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Pの『THE つだん部屋』コミュの【806】禁断の地

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【コピペ】



※季節外れのお話です。1話目は怖い要素があまり出てきませんのでご容赦を…

これは僕が店長を勤めていたカラオケ店の出来事です。



今年もやってきました!



夏の季節です!



サンサンと輝く太陽!!



店の制服も夏服になり、お客様も露出の多い服装になります!


夜から朝までの勤務をしている僕らにとっては…


朝5時の閉店後、外に出た時の明るさが嬉しいのです!


毎年、この時期になると1階のゲームコーナーにあるパチスロ機の売上が上がります。


2階へ続く階段のすぐ下に設置されているからでしょうか?



とにかく夏にはお祭りやコンサート、花火大会などイベント盛り沢山です。



僕達カラオケ店員も、この時期に限っては皆でイベントを強行します!



朝5時に仕事を終わらせ、近くの海水浴場に行き焼肉やキャンプ等を楽しみます。


これは5店舗あったチェーン店が協力し、お店まるごと違う店舗の従業員がまわすと言う方法を取りました。


このキャンプだけはケチな社長も全面協力(アウトドア大好き人間で)


テントも最高級のモノを貸して貰ってました。



今年は街中から車で3時間の大自然溢れる海水浴場を選びました。


参加者は男女混合25名!清掃担当の主婦以外はほとんど参加です。



いよいよキャンプ当日です。


車6台で目的地に出発!

ほとんど大人版の修学旅行でした。

途中で人気の港町に集まり、朝ごはんを食べました。


バイト「店長はあそこ行くの初めてですよね?」

僕「うん、そうだよ」

バイト「俺あそこ好きで良く行くんですよ!」

僕「モグモグ…じゃ詳しいんだ」

バイト「あそこには二つ、名所があるんですけど…一つが日本の綺麗な海百選に選ばれた○丹ブルーの入り江と、もう一つが○丹岬って怖い伝説がある観光名所です。」

僕「いいね〜!皆で多数決とろうか!」



…結果



場所の位置から順番に


綺麗な○入り江→
海水浴場でテント設置→
○岬で夜に肝試し


と、なりました。


…この時は、まさかあんな事になるとは夢にも思わなかったのです。





…途中、近年に大きな崩落事故があったトンネルを通ります。


出口付近に大きな慰霊碑がありました。


多数の若者が亡くなった事故を知っていた僕達は、


慰霊碑の前に車を停めて、全員で手をあわせました。



…その後、車を走らせる事2時間



ようやく目的地へ到着です!

○入り江は少し高い丘を車で登った所にありました。

丘と海の綺麗な境界線が、とても印象的でした。



…駐車場に着きました。

やはり観光シーズンです。ギラギラと照りつける太陽の下、○入り江には沢山の観光客が訪れていました。


駐車場にはハーレーの集団もいました。日本中を旅しているご老人達です。


バイト「かっけ〜!」


僕「いいな〜、お金持ちは…」



車を停めて、高級バイクの群れを横目に目的の入り江まで歩きます…



すると、


人間が一人、ぎりぎり通れる小さなトンネルが目の前に現れました。


…中は真っ暗闇です。お昼なのに、


トンネルの中は傾斜がある上にとても長い様で、出口が見えませんでした。


僕「…このトンネル怖いな…心霊スポットじゃないよね?」


バイト「違いますよ〜!ほら!見てください!」


…アルバイトの指さす方向には、中から出て来る普通のおばちゃんや子供、観光客の姿がありました。



その光景に、全員がホッとした様で、僕が先頭で中に一列で入りました。


中は天然の岩を逆U字型にくり抜いたトンネルで、涌き水が滴っています。



…不気味です。


…そこは面白い事が大好きなスタッフ達。


…ポン!


後ろのスタッフが僕の両肩に手を置きました。


若干、声をあげそうだった僕が振り返ると…


全員が前の人の肩に手を置いています。


…ぷっ!

