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イーグルスファンコミュの無名校出身のドラフト最下位指名投手が手にした1800万円の重み。楽天・西口直人の「下剋上物語」

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野球無名校出身のドラフト最下位指名投手が手にした1800万円の重み。
楽天・西口直人の「下剋上物語」野球

昨シーズン、おもに中継ぎとして33試合に登板し、プロ初勝利を含む5勝と
キャリアハイの数字を残した。
契約更改交渉の場で前年の3倍以上もの年俸1800万円(推定)を提示された
楽天の西口直人は、気持ちを奮い立たせた。

プロ野球選手には夢がある──そう、あらためて認識できたからである。

「自分が想像していたよりすごく多い金額をいただけたんで、
『(2022年は)頑張らないとな』と思いました。入団した時は一番下でしたけど、
野球を引退する時は同級生や同期のメンバーで一番お金を稼ぐことが
自分の目標でもあるんで。
ここから活躍して、どんどん年俸を上げたいっていうところも、
モチベーションのひとつではあります」


ぴかぴか(新しい)無名校出身のドラフト最下位ぴかぴか(新しい)

西口と同じ1996〜97年生まれの学年は、アマチュア時代から名を馳せ、
プロでも着実に実績を重ねる選手が多い「豊作の世代」だ。

高校時代、現在チームメイトの安樂智大が済美の2年生エースとしてセンバツ準優勝の
原動力となり、夏は前橋育英の高橋光成(西武)が2年生ながら優勝投手となった。
ほかにも、栗原陵矢(ソフトバンク)、岡本和真(巨人)ら猛者たちが甲子園で
躍動する姿を、「すごいな」と羨望の眼差しで見ていた。

まるで別次元の住人のように彼らを見てしまうのも無理はない。
なにしろ、西口は山本高校(大阪)という無名の公立校出身であり、
3年生の夏は初戦でコールド負けと結果も出していなかった。

高校を卒業後は、建山義紀(元日本ハムほか)や藤本敦士(元阪神ほか)を輩出した
甲賀健康医療専門学校(現・ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校)で、
野球を基礎から学び直したことでパフォーマンスが向上。
プロのスカウトの目に留まるようになり、
2016年のドラフトで楽天から指名されたが、
12球団の支配下選手で最下位の10位だった。
ここがいわば、プロでの西口の原点である。
「一番下だったんで、あとはもう『それ以上は落ちることはない』って
常に上を見ながらやっています。
高校時代とかは、まさか安樂と一緒のチームで野球をやるなんて思っても
いなかったんですけど、今は『負けたくない』って気持ちはあります」

ぴかぴか(新しい)何気ない会話から生まれた必殺球ぴかぴか(新しい)
 
10位とはいえ、西口は入団当初からポテンシャルを評価されたピッチャーだった。

1年目のシーズン開幕早々に一軍の練習に呼ばれ、2年目にはプロ初登板初先発も
果たしている。昨年もファーム日本選手権で先発を任されチームの期待値も
高かったが、一軍での経験が2年目の1試合のみだったのは、
故障などの不運も重なったからだった。

そして、昨シーズン。開幕から中継ぎとして、ショート、ロング問わずマウンドで
右腕を振り、能力の高さを示した一方で、西口は一軍の「壁」を感じていた。

持ち味の150キロのストレートで空振りがとれない。
2年目の2018年に当時オリックスの金子千尋から教わった、ウイニングショットの
チェンジアップでも簡単に打ちとることができなかった。前半戦13試合で防御率5.54。
数字がその苦悩を物語っていた。
手詰まりからの脱却。それは、ブルペンでの何気ない会話がきっかけだったという。
7月24日。この日、楽天はホームの楽天生命パーク宮城で、東京五輪を間近に控えた
侍ジャパンと強化試合を行なっていた。
マウンドで侍ジャパンの4番手・千賀滉大が投げていた。
ブルペンで待機中だった西口は、ソフトバンクのエースが投じる"お化けフォーク"に
対する疑問を、隣にいた福井優也に純粋にぶつけていた。

