ワライアル★自己紹介よろコミュの新幹線って速いなぁ〜

私は仕事上、新幹線を利用する機会が多いです。

皆様もご存知だとは思いますが、「新幹線」というのは「電車」とは違い、指定席の場合は100％全員が座っていて、皆が寝たり、読書や音楽鑑賞にいそしんだり、

ソコには

隅の席を狙うためまだ降りている人がいるのにフライングで乗っちゃう人にイラッときたり

ドアの横の手すりに対する「これは俺の棒だ！」と言わんばかりの激しい攻防戦や

「マジでもうちょい詰めて！一人づつ少しづつでいいから　そういう気持ちが世界を救うし、俺も座れるから」的な厳しい視線


といったありがちな殺伐とした雰囲気はなく、なんというか非日常的な「憩い」のスペースという雰囲気が漂う空間であります。


さて、この日もそんな「憩い」の空間である新幹線に新大阪から東京まで帰るため乗り込んだわけですが、

乗る前に喉がカラカラだったのでシュワっとさせたり潤したりしたかったので大好きな「コーラ」、それに最適なおツマミであり、尚且つ子供心をくすぐる「きのこの山」、『ハリウッドスターの着こなし』という記事に「俺もかなりのスターだけどハリウッドの仲間たちはちゃんと俺みたいに輝いている訳〜」的な感じに気になってしまったので「ファッション雑誌」を購入し、ソレ達を堪能し、至福の時を過ごしていました。



まさかソレ達の一つがこの後、周りの人達や特に私を凍りつかせる程の大惨事を引き起こそうとはその時は私には想像も出来ませんでした・・・


おっと、忘れてましたが新幹線というのは通路を挟んで２席と３席という座席に別れていて状況を説明しますと、私はその時、２席の方の通路側に座っていてお隣にはスーツを着た冴えないハゲおやじ、通路を挟んで３席の方には通路側がコレまたハゲおやじ、真ん中に若干行き遅れた感漂う三十路を過ぎた女性、窓側にまたまたハゲおやじ、といった状況でした。

話を戻しますが、そう、アレは乗り込んで４，５０分位経ち名古屋を出た頃でしたか、「きのこの山」も食べ終わり、雑誌の袋も散乱して、座席やテーブルを散らかしていたのでお隣様の疲れきったサラリーマン様にも申し訳なく思い、私はゴミを片付け始めました。

すると、何かの拍子で（何の拍子かは解りません。もしかしたらアレは神様のイタズラだと今なら思います。）「コーラ」の缶のペットボトルが床に落ちてしまいました。

「こぼしたか？」

そう皆さん思ったでしょうが違います。ちゃんと蓋はしめてますよ。私は「出来る男」ですから。

母にも「あんたはやれば出来る子よ」と、そう育てられてますから。


話を戻します。

「おっと、いけねっ！」

と思い、座ったまま拾おうとすると、

新幹線の線路が斜めっていたのでしょうか。
コロコロと転がって通路をはさんだ３席側の方に向かって行きました。


「ちょっと待ってよ〜」



と席を立ち、追いかけようとして缶が３席側にたどり着いたまさにその時・・・




『ジュボボボボボ〜』



流石炭酸！と誉めるべきか、中身が「スプラッシュ！」し始めました。

そうです。蓋の閉め具合が甘かったのです。



そういえば母はこんな風にも言っていました。

「アンタは出来る子だけどいつもいつも詰めが甘い！」

そうでした。

私は「出来る男」改め「詰めが甘い男」なのでした。




「ワオ！！スプラッシュ！！！




・・・じゃねぇや！ヤッベ〜」



そう思ったのも束の間、「コーラ」の缶はスプラッシュしながら一番奥の窓側のナイスミドルと言う言葉ピッタリのおじ様の足元まで転がりきっていました。

「てっめぇ〜」という雰囲気は顔なんて見なくても三名から放たれていることは私にも感じられました。

そして「すいません！」「マジすいません！」「いや、本当にすいません！」と、ジャンピングフライング土下座からドラゴンスクリュー土下座、はたまたスペース・トルネード・ドゲザ（S・T・D）まで繰り出し謝り倒しつつ缶を拾おうとしました。

勿論一番奥まで行ってしまったのに手伝ってくれる人はこの３名の中には該当者なしでした。

何とか缶とか、間違えました、何とかかんとか缶を拾い出し、立とうとしたとき、またまた何かの拍子で、勃発しました二次災害。

３人側の通路側の英国紳士も足元にも及ばないジェントルメンのテーブルの上に乗った携帯をコーラのプールの中に落っことしてしまったのです。

もう、どうしてよいか分からなくなってしまったのでとりあえずズボンで拭いて渡しました。次のジェームスボンドもない話ではないジェントルメンは心なしかもう笑っているような顔で私を見つめていました。

またまた謝り倒しましたが、その時私はこう思いました。

「この短時間でこんなに謝った事ないなぁ〜」


とりあえず私の初体験はおいといて、何か拭く物を持ってこないと。

ハリウッドスターっぽい雰囲気だろうと、いくらなんでも「プール付き新幹線の座席」は嫌かなと。

とってもダッシュでトイレからペーパーの方を奪取して、Washしようと戻ってきたのですが

真ん中の席の大人の色気たっぷり、まさに今が旬のおねぇさまが「それ借りてもいいですか？」と申してきたので、「いや、自分が拭きます。」と提案したのですが「いえいえ。やります」となかば強引に私のペーパーをかっさらって拭き始めました。


きっと訳すと・・・「もうてめぇがやったんじゃ何が起きたもんだか解らねぇから、被害を最小限に抑えるために私がやってやるわよ！このイケメントラブルメーカーが！！！！」という感じなのでしょうか？



もう私に出来ることは黙って見ている事位でした。しかしそれじゃあ申し訳立たないので、幸いここは喫煙席。私はタバコを吸い始めました。


「もう俺知らねぇ！」とする事位しか、あの時の私には出来ませんでした。



もう絶対に３人側の席の方は見れません。もう取戻しが効かない状況に陥ってました。体ごと真横のエリートサラリーマン様の方に向けていました。

「だってここ指定席だよ！どこにも行けないじゃん。もういっそ死にたい。」

そんな感じで隣を見つめていたら、

「まぁ解るけど。こっち見すぎじゃねぇ？」という視線が帰ってきました。


エリートサラリーマン越しに景色でも見て気を紛らわせようとするのですが窓の景色はどれだけ経っても静岡のままです。どれだけ経っても東京に着かない悔しさを静岡の横っぴろい形に何度もぶつけました。




それで私は最後の手段に出ました。




寝よっ！




もう寝て嫌なことは全て忘れよう。




まぁ寝れるはずなんてありません。とりあえず窓の反射を利用して３人席の方を薄目で確認しましたが、そりゃあもう皆さん何だか立ったり座ったり、どっか行ったり（多分空いてる席を探しに行ってる）したりしています。

私はお仕事で新幹線をよく利用しますが、こんなに立ったり座ったり、どっか行ったりしている状況は見たことはありません。


私に至っては「新幹線って速いなぁ〜さすがのぞみだよねぇ〜」と現実逃避を決め込んでいます。



東京駅で降りるはずの私が逃げるように新横浜で降りて行ったのはあの時の私のベストチョイスだったとそう思います。