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ワライアル★自己紹介よろコミュのKS12−12、追浜ひろし→おいたんと呼ばれた漢→ヨシダテルミー

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KS12−12、追浜ひろし→おいたんと呼ばれた漢→ヨシダテルミー

タイトル
『マジカルLOVEろじっく』


★追浜ひろし

「山ヘ行コウ 次ノ日曜」

行くわけないじゃないむかっ(怒り)
バッカじゃないの?

exclamation ×2ご挨拶、遅れちってメンゴメンゴあっかんべーあせあせ(飛び散る汗)
私、現役魔女っ子女子校生『モレッコさん』こと魚目漏子(うおのめもれこ)。

突如現れた謎の地球外生命体のタイ人、パヤオ・シリワットっていうボンクラ外人に
「魔女っ子、ソシテ、エコロジっ子ナル!Are you OK?」って聞かれて
「うっせexclamation ×2不法就労者がexclamation ×2」って答えたら
『おしゃれファンシーコンパクト』を渡されて
「山ヘ行コウ 次ノ日曜」とか言われたんで、とりあえず殴打パンチ
そしたら「ウゥ…」って言って地味にしゃがみ込んでるしexclamation ×2マジウけるわーい(嬉しい顔)

そもそも山で魔女っ子の修行とかありえないんですけどむかっ(怒り)
コンパクト使って変身ってマジありえないんですけどふらふら

てかパヤオそのものが規格外。
なんでシャツをパンツの中に入れるんですか?
てか、なんで常時タンクトップなんですか?
高橋名人ですか?加勢大周ですか?
さすが地球外生命体タイ人だわバッド(下向き矢印)
山に修行へ行きたがるくせにタンクトップだけって
どんだけ山ナメてるんですか?

「コンパクトニ向カッテ、呪文、ファンシー呪文!Let's 呪エ!OK?」

パヤオがしきりに呪文呪文って言うから
とりあえず言われたとうり呪文唱えてみた。

コンパクトを上にかざしてヒミツの呪文
スリジャヤ…ワルダナ…プ・ラ・コッテexclamation ×2

その瞬間、ワタシは白い光に包まれた。
熱い…
この熱気は…
地球の息吹…
アタシ今、地球と一つになってるexclamation ×2

まばゆい光が薄れ目を開けたその時からアタシは魚目漏子じゃなくなった…
そう、そこに居るのは現役魔女っ子女子校生『モレッコさん』

薄緑のレオタードに相撲の化粧まわし。
化粧まわしにはでかでかと描かれたエコマーク。

「ファンタスティック!ソノ化粧回シコソ、魔女ッ子&エコロジッ子ノ証ネ!」

ってか化粧回し、マジ動きづらいんですけどふらふら
めんどくさいから引っぺがして「地球は大きなゴミ箱だぁぁぁぁぁぁッむかっ(怒り)exclamation ×2exclamation ×2」って
ドブ川に投げ捨てちった。あたしマジクールexclamation ×2
そしたらパヤオ、真っ青になって泡吹いてるしexclamation ×2

「アバババババババ…」ってお前はカニかっつぅーのexclamation ×2

ほーんと、環境汚染最高ハート達(複数ハート)
アタシが環境汚染の悦に浸っていたら
突然、髪の毛がゴッソリ抜け始めた。

「地球ニ厳シクスル、ヨクナイナイ!オ前ノ身体、地球ト"シンクロ"シテルネ!」

みるみるうちに頭のてっぺんがハゲにふらふら

「地球虐待シタカラ、オ前ノ頭、トテモ砂漠化!OK?」

OK?じゃねぇーっつぅのぷっくっくな顔
ってか最初にこの事説明しなかったからとりあえず殴打ねパンチ衝撃

もーサイアク…
この歳でリーブ21のお世話になるのは本気で萎えるバッド(下向き矢印)
地球とシンクロって、ほんとメンドイバッド(下向き矢印)
って、ため息ついたら
突然、『おしゃれファンシーコンパクト』がけたたましく鳴り出した。
今度は何?
今度はどこがハゲるのexclamation & question
ってかこれ以上ハゲんのだけはマジ勘弁してほしい…

