クリント・イーストウッド　コミュのパーフェクトワールド

「許されざる者」の翌年1993年に撮られたこの作品。

主演がケビン・コスナーだったせいか（笑）
ずっと見逃したままで、ようやく今日見ました。

ストーリーのアウトラインはぼんやり知ってましたが
おそらくファンの間でも賛否両論ある作品だと思い
トピを立ててみました。

みなさんのご意見をお聞かせくださいませー。

以下ちょっと長いですがネタバレを含む感想です。

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クリント演じるガンコなテキサスの警察署長
心理分析専門の美人とされる女史
知的だとされるケビン演じる逃亡犯
犯人と心を通わせる人質の男の子……

登場人物の誰にも共感する事ができないままに
特に事件らしい事件も起こらぬまま
オープニングがラストシーンなのは始めからわかるようになっていて
静かに淡々と既に知っている結末への時間が進んで行く。

「悪人ではなく変わっているだけ」の犯人と世界を知らぬ少年との
心が触れ合うヒューマン・ドラマというには
あまりにも嘘くさい空気が漂い続け
それを追う警察側にも緊張感がなさすぎるまま
ただ淡々と終わりへ向けて時間が進んで行く。

ワルツ。
発砲。
発砲。

「許されざる者」以降、確かにイーストウッドの作品は変わった。
凡庸で狭量なそれぞれの人間の人生観を肯定も否定もせず
ゆっくりと積み重ねて行くうちに浮き上がってくる歪み。
唐突に訪れる「仕方のない」必然。
その瞬間のおそるべき戦慄の後に残されるもの。
その重みと辛さをただじぃっと見つめること。

最後まで誰にも共感しえないままなのに
こみあげてくるこの思いは一体なんだろう。
見続けながら「ミスティック・リバー」を思い出したりもしました。

コメント(5)

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[1] mixiユーザー 11月06日 23:51

クリント・イーストウッドがケビン・コスナーとの過去を告白するシーンは要らないと思いましたが（ちょっと話が嘘くさくなる）、それを除けば、良かったですけどね。
私が、知能指数が高いのに世の中に溶け込めない、という人物設定が好きなせいかもしれませんが。

[3] mixiユーザー 11月07日 14:19

パーフェクトワールドは好きな映画の一つです。

確かに、二人の間の過去とか、最後の「あなたは悪くないわ」みたいな、(私が見る感覚の中で)いらないかな、みたいなところはあるんですよね。
でも、彼が振るった暴力は根本の部分で優しいからじゃないですか。家族に対する憧れやイメージ、それと違う現実に過剰に反応する結果であって、優しいけど表現方法が不器用な男っていうか。
そういう人物がすごく印象的で好きですね。

[4] mixiユーザー 11月07日 15:25

ブッチィィィ・・・！（涙

[5] mixiユーザー 10月29日 16:07

BS③NHK-BSプレミアム
【プレミアムシネマ】

「パーフェクトワールド」1993年/米/カラー/138分
監督:クリント・イーストウッド脚本:ジョン・リー・ハンコック製作総指揮:バリー・レヴィンソン撮影:ジャック・N・グリーン音楽:レニー・ニーハウス
出演:ケビン・コスナー、クリント・イーストウッド、ローラ・ダーン、T・J・ローサー、キース・ザラバッカ

公開当時観に行って以来の鑑賞