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Pの『THE つだん部屋』コミュの【809】終わらない恐怖

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【コピペ】



※このお話は「呪われる」という表現が使われています。自己責任で読んで下さい。


人間の胎児は、母親のお腹にいた時の記憶を持っていると言われています。


胎児に聞かせると良いクラシックや胎教も、今では当たり前になっています。


現在、日本人の死因のトップはガンや脳卒中や心臓疾患ですが、あくまでも「人間」の話です。


近年でも年間30万人以上が中絶をしています。「人間」と認められなかった命…


そんな命のお話です…


ある日、真っ青な顔で女性スタッフ(19)が相談してきました。


その一部始終です…


彼女の妹はまだ女子高校生です。そして、妹の親友Aが妊娠した事から話が始まりました。


相手は合コンで知り合った大学生でした。


Aさんと大学生は付き合っていたそうです。


そして、妊娠した時期は付き合ってすぐだったのです。



…妊娠一ヶ月目。

Aさんは大好きな彼の赤ちゃんを産みたいと考えていました。


そして1番最初に彼に相談したそうです。


その時、彼が言った言葉はAさんを絶望の淵へと突き落としました。


「ふざけるな!どうせ俺の子じゃないだろ!」


…深い絶望の中、それでもAさんは一人でも産みたいと考え、妹に相談していました。


もちろん妹は反対していました。しかしAさんは「絶対に堕したくない!」と妹の意見を聞きませんでした。


Aさんに強い母性本能が芽生えていたのです。家族にも秘密で産もうとしていました。




…妊娠二ヶ月目。

外見上は変化を感じさせないAさんでしたが、激しいツワリと嘔吐に悩まされていました。


それが原因でAさんの家族に妊娠が発覚してします。

それからAさんの地獄が始まりました。


Aさんの両親は、発狂したかの様に彼女に罵声浴びせ、毎日責めたてました。



…妊娠二ヶ月半目。

頑として中絶の意志を見せないAさんに対して


とうとう両親が行動に出ました。


元彼の実家にAさんを連れていき、元彼やその両親と激しい罵りあいになりました。※聞くに耐えない内容だったので簡略します。



元彼の両親は…

「高校生のくせに身体を許す女は信じられない」

「DNA鑑定を持ってこい」
などの言葉を吐き捨てました。



その日の帰り…


両親はAさんを産婦人科に連れて行きました。

その時…Aさんは放心状態でした。彼女の幼い精神は、両家の罵りあいに耐えられなかったのです。



そして数日後…


やつれ果てたAさんがフラフラと女子高に姿を現しました。


妹は親友の身に何が起きたのか、すぐに悟ったそうです。

虚ろな瞳のAさんを抱きしめて、泣いたそうです。

妹「…辛かったね…辛かったよね…」

その温もりでAさんも正気を取り戻し、大声で泣きました。



…これが、正気のAさんの最後の姿になりました。




翌日からAさんは学校に姿を見せなくなりました。


先生からはAさんは体調を崩し、入院したと伝えられたそうです。


一ヶ月ほど経った頃です。

まだ登校して来ないAさんの噂が、女子校中に広まっていました。