僕「ムカデより芋虫の行進だよ!」


と思わず、ツッコミを入れました。


誰からともなく、全員が無言でこれを始めたのが、面白かったらしく…


僕のツッコミを皮切りに

トンネル内に皆の笑い声が反響しました。




…そんな事をしている内に出口に到着しました。


僕「おぉ!」


そこを見下ろすと、沖縄の海を連想させる様な素晴らしいエメラルドブルー!!

トンネルから次々と出て来たスタッフ達も歓声をあげます。



皆で記念撮影をし、帰りもトンネルの中を芋虫の行進で帰りました。



駐車場で車に乗ろうとした時です。

スタッフの一人の女の子が、暗い顔をしながら声をかけて来ました。



女の子「あのぉ…」


僕「どうしたの?」


女の子「私の肩にも誰か手を乗せてたんですけど…トンネルから出てみたら…私の後ろに誰もいなかったんです。」


…?


僕「えっ…」



…この出来事から、何かが少しずつ狂い始めました。


僕「…大丈夫か?」


女の子「全然大丈夫ですけど、気になって…」


僕「…だよね、じゃ、一応肩を叩こうか?」


…これは僕の地域だけかどうかわかりませんが、人に両肩を後ろから叩いて貰う事で、悪いモノを追い出すという風習です。


パン!パン!


肩を叩いた後…


女の子は「肩が軽くなった気がします!」


と、他の車に戻りました。



…気を取り直して、今度は海水浴場に出発しました。


30分くらい海岸通を車で走らせ、いよいよメインの場所に到着です。


この海水浴場は、海に流れ込む川が近くに無い為、透明度が高く、遠くから見ても素晴らしく綺麗でした。



僕「さてと…」


…僕がキャンプ道具を車から下ろそうとしていると


「イャッホー!」


と歓声をあげながら、何人かの男性スタッフが海へ走って行きました。


それを見た他のスタッフ達も続々と海に飛び込みます。



…おいおい、手伝えよ!と思いましたが、今日はキャンプ。


いつも頑張ってくれているスタッフ達の為に、僕一人でテントを張ります。



僕がテントや道具を設置し終わると、スタッフ達が海から帰って来ました。


バイト「店長!ウニっす!ウニ!」


僕「あぁ!それはダメだ!元の場所に戻して!」


…スタッフ達は買物袋にギッチリとウニを採ってきた様です。


バイト「え〜?何でっすか?」


僕「犯罪なの!」


…どうやら「密漁」という事を知らなかった様です。




…夕方になり、皆で火を起こし、バーベキューを始めました。


…ずっと海で遊んでた疲労から、食べ終わってすぐ寝てしまっているスタッフも居ます。


バーベキューをしながら、皆で楽しく話をしていました。


バイト「ところで、肝試しどうします?」


僕「今夜の肝試しだけど、寝てる人もいるし、テントも見張らないとダメだから、二組に分かれてやろう。」


…肝試しの○岬は、海水浴場から車で15分くらいの場所にあり、僕達は二組に分かれて、交代で行く事になりました。



出発前に、少し盛り上げようと


僕「そういえば、その○岬に怖い伝説があるって言ってたよね?」


バイト「えぇ!話していいですか?」






…○岬の伝説…


弁慶と牛若丸で有名な


源義経が、平家の追手


から逃れ、○高地方に


辿り着いた。そこで


ア○ヌ民族の長の娘と


恋に落ちたが、突然


源義経はこの岬から


舟に乗り、外国へ逃げた。

それを知った


ア○ヌ民族の娘は


呪いの言葉を吐き


この岬から身を投げた。


娘の呪いを恐れ、185○年まで、ここは女人禁制の地だった。





バイト「こんな感じです。」


…ざわざわ


僕「…怖いじゃないか!」


女性スタッフ「ヤバイんじゃない?」


バイト「でも、俺彼女と何回も来てますよ?昼間ですけど…」






少しヤバ目の話だったので、行きたく無くなった女性スタッフ何人かはテントに残りました。



…10名が先に出発しました。


僕は残り、2回目に行く事にしました。



すると…


女性スタッフ「あの…店長…」


僕「うん?なに?」


女性スタッフ「○入り江で、店長に肩叩いてもらった子いますよね…」


僕「あぁ…覚えてるよ?」


女性スタッフ「あの子、○高の出身で、ア○ヌの血をひいてるんです…」


僕「…え!?」


女性スタッフ「ここに来てから何か少し様子が変だったし」


僕「それはマズイよ!もしかしてもう行ったの?」


女性スタッフ「…はい」



…携帯電話を取り出し、先に行った中で、責任感が強いスタッフに電話しようとしました。






…?


