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バベルの本棚コミュのどうする日本の医療

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以前、

>欧米と比較して、日本の医療費(診療、薬価含めて)は一体高いのか安いのかを知りたいと思っています。なるべく現場の実感に近い記述や問題点が載っている本

というリクエストがあったもので、探してみた本です。

1)書名:どうする日本の医療
      第26回日本医学会総会 ポストコングレス公開シンポジウムより
2)著者:[責任編集]杉岡洋一
3)出版社:医学書院
3.5)価格:950円
  医学の関係は価格が高いので、手ごろなものを選んでみました。
  でも、ページ数にしたら高い。
4)簡単なあらすじ
  シンポジウムの内容なので、ネットを検索すれば、本を買わなくても読めるかも。しかし、yahooで、「日本医学会総会」、「どうする日本の医療」で検索すると、若干、内容が違うものがヒットする。
  ぱらぱら読みでは、うまく、まとまっている気がする。
  編集の手がかなり入っているのかもしれない。

  印象に残ったのは、
  ・P26
    国民1人当たり年間平均受診回数
      日本:21回
      米国:5.3回
      英国:4.8回
    1回受診あたり医療費
      日本:0.7万円
      米国:6.2万円
      英国:2.5万円
  ・P25
    日本の医療は薄利多売方式でなんとかやっているということです。
  ・P34
    WHOが日本の医療は世界最高だと評価している。



現場の想い(俺のか?)
 日本の医療費は安いが、すべての国民に公平に受診の機会を作ったため、総額としては高くなっている。
 多くの医師は、外国と比較して、報酬が低いとかいうことを問題にしているのではない。素晴らしい制度を維持するため、それを支えているという自負といったものも、それ自体を普段、念頭に仕事をしている人は少ないと思われる。目の前の患者のため、少しでも自分の力が役立てばと思って働いている。
 そして、一方で医療事故というものは、ある一定の確率で起こりうる。当然のことながら、日本の医療体制では、医師にとって遭遇する可能性が高い。なぜなら、確率が同じなら診療数が多いほうが事故の発生数も増えるからだ。
 その結果おこる医療パッシングは、医師の心にやるせなさを蓄積させる。医療費高騰のニュースは、「俺たちはどうすればいいんだ?」という袋小路に追い込む。自ら意識して望むかどうかは別として、医師達の望むのは、「日本の医療はすばらしい」という評価ではないだろうか。
 その一端を担っていると思えば、報酬や多忙などは微々たる問題であろう。全員ではないだろうけれども。

 この本に書いてある事は、一方的な主張の部分もあるかもしれないが、客観的な数字がある程度の信憑性を与える。この制度の弊害として3分間診療といった事態が生じている面も確かにある。だが、諸外国で医療にかかった人は、その高額さに愕然とした経験もあるはずだ。海外に留学した医師は、医師の社会的地位の高さに驚く事もあるという。

 医師の評価が低いと、自ら主張することは、主張するほうとしても、日本人のメンタリティにはあわない。だから、黙って我慢している医師も数多い。だが、この閉塞的な心持は、ほとんどの医師の心に存在する。

 今、認識すべきは、world wideで見れば、医療は最高の贅沢品だという事なのかもしれない。

コメント(1)

ありがとうございます! 早速入手して読んでみたいと思います。

>今、認識すべきは、world wideで見れば、医療は最高の贅沢品だという事なのかもしれない

同感です。以前モーガン・スパーロック(「スーパーサイズ・ミー」の監督)が撮った「30days」シリーズ、「最低賃金で30日間」を見たときに、ホイホイ病院に行けるありがたみを実感しました。

英国ガーディアン紙の記者が体験取材した『ハードワーク――低賃金で働くということ』でも、病気をして、迅速に治したかったら、プライベート病院に行くしかないという記述をみかけました。「ゆりかごから墓場まで」の象徴だったNHS(国民健康サービス:National Health Service)の崩壊は、やはり医療は贅沢品、という印象です。

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