「中絶したショックで自殺したのでは?」

※両親から高校には、レイプされたと説明してあります。



心配した妹は、その日の帰りAさんの家を訪ねました。


Aさんの母親も妹だけは信頼していた様で、躊躇いながらもAさんの部屋に通してくれました。


…妹は自分の目を疑いました。


そこには妊娠しているかの様に…

大きなお腹をしたAさんが居ました。



妹は恐る恐るAさんに尋ねました。


「わたしの赤ちゃんが戻ってきたんだぁ…」


そう答えたAさんは、完全に正気を失っていました。

妹がAさんを揺さ振りながら、しっかりしてよ!と声をかけましたが、反応はありません。


Aさんは嬉しそうに自分のお腹をさすっています。



…想像妊娠でした。


Aさんの両親は、あまりに大きくなった娘のお腹に異常を感じ、中絶手術をした産婦人科に連れて行きました。


そこで様々な検査を受けました。


医師「間違いなく妊娠ではありません。しかし、子宮の空洞が大きくなっています。ここの設備では原因がわかりません。このままだと危険ですので、大きな病院へ…」


Aさんは街で1番大きな総合病院に入院しました。


両親がAさんを抱えて、病院に入る所を、運悪く同じ病院に来ていた女子校の生徒が見ていました。


…翌日

大きなお腹をしたAさんの噂は学校中に広まっていました。


「胎児の呪い」の誕生です…


堕胎された赤ちゃんが、生まれたかった無念で、再び母親の胎内に戻った…この話を誰かに話さないと、Aさんと同じ目に遭う。


噂は不謹慎な内容でした。

この時、妹は言い知れぬ不吉さを感じていました。



それから毎日、妹はAさんの病院に見舞いに行きました。



Aさんはどんどん痩せ細り、逆にお腹は大きくなっていきました。

病院も今までに例が無い症状に、何も出来なかったそうです。


…Aさんの命の灯は、誰の目から見ても、明らかに小さくなっていきました。



しばらくして…

Aさん両親に、病院から子宮摘出手術が提案されました。


両親はかなり悩みましたが、娘が助かるなら…と


病院の提案を許可しました。



…子宮摘出手術の当日。

その日も妹は見舞いに行きましたが、Aさんの両親から手術の為、面会する事は出来ませんでした。


すぐに手術の結果を自分に連絡して貰える様に、Aさんの両親に頼み込み。


…妹は泣きながら病院を出ました。


あんなに赤ちゃんを産みたがっていたAさんの…


あまりに悲しい境遇に…



…妹は病院近くの公園のブランコに座り、結果の連絡を待っていました。

少しでも親友であるAさんの近くに居たかったのです。


…辺りは完全に日が沈み、夜になっていました。



…〇ちゃん。


俯いていた妹の耳に


自分を呼ぶAさんの声が聞こえました。



妹の目の前に「青白い足」が見えました。


…!


妹が顔をあげると…


そこには誰も居ません。


…〇ちゃん


後ろから聞こえる声に振り向きました。


そこにはAさんが立って居ました。


蒼白な顔…

真っ白な手術着からは…

青白い手足が露出されていました…



妹「A…ちゃん?」




A「この子を助けて…」


Aさんは目から血の涙を流しました。


…!


妹は腰を抜かし、地面にしゃがみ込みました。



…次の瞬間!



