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Pの『THE つだん部屋』コミュの【1094】デート

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【コピペ】



俺のアパートは駅から徒歩5分、鉄筋2階建ての2階の角部屋。
あの日は残業が多くアパートに着いたのは夜11時頃だった。
アパートの入り口から何気なく自分の部屋を見ると明かりが点いていた。

『あれっ、電気ついてる。点けっぱなしで会社行っちゃたのか』

さらによく見ると女性が窓越しに見えた。
部屋の中を行ったり来たりしている様子。

『姉貴が来てるのかな?こっちは明日も会社あるし迷惑だな・・・』

その時は気にもせず新聞ポストを確認していた。
俺に彼女はいないし部屋の合鍵は自宅にしか置いてない。
部屋に入れるのは親父、お袋、姉貴だけのはずだ。

『ちょっと待てよ、姉貴はあり得ないな。さっき姉貴と電話してたし。じゃお袋か?お袋がここに来るなんて珍しいな』

俺は30分ほど前、会社の最寄り駅で携帯で姉貴と親族の結婚式の打ち合わせをしていた。
その時、実家の家の電話にかけてるので姉貴は実家にいたはず。
ちなみに実家からここまで2時間以上かかる。

『あっ、その時最初に電話に出たのお袋だったんだ・・・』

俺は少しパニックになり実家に電話した。

姉「何言ってるの?私もお父さんもお母さんもここに居るよ。寝ぼけてるんじゃないの?」

母「合鍵はここにちゃんとあるよ。アンタに黙って誰かに貸すわけないでしょ」

俺は携帯を切った。
だったら誰なんだよ、今俺の部屋に居るのは?
いま俺の部屋に居るのは少なくとも俺の知り合いではないだろう。
明日は平日なので友達が来る予定もない。
ましてや俺のアパートに来るような女友達も居ない。
学生時代に付き合ってた彼女とは2年前に別れてその後連絡もない。
俺がこのアパートに引っ越したことも知らないはずだ。

『それにしてもあの女どうやって俺の部屋に入ったんだろ?もしあの女が泥棒だとしてカーテンも閉めずに部屋の電気をつけるだろうか?』

窓には厚めの遮光カーテンがついているので部屋の電気をつけるなら泥棒ならカーテンは閉めるはず。

『泥棒じゃないとすれば部屋を間違えたのか?』

俺が部屋の鍵をかけ忘れて外出し、部屋を間違えた女がそのまま俺の部屋に入ってきたって可能性もないとは言えない。

『警察に通報すべきだな。いや万が一知り合いやこのアパートの住人だったらまずいな。もうちょっと様子を見るか』

俺はアパート前の花壇から自分の部屋を凝視した。
あの女はまだウロウロしていた。
まるで部屋を散歩しているかのように。

『部屋を間違えたならもう気付いてるはずだ。それとも酔っていて気付かないのか?』

その時、部屋の窓がスーと開いて女が俺の方を見た。
不思議な事に女の顔が妙に黒ずんでいて誰なのか判らなかった。
もし知り合いなら向こうから俺に何か言ってくるはずだろう。(俺の留守に勝手に入ったんだから)
俺は勇気を振り絞ってその女に怒鳴った。

