ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

Pの『THE つだん部屋』コミュの【1065】猫と神さん

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【コピペ】



これは学生時代に友人の友人から聞いた話です。

友人宅で飲んでたら、その友人が来て一緒に飲み、酒の場の話なので真相は分かりませんが。


彼を一人称のオレで表現し、彼の視点から書きます。


免許を取りたてのオレは彼女とのデートの帰りの深夜に猫を撥ねてしまった。

やっちまった

と思って確認しようとも思ったが、眠気と次の日の仕事を考えて急いで帰宅する方を選んだ。


それから1週間ほどしたある夜の深夜。
庭の方から猫の声がする。
近所の猫が盛ってるのか、捨て猫の類だろうと思い、再び眠るが、また鳴き声がする。

今度は自分の部屋の隣から声がする。
声がする。
声が聞こえる。
声が話している。
声が会話している。

高い声「ここか?」

くぐもった声「ここ。
ここ。」

高い声「にゃーん。にゃーん」

くぐもった「にゃーん。」
高い声「こいつからも貰うか?」

くぐもった声「いらない。いらない。
返して。返して」

高い「ワシが取ってやるぞ。魂奪ってやるぞ。

くぐもった声「私のを返して、私のを返して」

高い「ほら、扉を開けさせろ、言え。」

くぐもった声「いやだ、いやだ。あんた嫌い」

高い声、強い口調「開けさせろ!
言え!
お前が言えば開く!
恨みを伝えろ!」

くぐもった声「いやだ、いやだ」


しばらく沈黙と静寂の後に、聞き取りにくい、まるでラジオのノイズのような声でボソボソっと会話が続きます。

最後に

くぐもった声だけど、はっきり「にゃーん。」

高い声「くそっ、もう少しで喰えたのに。

明日がある」


オレはずっと震えて聴いていた。
一匹?は跳ねた猫だと確信出来た。しかし、もうひとつは何だろう??

とにかく不安になってしまい、朝まで起きて考えていた。

朝になり、不安が拭えない自分は下の階に降りて台所で両親が起きてくるのを待った。

最初に起きてきたのは祖父。
あっ、こういうのは年寄りがいいかもと思い、跳ねた話と昨夜の事を話す。

祖父「そりゃワシじゃ無理だけん、満月満月さんとこで聴いてみたらどうじゃ?」

オレ「満月満月さん?誰?」

祖父「満月△寺の満月満月はんだよ。拝みもやっとるらしい。ウチの寺だわな。」

オレは霊感なるものはハッキリとは分からないが少しはあるように思える。
幼少の頃から少しだけそういった体験はある。
故にその拝みさんに連れて行って貰う事にした。


到着して、一時間半ほど前の相談者を待ち、自分の番になった。

八十近い爺様だ。



あらましを伝えた。




爺様「くぐもった声は跳ねた猫さんじゃな。
あんたの肩に乗っとる。

この猫は大丈夫。あんたに跳ねられたが悪い霊にはなっちょらん。
ただ、供養して欲しいようだの。
今日の夕方一緒に行ってお経と花を供えればいい。

ちゃんと供養してやったらあんたを護ってくれる。

いけんのは高い声じゃな。現場に行ってみないと分からんが、もののけの類だな。
跳ねられた猫とか関係はない。ただ、跳ねた場所に関係があると思っとる。
後でワシと行こう。」


とりあえず爺様に従う事にして、夕方を待ち現場に向かった。


現場に着くとそこには爺様と同じような坊主がいた。どっかの住職みたいだ。
隣にはどっかの婆さんがいる。

爺様「◎◎寺の!」
住職「満月△寺の!」
知り合いらしい。

爺様「ここら辺で障りがあってのぅ、この兄さんが猫跳ねたらしくてな。」

住職「それでか、この人にお祓い頼まれてな。ここには田の神さんの石があるからの。
あんたも来たのは奇遇じゃし、丁度いいわ。」

四人でその石の前に来てみた。

石に血の跡のようなものが着いている。
脇に猫の亡骸。

住職「あらー、この血がいけんなあ。神さんが起きるぞ」

爺様「取り敢えず猫を埋めてやって、お経読んでおくか。
あんちゃん埋めてやって」

この土地は婆さんの土地で、そこの畑の一角を事情を話して埋めさせてもらった。
婆さんは足が動かなくなって住職に相談に来ていたらしい。
話し振りからすると常連のようだ。


