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幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜コミュの#34「黒幕の正体(序章)」

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――人間界 幽助と蔵馬と黄泉は、幽助の家に向かって歩いていた。



蔵馬「そういえば黄泉、肝心の桑原君達をどこに飛ばしたのかを聞いていなかったがどこに飛ばしたんだ?」



幽助「ああ、俺も気になっていた。まだ聞いてなかったよな。比羅の野郎も気にしていたし」



二人は、黄泉の顔を見た。



黄泉は、ニャッと笑い答える。



黄泉「魔界だ」



幽助・蔵馬「魔界!?」



幽助と蔵馬は、同時に驚きの声を上げた。



黄泉「ああ、魔界だ。俺の空間転移の術でな」



幽助「しかし黄泉、何で魔界なんかに飛ばしたんだ?雪菜は、妖怪だから大丈夫だろうが桑原は、いくら強いっていっても人間だぜ。妖怪の餌の標的にならないか?」



蔵馬「それは、大丈夫だろう。魔界は、煙鬼の法案によりパトロールをして魔界に迷い込んだ人間を保護して人間界に送り返すことになっているから桑原君もおそらく彼らに保護されるはずだ」



幽助「そういえば、そうだったな。じゃああいつも今頃パトロールで保護されているのかもしれないのか?」



蔵馬「おそらくね。黄泉もそれを見通して彼らを魔界に飛ばしたのだろう?」



(ニャ)
黄泉「フッそうだ。下手に人間界の別の場所に飛ばしたとしても僅かな間の時間稼ぎにしかならんからな。思いきって魔界に飛ばした」



蔵馬「魔界には、飛影に雷禅の昔の仲間をはじめ、躯達もいる。確かに人間界の違う場所に逃がすより一度保護してもらい彼らに事情を話せばきっと桑原君の力になるだろう」



黄泉「魔界には、俺と同等かもしくは、それを以上の者がいるからな。比羅も簡単に手だし出来ないだろう」



幽助「しかし黄泉は、前大会で闘ってみてわかったが色々な術が使えるよな」



黄泉「フッ目が見えなくなってから生きる為に色々な術を使えるように修行したからな」



(ニッ)
幽助「大会でおめぇと闘うのが楽しみだぜ」



黄泉「フッ」



蔵馬「幽助、しかし、桑原君の事を奴らは、どこで知ったのだろう?」



幽助「そういえば、比羅の野郎は、言っていたな。俺達と面識のある奴が桑原や俺達の事を教えたっていっていやがったぜ」



蔵馬「なるほどな。桑原君や俺達の能力を知る者か・・一体何者がこの一連の出来事に暗躍しているんだ・・」



ストッ



幽助「俺の家に着いたぜ。コエンマが何か奴らについて情報を知っていればいいけどな」



蔵馬「ああ、彼のことだ、必ず俺達の大きな力になってくれるさ」



ガチャッ



パチッ



電気を付けて幽助の家に入る三人。



黄泉「これが人間界の人が住む所なのか・・思ったより狭いな」



幽助「へっ狭くて悪かったな。俺一人の生活だからよ。こんなもんだ」



幽助は、現在は、実家を出て実家から離れていない古いアパートで一人暮らしを始めていた。



蔵馬「幽助、早速で悪いがすぐに霊界と通信してみよう」