Aさんの下腹部から凄まじい勢いで血が流れ出ました。


…ぃゃ…嫌…

妹は恐怖のあまり、悲鳴をあげる事も出来ません。


その血は、辺りの地面をどんどん覆っていきます。


妹は、手についたその血を見て気を失いました。




ピリリリ…


携帯の着信音で、妹は目を覚ましました。


Aさんの両親からでした。


Aさんの手術は失敗に終わり、彼女は亡くなってしまったそうです。



…数日後



妹のお腹が大きくなっていました。

産婦人科の診断は…


「想像妊娠」でした。

産婦人科から帰ってきた妹は、自分の部屋で鏡を見ていました。


少し大きくなった自分のお腹を摩りながら…


…哀しみ、恐怖、絶望、Aさん、赤ちゃん…


彼女の中で、様々な想いが交差していきました。



姉「あんた…それ…噂の呪いじゃないよね…?」



妹「…お姉ちゃん…何で知ってるの…?」


この頃、Aさんの「呪いの胎児」の噂は、女子高の枠から溢れ出し、爆発的に広まっていたのです。



…話はAさんのお葬式に遡ります。


姉妹と何人かの同級生が、Aさんのお葬式に出席しました。


会場は沢山の泣き声で満たされて居ました。


Aさんの両親は、最後までお見舞いをしてくれた妹に何度も頭を下げていました。


お葬式の出席者が席に正座し、お坊さんがお経を唱え始めました。


始めに異変に気づいたのが、隣に座った姉でした。

妹が苦しそうに眉間にシワを寄せ、お腹を抱えています。


妹「…っ」


姉「…?」


妹「うぅ…」


姉「ちょっと…大丈夫?」


妹「いやあぁ!!」


突然、妹が悲鳴をあげ白目を剥いて仰向けで倒れました。


お坊さんのお経は中断され、会場は騒然となりました。


妹は痙攣を起こし、口から泡を吹いていました。


その時、彼女のお腹の中で、「何か」が暴れているのを姉は見ていました。





…話を戻します。


姉妹はこの「想像妊娠」が、普通ではない事を両親に相談しました。


妹の少し膨らんだお腹を見て、両親はすぐに異常である事を悟ってくれました。


翌日…


家族全員で、近所のお寺に行きました。



住職にいきさつを話し、妹のお腹の中に居る「モノ」を供養して貰おうとしました。


住職は妹を見た瞬間に涙を流しました。


住職「恐ろしくも哀しいモノに憑かれましたね…」


全てを説明し終えた後…


住職「…私程度の力でどうにか出来るかわかりませんが、やってみましょう…」


…と、妹を座布団に座らせ、家族三人を妹の後ろに並んで座らせました。


住職はお葬式の衣裳に着替え、妹の目の前に座りました。


住職がお経を唱えようとした時でした。


住職は驚愕の表情を見せ、手を震わせています。どうやら妹の顔から目が逸らせないようでした。



家族もその光景に驚きました。

姉は席を立ち、妹の顔を覗き込みました。


そこには、見た事がないような恐ろしい形相で、住職を睨みつける妹が居ました。


…住職は供養を中断し、家族に伝えました。


住職「…残念ながら、私はお力になれません。×県の〇寺に古くから水子を供養する観音様がおります。御仏のお力をお借りすると良いでしょう。」



…翌日、家族は飛行機に乗り、住職が教えてくれた〇寺に向かいました。


飛行機の中で、妹を心配した姉が尋ねます。


姉「あんた、本当に何も覚えてないの?」


妹「うん…本当に私が睨んでいたの?」




…そして目的地の〇寺に到着しました。


そこには、足元に無数の花束やお菓子が置いてある、高さ3メートル程の観音像がありました。名前はわかりませんが、隣の古い石碑には「水子供養」の文字が刻まれています。


田舎の小さなお寺で、住職は留守にしているようでした。



仕方なく、妹を真ん中にし家族全員で観音像の前で手をあわせました。




…ぽたっ



妹「…え?」


妹が目を開け、観音像を見上げました。


…たたた


観音像の両目から、血の涙が降り注ぎました。


次の瞬間…



観音像の首が折れ…



ゴロンと地面に転がり落ちました。




…家族全員が言葉を失う中、妹は観音像の血の涙で真っ赤に濡れた顔を振り向かせ、静かに言いました。


妹「お父さん…お母さん…お姉ちゃん…」



妹「…わたし…もうダメみたいだね…」



彼女は涙を浮かべ、微かに震えながら微笑んでいました。



…重苦しい雰囲気の中、家族は飛行機に乗り、自宅へと帰りました。



※コメントに続きます

コメント(8)