爺様「取り敢えず今日は無理だから、あんたは帰りなさい。
今日も(もののけ)来るはずだからこれ持って行きなさい。」

爺様と住職が首から立派な数珠を外して渡してくれた。
住職「この事が終わるまで夜は離さないようにしなさい。」


そのまま爺様を置いて帰る事になった。


そして、夜が来た。

帰宅。

今日の出来事を伝え、会社に熱はもう引いたから明後日から出る旨を伝えた。
ズル休みだが仕方なかったのだ。

のんびり夜を過ごしベッドに入る。
すぼるとが終わって灯りを消した。

五分後。

くぐもった声「今日は埋めてくれてありがとう。」

ん!? 

くぐもった声「入ってもいい?」


オレ「いいよ」
撥ねてしまったのに護ってくれるかもなんていい奴だと暖かい気持ちになってたから今日は怖くなかった。
くぐもった声「開けてくれる?」


オレ「うん」
立ち上がろうとしたけど体が動かない。

オレ「ごめん、入ってきて」

くぐもった声「開けてよ」
くぐもった声が少し高くなった。
くぐもった声「じゃあこっちに来て」


オレはこいつ自分じゃ入れないんだなと思った。
金縛りに対抗して力を入れたけど、動けない。

くぐもった声「早く開けておくれ」


力を精一杯入れておきあがろうとした。
ぐっと腹筋に力を入れて少し首を起こす。

その時額に力が加わって枕に押さえつけられた。
手のひらの感触。冷たいけど、ほんの少し暖かい感触でなんともいえないいい匂いがした。

直感で「ああ、これは起きてはならない、開けてはいけないって事なんだと思った。」

待てよ。オレの肩に乗ってるっていう猫がなんでここに入れないんだ??
遅くなったけど、今更ながら気付いた。

ドアの向こうでは猫のにゃーんが聞こえる。

こりゃ、間違いなく偽物だ。あの爺様が言ってた「高い声のもののけ」だって分かった。

オレ「あんたは猫じゃない。」

高い声「次は必ず食うてやる」


ダダダダダダダっと足音が遠ざかって行った。
少なくとも猫はそんなけたたましい音はさせない。

なんとなく今日はもう来ないと分かったから寝れた。


爺様に連絡すると二日後に来るように言われた。


二日後。

爺様「もう終わったから大丈夫だよ。」

事情を聞いた。

昔あそこに得体の知れないもののけがいた。山から降りて来たらしい。
近くの神社から神主が来て封じる為にその土地の神様にお願いして封じてもらったそうだ。
神様は田の神様で水の神様らしい。井戸の精霊がどうたらこうたら言われたが長くなったので詳しくは忘れた。

田の神様でももののけを殺す事は出来ないようで封じ込めるだけの形になったようだ。
そして月日が過ぎたある日の夜に猫が供えらる形になり、もののけだけが起きた。
そして最初に猫を追ってオレの部屋に行き着いたらしい。

あの日オレが帰った後、次の日に坊主二人(爺様と住職)は話し合い、知り合いの神主にお祓いをしてもらったらしい。
さらに二人で長いお経を上げて事を済ましたようだ。
爺様に数珠を返し、もうひとつの数珠を返しに住職の寺に向かった。

住職はついでにこんな話しもしてくれた。

田の神様は封じ込める事に力を貸してくれたけど、眠っている状態だった。
もし起きていたら神様の怒りも着いてきて、あんたは持って行かれてただろうと。
田の神様に限らず土地の神様ってのはいい事ばっかりじゃない。違う側面もあるし、中には悪い面ばっかりの神様もいる。
道理や摂理は通じないし、尚且つ力は桁違いに強い。
だからきちんと祭司しないといけないと。


オレはそれからその神様の祭られている石を定期的に洗いに行っている。猫の墓にも手を合わせている。

ひとつ疑問が残る。あの二度目の来訪の時にオレの額を押した手はなんだったんだろうか?




という話しを友人の友人から聞いた。

帰ってから拝み屋のばあちゃんに聞いてみた。

ばあちゃん「多分、ご先祖さんだよ、そりゃ」
と答えが返ってきて納得した。

長い話しで文才ないですが、読んで下さってありがとうございました。

コメント(1)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

Pの『THE つだん部屋』 更新情報

Pの『THE つだん部屋』のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング