岡２林コミュの「ＣＯＳＭＩＣ ＧＩＲＬ」

どうも定かじゃないんだけど、宇宙人だったらしい。ガングロにも程があるとは思ったけど、まさかね。

手をつないだとき、指が一本多かった気がする。やたらと空を見上げては、尖った耳を動かしていたし、ちょっと覗いた首筋に、エラ穴が見えたような気もする。

店でも、テーブルの塩全部舐めちまって。おカワリしようとしたから、慌てて止めたけど。そのとき怒ったのか、黒目、縦に細ーくなったから、

なだめるのにまた一苦労。食用蛙、買ってきてやったりして、

顔色が緑から黒に戻るまで、一時間かかったけど、まあ何とか目的地にたどりついて。

唇を重ねたとき、あれ、と思ったよ。

白いのって、塗ってたんじゃなくて、地の色だったのかって。

早速彼女シャワー浴びてるうちに、こっちも準備。オトコは色々あるからね。それでも時間があったから、ちょっと鞄を覗いてみた。

・・・なんか、ぐちゃぐちゃした赤いものが入ってた。

どくどく、うごいてた。
ソッコ閉じた。

彼女、明かり消したがったんで、ここからは手探りの話しになるのだけど。背中に、ぷよぷよした変なでっぱりがあって、

何これ

聞いてみたら、

アルカクプ

だって。

俺の無知かも知れないから、その場は

ふうん

と答えておいたけど。なんだろね、アルカクプって。背骨がコブを避けるように、二股に別れていたっけ。おのおの、ケツの頬ぺたを経由して、まんま太股の裏に続いていたよ。

その道筋を、左手と唇で、丁寧に辿っていくと、

・・・エクエ・・・エクエソウ・・・

サムラ、プリースト。サムラ、プリースト。サムラ、プリースト。
サムラ・・エンケ、エンケ。エンケ！！

エンケー！！！

・・・サプア・・・

俺の無知かもしれないから、わかってるフリしてた。（まあ、反応からして、想像付くけどね）

こんなの聞いた事ないし、ダイイチこうやって言葉にしたから、それらしく見えるけれども、ほんとは文字で書けないような音で、まるで舌が二本に別れてて、口の上下にそれぞれ丸めて発音しているような、背筋のこそばゆくなるようなコエだった。ま、それで俺、俄然燃え出したんだけどね。

彼女そのうち器具なんか持ち出してきて。慣れてるなこれは、と思ったよ。だから初めは、やっぱりねって感じかな。

ところが逆なんだよ。こっちが道具使われるのさ。新鮮だし、実験されてるみたいで、それがまたコーフンしたりして。

あと良く覚えてないんだけど、気持ち良かったり、悪かったり。
なんか注射されたんだよな・・・

ジェットコースター乗ってる感じと、お化け屋敷潜ってる感じが交互にやってくるって、わかるかな？そんなんだったよ。

あんまり凄かったんでね。寝付けないし、ぼおっとしてるから、だから夜景を見てたんだ。ここ十階だから、ゴタンダっていっても結構奇麗なんですよ。しかも雨が降っていて、揺れるネオンが
また良くて。横で彼女、すうすう寝てた。触覚だけが動いてた。空を見て、なんで星が見えるんだろう。ぼっと考えたら、あれあれいう間に近づいてきて、窓いっぱいに青白い光が広がって、

ピョリロリロリ

なんてアラームみたいな音がするんだ。彼女、ばくり、と起きると、

お別 ピョラケ れね。

なあんて言って、唇を伸ばしてきた。一メートル以上伸びた唇が、頬に触れたとき、気が付くべきだったんだ。

彼女、宇宙女（コズミック・ガール）だったんだって。

セーラー服とかゴミ箱捨てて、
吸い込まれるように、消えてった。
それきり。

でも、よかったよ。

隠し撮りビデオ、いくらで売れるかなあ。
日テレに売るか、それとも直接ヤオイさんに売ったらいいのかな。
当然、「投稿写真」にも送るし。

コズミック・（ピー）とか銘打ってさ。
セーラー服も売れると思うよ。
インディーズＡＶでプレミア付けるって手もあるな。
ボーリョクダン絡まないように、うまくできないかなあ。

最低かな、オレ。
でもいいんだ。生きてくってこういうことだろ。

それにしても・・・
首筋の五角形の傷、いつ付いたんだろ。
（終わり）
・・ＪＡＭＩＲＯＱＵＡＩ
“ＣＯＳＭＩＣ ＧＩＲＬ”からの連想

1999？