ブルーになってふさぎ込んでたら
パヤオがテンション上げて怒鳴りだした。
「イケナイ!地球ニ優シクナイ奴、ヤテ来ル!」

どうしたのパヤオ?
アタシが殴打する時とは違った怯え方。
「アワワ…凄イスピード…モウスグソコネ…スゴイ徒歩ネ…」

何が言いたいのかさっぱりわかんないんですけど。
ふと後ろを振り返ると、向こうから物凄いスピード(あくまで徒歩)で
何かやって来た。


★ヨシダテルミー

う…牛exclamation & question
あちらに見えますのはアメリカバイソンexclamation & question
いや、違った!軽トラだexclamation ×2ハート達(複数ハート)

海岸付近などで頻繁に使用するユーザーをターゲットとして、風雨や海水などに配慮して車体各部にさらに強力なサビ対策を施したスズキの軽トラだわっ

ああああああああん素敵ぃぃぃぃハート達(複数ハート)

あああああああん轢き殺してぇぇぇぇえええええんハート

キキーーーーーーーーー

ドン!!!!!!!

(モレッコさんの体が、トラックにはねられ、ふわりと宙に浮いた。

綺麗だった。
モレッコさん、笑ってたよ。

その時の僕には、ただ黙って見ることしかできなかったんだ。)

動かなくなったモレッコさんを抱きかかえると、彼女は最期に、目を見開いて確かにこう言ったんだ。


「はれ…たら…いいね…
はれ…なくて…も
どっちでも…いい…ね…」

「モレッコサン!!モレッコサン!!シッカリシテ下サイ!!
助ケテクダサイ!!誰カ助ケテクダサイ!!!!」

この国の人間に、僕の言葉が通じるわけはなかった。

「モレッコサンモレッコサン!!!」

「雨でも…い…いね……ガクっ」

そしてモレッコさんは星になった。

キッラーンぴかぴか(新しい)乙女座ぴかぴか(新しい)


その後、僕は日本語学校に通い猛勉強。
調理師の資格も取り、今に至っている。

今夜みたいにモレッコさんのことを思い出して泣きたくなる夜は、彼女の形見のコンパクトを握り締め、静かに星を眺める。

「モレッコさん
天国は晴れてますか?

晴れたらいいね

晴れなくても雨でもどっちでもいいね」

僕は女子高生を魔女っ子にスカウトするという呪縛から解き放たれた代わりに、
モレッコさんの命を奪ったスズキの軽トラを片っ端からぶっ潰していく使命を追うことになった。
それが大好きなモレッコさんに、僕ができる唯一の弔いだから。

まずはお前からだ。
里中さん!

お隣の!里中さん!
いつもたくさん作ったからと言っておかずをくれる里中さん!
昨日の煮物おいしかったですよ!
里芋とタコの煮物なんて初めて食べましたよ!
あんなものタイにはありませんでしたよ!
よく味もしみていて、上品な口当たりでしたよ!
タッパ返しに行くついでにお前をぶっ殺してやりますよ!!!


★おいたんと呼ばれた漢



「何だろう?今お隣さんからブッコロシだか、煮っ転がしだか、聞こえた気がするけど…。
リクエストかな。そういうのは嬉しいな。」

久しぶりの休み。空は真っ青。
気持ちがいい。こんな日は、家でまったり。

カシスにグレープフルーツジュースを注いだ僕は、
francfrancで買った白いソファに腰かけた。

おっと、忘れちゃいけない。一番のお気に入り映画「アメリ」のDVD。
それが僕の世界一の贅沢。

窓から見えるポプラの木の枝で、ネコがアクビをしたので僕もつられてアクビした。
なんだかフフフと心地いい。

僕の周りは、優しいものに囲まれている。こだわりかな?
本当のことを言えば、クルマはワーゲンバスがベストだったけど、
スズキのトラックもカワイイと思えたし、次の日曜にはパステルカラーのペンキで花を描く予定。
最近車体、凹んじゃったけど…。
あの時は、歯ぎしりが止まらなかったな。

僕の周りは、優しいものに囲まれている。
だって、そうしないと
「ピンポーン。」



アメリに集中していた僕は、邪魔をしたチャイムに歯をガリガリならした。
ハッと、気づいて深呼吸して扉を開けた。

「はーい。」

いつもの笑顔が出せたので、僕はなんだか笑顔になった。
あ。お隣さんだ。

「こんにちは!」

はい、こんにちは。タッパーですか?いつでもよかったのに。
うん、今日の僕の笑顔は100点だ!

