名バリトン歌手フィッシャー-ディースカウとの名コンビで知られ、独奏者をひきたてつつ従属的でない丁寧で聡明な演奏によって、伴奏者を同列の共演者の地位に高めた名ピアニストです。 ハートフォード州ウォトフォードに生まれ、カナダのトロントで育ち、その地で音楽教育を受け、早くから伴奏者として活動をおこない、古くは名チェリスト・カザルスのほか、E・シューマン、テイト、フェリアーなどの歌手との共演しました。さらに戦後、コンサートや録音活動をさかんにおこない、フィッシャー=ディースカウ、ロス・アンヘレス、シュヴァルツコップと共演し名声を博しました。1967年2月の引退記念演奏会のアンコールはシューベルトの「楽に寄す」(D.547)の自作編曲で、これは彼の最初で最後のソロ演奏でした。その後も録音活動はおこない、声楽曲の名盤を数多く生み出しました。 ディースカウとの「シューベルト歌曲全集」(DG盤)があまりにも有名ですが、シュヴァルツコップとの「ヴォルフ歌曲集」、珍しいところではデュ=プレとの「チェロ小品集」もあります。また著作に『お耳ざわりですか―ある伴奏者の回想』もあります(原題ha Am I Too Loud?音が大きすぎますか?)。 あなたのお好きなムーアの名演・名盤をお教えください。