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Pの『THE つだん部屋』コミュの【545】いないいないババァ

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【コピペ】



長文です。

実際に僕が体験した話です。
地元ではあまりに有名な為、タイトルだけで場所が限定されかねませんが…


数年前の話です。

どの時代、どの場所にあっても、「学校の七不思議」ってありますよね。
僕が通っていた小学校(絵に描いたような田舎の学校でした…)でも、やれ銅像が動くだの、音楽室のベートーベンの肖像画が笑うだの、理科室の…(以下略)、なんていう極々ありきたりな怪談話が当然のように存在していました。

今考えてもどれも取るに足りない、テレビか何かの影響で誰かが言い始めた下らない噂話の類であることは間違い有りません。

そしてそんな「七不思議」うちの一つに「いないいないババァ」というものがありました。
これは数ある(?)「七不思議」の中でも異質を放ち、実際に「見た」「会った」という声が最も多かった話でした。

僕の通っていた小学校というのは、すぐ北側にドブ川のような小川が流れており、その背後に小高い、山とまでは言い切れない丘がありました。…と言っても、鬱蒼と木が生い茂り、夏は蝉の大合唱が酷く鳴り響いているような場所でした。

(恐らく私有地ということもあり)親や先生からは「絶対に入るな」といつも釘を刺されていました。
まぁそんなことは言っても好奇心旺盛な小学生、馬の耳に念仏よろしく、ガンガン入っていっては遊びまくります。

その丘への入口は、よく登山道にあるような木で出来た数十段の階段があり、それを上りきると少し開けた場所に出ます。その正面には小さな鳥居とお社がありました(僕らはよくここで戦隊ごっこをやってました)。
その広場から左右に道が続いていて、左に行くと丘の頂上へ出ます。

で、右にしばらく草を掻き分けながら行くと、ものすごく古い、昔の長屋を一軒だけ切り出したような平屋の建物がありました。
森の中にポツンと建つ、今にも朽ち果てそうなその廃屋は、やはり異様な雰囲気を放っていました。
ここが「いないいないババァ」の舞台です。

その廃屋の中はほとんどモノは残っていないのですが、なぜか仏壇だけはしっかりと一セット残っていました。
夜中の2時くらいに、その仏壇のお鈴を2回鳴らすと、どこからとも無く「いねぇ‥いねぇ‥」というしわがれた声と共に着物を着たおばあさんが現れる、というのが当時広まった噂でした。

僕もその噂に興味深々でしたので、夜中の2時はさすがに無理でしたが、塾帰りに友達数人と何回かチャレンジしました。‥‥が、その時は出てきてくれませんでした。
出てきてもらってもその後対処のしようが無いので困るのですが、その辺まで一切考えが回らないバカな小学生でした。



そんな怪談話もすっかりと忘れていた数年前のお盆休み。
帰省して地元の友人数人と飲んでいたときに、ふとしたことからその話になりました。

誰が話題に上らせたのか、今でも全く記憶に無いのですが、酔った勢いもあり、「行ってみちゃう?」という雰囲気になりました。
この辺は成長していません。

次の日が仕事であった友人もいたために、最終的に行くことになったのは僕の他、AとBの3人でした。


夜中の2時30分くらいに居酒屋を出発し、当時通っていた小学校まで15分くらいの道を、半千鳥足でヨタヨタと向かっていました。

「まぁ出ないだろうな」とは思いつつ、「マジこんな夜中に行ったことねぇし」とか「出てきたらどうすんべ」「そもそもまだあんの?」とか、ワーワーわめきながら歩いていきました。

Bは「おれおばぁちゃん出てきたら、何がいないのか聞いてみんべ!」とまで言っていました。

そうこうしているうちに、件の裏山前までたどり着きました。
月明かりはあったのですが、街灯などは一切無く、昼間の緑生い茂る姿とは一変した、黒がそこにはありました。
意気揚々としていた我ら3人も、さすがにその雰囲気に飲まれかけ、漫画ならば「ゴクリ」と効果音がついてもいいような場面でした。

ここまで来てしまったら引き返せない。誰とも無く階段を上り始めました。
明かりは木々の間から漏れる月明かりと、携帯についているカメラ用のライトのみ。あまりに心細い。

階段を上りきり、何となくお社に手を合わせ、右手の獣道に近い道を進んでいきます。
小学生当時より、明らかに雑草の量が増えており、何度も足をとられそうになりました。

5分ほど道なき道を掻き分けながら進んでいくと‥‥ありました、あの廃屋が。当時の記憶がよみがえってきます。

夜見るのは初めてでは無かったのですが、「あん時のおれ、勇気ありすぎでしょ‥」と心の中で呟かせるほど、その外観はある意味で迫力たっぷりでした。
その場にいた3人とも同じことを考えていたと思います。
「なんか‥‥ヤバイ。」