僕「ちょっと、それどうしたの?」


女性スタッフ「え?」



Tシャツの首元から「それ」は見えました。



女性スタッフ「やだ!何コレ!」


…それは



「アザ」でした。



両肩にくっきりと、人の手の形をしたアザがありました…



…!!


男性スタッフ「うわ!なんだよコレ!!」


女性スタッフ「いやぁ!!きゃああぁ!」



もうパニックです。


僕を含めた全員の肩に「それ」があったのです…


テントの中は一瞬で、阿鼻叫喚の地獄になりました。


僕「落ち着いて!肝試しは中止だ!皆!先に行った奴らに携帯で電話してくれ!」







それぞれが恐怖を押し殺し、先に行った連中に電話しました。



男性スタッフ「ダメです!繋がりません!」


女性スタッフ「あの子が着信気づかない訳ないのに!」


…僕もダメでした。




…行くしか


…ないな。



※コメントに続きます

コメント(4)

※続き



僕「みんな、落ち着いて!教えてくれ!トンネルの中で、前の人の両肩に手を乗せたよね?」


僕「誰から始めたの?」


男性スタッフ「え、後ろから来たからマネして…」


女性スタッフ「私も…」



全員が「後ろから」と答えました。

…あれはあの子から始まったって事か…





…テントの中の誰もが、無言になりました。





僕「先に行った連中を連れ戻さないと。誰か一緒に来てくれないか?」


その言葉に、テントにいる全員が一斉に僕を見ました。



…!



一瞬、視界が灰色に染まり

コチラに顔を向けている全員が…



目を開けたまま死んでいる様な表情に見えました…


…ムンクの叫びの様に口を開けて…


僕「…う!」



…キイィイィイ


…頭の中でガラスを引っ掻いた様な音が鳴り響きました。





…店長


スタッフ「店長!大丈夫ですか?」


僕「あ…あれ?」



…我に返ると、心配そうに僕に声をかけるスタッフ達に囲まれていました。


…今のは何だったんだ。




男性スタッフ「俺も一緒に行きます!」


僕「あぁ…うん、行こうか」


…テントから出ると、二人で僕の車に向かいました。



外は完全に夜です…


月明かりが蒼白く砂浜を照らしています。


海は静かに波打っていました。



上空は風の流れが強いのでしょうか。


黒く、小さな雲が見た事がない速さで流れていました。


…突然!足に痛みが走りました。


…痛っ!


男性スタッフ「!?…大丈夫ですか?」


僕「…大丈夫…足を何かに刺されたみたいだ」






…車に乗り込み、エンジンをかけました。


…。


男性スタッフ「店長…気をつけて運転してください。」


僕「…?…なんで?」


男性スタッフ「さっき、目の錯覚かも知れないんですけど、店長…凄い顔してた様に見えました。」


僕「…凄い顔?」


男性スタッフ「なんかホラー映画に出て来そうな顔で…死相かと思いましたよ」


…!


…僕がハッとした顔になったのを察したのでしょうか、男性スタッフはそれ以上は喋りませんでした。




…とてつもない不吉な予感を感じながら、○岬へと車を走らせました。



…海岸通を走っていると、いくつかの小さなトンネルを通り抜けます。


その全てのトンネルの入り口の上に、小さな赤い鳥居がありました…


トンネルを通り抜ける度に冷や汗が出て来ます…


徐々に心臓が高鳴って行くのがわかりました…


…はぁ…はぁ…


…?


隣のスタッフから苦しそうな息遣いが聞こえて来ました。


僕「おい!大丈夫か!?」


男性スタッフ「はぁ…はぁ…なんか…苦しいです」



…!