「タコおいしかったです!死んでもらいます!」

お隣さんの予想外の、挨拶に僕は全身が粟立っていくのを感じた。

「本場の首相撲!味わうガイイヨー!!!」

お隣さんは、最近流暢にしゃべるようになった日本語をカタコトに戻して、いきり立って僕の首をつかんだ。

ヒザ。
ヒザ。
ヒザ。
ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ、ヒザ。

はははははははははははははははははははははは。
はははははははははははははははははははは。

はははははははははははははははははは。

はははははははははははははははははははははは。

ははははははははははははははははははははは。
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。

はははははははははははははははははははははは。
ははははははははははははははははははは。

ドッと倒れた僕に、お隣さんがこう言った。

「お前…、 オ前……、
 ナンデワラッテルネ!!!!!!!!」

ああ、そうか。笑っていたのは、僕なのか。
せっかく、優しいもので僕の周りを固めていたのに。
もう我慢できないや。

ねえ、お隣さん。

僕を殺しに来たんですよね?

殺しに来たってことは、殺されるかもってことですよね?

殺していいですよね?

僕は120点の笑顔を見せた。

あーあ。
今日は家でゆっくりする予定だったのに。
僕は花のないトラックに肉片を積んで、富士の樹海に向かった。
ポプラの木を見上げたら、もうネコはいなくなっていた。


★追浜ひろし

都内から富士の樹海へ行くには、中央高速道で河口湖ICを目指すのが手っ取り早い。
早速、高速に乗ろうと車を走らせようとしたその時!
側道で一人の老婆が僕の車を呼び止めた。

手前にある信号が赤という事もあって停止していたら
老婆の方から近づき、窓を開けるよう懇願してきた。
仕方なく窓を開けると
老婆は唐突千万にこんな事を言い出した。

「おたく、河口湖まで行くんだろ?だったら、ちょいと乗せておくれよ。」

驚いた…
まだ何も言っていないうちから
目的地まで言い当てられた。

一瞬警戒したものの
僕はすんなりとトラックの助手席に老婆を乗せてしまった。

何故乗せたのか…それは僕自身にも解らない。
強いて言えば『見過ごすことが出来なかった』としか言いようがない。
奇妙な老婆を乗せて一路、河口湖ICを目指す。

お互いに言葉を発するでもなく、車内でただただ沈黙するばかり…
カーラジオから流れる山田邦子の甲高い笑い声がいつもより余計に響く。
すると老婆が長い沈黙を破り、こう呟いた。

「近頃の山田邦子ときたら…ほんと、やまだかつてないねぇ…」

僕が五所川原から都内へと上京した1990年…
山田邦子がもっともやまだかつてない時代だったのは確かその頃だったはず…
にもかかわらず近頃の山田邦子がやまだかつてないとは一体どういうことだ。

この婆さん…ただものではない。
そう警戒した刹那、老婆が尋ねた。

「あんたぁ…今、山田邦子について考えたね。」

なんだ?この老婆は?
またしても心の中を言い当てた。
この婆さんは一体何者なんだ…

「あぁ…アタシかい?アタシの名前は千晴ってんだい。新山千晴。72歳の独身。」

にいやまちはる?
老婆のクセになんて紛らわしい名前なんだ。

「紛らわしくたっていいんだよ!アタシの方が先に生まれたんだから、アタシが本家本元さね。」

何だと!?どういう事だ!?
心の中で思った事に返答をされたぞ!

「あぁ…そんなに怯えなくたっていいよ。アタシゃぁイタコの大先生だからね。」

なんとこの新山千晴、現役バリバリのイタコであり
また、新山イタコ専門学校の名誉教諭でもあるそうだ。
くそぅ…ずいぶんとスピリチュアルな老婆を乗せてしまったものだ…

