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Pの『THE つだん部屋』コミュの【605】従姉に憑いていたモノ

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【コピペ】



長文と駄文だがつきあってほしい。あまり怖いとは思わないかもしれないが。

お盆といえば墓参り、先祖の供養はかかさない。
ウチは神道系だが寺ではないから墓地はないのだが、たまに知り合いから読経を頼むと言われるんよ。

その時期になると家の中にはたまに見ず知らずの人っていうか霊が階段に座っていたり風呂を覗いたりする。
もう見慣れている家族は無視。

そんなウチに今年、久々に従姉(仮名で美咲とする)がウチに泊まりにきた。
俺の一つ上で親父の姉の長女でまだ未婚、本人は

「理想の男が今の世の中いない」

なんて負け惜しみ。
まあそれはともかく、その美咲がウチに来るなんてとにかく珍しい事だった。

だが家に来た美咲をみて俺は驚いた。
美咲の背中に背広姿の三十路少し越えたくらいの身長は目算だが170くらいのメガネをかけた男がいた。

顔は目がうつろだが口元はつり上がったように気味悪い笑い顔のヤツ。
無論コイツは生きている人間ではない。

親父はいつも通りだがお袋は少し驚いたような顔をしている、俺の奥さんは霊感がないので普通に挨拶していた。

美咲自身、ウチの家系なためか霊感は強いと思っていた、俺が美咲にその話をしようとしたが親父に

「余計なことは言うな」

と言われた。

俺はそれ以上はなにもいうのを止めた。

夕食の買い出しにお袋と俺の奥さん、美咲もついていった。
というよりお袋が美咲を半ば強引に誘ったんだ。

んで親父から

「ありゃおまえの手に負えるモノじゃねえ、ウチの結界をものともせず入りやがった、そこらのヤツなら玄関前で逃げる結界なんだがなぁ」

親父が珍しく驚いているような顔で俺に言ったんだが親父は続けて

「あの霊は美咲に憑いているから浄霊すっからおまえも手伝え」

親父が俺に神道系の手伝いをさせるなんて珍しいと思った、裏を返せばそれだけ厄介なんだろうなと思った。

それからウチはお堂はないので祝詞をあげるときの部屋があってそこで準備していると三人が買い物から帰ってきた。

夕飯の時に俺は美咲に

「最近、調子はどうだい?」

美咲「う〜ん、イマイチかな、何だか最近何やっても体がすぐ疲れちゃってさぁ…なんていうか動くのがめんどくさいってゆーの?」

俺「ふ〜ん、いつくらいから?」

美咲「え? そうね〜…友達と行った旅行後からかな? まだ疲れがとれてないのかもね、もう2ヶ月経つのに」

親父「母さん、線香つけてくれ、あと適当でいいからお供え物、それらを美咲の後ろから少し離して置いてくれ」

お袋は察知して線香、お供え物(リンゴとバナナ)を美咲の座っている後ろから少し離して置いた。

俺の奥さんも霊感は無いけど何があったか気づいたようだ。
美咲は何だか分からないような顔をしてたけど。

すると美咲に憑いていた霊はお供え物の方へ寄っていった。

親父「美咲、体はどうだ?」

美咲「あ、あれ? 何か体が楽になった」

親父「すばる、飯食ったらやるぞ」

んで夕食を終えて親父と俺と美咲で部屋に行き美咲を真ん中の座布団に座らせた。

美咲「な…何? まさか?」

俺「そ、そのまさか…どこで拾ってきたんだか」

美咲「え〜〜〜! マジ!?」

親父「二人ともうるさい!! 静かにしてろ!」

親父の一喝で俺と美咲は黙った。

親父の読経が始まった、すると即座に美咲は糸の切れた操り人形のようにグニャリとうつぶせに倒れた。

尚も親父の読経は続く。

するとかすれた声で

「うぉぉ〜〜…」

親父の読経は続く。

「お前ら殺す」

今度はハッキリとした口調で美咲の口から男の低い声で発した。

尚も親父の読経は続く。

「聞き飽きたんだよ」

完全に美咲の人格は無くなっていた。

美咲の顔なんだが、違和感がある、口はやはりあの霊と同じつり上がるような笑いの口。

それでも冷静な顔で親父は

「すばる、この棒で軽くでいいから美咲の背中を叩け」

親父が俺に渡した棒はただの棒きれにしか見えなかったが言われるまま美咲の背中を叩いた。

「がぼぼっ」

美咲は急に嘔吐して気を失った。

親父は、

「もう大丈夫だ、さて俺は風呂に入ってくるから後片付け頼むぞ」

俺は何だったんだ?
後片付け要員なだけじゃねえのか!?

結局、お袋が片付けてくれたけど。



美咲を布団に寝かせてから俺は親父に呼ばれた。

風呂上がりのビールを飲みながらこう言った。

「ありゃあよ、世間で言う悪霊だな、それもタチ悪いヤツ」

俺「やっぱり、見た目からしてそんな気がしてた、しかし美咲も嘔吐しちまうくらいだからなぁ」

親父「ったく甘いな、ありゃあ吐かせたんだよ。あの霊は生前美咲と知り合いか何かだな、詳しくはわからんが美咲を連れて行こうとしたんだ」

俺「え? 何でだ!? なんかやらかしたのか?」

親父「いや違うな…まああの霊は生前、美咲に呪いをかけていたのは間違いないな」

俺「呪い? 牛の刻参り?」

親父「それも違うな、もっと効率的な方法だな…あの嘔吐物で分かったよ、かなり邪道な方法だ、禁法の類」

俺「禁法? なんだそりゃ?」

親父「跡を継がないヤツには教えんよ、まあ禁じられた方法って言っておく」

俺「あの霊は成仏したん?」

親父「いや、美咲からひっぺがえしただけ、また美咲に憑こうとするだろうな…とりあえず一週間はウチから出ないよう美咲に言っておけ、アイツ(霊)たぶん家の周りをうろついているからよ」



そして次の日に美咲に俺から全部説明した。

美咲には心当たりがあったようだ、今勤務している会社で以前、ストーカーされたそうだ、同じ会社の先輩に。

そして警察沙汰になり男は会社をクビ、その一ヶ月後にアパートの自室で首吊り。
完全な逆恨みなだけ、好きだけど人生を狂わさせた人間と位置づけていたんだろう。

まあ一週間はウチの犬は吠えてばかりだったし家の前にはあの霊が突っ立ってるし最悪。
結局成仏したけど…まあ人間の感情は死しても消えないんだろうな。

あ、久々に美咲がウチに来た理由を美咲に聞いたら「何となく行かなくてはならない気がした」そうで親父に言わせると美咲の守護霊が導いたという。

美咲は今は新しい彼氏が出来て幸せらしい。

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