さっきまで…




肩にあったはずの…



手形のアザが…!



彼の首を絞めるかの様に、アザが移動しています!!

…!


僕もTシャツの首元を引っ張り、バックミラーで確認しました。


僕のアザも少しずつ、首の方へと移動しています…



これは悪い夢か…?



あまりの異常事態…


…風邪をひいて高熱を出した時の様に、目眩で世界がぐるぐると回り始めました。



……



…ズキン


僕「痛っ!」


…ついさっき何かに刺された足の痛みで気がつきました。



…ここは…



…どうやら朦朧としながらも、○岬の駐車場に着いていた様です。



※続きます
※続き



すぐ隣の男性スタッフに視線を向けました…


…彼は口から泡を吹きながら、失神していました。


僕「おい!大丈夫か?」


彼を揺さぶりましたが、起きる様子はありません…


彼の首についたアザは、どす黒い色に変わっていました。



…!


…僕のアザは!?


バックミラーで確認すると、アザはまだ首についていました。


彼のアザと比べると、まだ色が薄い様でした。


しかし…


どんどん、呼吸が苦しくなっていきます。あまり時間は無い様です…



…先に来た連中は?



よろめきながら外に出ると、彼らの車が目に止まりました。



中を見ると、同じ様にスタッフ達が失神していました。


…救急車を呼ばないと



…?



…あれ?



携帯の電波状況の表示は、確かに「良好」でした…


しかし、119番にかけようとしても、ボタンが効きません。

圏外の時の様な反応でした。


…なんだよこれ。


……。



そういえば「あの子」は…?



先に来た連中の車を捜しました。


…が、いません…




僕は岬の先端に視線を向けました…




…!



…そこには


月明かりに照らし出された「異形の何か」が居ました!

…人の型をしながらも、時おり液体の様に型を変えています。


…もがき苦しんでいる様にも、踊り狂っている様にも見えました。



…ズキン!

僕「…っ!」


足の痛みと共に…


…「アレ」に近付かなければならない。



僕の中で直感しました。





…心臓が張り裂けそうな恐怖の中


僕は意を決して


「異形の何か」に近付いて行きます…




…すると



……!



女性の悲鳴が聞こえて来ました!



それはあの「異形の何か」からでした!



「アレ」は「あの子」だ!!



僕は走り出しました!



そして…



見てしまったのです…





それは「あの子」でした。



夥しい数の…



フナムシに全身を襲われ



まるで炎に包まれた人間の様に


もがき苦しんでいました…


…僕は一瞬、気を失いそうになりました。




…ズキン!足の痛みが僕に正常な判断を戻してくれました。



彼女に纏わり付く夥しい数のフナムシを素手で払いのけます。


…!…!…!


その度に手に痛みが走ります!


この足と同じ痛みです。



ある程度のフナムシを払い落とし、彼女を抱えて車まで走りました。



…スタッフ達が目を覚ましていました。




僕「…誰か…救急車を」


最後の気力を振り絞り、唖然とするスタッフ達にそう伝えると、僕は意識を失いました…







目を覚ますと、病院のベッドの上でした。


両手と足は二倍くらいに晴れ上がっています。


病室の鏡で首のアザが消えているのを確認し、ナースコールを押しました。


ナース「どうされました?」

僕「あの…一緒に運ばれた女の子がいると思うんですが…」


ナース「大丈夫…命に別状はないですよ」


僕「会いに行ってもいいですか?」


ナース「…全身が腫れて、高熱が出てるの。面会は出来ません。」


僕「…そうですか…」



僕はその日のうちに退院しました。



その後、あの子が店に出勤する事はありませんでした。


…数日後



スタッフ「…店長」


スタッフが深刻な面持ちで、何かを持ってきました。


○入り江で記念撮影をした時の写真でした…


僕「…これは」



そこに写るはずだった


背景の綺麗な海には…




巨大な女性の顔が



こちらを睨んでいるように写っていました…



長いお話を読んで頂き、本当にありがとうございました。



※終わり

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