※続き



翌日、妹の強い要望で普段通り学校に通う事になりました。


妹は「自分の人生が短いなら、最後まで普通に暮らしたい」と言ったそうです。


この時…彼女の唯一の望みが、既に存在していなかった事に


家族の誰一人として気づいてなかったのです。



Aさんのお葬式の出来事。


妹が誰にも「胎児の呪い」の噂を広めなかった事。



このタイミングでの数日間の病欠。




その頃…学校中で噂が噂を呼び、妹が「胎児の呪い」の中心となっていました。



そして、噂という巨大な悪意は、更なる負の連鎖反応を起こす…


凄惨な「イジメ」へと発展して行きました。



大きくなってきたお腹を隠しながら、妹は女子高に登校しました。


教室に入った彼女は、皆の異様な雰囲気を感じました。


妹「おはよう!」


…誰も彼女の挨拶に反応しませんでした。


1番最初に彼女を出迎えたものは無視でした。


…。


異様な雰囲気のまま、授業が始まりました。



何処からともなく周りから声が聞こえてきました。



…ヒソヒソ


…やだぁ怖い。


…クスクス


…来てんじゃねーよ。


静かな悪意が、彼女を蝕んでいきました…


妹「…うぅ」


…ボゴッ

…ボゴゴ


彼女の胎内で、「何か」激しく動いていました。



お昼休みの時間になりました。皆の悪意がそれたのでしょうか。


妹のお腹の不快感は、次第に治まっていきます。


そこにクラスのリーダー的な存在である、同級生三人が近づいて来ました。


「あんたさぁ、Aの親友だったよね」


「あんただけ呪いの話に参加してなかったよね」


「お葬式の時の話、聞いちゃったんだよね〜」


「ちょっとお腹、見せてよ」


同級生が妹の机を取り囲み、次々と問い詰めます。


彼女は俯き真っ青になりながら、ガタガタと震えて何も答えられませんでした。


…翌日。


妹は「噂は自分から逸れているかも知れない」という僅かな希望を胸に、女子高に通学しました。



最初に彼女が目にしたモノは、「お札」でした。


それは下駄箱を封印する様に貼ってありました。


同級生が嫌がらせで貼った物でした。


…ズクン!



下腹部に痛みが走り、彼女は座り込みました。



…ペタ!ペタ!


彼女の横を、何人かの同級生達が走り抜けました。


「キャハハハ!」


妹が痛みのあまり座り込んだ背後から、同じ「お札」を彼女の背中に貼って行ったのです。



…ズグン!ズグン!



心臓の鼓動にも似た痛みを抱えたまま…妹はフラフラと教室に向かいました。



そこには無惨にも落書きやカッター等で、文字を刻み付けられた彼女の椅子と机がありました。


…死ね…


…呪いがうつる…


…キモい…


…学校にくんな…



ズグン!ズクン!ズグン!

妹との下腹部が、急激に膨らんでいきました。



授業中も昨日と同じ様に、静かな悪意が胎内に入ってきます。


妹「…っ!」


…ムチ…ムチ


彼女は急激に膨らんでいく下腹部が、制服で圧迫される苦しみを噛み殺していました。



※続きます
※続き



授業が終わり、妹はトイレに走りました。


それを見たリーダー組の三人が、彼女を追いかけて教室を出ます。



…妹が個室トイレに入っていると、外から声が聞こえました。


「お清めしてやるよ!」


「それ!」


…次の瞬間


妹の頭上から、大量の水が降り注ぎました。


「水子に水だ♪」


「水子に水だ♪」



妹は泣き叫びました。


妹「やめて!やめてよぉ!」


…ズックン!



そして彼女の絶望が臨界点に達した時…



浴びせられた水が、血の色に変わりました。


彼女はそこで気を失いました…




…目覚めた時、妹は自宅のベッドの上でした。

すぐ側で姉が看病していました。


彼女が気を失ってから、一日以上が経過していました。


姉「学校から聞いたよ!」


姉「このバカ!なんで私に言わなかっのよ!」


姉は泣きながら妹を抱きしめました。


妹は風邪をひき、高熱を出しています。


妹「…お姉ちゃん…ごめんなさい…」



その時です。


…ピンポーン



姉「誰だろう?は〜い!」



姉が玄関を開けると、


そこには妹をイジメていたリーダー組三人の一人が居ました。



姉は面識があった為、すぐにその子の髪の毛を掴み、怒りに任せて怒鳴りました。


姉「ふざけるな!ここに何しにきた!!」


その子「違います!違うんです!謝りに来たんです!」


姉「…はぁ!?」


その子は姉に掴まれた髪の毛にお構いなしで、家の中に入って行きました。


…ブチブチブチ!


