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人と自然コミュの「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」

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米原万里「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」角川文庫

 共産党幹部を父に持った米原さんが1960年・10歳から5年間通学した学校で出会った女性たちの生々しい生き方と交流を、詳しく書き込んでいます。米原さんは、ロシア語通訳の権威で、今春亡くなられました。
 プラハでのソビエト学校時代の著者の同級生3人は、学校時代と、その後30年をどう生きたか、を米原さんは東欧まで旅行して追っかけて出会い、旧交を温め、30年の過去を聞いた。その時代・中東欧は共産主義国家の崩壊までの激動の連続だったし、宗教・民族対立による流血が今も続いている。
 東欧で、チェコスロバキアにソ連軍(ワルシャワ条約機構)が侵攻して「民主化」を妨害したり、ルーマニア、ユーゴスラビアなど国家の中で民族対立・宗教対立が激化してその中で、登場する女たちは党幹部の子供たちなのだから、庶民という立場ではないだろう。だから、かなり恵まれた経済条件の女たち(医師や翻訳者などになっている)なのだが、「党」だからこそ、時代の波をもろにかぶってしまう、ということも読めばわかるし、同級生たちの生き方の背景の20世紀後半からの東欧の政治的な激動を思い起こさせてくれた。動乱の小説を読んだかの印象を持った。大宅賞。


 国家やイデオロギーや宗教や民族対立に、あなたはどれだけ巻き込まれているでしょうか。
 私は、この仕事についてから、消費税や介護保険を払うようになったくらいで、まったく国との接点がないことはありがたいことです。国内には北朝鮮に拉致された家族もおられるし、つい最近ドミニカへの移民関連の本を読んだこともあったし、連合赤軍の映画を見たが、このような事件は自分には起こらなかった。
 十代の後半に四国の田舎にいたとき、隣の家の青年が韓国「李ライン」(李承晩大統領が一方的に設定した領海線)内で拿捕されて、その後どうなったか。
 60年安保闘争も田舎で報道で見ることがあったくらいで、69年の大学紛争も療養中だったし。政治はこの程度しか、私に介入してこなかった。この本に書かれているように動乱とは無関係に過ごしているということは、「平和」なのだなと思う。



(付録)

松久淳「マリコはたいへん!」小学館 \1260

 20代から30代の27人の女たちの紹介記事。私は田舎に引っ込んでいるので、現代の若い女性たちの生態を全く知らないので、読んでみた。名前は全部マリコさんにしてある。ありとあらゆる職業だけれど、医師とかフライトアテンダント、編集者、商社、看護士、美容師、キャバクラなど、やはり都市部の仕事だな。
 で、当然、男関係の話も出てくるし、既婚者もいるしで、けっこう楽しいですよ。
 プロ野球の選手(清*と思われる)から携帯番号を渡されたアテンダント、これ、どこかでも読んだよ。渡された通帳に1000万円! 歯科医、歯が悪い男とは付き合う気にならないとか。
 どこにでもあるようで、やっぱりそうでなくて、こういう例、少ないんだろうな、だから読んで面白い。フツーだったらおもしろくないもんね。やっぱり日本は平和だなぁ。

コメント(3)

米原万里「不実な美女か貞淑な醜女か」新潮文庫

 このタイトルは、きれいで不正確な訳か、不器用で正確な訳か、くらいの意味。翻訳と通訳にまつわるあれこれ、失敗談、爆笑談など。
 しかし、内容はそんなものでなくて、日本語ロシア語を中心にした、比較言語と比較文化論になっていて、これが面白く有益です。それにしても米原さんほどの広大なバックグラウンドの知識をお持ちの方は、私は知りません。また、文章が面白い。余裕でお書きになっていますし。
 通訳の失敗談あれこれ、ということなのですが、これを読むと、完璧な通訳などというものはないんだな、とわかります。
 ありとあらゆる分野に詳しくないと通訳なんてできないです。亡くなるのが早すぎました。
 とりのさとさん、こんにちは。

 米原万里さんは大好きな翻訳家の一人。

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」は読んでないけど、「不実な美女
か貞淑な醜女か」は大好きな本のひとつ。う〜ん、また読みたくなって
きた。何度でも読みたくなる数少ない本です。

> 失敗談、爆笑談
 読みながら、ついつい笑ってしまいますよね。

> しかし、内容はそんなものでなくて、日本語ロシア語を中心にした、
> 比較言語と比較文化論になっていて、これが面白く有益です。
 はい。

> それにしても米原さんほどの広大なバックグラウンドの知識をお持ち
> の方は、私は知りません。また、文章が面白い。余裕でお書きになっ
> ていますし。
 まったく痛快な文章とはこのこと。

> 通訳の失敗談あれこれ、ということなのですが、これを読むと、完璧
> な通訳などというものはないんだな、とわかります。
 本当にそうです。
 しかも、同時通訳って、最良の訳を考えている時間も与えられないん
ですもの。通訳者の感性から発せられる一言(ひとこと)が相手にどう
受け入れられるか、という連続。

> ありとあらゆる分野に詳しくないと通訳なんてできないです。亡くな
> るのが早すぎました。
 ほんとうに残念。
 日本とロシアの財産だった。そういう方でしたね。

 ふじかわ おさむ at 和歌山市

 −琉春庵−♪
 http://homepage3.nifty.com/badi/
 Think Globally, Act Locally!
ふじかわさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。

ところが、今も米原さんの本を読んでおり、さらにあと1冊読むつもりなんで、ここで何か書いても中途半端です。

 井上ひさし氏と米原さんの関係、妹さんの旦那が井上氏です。
米原さんの本に下ネタがよく出るのは、井上ひさし氏の影響かもしれないですよ。

「ヒトのオスは飼わないの?」(読書中)
「魔女の1ダース」(予定)
弔意を表敬するためにも、まとめて読むことにしました。
他に「ロシアは今日も荒れ模様」(読みました)
  「ガセネッタ&シモネッタ」(読書予定なし)
 などがあります。


  

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