イーグルスファンコミュの涌井秀章手記…５０歳まで現役、２００勝目指す　ここまで来たら、行けるところまで行ってやる

まー君日本復帰後初打席でヒット　ヤンキース時代の14年以来７年ぶり

＜日本生命セ・パ交流戦：広島−楽天＞◇5日◇マツダスタジアム

田中将大投手が日本復帰後初打席に立ち、自身7年ぶりの安打を放った。

1点を追う3回の先頭打者として広島森下と対戦。
1ストライクからの外角137キロカットボールをはじき返し、投手の下を抜いた。
中堅へ抜けそうな当たりを二塁手菊池涼が追いつき、ジャンピングスロー。
ノーバウンドの送球も、田中将の全力疾走が勝り、二塁内野安打となった。

日本での打席は13年6月9日、交流戦巨人戦以来8年ぶり。
安打はヤンキース時代の14年以来7年ぶりとなった。

試合前時点での打撃成績は、日本通算37打数3安打、4打点、打率8分1厘。
米メジャーでは27打数1安打、1四球、打率4厘と、通算では64打数4安打、
打率6厘となっている。


涌井秀章手記…５０歳まで現役、２００勝目指す　ここまで来たら、
行けるところまで行ってやる


◆日本生命セ・パ交流戦　広島５―１２楽天（４日・マツダスタジアム）

楽天・涌井秀章投手がプロ野球史上４９人目となる通算１５０勝を達成した。
広島戦で６回１０安打５失点の粘投。打線の援護も受け、
リーグトップタイの今季６勝目をマーク。交流戦通算２５勝はソフトバンク・和田、
ヤクルト・石川と並び歴代２位タイとなった。
１７年目のベテランはスポーツ報知に独占手記を寄せ、
妻でモデルの押切もえら家族への感謝やライバルで
親友のダルビッシュ（パドレス）への思いをつづった。

チームに勝ちをつけられたことがうれしい。プロ１７年目。
通算４４８登板で１５０勝１３５敗。最初の頃の勢いを考えると、
ちょっと遅いなとは思うけど、ここまで勝つことを目標にはしていなかった。
負けの数は多いけれど、それだけ試合の勝敗を背負わせてもらっていたんだなとも
言える。

プロ入りした頃のパ・リーグには和巳さん（斉藤＝ソフトバンク）と
松坂さん（大輔＝西武）が活躍していた。自分が入った０５年に西口さん
（文也＝現西武投手コーチ）が１７勝していて、
何であんなに簡単に勝てるんだろうなと不思議だった。
「いつか、ああいう人たちみたいになれればいいな」ぐらいには思っていたけど、
少しは近づけたのかな。

昨年、楽天に移籍して最多勝（１１勝）を取れた。
カズさん（石井一久監督、当時ＧＭ）のオレを見る目がすごかったということ。
獲ってもらったからには活躍しないといけないというプレッシャーはあった。
だからタイトルが取れて期待に応えられた感じがしてうれしかった。
ベテランの域に入ったけど、もう一度チーム内に競争相手ができたのがよかった。
岸君、則本昂、田中将もライバルだし、いい刺激を得られているのは間違いない。

高校時代から比較されてきたダルビッシュの存在も欠かせなかった。
２年目からシーズン中もよく食事に行った。
ダルは変化球が豊富で器用さやスピードがある。
向こうは俺の体の強さをうらやましいと思っているんじゃないかな。
１７年のオフに海外ＦＡ権を行使した。その年の秋にワールドシリーズを観戦して、
メジャーに行きたい気持ちも芽生えた。当時は環境を変えたかったというのもあるし、
ダルと投げ合いたいと思ってる自分がいた。
結局、自分は日本に残ったので再戦はかなわなかった。
これからも互いに高め合える、いいライバル関係でいたい。

家族の支えも大きかった。１６年に奥さん（もえ夫人）と結婚してからは
食事の苦労もなくなった。メニューのリクエストが携帯に送られてきて
「これと、これが食べたい」って返信したら、全く違うメニューが出てきたり。
しっかりしてそうに見えて天然なところもあって、本気で笑わせてくれる。
そういうところにも感謝しています。

５０歳まで現役をやりたいと本気で思っている。
本当は走ることが大嫌いでゲームをしてる方がいい。だけど先を見据えて走ってる。
走りたくないなと思ったらもう辞め時かな。稲葉さん（篤紀＝侍ジャパン監督）と
１３年のＷＢＣの時に話した時のことが頭に残っている。
ちょうど稲葉さんが外野から一塁に転向したあたりだった。
「年を重ねて変化を感じますか？」って聞いたら「走れなくなっちゃうよな」って。
やっぱり体力が落ちるんだなって。自分も走れなくなったら終わりだと思う。
まだまだ辞めるつもりはないけど（笑い）。

周りからは「次は２００勝ですね」とか言われるけど、現実的な数字を考えたら
全然実感がわかない。１００勝目から５０勝積み上げるのに５年かかった。
なおかつ年齢的なところを考えると、何年かかるかわからないのが正直なところ。
時代も変わって年齢が高い人からクビにされていく世界。
今後は１５０勝が昔の２００勝くらいの価値になるのかな。
いずれにせよ、可能性がある限り目指したい場所ができた。
ここまで来たら、行けるところまで行ってやる。