幽助「ちょっと待ってくれよ。すぐに探すからよ」



ゴソゴソ



幽助は、散らかった荷物の山から霊界と通信するモニターを探している。



蔵馬は、幽助が探している間、黄泉の比羅から受けた傷の手当をしていた。



蔵馬「黄泉、魔界に戻ったらどうするんだ?」



黄泉「修羅が心配しているだろうからまずは、修羅と合流するよ」



蔵馬「この間会った時思ったが修羅もかなり強くなっているようだな。これからの成長が楽しみだろう?」



黄泉「フッまあな。修羅には、俺より強くなってもらわないといけないからな」



蔵馬「今度の大会で修羅もさらに大きく成長してくれることだろう」



(ニャ)
黄泉「フッそうなってくれるといいがな」



ガサガサ



幽助「おっ、あったぜ!」



ゴトッ



幽助は、机の上に通信用のモニターを置いた。



黄泉「浦飯、これが霊界と通信出来るモニターか」



幽助「ああっ、待ってろ、今から霊界に繋ぐぜ」



パチッ



幽助は、モニターのスイッチを入れた。



蔵馬と黄泉は、幽助の後ろでモニターを見つめている。



パッ



暫くしてモニターに一人の薄い水色の髪に着物姿をした女性が映った。



幽助「よう!久しぶりだな、ぼたん」



ぼたん「急に通信があったから誰かと思ったら幽助じゃないか!久しぶりだね」


幽助「最近ぼたんとは、会っていなかったからな。おめぇも変わらず元気そうだな」



(ニコッ)
ぼたん「元気があたしの取り柄だからね。でも幽助から霊界に通信してくるなんてめずらしいね、なんか用かい?」



幽助「ああ、ちょっとな。コエンマは、いるか?」



ぼたん「コエンマ様??もちろんいるけど替わる?」



(ニッ)
幽助「コエンマがいて良かったぜ!ぼたん、悪いけどコエンマをすぐに出してくれねぇか?」



ぼたん「わかった。幽助、ちょっと待っててね」



幽助「おう、悪いな」



チラッ



幽助は、後ろからモニターを見ていた蔵馬と黄泉の方を見る。



蔵馬「コエンマがいるみたいで良かった」



黄泉「霊界の現在の実質上のTOPか・・どのような者か楽しみだ」



暫くしてモニターに小さい子供の姿に小さい閻魔大王の服を着て口には、おしゃぶりをくわえたコエンマが姿を現した。



コエンマ「久しぶりじゃな幽助?わしは、これでも忙しいのだぞ」



幽助「忙しい時に悪いな、コエンマ。今日は、おめぇに聞きたいことがあるんだ」



コエンマ「聞きたいことじゃと?」



黄泉(こんな小さい子供が霊界のTOPだと!?)



黄泉は、目が見えない為コエンマの姿を見ることが出来ないがコエンマの口から発っする子供の声を聴いて衝撃を受けていた。



蔵馬(あっ、黄泉が固まってる)



幽助「実はよ・・・」



幽助は、コエンマに話しを始めた。



――黄泉と幽助との闘いを終えた比羅とその仲間の駁は・・ ・



コツコツコツ



巨大な宮殿の中を歩いていた。



駁「比羅、先程いっていたお前の憶測では、本当に桑原の行方は、魔界だというのか?」



比羅「ああ、考えられるとしたら魔界が一番可能性が高いな。黄泉という男は、計算高く戦略化としても優秀な男。私達が手を出しやすい人間界や霊界に飛ばすことは、考えにくい」



