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Pの『THE つだん部屋』コミュのスーツの男

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【コピペ】



はじめに
『さて、問題です』という話をご存知ですか?
ちょっと不可思議な話で、あちらこちらで様々な考察がされている話です。
今回のこれは、それについての話になります。(本編はお休みして、番外の話になります)
なので、元ネタを知っていた方が分かりやすいかも知れません。
あしからず。


以前、姉貴にこんな質問をしたことがある。

「この問題の話、分かる?」

と。
滅多に入らない姉貴の部屋で、そんな意味不明な質問を投げかけた俺。
何やら難しそうな本を読んでいた姉貴は

「大学の課題?」

と、当たり前と言えば当たり前の答えを返してくる。
中学、高校の頃は、よく勉強を見てもらっていたからだろう。

俺「あぁ・・・いや、そうじゃなくて、これなんだけど」

俺はそう言って、PCでプリントアウトしてきた紙を見てもらう。
そこに書かれているのは、『さて、問題です』という話。
古乃羽と神尾さんに、舞さんに聞いてみてほしいとお願いされていたものだ。

舞「・・・何?これ」

短い話なので、すぐに読み終わった姉貴が訊いてくる。

俺「なぞなぞ・・・かな?これといった答えが出ていない話なんだ」

舞「ちゃんと答えのあるなぞなぞ?」

俺「いやぁ・・・どうだろう」

答えがない話だ、という説もあるので、どう言っていいやら。

俺「その道じゃ有名な話なんだけどさ・・・ネットとかでは」

舞「へぇ」

俺「俺も答えが分からなくて、古乃羽達もお手上げ。でも、姉貴なら分かるかな〜なんて」

舞「・・・」

小首を傾げながら、二度三度と読み返す姉貴。
どうやら、何か考えてくれているようだ。
お世辞が効いたかな?なんて思っていると

舞「誰が書いたのかは、分からないの?」

姉貴が訊いてくる。

俺「分からないねぇ」

書いた人に訊け、ってことか?
まぁ、確かにそれなら答えは得られるだろうけど・・・誰が書いたかなんて、それこそ、もう絶対に分からないだろう。

舞「有名な話なら幾つかの説は出ている?」

俺「あぁ、色々とあるよ」

ネット上では様々な考察がされており、これが正解っぽいな、という説もある。
俺は姉貴に、そのうちの幾つかを説明する。


スーツの男とは夢の中で会っており、自分はもう逃げられない、ということを悟っているという説。

「お前さん、この前の」

という台詞に意味があり、解読すると『逝け』という言葉になるという説。
それと、既に言ったが『答えがない』という説や、話が永遠にループする説、などなど。


それを聞いた姉貴の反応は、というと

舞「それだけ出ているなら、それで良いでしょ」

という、意外なものだった。

俺「そっかぁ」

先ほどまでの反応といい、どうやら姉貴は乗り気じゃないようだ。
さては分からないからだな?なんて、思わず邪推をしてしまう。
・・・と。

舞「何よ、その顔」

すぐに突っ込まれてしまう。

俺「いやいや。何か変な顔してた?」

舞「悪そうな顔していたわよ。どうせ分からないのだろ?って」

俺「ハハ・・・」

こんなときは笑ってごまかすに限る。

舞「別にそれでも良いけど・・・聞いて後悔しないなら、1つ、答えがあるわよ」

俺「・・・へ?」

後悔?何で?

舞「情報が少なすぎるのよ。想像で補うとすると、いくらでも話が広がってしまいそうで」

俺「うーん・・・まぁ、そうだろうね」

ほんの数行の文章だ。
ここから完璧な答えを出せと言われれば、想像力で・・・又は推理力で、それを補わなければならないだろう。
それは、当然のことだ。
でも、何でそれが後悔するなんて話に?
ちょっと意味が分からなかったが、俺は姉貴に話を聞くことにする。
そして・・・後で少し嫌な気分になり、ちょっとだけ後悔をした。

