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丹沢の会コミュの丹沢の会@石田牧場報告

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日 時 12月19日(土) 14時〜16時
場 所 石田牧場(伊勢原市)
ゲスト 石田陽一さん(石田牧場)
テーマ 都市近郊の酪農家
内 容 牧場見学、石田さんのお話(酪農家の実情、酪農教育ファームについて、ジェラード屋計画など)、意見交換

牛舎を見学し、乳牛の育成や搾乳、飼料などについてレクチャーを受けた後、事務所にて石田さんよりお話をお聞きしました。なお、到着時にちょうど仔牛の出産がありました。仔牛はわずか5分ほどで分娩し、その後、母牛から離れた場所に移され、初乳を哺乳されました。

<石田さんのお話より>
・石田牧場は自分の祖父が35年前に開いた牧場。
・子どものころから牧場を継ぎたいと思っており、農業高校に進学後、北海道の酪農学園大学に進学し、本格的に酪農を学んだ。
・大学4年のときにファームステイでニュージランドの牧場に行った。NZの牧場には牛舎はなく、放牧で育てられていた。
・放牧は、牛のできることはすべて牛がするということ。一方、日本の酪農は、食べ物をあげて、糞の世話をして・・人間でいえば、介護を受けている状態。
・ステイ先の酪農家は、夫婦でそれぞれ農場を経営していた。直観で、この人たちから吸収しないといけないと感じた。
・ステイ中に、ステイ先の主人が出かけなければならない日があった。そのときに、牛たちの面倒をみてくれと頼まれた。驚いたが、信頼されていると感じて嬉しかった。これが転機となった。
・実習中、自分が仕事をしているとき、農場の主人が「何悲しい顔しているんだ。仕事なんだから楽しくやれ!スマイル!」と言われた。そのとき、「そうなんだ!」と思った。
・NZの農場の主人から、卒業後はどうするのかと聞かれた。漠然と海外の酪農を見たいと思っていたが特に決めていなかった。すると、その主人は、NZで新しく牧場を経営するので、そこで働かないかと誘われた。
・NZで酪農の仕事をすることについて、日本とは規模や経営の仕方が違うことから、大学の先生も親も勧めはしなかったが、「この人とこの関係を終わりにしてはいけない!」と思い、NZに就職した。
・このときは、自分のやりたいことをやろうと思った。自分のやりたいことなら失敗はない。周りの人は失敗だと思っても、自分にとっては、さらに先の目標へのステップになる。迷ったら、自分のやりたいことをやったほうがいい。
・2007年に帰国したが、穀物の価格上昇で日本の酪農家には苦しい時期だった。「どうして日本の酪農家はこんなに働いているのに儲からないのか?」と思った。
・そう思うと、このまま継いでいいのかと思った。
・そんなときに、転機があった。練馬にある23区で唯一の酪農家、小泉牧場を見学した。
・この牧場は、街中にあり、当初は、においの問題などがありたいへんだったという。しかし、地域と交流を進め、今では、子供たちが気軽にやってくるような牧場になっている。
・主人は70歳を越えているが、辞めようとしても、まわりから「どうかやめないでください」と言われている。
・「これだ!」と思った。神奈川で酪農をやるなら、神奈川のやり方があるはず。都市近郊の酪農家のメリットは、消費者と交流できることだと気づいた。ここで自分の活動理念ができた。
・酪農の教育的資源を活かすために、酪農教育ファームの認証を取得した。酪農教育ファームは全国で350件。神奈川県内でも8件しかない。
・今は、月に2回程度、子供たちを受け入れている。
・子供のときの体験は大人になっても忘れない。今は、酪農教育事業は無償で行っているが、いつか、10年後、20年後にかえってくると信じている。
・酪農の課題のひとつは、消費者と生産者の距離が遠いこと。
・消費者が生産者を知ることで変わることもあるが、生産者も消費者と交流することで学んでいる。自分は、「教育」は、「共育」だと思っている。こどもたちから学ぶことは多い。
・この子たちが飲む牛乳をつくっていると思うと、「手を抜けない」と思う。
・自分の育てた牛の乳を飲んでほしいが、牛乳販売の許可を取るのはハードルが高い。
・そこで、ジェラード屋をやろうと考えている。ジェラードは、果物と組み合わせることで、伊勢原の地域の資源を活用できる。石田牧場を中心に農家と一体に盛り上がって、地域も一緒に盛り上がることができたらいいと考えている。
・ジェラード屋は2011年3月6日(ミルクの日)オープンを目指している。目標を立てると仕事もやりがいが出てくる。
・酪農家の仕事は365日、朝5時〜8時まで。休みはないが、仕事は楽しい。
・牛は家族であり、家族の世話をするのはあたりまえのこと。
・子供たちは、牛舎に来ると、臭いと感じて「うっ」となる。しかし、臭いと気づいたときがチャンス。牛は生きているから臭いということを伝えられる。臭いは最高の教材。気付かせる場を提供することが酪農教育ファームだと考えている。

<感想>
石田さんは、出生後の仔牛を母牛から引き離すときは悲しいといいます。また、牛にも性格があると説明をしてくれました。人懐っこいやつ、無愛想なやつ。けど、どれも、可愛いいようです。石田さんは、牛は家族だといいます。家族だから、愛しています。こんなふうに、愛情を注いで育まれた牛たちの乳を、僕は、飲みたいと思います。しかし、今の牛乳の流通システムは、それを許してくれません。石田さんちの牛乳は、よその牧場の牛乳といっしょに、大手乳業メーカーの工場で、市販の牛乳に加工されていくのです。もったいない。石田さんのお話にもあるように、食と農の最大の課題のひとつは、生産者と消費者の距離があることだと改めて感じました。その距離を縮めることがなんとかできないものでしょうか。
都市近郊で酪農を行うメリットは、消費者の近くにいるということ。そして、そのメリットを社会に還元することが、やがて自分たちに返ってくると、石田さんは考えています。きっと、そうなんだと思います。そうならなければ、いけないと思うのです。
石田さんは、365日休みなしで朝から晩まで仕事をしていても、今の仕事が楽しいといいます。職業感が揺さぶられます。僕も、かなり仕事を楽しんでいるとは思います。けど、まだそうは言いきれない。休みが欲しいと思うときも、かなり、あったりします。「仕事が楽しい」と心から言える根っこには、何があるのか。間違いなく、お金ではないはずです。人生に本当に大切なものが、確かにそこにあって、それは、たぶん、目には見えないのでしょう。石田さんは、それを、つかみかけているように思えました。
それにしても、仔牛の出産に立ち会えたのは、ラッキーでした。ありがとうございました。

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