姉の手に、その子の髪の毛が抜ける嫌な感触が走ります。



姉「ちょっと!あんた!待ちなさいよ!」


勝手に家の中に入って行ったその子を追いかけます。


…その子は妹に謝っていました。


しかし、何か様子がおかしいのです。


その子「ねぇ!許してよぉ!何でもするからぁ!お願い!許してえ!」


激しく妹を揺さ振り、泣き叫んでいます…


その子「ねぇ!あんたがやったんでしょ!お願い!助けてよぉ!」


その異常な光景を見た姉がすぐに制止しました。


姉「ちょっとあんた!やめなさいよ!」


姉が止めると、その子はその場でただ泣いているだけでした。


ひとまずその子を落ち着かせ、姉はゆっくりした口調で尋ねました。


姉「…何があったの?」


そう聞くと、その子は話し始めました。


…ここからはその子の話です。


…昨日の夜です。


夜中にふと目を覚ますと、死んだはずのAさんが、私を跨いで立って居たんです。


手術着みたいのを着てて、目からは血の涙を流していました。


私と目が合った瞬間


恐ろしい形相で叫び声をあげ、下腹部から大量の血を流したんです。


ちょうど私のお腹がある場所にボタボタと…


朝起きて、鏡を見ても後ろにAさんが居るんです!


…お願いします!


…助けて…下さい。


姉はあまりの話に呆然としていました。



※続きます
※続き



…ピンポーン!



姉「…まさか」



自宅のドアを開けた姉の目に、信じられない光景が広がっていました…



姉「…なんなのよ…これ」



外には…



同じ制服を着た女子高生が…



自宅前の道路を埋め尽くしていました…




妹が学校でイジメに遭い、病欠した次の日の夕方です。


イジメを先導していた三人の内、一人が妹の自宅に謝りにきました。


…前日の夜、恐ろしい目に遭ったからでした。



それは…


一人では無かったのです。



姉の目の前に信じられない光景が広がっていました。


姉「…あんた達…なんなのよ」


その一言を皮切りに、自宅前に集まった女子高生達が一斉に喋り始めます。


「お願いします!〇ちゃんに会わせて下さい!」

「謝りたいんです!」

「お願いします!」


姉は困惑していました。



すると突然…です。



集まった生徒達が、凍りついた表情で上の方を見ていました。


…?



姉も振り返り、自宅の上を見上げました。



…パジャマ姿の妹が、ベランダからこちらを見下ろしています。


姉「!…まだ寝てなきゃ…」


姉が下からそう言おうとした時でした。



妹「…ふふ」


妹「あは…あはははは!」



…狂った様に妹が笑っていました。



次の瞬間!


妹のパジャマの下腹部から血が滲み出し…


下へとポタポタ滴り落ちてきたのです。


「きゃあああああ!」

「いやああああ!」


それを見た生徒達は、パニックになりながら、一目散に逃げていきました。



…どうしよう!


姉は自宅に入り、玄関の鍵をかけました。


妹の部屋へ走しり、ドアを開けました。



ダダダダダダ…ガチャ!



姉「…〇!」



…そこにはベッドの中で、すやすやと眠る妹の姿がありました。


彼女の布団をめくって確認しましたが、パジャマには血がついていません。


…何かおかしい。



姉は違和感に気づきました。


そして家中を捜しましたが…


…最初に謝りに来ていた女の子が消えていました。





…翌日の女子高。


職員室には、朝から引っ切りなしに電話が鳴っていました。


…はい。そうですか、わかりました。ええ。お大事に。


担任「…教頭先生。お時間よろしいですか?」

教頭「また例の噂ですか?」

担任「いぇ…違うんです。」

教頭「…?」


担任「…今日、私のクラスの生徒が…休むと」


教頭「そんなに珍しくないでしょう」


担任「それが…」


担任「…全員なんです。」




…誰も居ない教室で


…夥しい数の手形が


…黒板についていきました。


ペタ


ペタペタペタ!


ペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタ!



その小さな手形は…



確実に訪れるであろう。



「恐怖」を物語っていました。



…手形の数は



クラスの人数だったのです。



※続きます
※続き



タタッタッタッタッタ!