「おい、アンタ誰だよ?そこは○○○号室だよ。人の部屋で何やってるんだよ?警察に通報するからな」

女は無言のままだ。
少なくとも泥棒と言う雰囲気ではない。

「顔がよく見えないんでベランダへ出てくれよ。それにその部屋にどうやって入ったんだよ?ドアに鍵かかってなかった?」

怒鳴り声を聞いたのか隣人がベランダに出てきた。

「どうしたんですか?何かあったんですか?」

俺は知らない女が自分の部屋に居る事を伝えた。

「○○さんの部屋明かり消えてますよ?誰と喋ってたんですか?」

俺はもう一度自分の部屋を確認した。
部屋の明かりは消えていた。
開いていたはずの窓も閉まっている。
隣人は俺が酔っていると勘違いしたんだろう。

「○○さん、それなら一緒に部屋に入ってみましょうか?」

俺は隣人と一緒に自分の部屋のドアの鍵を開けて中に入った。
押入れから天井裏まで隅々まで探したが誰も居ない。
誰かが居た形跡もなかった。

「ほら誰も居ないでしょ?○○さんちょっと飲みすぎたんじゃない?」

隣人が帰った後カレンダーに目をやる。
今日は2月15日。

『昨日はバレンタインデーだったけど今年は義理チョコ以外は貰えなかったな・・・』

その時ある女性との出来事を思い出していた。
去年のバレンタインデー、俺はその日、休日出勤していたが取引先の事務の女の子(A子)がひょっこり会社に来て手作りのチョコレートをくれた。
その日の夜に告白されたけど俺はA子は全くタイプではなかった。
だけど俺も彼女と別れて1年たっていたし風俗に通うのも飽きていた。
それで・・・遊びというか体だけの付き合いにするつもりで交際をOKした。

「僕もA子ちゃんのことずっと気になってたんだ。こんな女の子と付き合えたらいいなあって思ってたんだ。夢みたいだよ」

数ヵ月後、そのA子は結婚をほのめかすようになった。
俺は別れるべきだと思い結婚の意思がないことを伝えた。

「判った、結婚はまだ先ってことで考えるからこれからも付き合ってくれるでしょ?」

「結婚は100%無理だ。何年後でもA子と結婚する気はない。俺と別れて他に良い人探してくれ。ゴメン別れてくれ」

「私は○○さんも私のこと好きだったって言ってくれたから、いずれ結婚できると思ってたんだ・・・無理なんだ・・・」

それがA子との最後の会話になった。
その3日後に彼女は赤信号で車道に飛び出しトラックに跳ねられて間もなく死亡した。
遺書らしきものは一切無く俺との別れ話を誰にも言っていなかったらしく自殺でなく事故死として処理された。
数日後、A子が産婦人科に通院していた事が判明した。
A子は妊娠していた・・・
A子にすまないという気持ちはあったが、元々遊びで付き合っていたのに結婚話が出たのでその後の付き合いを断った。
俺の方から結婚を持ち出したことはないしA子を騙したつもりもない。
避妊しなかったのもA子が安全日だと主張したからだ。
そしてA子は死んだ。
それが自殺であろうが事故であろうが俺に責任はない。
いや無いはずだ。
そんなことを考えながら眠りについた。


ふっと目が覚めた。
部屋に誰か居る。
女が部屋の中を泳ぐように歩き回り、俺が目を覚ますとこちらに近付いてきた。
女の洋服に見覚えがあった。
A子が俺とデートの時、何時も着ていた服だ。
やはり・・・その女はA子だった。
A子は寂しそうな顔で俺に近付いてきてそして呟いた。

「一緒に行こう。例え○○さんが遊びだったとしても全て許してあげる。だから今日だけは付き合って」

俺は夢遊病者のようにA子とアパートを出た。
行き先は判らないがA子に引きずられるようにただひたすら歩き続けた。
これは現実なのか?夢なのか?
A子はドンドン先を歩いていく。
そして突然振り返り俺に抱きついた。
どのくらいそうしていただろうか。
突然辺りが明るくなり車のクラクションが鳴り響き同時にタイヤのスリップ音が・・・
俺は国道のど真ん中に立っていた。
僅か数m先には大型トラック・・・
次の瞬間、俺は道の端に転がり込んだ。
数cm横を急ブレーキをかけながらトラックが通過した。

「バカヤロー!!死にたいのか!?」

俺は遠のく意識の中でA子の声を聞いた。

「今日は楽しかったよ、ちょっと残念だったけど・・・また今度来るからその時はもっと楽しいデートにしようね」

コメント(1)

連れてかれる。。

に、逃げて(((;゚Д゚)))

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