「ところでアンタ…どうして肉片なんざ積んで樹海目指してんだい?」

なんてことだ…
積荷のこともバレている…
すべてを観念し、千晴に事の経緯をうちあけようとしたとき
千晴が白目になり小刻みに震えながら呟きはじめた。

「ス…スリ…ジャヤ…ワル…ダナ…プ・ラ…コッ…テ…」

畜生!いまどきのイタコは何処でもなりふり構わず降霊させちまうのか!?
それにしても人の話を全く聞かない一方通行なイタコだ。
ん?…この呪文…どこかで…


★ヨシダテルミー

ん…?どこかで…

いや、知らない。
僕そんなの知らないわ。

と思ったけどやっぱり聞いたことある。

あ、タイ人だ。
あのタイ人がたまにブツブツ言ってた言葉によく似ている。

「ス…スリ…ジャヤ…ワル…ダナ…プ・ラ…コッ…テ…
「ス…スリ…ジャヤ…ワル…ダナ…プ・ラ…コッ…テ…」

「う、うるさいよバアさん。引きずり降ろすぞ」

僕は何だか怖くなって、アクセルを踏み込んだ。

すると、その時、キッラーーーンぴかぴか(新しい)蟹座ぴかぴか(新しい)って。

僕のポケットの中が、バアさんの唱える呪文に共鳴されたかのように、眩い光を放ちはじめた。

死体をトランクにつめる時、タイ人が握り締めていたコンパクトを、
僕は自分のポケットに入れたんだ。
なんつーか、おしゃれファンシーコンパクトを。

「あ…あ…モレッコさんじゃ…モレッコ…」
バアさんが僕のポケットに手を伸ばし、コンパクトに触ろうとした時ー…

「あっかーーーーーん!!!!!
あーー!!なんかダメーー!!
なんだかよく分からないけど、今頃魔女っ子とか出てきちゃダメな気がするーー!!
会話の節々に絵文字入れなきゃいけないし、喋り方考えるのも大変だから、なんかダメな気がするーーー!!!
あっかーーーーーーーーん!!!!」

あれ?僕今、何を言ったんだろう。

自分の意思とは関係なく叫んでいて、気がつけばコンパクトを窓から遠くへ思いっきり投げていた。

・・・・・・・・・

やり遂げた。

なんだか分からないけど僕はやり遂げた感でいっぱいだった。

あーーなんか充実してるわ。
いい汗かいた。

おうバアさん。このままドライブでも行っちまうか?笑
え?死体をどうにかしろって?
気にすんなって!
放置されてこその死体だろ?

マっジカルバナナ!死体と言ったら放置!
放置と言ったら自転車!
自転車と言ったら女子高生!
女子高生と言ったら魔女っ子!
魔女っ子と言ったらモレ…

あああああああああああ

あっぶねーーーーーー!!!!

あっぶねーわほんと。
油断も隙もあったもんじゃねぇな。

バアさんは、まだ僕のポケットの中をニヤニヤしながらまさぐっていた。

なに?僕のポケットになにがあるの?


★おいたんと呼ばれた漢

その時であった。樹海の磁場とか、自殺者の霊的なアレとかがウマいことナニして、
僕のポケットが四次元へとつながったのである。

しまった…、忘れていた。此処は富士の樹海。奇跡が起きても不思議じゃないんだ。

ポケットからは、小学校卒業文集「あの日」が出てきた。
おい。やめろ。読むんじゃない。やめろーーーー!!!


将来のゆめ  
六年2組  里中 純太

僕のゆめは、それは、初体験は処女の人とするということです。
その時は僕は、やさしくリードして、スムーズな初体験だと思います。
僕はその時は、童貞だけど、力づよいからです。
そして、その人は初めてなのにオーガズムを感じてしまうのです。
そんな、男に、私はなりたい。


「でっかい夢じゃないかい。」
「うるさい!!」

僕は恥ずかしさで消えてしまいたかった。

「…ホントは馬鹿にしてるんだろ。」
「馬鹿になんかするもんかね。アタシだってこう見えても、昔はアンタと同じ夢を抱いていたよ。まっ、叶わなかったけどね。」

何故かお互い沈黙しあい、静けさを気まずく感じた僕はラジオをつけた。
ラジオからは、広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」が流れていたので、僕は慌ててチャンネルを変えようとした。

