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夜のあわコミュの3/3 穂々

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いつのまにか実家のリビングにいた。
電話台の前の天井から、じゃぶじゃぶ盛大に雨漏りしている。
見上げると30センチ四方ほどのはめこみ戸があって、そこから滝のように水が漏っているのだ。
バケツでも受けきれない。
すると女の子は「様子を見てくる」と言って、扉の向こうへ行ってしまった。
扉をいつ開けたとも、いつ閉じたとも分からぬくらいに、するりと音もなくいなくなってしまったので、ぞぅっとした。
扉の向こうは、なんだか怖い。
どんどんどんと扉を叩くが、女の子から返事がない。
名前を呼び叫びながら、どんどんどんと扉を叩くが、返事がない。
めちゃくちゃに恐ろしかったが、ついに扉を開けてしまった。
扉の向こうは、上に向かって複雑怪奇な回廊が巡っていた。
真正面には、単姿の肉感的な女がくつろいでいたが、私が扉を開けたがためか、吸い子に吸われるようにして、ひゅうっとこちらに落ちてきた。
ぶつかる、と思った瞬間、左手の小路に、着物の少女の手が見えた。
(彼女が諸悪の大元だ)
と思うやいなや、私は少女の手を掴み、3人諸とも居間に落ちた。
私は必死に少女を抱きこんだ。
きっとこの子がみんな殺してしまうだろうと、思った。
思ったけれど、そんな恐怖の根源が、こんなにか細く柔らかいものかと不思議だった。
年増の女は、我が家のフローリングの上でくつろいでいる。
少女は、年増に向かって「おまえの順番だったのに」と歯噛みしている。
私は少女を抱きとどめている。
あれ?私は何が怖いんだっけ?

終。

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