…はぁ…はぁ…はぁ


暗い夜道…女子高生が何かから逃げています。


何は地面を這って彼女を追いかけていました。



…ついに彼女の脚を掴みました。


彼女は地面に転倒し、額と鼻から血を流しています。


地面にお尻をつけ、恐怖の表情で後ずさりしていました。


「…いや…いや…助けて!」



次の瞬間。



「何か」は彼女を引きずり、草むらの中に消えていきました。



「いやあぁ〜!!」



誰もいない…


暗い夜道に…


女性の悲鳴が響き渡りました。





…!



…〇!



姉「〇!大丈夫?凄くうなされてたよ?」


…お姉ちゃん?


姉「悪い夢でも見てたの?」


…うん


妹は自宅で目を覚ましていました。


風邪が悪化し二日間、学校を休んでいたのです。



姉「…でもあんたのお腹さ」

姉「小さくなって良かったね…本当に…。」


学校で妹が気を失ってから、彼女のお腹は少しずつ小さくなっていきました。


妹「…お姉ちゃん…」


姉「…どうしたの?」


妹「…わたし…ずっと此処に居たの?…」


姉「…何言ってるの、あたしがずっと側で看病してたんだよ?」


…そう…


安心した彼女はそう呟くと、再びに眠りにつきました。



…翌朝。


ピンポーン!


姉「はーい!」


ドアを開けると、警察官がいました。


警察官「〇さんのご自宅ですね?彼女はご在宅ですか?」


姉「…妹は風邪で寝込んでいますけど」


警察官「…お話だけでも聞かせて貰えませんか?」


姉「だから…風邪で熱だして寝てるんです!」


警察官「…それはすいませんでした。あなたはお姉さんですか?」


姉「そうですけど…」


警察官「この生徒達を知りませんか?昨日から自宅に戻っていなくて…捜索願いが出されてるんです。」


…!


…警察官が見せた二枚の写真の一つは、いつの間にか家の中から消えていた女の子でした。



姉「…知りません。」


警察官「…そうですか。何かありましたら、すぐに連絡お願いします。」


…警察官が、家の前に停めてあるパトカーに乗り込もうとしました。


姉「ちょっと待って!」


警察官「…?」



…姉が警察官に近づきます。


姉「…何故でうちに来たんですか?」


警察官「う〜ん…ちょっと言いにくいですね…」


姉「…教えてください!」


警察官「同じクラスの生徒さんにも聞いて廻ってたんですが」


警察官「皆さん何故か、こちらのお家にいるんじゃないかって言うんですよ」



姉…また噂だよ…。




…その頃。


ピロリロピロリロ!

ピリリリ!

プルルル!


「…ごめん!怖い話なんだけどさ…」

「…次の人に伝えればセーフなんだって…」

「…てゆーか、ムカつく奴に教えるとかさ〜…」



…同級生達は、恐怖から逃れる為に「胎児の呪い」を広めていました。


…それは、どうしようも無くなった「悪いモノ」を、海に捨てるような心境だったのかも知れません。


…どんなに黒い絵の具も、海を真っ黒く染める事が出来ないように…



※続きます
※続き



それから毎晩…


妹は夜中の悪夢にうなされていました。


…うぅ…お姉ちゃん。


妹「お姉ちゃん!助けて!」


…姉が駆け付けると、冷や汗を流し、恐怖に怯える妹が居ました。


姉「…また怖い夢を見たの?」


…うん。


妹「…知らないお姉さんが殺されてたの…」



姉「…悪い夢だよ」


妹「ただの夢じゃないよ!毎晩だよ?もう…耐えられないよぅ…」


毎晩…姉の胸で妹は泣いていました。


…妹の精神は、確実に限界へと近づいていました。



そして…ある晩…



とうとう…



妹は…



「自分の部屋」から始まる…


…悪夢を



…見てしまったのです。





…血生臭い…



…ここはどこ?



…暗い…



…息苦しい…



…あの隙間から光が見える…



…え?



…この部屋…



…わたしの…部屋…?



