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幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜コミュの#11「蔵馬vs黎明(序章)」

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――河原崎の建設現場建物内




蔵馬は、黎明と戦闘体制に入っている。



蔵馬「お前が何者か知らないが許すわけにはいかない」



黎明「かかってこないのか?」



蔵馬「言われるまでもないさ」


(まずは、様子見にあいつの動きを探ってみるか)



蔵馬は、素早い動きで踏みだすと黎明に向かって飛んだ。




蔵馬「薔薇棘鞭刃!!」




妖気を通した棘の鞭を黎明に向かって放つ。



ビューーン!!




黎明は、微動だにせず蔵馬を見つめている。




蔵馬(・・よけないのか)



黎明は、右腕で鞭を受け右腕には、薔薇の鞭が巻き付いた。




黎明「フッ」




蔵馬は、鞭を黎明の腕に巻き付けたままその勢いで黎明の背後に飛んだ。




黎明「植物の武器化能力か」




蔵馬「捕まえたぞ」




黎明「こんなおもちゃで何が出来る」




黎明は、左手の人差し指で右腕に巻き付いた鞭に軽く触れた。




ピシッ!




右腕に巻き付いた鞭は、先端から徐々に粉々になりはじめた。




蔵馬(何!?)




鞭の崩壊は、止まらず蔵馬の握っている先に向かって徐々に粉々になっていく。




蔵馬(・・・!!)




蔵馬は、握っていた鞭を手放すと鞭は、全て粉々に砕け散った。





蔵馬(触れるだけで俺の妖気を込めた鞭をここまで粉々にするとは)




黎明は、不気味な笑みを浮かべた。




黎明「妖狐よ、私から一つ忠告しておいてやる。その姿のままでいいのか?」




蔵馬「余計なお世話だ!」




蔵馬は、黎明に向かって走りながら右手で身体から薔薇の花を取り出し再び妖気を込めて鞭化した。




蔵馬「ハァァ!!!」




薔薇棘鞭刃による凄まじい連続攻撃。




ビューーン!ビューーン!



黎明は、蔵馬の息もつかせる暇を与えないほどの凄まじい連続攻撃を髪一重でかわし続ける。




チッ




鞭が黎明の頬をかすめる。裂けた頬から青い血が流れる。




黎明は、頬から流れる血を舌をだして舐めると床に落ちていた、コンクリートの破片を手に取ると気を込めだした。




黎明「お前に面白いものを見せてやる」




ズズズズ・・・




コンクリートの破片は、徐々に形状を変えて鋭い剣の形に変貌した。




蔵馬「物体武器化能力!?」




黎明「お前と似たような力さ」



黎明は、そういい放つと高速のスピードで蔵馬に近づき剣を突き出す。





蔵馬(早い!!)





ザクッ!!



黎明の剣が蔵馬の右肩に突き刺さる。




蔵馬「ぐぅっ!」




黎明「心臓を狙ったがさすがにかわしたか」




黎明の剣に貫かれた肩から血が溢れでている。




黎明「妖狐よ、もう一度言うぞ。その姿のままでいいのか?」




蔵馬「さっきも言ったが余計なお世話だ」




蔵馬は、自分を貫いている剣を握る黎明の腕を掴むと妖気を高めた。




黎明「!?」




蔵馬は、不敵な笑みを浮かべる。




蔵馬「風華円舞陣」




研ぎすまされた花びらが黎明の全身を切り裂く。




黎明「ぬぅっ」




バッ!




黎明は、全身に切傷をおいながらも蔵馬の腕を振り払い円舞陣からの脱出を試みた。




蔵馬「逃がさないぞ」 蔵馬は、すかさず薔薇棘鞭刃で黎明の身体をまきつけ捕らえる。




蔵馬「ハァァァ!!!」




ギュゥゥ!!!




