は…早くお父さんを…!」

姉は俺の制止を振り切り思いきりカーテンを開けた。


サンタだった。

「キャア!」

姉は喜んで窓を開ける。

シワシワの顔に白い髭をつけ真っ赤な衣装で現れたその人は…間違いなくサンタさんだった…。


う…嘘だ……。


「はぁい。亜美ちゃんは新しい靴だったね。」

「ワァイ!ありがとう!」

「勇樹君。」

「は…はい…」

「ごめんね。サンタさんはたくさんのこどもたちのプレゼントを用意しなくちゃならない。大変なんだ。だから君へのプレゼントはお母さんに頼んだんだよ。はい。」

そう言って渡されたのは…

ONE PIECEのパズルだった。


「じゃあサンタさんは行くよ、また来年ね」

「あ…」

サンタさんはハシゴを降りていく。

「ありがとう…!ありがとうサンタさん!!!」

次の日。

お母さんが帰ってきた。

「お母さん!!長い間どこいってたんだよぉ!サンタさんが…サンタさんが来たんだよ!!疑ってごめんよぉ!」

「ごめんね、用事があったの。そう。良かったわね。来年も来てくれるかしら?」

「絶対来るよ!」

しかし…

来年。

夜通し待ち続けるもサンタさんは現れなかった…

「勇樹、サンタさんは急しいのよ。毎年私達の所には来れないんだわ…」

「そうだね…」




時は流れた。


俺は結婚し、こどもを持った。

「サンタさんに何もらおっかなぁ?エへ」

はしゃぐ娘を見てあの頃の家族の気持ちが痛いほどよく分かった…

もう俺も大の大人だ。全ては分かる。

疑問が残っていた。

あのサンタは…誰だったんだ?

俺は…父と母に追及した。

「本当の事教えてくれよ…。」

父と母は顔を見合わせ微笑んだ。

「おじいちゃんよ」

え…

「お母さんの方のね」

お母さんの方のじいちゃんって…確か北海道…。

「お母さんがおじいちゃんに話したのよ、あなたの事を。そしたらおじいちゃんたら…わしがサンタを引き受けると、勇樹の夢はわしが守ると北海道から飛び出して来たの。足も悪くおじいちゃんは癌を患っていたわ…痛みをしょってそれでもあなたの夢を壊したくないとはるばる東京まで出てきてくれた…。クリスマスイブまでホテルをとってお母さんとおじいちゃんは過ごしたの。傷む箇所を必死にさすりながら迎えたイブの日にあなたの前に現れたのよ…」


じいちゃん……

全く気付かなかった…

住んでる土地が遠いためなかなか会えずじいちゃんの顔は覚えていなかった…


「おじいちゃんは北海道に帰って半年後にそっと息を引き取った…あなたと亜美が最後に会ったおじいちゃんは…サンタさんだったのよ」

じいちゃん……

だから…

だから来年は来れなかったんだ…

バカな…俺なんかの夢のために…

北海道に遊びに行った時何をしたかは忘れたが激しく怒られて以来おれは母方のじいちゃんが嫌いだった…

葬式にも涙ひとつ流さなかった記憶があった……

「なんで…」

「なんでもっと早く教えてくれなかったんだよ…俺…俺…礼ひとつ言えなかっ…」

俺は……泣き崩れた……





今年もイブがやって来る。

「由実!窓を見てな。サンタさん来るぞぉ!」

「うん!」

コンコン。

「来たァ!!」


「由実ちゃんこんばんわぁ」

じいちゃんの意志を受け継いだ父だった。


じいちゃん、命がけで俺に夢を見せてくれてありがとう!忘れないよ…由実にこどもが出来たら…今度は俺がサンタさんだ!

コメント(38)


こみやさんハートいつも素敵な物語ありがとうございます。

父親に会いたくなりましたほっとした顔クローバー
さゅさんへ
こちらこそいつも読んで頂きありがとうございますほっとした顔感謝してますほっとした顔何故か季節外れのサンタさんが頭に浮かびましてわーい(嬉しい顔)あせあせ(飛び散る汗)是非!お父様に会ってきて下さいウインク
カユズキさんへ
光栄ですわーい(嬉しい顔)ありがとうございますほっとした顔こどもの夢っていつまでも守ってやりたいと思うのが大人心かなとわーい(嬉しい顔)また読んで下さいねほっとした顔
窪塚の嫁さん(//さんへ
嬉しいですほっとした顔読んで頂きありがとうございますほっとした顔いつまでも見れない夢だからこそ守ってあげたいですよねわーい(嬉しい顔)じいちゃんの想いは子に孫にほっとした顔


え?


サンタいないの?

じゃあ俺に毎年プレゼントくれたのは母さん?

なんだ、サンタいないのか。










という冗談はさておき、感動しましたわーい(嬉しい顔)ぴかぴか(新しい)
ケミカルさんへ
おぉ…ケミカルさんの夢を潰してしまった泣き顔exclamation冗談止めて下さいよぉあせあせあせあせ(飛び散る汗)わたくし心は激弱なんでバッシング受けてとに面は止めましたあせあせあせあせ(飛び散る汗)
いい家族ですね泣き顔 じいちゃん孫のために泣き顔 ずっとこういう素敵なことが続いていけばいいなぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)
CHAKKI@LEGENDさんへ
はいわーい(嬉しい顔)ありがとうございますほっとした顔私もそう思います。こどもにいつまでも忘れて欲しくない想いがありますよね…ほっとした顔
あんなさんへ
読んで頂きありがとうございましたほっとした顔揺れるハートこどもの夢は叶う限り見続けさせてやりたいものですねわーい(嬉しい顔)是非今年のイブにはお子様に夢をプレゼントしてあげて下さいわーい(嬉しい顔)
しんきちさんへ
いつも読んで頂きありがとうございますわーい(嬉しい顔)うるっときて頂き光栄ですほっとした顔こどもはたくさんの愛で育つものとの想いで描きましたわーい(嬉しい顔)
『しかし、来年』ょり『しかし、次の年』とかの方が良かったかなわーい(嬉しい顔)電球

