クッサイのがお好き（メロスピ）コミュのHoly Knights / Between Daylight And Pain

【曲名】
１ Mistery

２ Frozen Paradise
３ Beyond The Mist
４ 11 September
５ Glass Room
６ Wasted Time
７ Awake
８ The Turning To The Madness
９ Resolution (Bonus Track)

【評価】

（６点）

【対象者】
国内盤クサメタラー

【レビュー】
イタリアのシンフォニック・メロディック・パワー・メロディックバンドの10年ぶりの2nd。
まさか戻ってくるとは思いませんでした。
というよりも存在そのものを忘れていました。
さて，彼らの10年前の1stは，今回の日本盤のライナーノーツで酷評されているように，今は亡きサウンドホリックから日本盤が出たとはいえ，あらゆる面において「Ｂ級の中ではマシ」というレベルで，Ｂ級の域を出ない作品でありました。
しかし，今作においては，さすが10年経っただけあり，前作に比較すると全面的にまさに「化けた」と形容されるほどスケールアップしております。
特に注目すべきは，楽曲における完成度の高さでしょう。
前作においては，つまらなさを助長するにすぎなかった強弱をつけた展開やプログレシッヴな要素も，今作においては曲の中でしっかりと息づいており，彼らの持ち前のシンフォニックアレンジもさらに洗練されております。
また，前作のメロディラインは，クサいけれどダサさの方が先行するような感じでしたが，今作は最近のラプソのようにクサい中にも大人の落ち着きを見せるようなメロディラインになっております。
そして素晴らしいことに，今作はツーバス疾走率が非常に高いということです。
ここまでレベルの高い楽曲で，かつ，疾走するというスタイルは，昨今の日本盤の出るクサメタルではあまりお目にかかれない分，とても感動します。
しかし，どうでしょう。
前作に比較すると，いい意味での安っぽさがなくなってしまったためか，彼らのやっていたクサメタルという枠でみると，少し物足りなさを感じてしまいます。
それは，おそらく彼らの1stが同郷の「Sigma」や「Skylark」をはじめとした，いわゆるＢ級イタリアンメタルであり，自分はそれを知っている世代の人間だからこそ，「Skylark」のような変わらないスタイルでの成長を期待しているからかもしれません。
まぁ，これは単なる管理人の先入観にすぎませんので，今作を初めて手にするクサメタラーには，クサくかつ疾走し，なお完成度が高い作品としてオススメできます。

【Best Tune】
１曲目『Mistery』

新生「Holy Knights」の産声のような疾走曲。とにかく成長にぶっ飛びました。