駁「だが本当に魔界なら少しやっかいだぞ。あの黄泉をはじめ強力な妖怪が沢山いる。奴らに邪魔をされたら桑原捕獲は、一筋縄では、いかないぞ」



比羅「私は、王に許可を得て同士達を総動員して戦力を結集してから魔界に出向くつもりだ」



駁「なるほどな、黎明が倒されたから総動員すれば俺とお前を加えて11人か」



比羅「黎明を倒し私のフィールドを破壊出来る者たちだからな、私達に油断や慢心は、もうない。全力で叩くのみだ」



駁「俺達の戦力を集めたら魔界の奴らと同等以上になるだろうからな」



比羅「王は、どういって下さるだろうか、私は、まずは、今回の桑原捕獲の失敗と黎明を失ってしまったことを王に詫びねばなるまい」



駁「そうだな、しかし桑原捕獲にいった人間界に 魔界最強の妖怪の一人黄泉が来ていたのは、予想外だったな」



比羅「ああ。黎明を倒した妖狐・蔵馬にそして浦飯。奴らの力も黄泉に近い妖気を持ちかなり強力だった。あの男から聞いていた情報以上の妖気だ」



駁「あの男が奴らと接触していた時から奴らは、大きく成長していたということだろうな 」



ストッ



比羅「そうなるな。駁、話しは、これまでだ。王の間だ」



コクッ



駁は、小さく頷いた。



比羅と駁の目の前に扉がある。その入口に長い黒髪に女性的な顔立ちをし白い道着を着た男が立っていた。



比羅「袂(たもと)王にお会いしたい」



袂「その様子だと例の者の捕獲に失敗したようですね」



比羅「ああ、残念だがな。王にお会いして戦力を総動員する許可を得たい。お前にも後で詳しく事情を話す」



袂「わかりました。フフッ戦力を総動員するってことは、私にも闘いの場がありそうですね。楽しみです」



(ニャ)
比羅「私達の中でも一番冷酷な性格を持つお前の力を期待しているぞ」



袂「フフッお任せください。それでは、扉を開けますよ」



袂「王、比羅と駁が入ります」



ギギー



袂の手により王の間の扉が開かれる。 扉が開かれた先には、玉座がありそこに腰をかけている男がいた。



ペコッ



王に向かって一礼をする比羅と駁。



コツコツコツ



スッ



比羅と駁は、片膝を床につきしゃがんだ。



比羅「王、比羅と駁、只今戻りました」



王「よく戻ってきた。その様子だと例の者の捕獲は、首尾よくいかなかったようだな」



比羅「はっ、申し訳ありません」



王の姿は、髪の毛は、短く全身には、厚い鎧を纏い眼光は、鋭く強烈な威圧感を放っていた。



王「比羅、我が国で最強の力を持つお前がたがが人間を相手にしくじるとは、思えないが何か邪魔でも入ったのか?」



比羅「はっ、実は・・・」



比羅は、桑原の捕獲の邪魔をした黄泉や幽助のことそして黄泉により何処かへ飛ばされた桑原の事そして蔵馬に倒された黎明の死を王に伝えた。



王「黎明が死んだか・・・惜しい男を失ったな。比羅達を追って人間界に行かせて欲しいと私に言ってきた時に私が許可を出さなければあやつは、死なせずにすんだかも知れぬな・・・」



王は、目を瞑り黎明の死を惜しんだ。



比羅「この度、私が戻って来たのは、王に戦力の総動員の許可を得たいと思いこちらに戻ってまいった所存であります」



王「戦力の総動員か、戦力を結集してどうするつもりだ」



比羅「おそらく黄泉により桑原の飛ばされた先は、魔界。魔界には、黄泉と同じ三大妖怪の一人躯や現在の魔界の王・煙鬼をはじめその仲間達などかなり強力な妖怪達が揃っています。彼らの保護を桑原がもし受ければ捕獲は、難しくなります。奴らと闘う為にも戦力を結集したいのです」



王「我らの目的の成就には、桑原は、どうしても必要だ。魔界と事を構えるなら戦力の結集をしなければなるまいな、わかった、許可しよう」




比羅「はっ、ありがとうございます。早速、駁と同士を集めて魔界に向かいます」



王「うむ。比羅、頼んだぞ」


比羅「はっ」



ムクッ



ペコッ



比羅と駁は、立ち上がり王に一礼をした。



「お待ちください」




ブォーン



その時、王の隣に緑色の長い髪に顔の左側に剣で斬られたような縦の傷を持つ一人の男が姿を現した。



駁「お前は!」



比羅「樹(いつき)」



(ニャ)
樹「俺に考えがあります」



比羅達の目の前に現れた男・樹は、かって仙水に最後まで付き従い魔界の扉を巡る闘いで幽助達と闘い、仙水の死後、その魂と肉体と一緒に姿を消して静かに時を過ごしていたあの樹であった。



続く

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