舞「まず、これっておかしな話よね」

俺「そう?って、まぁ、変な話か」

舞「だって、話の中の『俺』、仮にAさんとして、Aさんは死んでいるのよ」

俺「そうだな」

舞「なのに、どうやってこれを書いたの?」

俺「あぁ・・・それか」

それは確かにおかしな点だ。
でも・・・

俺「オカルト系の話じゃ、よくある事だよ。自分が殺された、ってのは」

舞「幽霊が書いた話、ってこと?」

俺「いや、それはないと思うけど。そうじゃなくて・・・ほら、なぞなぞだし、こういうのもアリでしょ」

舞「それを許すと、答えが出せないわ」

俺「ん?」

舞「あり得ない事が書かれているのなら、答えは出せない、ってこと」

俺「・・・」

空想を元に作られた、創作的な謎掛けには答えは出せないってことか?
死んでいても文章が書けるような人が出した謎なんて、解けない、と。
でも、そこは柔軟に考えて・・・と思うが、何となく言い方が気になる。

俺「じゃあ、あり得るなら答えは出る?これが、実際にあり得る話なら」

舞「そうね」

これはまた奇怪なことを言う。
・・・が、そう言えば前に聞いた『一人多いわけ』についても、それを実際に起きた事件と考えて話をしていたか。
じゃあ、今回のこれも?
でも、そう考えると・・・

俺「じゃあこれ、最後に自分・・・Aさんが殺された、ってのは嘘ってこと?」
ってことになる。
幽霊が書いた話だなんて認めるのは、それこそ非現実的だ。
・・・が。

舞「Aさんが死んだ、ということが嘘だとすると・・・答えを出す意味なんて、何もなくなるわね」

俺「まぁ・・・そうか」

なぞなぞの問題に嘘が含まれていたら、どうしようもない。
「問題のこの部分は嘘なんです」なんて言われたら、やってられない。
しかしこれが本当の話だとすると、このAさんは既に死んでいる訳で・・・でも話が成り立っている・・・ということは?

俺「分かった。これ、Aさんが死ぬ前に書いたものだな?」

それしかない。
それ以外には考えられない。

舞「そんな訳ないでしょ」

俺「う・・・」

一言で切って捨てられる。
まぁ当然か。
どう見ても遺書には見えないし、それだと話の意味が通らなくなる。

俺「うーん」

俺は頭を悩ませる。
昔、散々考えたことのあるこの問題を、今またこうして考えてみて答えが出るとも思えないが。

舞「Aさんが亡くなっていても、これを書ける人がいるでしょ?」

そんな俺を見かねてか、姉貴が言う。
これは・・・ヒントか?
Aさん以外にこれを書ける人?えーっと、他に誰が・・・
・・・
・・・
・・・え?
一人思い当たり、ドキリとする。
いや、しかしそれだと、この話は・・・

舞「そもそもこれって、Aさんがどこに居るときの話だと思う?」

突然話題を変えて、姉貴が訊いてくる。

俺「あぁ・・・っと、えーっと・・・駅のホームじゃない?」

舞「なんで?」

俺「なんで?って終電が過ぎたから、ってあるし」

舞「終電が過ぎた後のホームで、何をしているの?」

俺「何って・・・どうしよう、どうしようって」

舞「ホームまで行かないと終電が無いことが分からなくて・・・そこまで行って無いことに気付いて、立ち尽くしているってこと?」

俺「・・・」

そう言われると、変か。
終電が無くなるような時間だ。
そんな時間なら、ホームまで行かなくても終電の有無くらい分かるだろう。
それに、無くて困ったなら他に帰る手段を探すはずであって、ホームに立ち尽くしているのは何だかおかしい。

俺「じゃあどこか、その辺・・・駅の周辺とか?でも、分からないよな」

舞「そうね」

俺「そうね、って・・・」

それを聞いてきたんじゃないのか?

