イーグルスファンコミュの投打とも戦力整わず／（上）指揮官の苦悩／イヌワシ失墜　日本一から最下位

投打とも戦力整わず／（上）指揮官の苦悩／イヌワシ失墜　日本一から最下位

＜田中将の穴大きく＞

　「連覇はそう簡単ではない。昨年は運があっただけ」。３月３０日の西武ドームの東北楽天ベンチは沸き立っていた。西武との開幕カードに３連勝し、リーグ連覇へ、この上ないスタートを切った。

ただ、星野監督だけは表情を崩さなかった。

監督歴１７年の指揮官が慎重だったのは訳がある。米大リーグに移籍した田中の穴をどう埋めるか固まっていないからだ。開幕２４連勝を果たしたスーパーエースの代わりは誰も務まらない。

「投手陣全員でカバーするしかない」。そう強調したが、その後すぐに、厳しい現実を突き付けられる。


　２カード目のオリックス戦は３連敗。オープン戦で結果を残した新人松井裕、２年目の森を先発に抜てきしたが、１軍の厚い壁にはね返された。「情けないけど、１８、１９歳を使うしかない」。

シーズン序盤から未知数の若手を先発ローテーションに組み込まざるを得ない現状を嘆いた。

さらに、美馬、塩見、辛島も思うように勝ち星を伸ばせなかった。


最終的に２桁勝利を挙げたのは則本だけだった。


　新外国人選手の不振も痛かった。田中の穴を埋めるために獲得したブラックリーは、春季キャンプから調子が上がらず、わずか３試合の登板に終わった。マギーに代わる打線の軸として期待されたユーキリスも４月下旬、左かかと痛を訴えて出場選手登録を抹消され、早々と米国に帰国した。


　「このチームは１軍レベルの選手層が薄い。外国人選手が外れたら厳しい」。

星野監督のチームづくりの根幹が揺らぎ、チームは低迷。交流戦前には借金は７に増えた。




＜監督休養　動揺走る＞

　指揮官の苦悩が日に日に深まる中、アクシデントが襲う。５月２６日のヤクルト戦前、星野監督は持病の腰痛を悪化させ休養に入った。「いつも通りに戦うだけ」。選手らは口をそろえたが、動揺は明らかだった。投打に精彩を欠く試合が続き、借金は膨らむ一方だった。

　フロントも混乱する。ヘッドコーチ格の佐藤投手コーチを監督代行に据えたが２３試合で指揮を執った後に大久保２軍監督に交代。

だが、それも付け焼き刃に過ぎなかった。大将不在で迷走するチームを、リハビリ中の指揮官は「申し訳ない」という思いで見守るしかなかった。


７月２５日に星野監督が復帰した。落ち着きを取り戻したチームは、９月に月間１７勝８敗と快進撃を見せたが、最大２３の借金を返すのには時間が足りなかった。




チーム低迷の要因／投打とも若手台頭せず／主砲の一ゲキ・山崎武司

最下位という成績は正直言うと意外です。春季キャンプ、オープン戦の試合運びを考えると、Ｂクラスに入るチームではないと思っていました。開幕前の予想では２位に挙げていたくらいです。


今季を振り返ると、僅差の試合を落としていたように感じます。どっちに転がるか分からない試合をものにしていくと、チームに勢いが付きます。

昨季がまさにそうでした。しかし、今季は競り負けることが多く、そこから歯車が狂いました。


チームに「やばいんじゃないか」「昨年と違う」というネガティブな思い込みが生まれ、どんどん悪い方向に流れていきました。

星野監督が現場に復帰してチームが落ち着いてきた９月の戦いぶりを見たら、１７勝８敗と大きく勝ち越しており、気持ちの部分がいかに大事なのかが分かります。


若手の伸び悩みも低迷の一因です。投手陣では田中将というスーパーエースが抜けた穴を埋めるために、若い力の台頭は欠かせません。

オープン戦で結果を出していた塩見や辛島、森、新人の松井裕に期待していましたが、なかなか思うような投球ができませんでした。

野手陣も同じです。岡島、西田はレギュラーの座をつかんだものの、２人の能力を考えると現状の成績に合格点はあげられません。

投打ともに若手の突き上げがなく、結果的にチームの底上げにつながりませんでした。


最大の誤算は何と言っても星野監督の離脱です。監督はチームの色を出す存在。試合は選手がやるものですが、采配は監督の仕事です。

昨年は「星野カラー」を出してリーグ優勝、日本一を果たしました。

その色を出す人がいなくては、チームは機能しません。選手のモチベーションも変わってきます。

監督代行では一枚岩になれないでしょう。星野監督も退任会見で「自分が許せなかった」と言っていましたが、その通りだと思います。

来季、浮上するチャンスは十分あります。まずは選手が新監督の色にしっかり順応しなければいけません。そのためには昨年のリーグ優勝、日本一は忘れ、今季の悔しさを持ってシーズンに向かう必要があります。