鞭に妖気を込めて黎明の身体を締め付ける。




黎明「ぐぅぅっ」




黎明を締め付けた箇所から青い血がしたたり落ちる。





蔵馬「俺を甘くみない方がいい」





黎明「中々やるな、私は、お前の力を過少評価し過ぎていたよ」




黎明は、笑みを浮かべると全身に力を込めはじめた。





ズバァ!!




黎明を巻き付けていた鞭は、砕け散った。





蔵馬は、砕けた鞭を見た。





蔵馬「一筋縄でいく相手では、ないようだな」




蔵馬は、肩に突き刺さった剣を左手で掴む 。




蔵馬「うぅっ!」




ズボッ




蔵馬は、右肩を貫いていた剣を抜き横に投げ捨てた。




(ニャ)
黎明「甘くみていたとは、いえさすが妖狐・蔵馬。私に手傷を負わすとはな。お前との闘いは、楽しめそうだ」




蔵馬は、肩の傷を押さえながら黎明に問いかける。




蔵馬「お前は、桑原君たちを監視していた者の仲間だろう?」




黎明「何故そう思う?」




蔵馬「あの時喫茶店で察知した気配から異質な力を感じたがお前の放つ妖気でも霊気でもない力がそれによく似ているからな」




黎明「フッ、知りたければ私を倒すことだ」




蔵馬は、横目で寝かせている作業員を見た。




蔵馬(傷が軽いとは、いえ応急処置しかまだしていない。戦いを長引かせるわけには、いかないな・・)




蔵馬は、再び薔薇の花を取り出し妖気を込めて鞭化する。




ビシッ!




蔵馬は、地面に鞭をうちつけ鞭を強く握りしめた。




蔵馬「いくぞ」




黎明「私も少し本気をだすとするか」




黎明は、落ちているコンクリートの破片を拾うと再び剣に変化させた。




その時だった。





秀一「秀兄ィ!!」




建物の入口から秀一が走って入ってきた。




蔵馬(秀一!?)




蔵馬の気が一瞬乱れた。




黎明「すきだらけだぞぉぉぉ!!妖狐!!!!」




バッ




蔵馬に向かって早いスピードで近づき斬りつける。




蔵馬(し、しまった・・・)




バッ




蔵馬は、瞬間的に後ろに飛んだ。




ズバァァ!!




黎明「かわしたか」




蔵馬は、着地すると同時に膝をつく。腹部から血が流れている。




秀一「秀兄ィ!!!」




秀一が蔵馬に走って近づいてくる。




蔵馬「秀一!こっちにくるなぁぁ!!」




黎明は、秀一の方を見る。




黎明「人間風情が」




黎明は、左手を秀一に向けた。




蔵馬「やめろ!!」




ドーーン!!!




黎明の腕から衝撃派が放たれる。




秀一「えっ!?」




蔵馬「秀一!!」




蔵馬は、衝撃派が秀一にぶつかる瞬間に秀一を抱きかかえて飛んだ。




黎明「フッ」




黎明は、さらに衝撃派を放った。




ドーーン!!!




蔵馬(!)




ドガァァア!!




蔵馬は、秀一を抱き抱えたまま壁に叩きつけられた。




蔵馬「くっ!」




蔵馬は、抱き抱えた秀一の様子を見る。




秀一「うぅ・・」




蔵馬「良かった・・気をうしなっているだけか」




黎明「人間風情をかばうとは、甘いな」




蔵馬は、黎明を睨みつけ秀一を床に寝かすと立ち上がった。そして目を瞑り妖気を高め続けはじめる。




蔵馬の姿が徐々に変貌をはじめた。




黎明(!?)



蔵馬は、目を開く。




蔵馬の姿は、鋭い瞳に銀髪の長い髪、そして白装束を着た姿に変貌を遂げていた。




黎明は、その姿を見て微笑みを浮かべる。




黎明「ようやく姿を現したな、妖狐・蔵馬」




妖狐・蔵馬「お前は、殺すぞ」




続く

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