舞「私が言いたいのは、具体的な場所じゃなくてどんな場所か、ってこと」

俺「??」

むう・・・何のことかサッパリだ。

舞「Aさんは、電車に乗って帰りたいのよ。つまり、家からは遠い場所」

俺「あぁ、そういうことか」

舞「もっと言うと、近くに知人も居ない。タクシーも捕まえられない」

俺「そんなとこで、何していたんだろ?」

舞「さぁ。書いてないから、分からないわね」

俺「そっか」

舞「正確に言うと、分からないから書いてないのよ」

俺「ほぇ?」

何を言っているんだ?
・・・と思ったが、そうか。
さっき思い付いた人物なら、そういうことになる。

舞「そういった場所で、Aさんがどうしよう、どうしようと言っていると、目の前にスーツの男が現れる」

俺「うん」

舞「このときスーツの男の方が、先にAさんに気が付いているわね」

俺「そうだな」

舞「で、目が合って男は驚きの表情をする」

渡した紙を見ながら、話の順を追っていく姉貴。



※コメントに続きます

コメント(2)

※続き



舞「目の前に立っていたのに、目が合っていなかったってことはAさんは俯いていたのでしょうね」

俺「そうだろうな」

どうしよう、どうしようと言って、頭を抱えていたのかも知れない。

舞「スーツの男が驚いたのは、目が合ってからだから、それまでは彼はAさんのことをハッキリと『Aさん』だとは認識していなかった」

俺「うん」

舞「つまりスーツの男は、悩んでいる男を見掛けて、もしや?と思い、近付いてそこでAさんだと分かった、ということね」

俺「そうなるな」

舞「そこで、スーツの男が、お前さん、この前の・・・と言う」

俺「そう。これの意味が謎で・・・」

舞「謎でも何でもないでしょ。そのままの意味よ」

俺「あ・・・そう?」

舞「台詞からして、スーツの男はAさんのことを知っていた。名前は知らない程度で」

繰り返し「お前さん」って言っているということは、Aさんの名前は知らないということだろう。
まぁ、納得できる。

舞「Aさんは一体何の事だか、そもそもスーツの男が誰なのか、すぐには分からない」

俺「ここで10秒間も考えているからな」

舞「でも、何故かただならぬ危機感を感じていた。これは、何故かしら」

俺「何故って・・・」

何でだろ。

俺「スーツの男に、何となく見覚えがあったから、とか?」

舞「それもあるでしょうね」

それも、か。他には?

舞「Aさんにとってスーツの男は、正体が分かったら逃げたくなるような相手よ」

俺「だな」

舞「じゃあ逆に、スーツの男にとってAさんは?」

俺「・・・あ」

スーツの男は、Aさんを殺している。
つまり、スーツの男にとってAさんは、殺してしまいたいと思っている相手だ。

俺「穏やかに、ニコニコしながら向き合っていた訳じゃない、ってことか」

舞「でしょうね」

スーツの男はAさんを、殺意を持った目で見つめていた・・・睨んでいたはずだ。

俺「そりゃ、危機感も感じるだろうなぁ」

深夜遅く困り果てているところで、真正面から謎の男に殺意を持った目で睨まれる。
そんな状況で、何も感じない人間なんて居ないだろう。
例え相手に殺意がなくても、不気味に思うだろうな。

舞「そして再びスーツの男が口を開いたとき、Aさんはやっと気付く」

俺「うん」

舞「Aさんは、すぐにその場を逃げ出す。そして、もう大丈夫だと思って振り向くと、そこにスーツの男は居ない」

俺「あぁ」

舞「でもここが重要かもね。Aさんはもう一度呟く。あぁ、どうしよう、と」

俺「重要?・・・あ、そうか」

呟いたんだ。
振り向いて誰も居ない、つまり逃げ切ったと思ったAさんは、そこで呟いた。
そう書いてあるんだ。
これが、その後の『殺されたのは言うまでもない』という文に繋がる。
なぜなら・・・Aさんは、逃げ切れていなかったからだ。

舞「分かったみたいね」

俺「あぁ。まだ、ちょっと整理付いてないけど」

これを書いたのは誰か?
・・・あくまでも、1つの可能性としてだが、姉貴が最初に言ってくれたヒントっぽい言葉から考えた人物。
それは・・・

俺「スーツの男だろ?これは、彼がAさんの事を書いたものだ」

まだ全て理解できていないが、それで辻褄が合う。
物語の『俺』が、書き手でなければならないなんて決まりはない。
実際に起きた話でも、それを文章にする際、書き手が当事者に成り代わることは、よくあることだ。