「あ。アタシこの曲好き。」

僕は、頭をボリボリ掻いてこう言った。

「僕も…。」

また沈黙が始まった。だけど今度は気まずくなかった。少しこいつの事が分かったからだろうか。僕はチャンネルを変えなかった。

「あのさ。」

お互いの声が重なって、また少し気まずくなった。

「お前から言えよ。」
「いやアンタから言いな。」
「お前言えよ。」

こんなやりとりが恥ずかしくなったんだろう。千春が切り出した。

「あのさ。…アンタの夢は叶ったのかい?」
「心が読めるんだろ?読んでみろよ。」

ぽくぽくぽくぽくぽくぽくちーん。

「そうかい…。」
「ああ…。まだピンク色さ…。」
「世の中の女どもは見る目がないねぇ。アタシだったら…。」
「…アタシだったら、…なんだよ。」
「…。」

僕は、それ以上踏め込めない勇気のなさと、人の気持ちがわかる能力がないことが腹ただしかった。
僕は話題を変えた。

「そういうお前はどうなんだよ!なんで叶わなかったんだよ!」
恥ずかしさから、僕はごまかすように、少し声を荒げた。

「アタシかい…。アタシはね。若いころは、長崎に住んでたんだ。佐世保ってわかるかい。アタシはね。そこでパンパンって呼ばれてたんだよ。」

それから僕は、千春とすれ違った男たちの話を聞いた。漁師。軍人。アメリカ水兵。
千春の両親は、千春たち兄弟を残して他界してしまったらしい。兄弟を食べさせるために仕方がなかったのだと千春は語った。

「とまあ、こんな具合でね。アタシの夢は叶わなかったのさ。…アンタ。泣いてくれてるのかい?ありがとよ。アンタは優しいねえ。アンタはまだ若い。ま、アタシと比べればだけどね。アンタの夢は、叶うといいねえ。」

涙をぬぐい、

「叶えるさ…。」

僕は急ブレーキをかけて叫んだ。

「叶えるさーーーーーーー!!!」
「ちょっと…、アンタ何急に…!」
「叶えるさっ!!」

そう言って僕は千春を抱きしめた。

「アンタまさか…。馬鹿言うんじゃないよお!!」
「いや言うね!!馬鹿なら言うさっ!!」
「アンタ…、アンタ話は聞いてなかったのかい?アタシは汚れてるんだ。アタシじゃアンタの夢は叶えられないんだよ。」

「叶う!!!!」

僕。
いや俺は千春の眼を見てこう言った。

「確かにお前の体を抱いた男たちはたくさんいる。だけどな。お前の心を抱いた男はいないんじゃないか?俺には、テレパシーはないけどわかるぞ。お前の眼を見ればわかるんだ。千春、千春。お前は、汚れちゃいない。
俺は、お前の心を抱くぞ。」

「馬鹿…、言うんじゃ…、ないよぉおお…。」

そう。此処は富士の樹海。奇跡が起きても不思議じゃないのさ。
だけど僕には、千春の涙の美しさが、世界で一番の奇跡に思えた。

僕の夢は、叶った。
dream come true.

「なあ、千春。次に俺が何しようとしてるか、心を読んでみろよ。」
千春は、ボッと赤くなって僕をつねった。


エピローグ

その後、僕たちはそのまま樹海で暮らすことにした。
家財は不法投棄のゴミで十分だったし、
食糧は、千春が美味しい木の実や、リスの採(捕)り方を教えてくれたから、困ることはなかった。トラック一杯分のミンチもあったしね。

僕たちは、少しの間、たった10ヶ月だけど一緒に暮らすことができたんだ。
今ここに必要なものは、千春だけさ。

だけど、ここには全てがある。千春が残してくれた全てが。

お兄ちゃんは、色黒。言葉はまだ少し苦手みたい。
妹の方は、まだ髪の毛が、生えそろわないんだ。

千春。双子の兄弟は仲良くやってるよ。
それにしても、本当に仲がいいなぁ。
少し二人の会話を聞いてみよう。


「山ヘ行コウ 次ノ日曜」

「行くわけないじゃないむかっ(怒り)
バッカじゃないの?」

僕は全身が粟立っていくのを感じていた。


fin

コメント(16)

もっと評価されるべき!!!
すっごい面白いです!


一票です!!
千春…

エピローグだけでも、ライスーをターベーな感じです!


ご馳走様でしたぜよ!


勿論1票なんだぜよ
いきなりモレッコさんが轢き殺された時は「ファンタスティックwww」と笑いました!

かなり面白かったです!

一票!
これほんっとすごい!!!
完璧作品!!!
一票です!
4回読みました!

今回のKS12作品でこんなに読んだのはありません。

が!

僕のパッパラ脳みそでは半分くらいしか味わえてないかもだなーっと思いました。
キモもったいない脳です。

心惹かれる一作でした!
いっぴょー!
最初から最後までスンゴイ面白かったですexclamation ×2

一票ですぴかぴか(新しい)
ニヤニヤできるのにミステリーな感じですごすぎです!!一票です!!!

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