ここまで来たら帰らないよね?逃げたりしないよね?という逆説的な視線をお互い交わしながら、玄関のほうに回りこみます。
ボロボロの引き戸の玄関は、片方の扉が外れ、残ったもう片方の扉もガラスは全て割れており、枠だけの状態になっていました。
扉半分分ぽっかりと空いた闇の入口は、入ったら2度と抜け出せないような香りプンプンです。

おばぁちゃんへのインタビュー宣言男のBが、勇ましく先陣を切って入っていきます。いや、男らしい。続いて僕が、最後にAが入りました。

入って真正面にはトイレと風呂場らしき部屋があり、仏壇のある部屋は右手の部屋を抜けた奥にあります。
抜き足差し足、何となく音を出したらいけないような気がして、慎重に、携帯ライトを頼りに進んでいきました。

いくら用心しても、腐りかけた廃屋の床は、大人の男3人分の体重を支えきれる力は無く、時々「バキッッ!」「メリッッ!」と、僕達を脅かしてくれます。
そのたびに、背筋に電気と氷を一緒にに放り込まれたように、「ビクッ」とリアクションしていました。

やっとの思いで例の仏間までたどり着き、元々決めてあった鳴らし手=Aが鈴を2回鳴らしました。

実際は手が震えまくって、「チーン、チ、チ、チーン」と4回鳴っていました。

動かず待つ3人。
5分は待とうと決めていたので、誰も何も言わずじっとしていました。



僕「‥‥やっぱなんもいねーよ」
A「つまんね」
B「でもまじこえぇな、ここ」

残念2割、安心8割でそんな会話を切り出し、「帰るか」という雰囲気になった時でした。

A「なんか聞こえね?」
僕・B「‥は?」
A「なんか‥」

「‥」
「‥」

確かに聞こえる‥。この仏間に来る前の部屋の方から、ボソッボソッと声が聞こえてきました。

3人完全硬直。
今にも逃げ出したいのですが、帰るにはもと来た部屋を通り抜ける他ありません。

ジャンケンがはじまりました。
誰が先頭で行くか。死活問題です。
熱戦の末、Bが先頭の座を負け獲りました。

ゆっくりと戻るB。

次第に声がはっきりと聞こえてきます。

「‥ぇ」

「‥ぃ‥ぇ」

もう明らかに「いないいないばばぁ」であること間違いなしでした。

前の部屋に踏み込むB。続いてA。最後に僕。

そこで見たものは、噂通り白い着物を着た白髪の老婆が、こちらに背を向け正座した状態で「いねぇ‥」と呟く姿でした。


「やっと会えたね、おばあちゃん‥‥」
そんな感慨に耽る余裕があるはずも無く、声にならない「ヒィッ」という叫び声を上げ、総毛立つ3人。

不思議なことに、月明かりも全く入らない室内で、「ババァ」だけははっきりと色まで認識できました。光っているわけでは無いのに、かなり不自然でした。



B「おばあちゃん、何がいないのかな?」



飛び抜けた馬鹿が一人いました。
本当にいかれてると、殴りかかりたくなりました。
空気読めよ、一目散にダッシュするとこだろ!!

その言葉で逃げるタイミングを逸し、硬直し続ける3人。

Bのとんでも発言から少し間を置き、ゴギッゴゴギッ、という今まで聞いたことの無い音を発しながら、「ババァ」の胸から上が、カクッカクッこちらの方に回転してきます。

そして完全にこちらを向くと、その顔面は目が真っ黒で、その他のパーツはありえないほどの白さでした。その色の対比が余計不気味に感じました。
なおかつ、胸から上のみこちらを向いているという異形さ。恐怖は頂点に達しました。


次の瞬間。


「去ネえエえェぇえェぇぇえ!!」


この世のものでは無い形相で、声無き声(頭の中に直接響くような感じ?上手く説明できなくてすみません‥)で絶叫したのです。

「去ね(いね)」

そう、「いないいない」だと思われていた彼女のセリフは「去れ」だったのです(あとからそう思いました。)


とりあえずその大音量をきっかけに、僕らの脱出スイッチが完全にONになり、猛ダッシュで逃げ去りました。

「いないいないババァ」もとい「去れ去ればばぁ」は追ってきたりはしませんでした。


その後、特に変わらず日常を過ごしています。
A、B共に、元気でやっています。
Bにはあの後、サイゼリ○で明け方まで説教をしました。

どうやら、元々あの家は借家で、地権者との間にいざこざがあったらしい、ということまでは聞きました。
実際詳しく何があったのかは、すみません分かりませんが、「いないいないババァ」はあの場所に住み着き、守っているのかなと、勝手に解釈しています。

下らない話を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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