※続きます
※続き



舞「そう。そう考えると・・・面白いわよね」

面白い、か。
確かに面白いし、これで説明が付く。
スーツの男は、Aさんが終電過ぎまで何をしていたかなんて、知らない。
だから書けないし、書いていない。
スーツの男が会ったのは、Aさんが呟いているところからだ。
どうしよう、どうしよう、と。
その時、スーツの男はAさんが誰だか分かっていなかったけれど・・・
これを書いている時点では、既に分かっている。
殺してしまいたいと思っている相手に、偶然再会して驚くスーツの男。
Aさんはすぐには気付かなかったが、やがてスーツの男が誰であるかに気付く。
スーツの男が何者であるかに気付き、Aさんは逃げ出す・・・が、逃げ切れない。
何故逃げ切れなかったことが分かるのか?というとAさんの呟きだ。
逃げ切ったと思ったAさんが呟いたことを、スーツの男は聞いているのだ。
聞いたから、その台詞を書けたのだ。
そして逃げ切れていないからこそ、『言うまでもなく』Aさんは殺されてしまう。
数日後に。
・・・あれ?数日後?

俺「・・・何で数日後なんだ?」

そうだ。
何だか、最後の文章がおかしい。
この文章で、突然時間が飛んでいる。

俺「これは・・・何で?」

姉貴に質問をする。
すると姉貴は、少し逡巡してから答えてくれた。

舞「最後の『殺されたのは言うまでもない』って、『Aさんからすると殺されて当然』という意味よね」

俺「そうだな」

舞「じゃあ、スーツの男からすると?」

俺「ん?スーツの男からすると、その逆だから・・・『殺して当然』、か」

舞「そうね」

おぉ、正解した。
殺して当然なんて、最低な言葉だが。

舞「彼はAさんを、当たり前のように殺した。許すなんてことは絶対にせず、そんなことは考えもしない」

俺「・・・」

酷いことを、サラッと言う。

舞「深い憎しみと、強烈な殺意ね」

俺「だな・・・」

嫌な感情だ。
そう思った俺に、姉貴は更に言う。

舞「そんな憎い相手を捕まえた、スーツの男。彼は、Aさんをすぐには殺さないで、一体何をしていたのかしらね」

ズン、と心の中に、何か重いものが落ちてきた感じがする。
頭の中に、残酷な描写が浮かぶ・・・

俺「そこまでする理由って、何だろうな」

スーツの男は、何でAさんを殺したのか?それについてはどこにも書いてないが・・・

舞「Aさんは、逃げたときに何で交番に行かなかったのかしらね」

俺「近くになかった、とかじゃ?」

舞「捕まったら、確実に殺される相手から逃げているのよ?普通なら、何としてでも保護を求めない?」

俺「ふむ・・・」

まぁ、そうか。
殺されそうなんです、と、誰かに・・・警察に助けを求めるのが普通か。
それでスーツの男が警察に捕まれば、自分の身の安全は保てる。
逆にそうしないと、これから先も、永遠に追われることになるのだ。
でも、それをしなかった理由。
考えられるのは・・・

俺「Aさんにも、後ろめたい気持ちがあったとか?」

舞「そんなとこでしょうね。Aさんは、過去に何かしていて・・・それが原因で、スーツの男に恨まれている。それは、誰にも言えないような秘密」

淡々と言う姉貴。

舞「それはきっと、内容を書くと、スーツの男にとって不都合な話、彼が特定されてしまうような話かもね」

確かに、それなら書けないか。
でもそうすると、矛盾が生じないか?

俺「じゃあ、何でわざわざこんな事を書いたのかな」

渡る必要の無い危ない橋を、わざわざ渡っている。
その理由が分からない。

舞「それは、書いてないから想像するしかないわね。ただの自己顕示欲かも知れないし、何か深い理由、目的があるのかも知れない」

俺「そうか・・・」

舞「ただ、あまり良い趣味ではないわね」

俺「何で?」

舞「スーツの男は、自分がしたことを世界に発信したのよ。人を殺した事を、全ての人に向けて・・・『さて、問題です』と、面白半分にね」



※終わり

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