「千賀さんのフォークって、どうやってあんなに落としてるんですかね?」

「おまえ、どんな感じで投げてんの?」

福井に聞かれた西口は、身振り手振りで自分の投げ方を説明する。

イメージとしては、手首を立てながら、人差し指と中指で挟んだボールを
押し込むようにリリースする──「それだと、全然落ちないんですよ」と
西口がかぶりを振ると、福井に「だろうな」と言わんばかりに返された。

「それだと、手首が負けちゃうだろ」

2本の指のみでボールを支えているにもかかわらず手首を立てたままだと、
リリースの負荷に耐えられないというわけだ。
そこで西口が福井から教わったのが、「パンチするように手首を真横から出す」だった。

今までなかった感覚だったと、西口は言う。

「前半戦は『決め球不足』ってところで悩んでいた部分があって。
福井さんから教わったイメージで投げたら、フォークボールがストンと
落ちるようになりました」

収穫はそれだけではない。フォークと同じようにリリースすることによって、
ストレートもボールにより回転を加えられ、抜け球も格段に減った。
「空振りがとれない」と苦闘していた前半戦が嘘だったように、
バッターを仕留められるようになった。

ぴかぴか(新しい)目標は100イニング登板ぴかぴか(新しい)
 
成果はすぐに出た。侍ジャパンとの強化試合後のエキシビションで3試合に投げ、
3回を6奪三振、パーフェクトに抑えた。「自信が持てた」と、西口に新たな力が宿る。

「あのあたりからコツのようなものを掴めました。
ストレートの球質が一番の武器だと思っているなかで、後半戦はそこで空振りや
ファウルを多くとれるようになって、『一軍でも渡りあっていけるんじゃないか』って」

後半戦は前半戦を上回る20試合、31回2/3を投げ自責点はわずか5。
防御率1.42と抜群の安定感でブルペンを支えた。
何気ない会話、些細な変化が、西口を楽天に欠かせないピッチャーへと
豹変させたのである。

その西口が今シーズン、先発に挑戦する。
そのための準備を、自主トレから着々と進められていた。
大きなところではスライダーの習得だ。

昨年、革新の代名詞となったフォークも完全無欠の変化球ではなかった。
左バッターの被打率が1割7分9厘と押さえ込めたのに対し、
右バッターは2割6分5厘だった一因に、フォークを見極められたこともあった。
ピッチングの幅を広げるために着手したのがスライダーであり、
その有用性を勧めてくれたのが自主トレ相手の中日・柳裕也だった。

「別に空振りをとれなくても、バッターに意識させられるだけでも意味がある」

昨シーズン、セ・リーグの最優秀防御率と奪三振王の二冠を手にした
中日のエースが説く投球術により、西口の思考が明るくなる。

「ピュッて曲げなくてもいいんだって。キレがなくても大きく変化させられれば、
右の外国人選手とかだったらゾーンが広いんで手を出してくれたり。
そのスライダーを見せることによって、高めの真っすぐで詰まらせることとかも
できると思うんで。柳さんと話をして、そういうイメージができました」

金子からチェンジアップを学び、福井からはフォークのヒントを授かり、
柳からはスライダーの活用法を伝授された。
熟練のピッチャーから手ほどきを受けることで、西口は日々、
アップデートを繰り返している。

先発に転向した今シーズン、目標に掲げるのは「100イニング以上」。
ブレイクを期待された6年目の25歳はしかし、「まだまだ」と謙遜するように、
今の立ち位置を自覚する。

「先発として結果を残して、また期待してもらえるようなピッチングができたら、
少しは『ブレイクしたんかな?』って思えるんじゃないですかね」

100イニングへの旅。1イニング、1イニング、先発として歩みを刻めば、
勝ち星にも恵まれるだろう。そうすれば、入団直後に抱いた野望である
2ケタ勝利だって不可能ではない。

下剋上は始まったばかり。王道を歩んできたタレントたちに負けじと、
西口直人はマウンドで能力を解放する。

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