それはさておき…とても感動的なお話でしたo(^-^)o
ayakaちゃんへ
なるほど!言われると確かに次の年…の方が過去を振り返っている話だけに良かった!クゥー泣き顔コメントつくと修正出来ないんだ泣き顔お話自体は好きなだけに残念あせあせ
ゆみちゃん*さんへ
本当ですか?ありがとうございますわーい(嬉しい顔)嬉しいですわーい(嬉しい顔)じいちゃんは天国できっと喜んでいると思います、こどもには夢を!いつまでも見ていて欲しいですよねほっとした顔
ゆみちゃん*さんへ
まあ目がハートそうなのですね目がハートわたくし山ほど物語を書きましたわーい(嬉しい顔)コメント多いやつとかは自画自賛ですが特にオススメですわーい(嬉しい顔)良かったらまた感想聞かせて下さいねほっとした顔
こみやさん<

今日何気なくこのコミュの作品読んでました冷や汗

涙がこぼれ落ちました泣き顔
と 同時にコミュに参加あせあせ(飛び散る汗)
あなた様の作品の虜になりそうですがまん顔
また泣かせてください泣き顔泣き顔
ひみたかさんへ
ありがとうございますほっとした顔揺れるハート貴方のような方がいてくれて初めて私は頑張れますほっとした顔光栄ですほっとした顔。たくさん物語を書きました。全てに100%満足はいってません。しかし一生懸命考えてます。これからもどうぞ宜しくお願いしますねわーい(嬉しい顔)
サンタサン良いですね♪
信じるって素晴らしい(涙)
とんこつすーぷさんへ
はいわーい(嬉しい顔)サンタさんはこどもの夢ですよねほっとした顔私もいつまで信じていたか忘れましたが何かを信じる心っていうのは忘れたくありませんねほっとした顔
てけさんへ
てけさん初めまして!ようこそとにかく泣ける話コミュへうれしい顔て私は管理人か!ここにはたくさん物語を綴りましたので過去の物語も良かったら読んでみて下さいねわーい(嬉しい顔)コメント30越えてるやつとかは特にオススメですわーい(嬉しい顔)揺れるハート
ななこ@櫻さんへ
そうですかあせあせ女の子は賢いですから…取り乱さず空気を読んだんですねあせあせ立派なお子さまですわーい(嬉しい顔)隠し場所を…誤りましたねむふっ素直に騙されてあげる娘さんに心打たれましたほっとした顔ハート

号泣もうやだ〜(悲しい顔)涙泣き顔ダッシュ(走り出す様)でした(笑)

亡くなったあたしのじぃちゃんと被って…小学6年の時に癌で亡くなってしまいましたが、初孫だったあたしを兎に角可愛がってくれ一緒に悪戯を働き、色んな所へ行きましたほっとした顔芽

じぃちゃんに会いたくなりました涙晴れ
-響花魁.志野-さんへ
ありがとうございますほっとした顔ご自分のおじいさまと重ねて頂き光栄ですほっとした顔おじいちゃんおばあちゃんてなんだかこどもには特別な存在だったりしますよねわーい(嬉しい顔)貴方のおじいさまもきっと貴方を上から見ているんでしょうねわーい(嬉しい顔)
これはヤバい。。夜勤明けでこんなん読ますなよ顔(嬉し涙)
ありがとうございました。
まきるいさんへ
夜勤お疲れ様ですほっとした顔夜勤明けに読んで頂きありがとうございましたわーい(嬉しい顔)こどもの夢はおとな皆で見せてやりたい。そんな想いをもってこの話を描きましたわーい(嬉しい顔)また読んで下さいねほっとした顔
イイ話。
わが息子も小学2年生。
そろそろ疑ったり、学校で「サンタなんていないよ〜」とか話になってるのかな・・・
ますちゃんさんへ
ありがとうございますほっとした顔お子さま小学二年生ですかむふっまさにん?もしや…と疑うお年頃ですねあせあせ親としてはいつまでも夜中に靴下にプレゼントを入れてやりたいものですねほっとした顔
ヤバい、私おじいちゃんおばあちゃんっ子だから特にこーゆーのくるわあせあせ(飛び散る汗)
そして私にはおじいちゃんとおばあちゃんが3人ずついるのさっ(^_^)v
5人は他界して、父方の祖母1人しか健在じゃないけど。

ちょっと実話でトピ立てしてみよーかな?
楽俊さんへ
読んで頂きありがとうございますわーい(嬉しい顔)へぇふらふら三人ですか!すごいですねふらふらexclamationトピ見ました。作業所から帰ってきたらゆっくり読ませて頂きますねほっとした顔
優しいおじいちゃんですね(´ω`)ぴかぴか(新しい)
子供の夢は、こわしたくない。
(`・ω・p[真生]qさんへ
そうですねほっとした顔天国で想いが届いてじいちゃんは喜んでいると思いますほっとした顔こどもの夢はおとな皆で守ってあげたいものですよねほっとした顔ハート達(複数ハート)

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