…わたしが見える…



…起きなきゃ…



…ダメだ…



…お…ねぇ…ちゃん…



…お姉ちゃん!




毎晩ここで、彼女は目を覚ましていたそうです。


繰り返す悪夢は、彼女の部屋のベッドの下から始まり…


…彼女が視界に入った所で中断されました。



しかし、恐怖は確実に近づいていました。


悪夢から覚めるタイミングが、徐々に遅くなっていたのです。


…恐怖のあまり、ここ数日間は寝ていない…




…話は事務所に戻ります。


僕「…深刻だね」


姉「…はい」


…話を聞いていると、事務所の中に「血生臭い」空気が漂ってきました。


…僕は自分の心臓が高鳴っていくのを感じていました。


…全身に鳥肌がたちます。



女性スタッフ「すいません!時間なんで帰りたいんすけど!」



姉「…あ!すいません!タイムカード押してきます!」


…彼女は立ち上がり、事務所を出て行きました。



彼女が僕に背を向けた…



…その時!



僕は見てしまいました…




彼女の後ろに着いていく…


頭がスイカの様に割れた…


血で真っ赤な女子高生を…


その腕には…



血だらけの赤ちゃんが…



…!



あまりの衝撃に、僕は吐き気を感じました。



しかし、脳裏にある疑問も浮かびました。


(今の霊…制服だったな)



彼女と入れ代わりで、夕方までの勤務を終えた女性スタッフが、事務所に入って来ました。


僕「お疲れ様!」


女性スタッフ「店長…」


僕「…ん?」


女性スタッフ「さっき何を話してたんですか?」


僕「いや、家族事の相談だよ」


女性スタッフ「…家族?」


僕「うん、妹さんの話。君の悪口じゃないよ」


女性スタッフ「…」


…彼女は険しい表情で、口を開きました。


女性スタッフ「店長…あの」



※続きます
※続き



…女性スタッフの話です。

わたしはあの人の妹と、同級生でした。


友達ってわけでもなくて、クラスも違います。


あの人も同じ女子高で一コ上だったんです。


妹は妊娠し、両親が中絶させた事は有名でした。


それが原因で、悲惨なイジメに遇った妹は、学校の屋上から飛び降り自殺しています。


それから学校で呪いの話が流行りました。


それを広めたのが、自殺した妹の姉です。


逆にそれが怖くて、呪いの話は大流行してました。


…え?呪いで死んだ人?


なんか…家出だと思いますけど、行方不明になった人は何人かいましたよ。


…あ!一人いたかも!


妹の親友で〇ちゃんって子が、自殺してますよ。



…?



僕「〇ちゃんって妹の名前じゃ…?」


女性スタッフ「妹の名前は…確かAちゃんですよ」



…!


目の前が、ぐにゃりと歪んでいきました。



女性スタッフ「あの人…ちょっと可哀相な人なんです。妹を亡くしてしまってから…この時期だけは少しおかしくなるんです。」


僕「…この時期?」


女性スタッフ「…妹の命日が近いんです。」


…事務所の「血生臭い」空気は更に重くなりました。



…。



僕は気分転換をする為に

近くのハンバーガーショップに行きました。


…色んな考えが頭を巡ります。



…姉は死んだ妹の復讐をする為に、呪いの話を?



…それとも死んだ妹が、姉にとり憑いて復讐を?



…どこまでが本当の話だったんだ。



…姉がおかしくなったのか?



…それとも半分、妹なのか?



様々な考えが、僕の頭を巡りましたが…


答えはでませんでした…





…うっそー


…こわーい



女子高生3人の話し声が聞こえてきました。



…これ「赤ちゃんの呪い」って言うんだって〜!




僕(気分転換する場所を間違えたな…)


…不快感を感じながら、ふと窓の外に目を向けました。



…!



そこには…



ゆっくりと近づいて来る…



頭が砕けた女子高生と


赤ちゃんの霊がいました…




最後まで、読んで頂きありがとうございました。



※終わり
一番悪い奴になんのアレもないのか(゜ロ゜)

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