プライドを持つことはいいですが、Ｂクラスであったことを自覚し再挑戦しなければ同じ失敗を繰り返します。


これから秋季練習が始まります。若手は個々の能力を高めることはもちろん、自分がどういう役割を求められているかを考えながら練習してもらいたいです。漠然と練習せず、１軍でやるために必要なことを重点的に取り組むことが大切です。


チームは今、球団創設の時とは違ってＡクラスになる力があります。

ＯＢとして今季成績は本当に悔しい。巻き返しを期待します。


楽天　倉敷で秋季キャンプ

http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/4641.html

http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/4637.html


楽天は１０日、岡山・倉敷市のマスカットスタジアムで秋季キャンプを行うと発表した。

期間は１１月２日から１９日まで。また１４日から３１日まで本拠地コボスタ宮城で秋季練習を行う。

それぞれの参加選手など詳細は決定次第、発表される。




立花球団社長　次期監督は「複数人と話している」


楽天の立花陽三球団社長は１０日、仙台市の球団事務所で報道陣に対応し、

次期監督について「決まる時は一瞬だと思う。リストアップはしている。

複数人とお話しさせていただいている」と話した。

三木谷浩史オーナーとは「今週末のどこかで話はしようと思っている」と述べた。

１４日から秋季練習が始まるが、立花社長は「今はその日というのはない」と話し、１４日にこだわっていないことを示唆。

監督不在の練習となることには「今のコーチ陣を中心にやってもらうことになる」との考えを示した。







古川、中止残念　室内投げ込み104球


　宮崎で行われているフェニックスリーグで、古川は登板が流れたことを悔しがった。９日の韓国・ＬＧ戦は雨天のため中止。佐賀から母親ら親族が駆けつけたが、天気にはかなわなかった。

「いいところを見せたかったんですけど。しょうがないです。切り替えていきます」と室内ブルペンで１０４球投げ込んだ。

この教育リーグでは制球力が課題だ。９月１４、１５日の西武との１軍戦で中継ぎで連投。

合計２イニングを投げて３四球を与えた。「ストライクゾーンで勝負できないと」と足りない部分を痛感した。

酒井２軍チーフ投手コーチは「球の強さは十分。それを伸ばしたいのもあるが、制球に課題を設けてみる」としばらくはストライク先行の投球が目標だ。

台風の影響もあり次回登板は不確定だが、古川は「早く投げたい。試合になれば得られるものも違う」と意気込んだ。




楽天　日本人最長身１メートル94の社会人内野手指名へ

楽天が今秋ドラフトの「東北枠」として、日本製紙石巻の伊東亮大内野手（２５）をリストアップしていることが９日、分かった。伊東は身長１メートル９４の体格を生かした力強い打撃が最大の魅力の左打者。

近年、日本人選手の長打力が欠けているチームの補強ポイントに合致し、球団関係者は「東北にゆかりのある選手も多くリストアップしている。（伊東も）リストにある」と明かした。

プロ野球の長い歴史でも日本人野手の最長身はオリックス、ヤクルトで活躍し、愛称「デカ」だった高橋智で１メートル９４。

伊東のプロ入りが実現すれば、高橋智に肩を並べ、現役選手として球界最長身の野手となる可能性が高い。伊東は、今年３月のＪＡＢＡ東京スポニチ大会は準優勝に終わったが、予選リーグから合わせて５試合で３本塁打。神奈川県生まれで、ドラフト１位の松井裕と同じ桐光学園出身でもある。

楽天は今季、球団初の日本一から最下位に転落。１２球団最少の７８本塁打に終わり、日本人の長距離砲育成は数年前からのテーマである。

伊東に寄せる期待は大きく、チームには２メートル１６で球界最長身のファンミル（来季も契約延長の方針）も在籍しており、「共演」となれば話題性も十分だ。



楽天　来季も「イースタン公式戦」東北開催地を募集

http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/4630.html

楽天は１０日、今季に引き続いて来季も「イースタン・リーグ公式戦」の東北開催地を募集すると発表した。

今季は東北６県で９試合を開催し合計２０７７４人を動員。

うち開催地募集の一般応募により秋田県横手市のグリーンスタジアムよこて、山形県新庄市の新庄市民球場など４球場で試合を開催し、好評を博した。

　問い合わせは同球団地域興行グループ（TEL：050-5817-8113）まで。