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人と自然コミュの 地球温暖化の参考書と新聞記事

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江守正多「異常気象と人類の選択」角川SSC新書 ¥800

 著者はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の5次評価報告書の執筆参加者である、気象専門科学者であるので、公的な立場から、異常気象をめぐる政治的な論争やスタンスからは距離を置いておられる。気候変動とは異常気象と同じ意味であると。

 近年、激しい猛暑とか、猛烈な台風、豪雨などが世界的に起こっているし、冬でも寒さが厳しくなるという現象が増加していて、いったいこの先、世界はどうなるのか、と杞憂であればいいのだが、不安にかられるが、科学者としての評価では、夏の高温と高潮には人為活動の影響が高いと思われるが、豪雨や台風(熱帯低気圧)、竜巻などは影響はわからないと。

 ハワイ。マウナロア観測所のデータによれば、2013年5月に大気中の2酸化炭素が400ppmを超えたが、2014年3月に早くも400ppmに達した。(冬が高く夏は低い)産業革命以前は280ppm程度らしいので、かなり濃度が上がっていて、毎年2ppm程度上昇しているとのことだが、近年加速していると(後述)。

温暖化懐疑論者もいるし、アメリカの石油・石炭業界や保守的シンクタンク、そこから資金援助を受けている「自称専門家」が温暖化懐疑論を組織的に宣伝したり、温暖化論の研究者を妨害していると、著者は認識している。同じ様な行動はアメリカ国内の「遺伝子組み替え植物」の安全論争でも、業界の御用学者の宣伝、妨害行為にも見られる(「(株)貧困大国アメリカ」)

 温暖化に対する「対策積極派」には、行き過ぎた現代文明への見直しの視点からの警鐘であり、革新主義(左寄り)であるのに、「対策慎重派」は現実主義的であり、経済優先の保守主義(右寄り)と著者は明快に分析する。つまり、態度の背景には基本的な思想が異なるので、論争がかみ合わないのだと。

 また、炭酸ガス排出枠については、先進国・後進国の利害が反するので、なかなか合意の着地点が見つからないのだとも。実際に現代文明を担って謳歌してきたのは先進国であり、後進国はこれからだというときに排出枠を同じ基準で決めるのはおかしいと言う。なかなか、同じ土俵での議論が進まないわけだが・・・。このように、著者は政治的にはできるだけニュートラルな立場に立とうとしておられる。
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 さて、ここ数日、関連の新聞記事が何度も掲載されている。

3月17日毎日新聞夕刊(中部版)1面に20行8段の記事
「今世紀末6.4度上昇、最大値洪水被害6800億円 被害軽減対策が急務」
 という激しい内容だが、他の新聞の扱いははるかに小さいか、存在しない。平均気温が3.5℃〜6.4度上昇。海面が60〜63センチ上昇して、砂浜が85%消えるなど海岸の風景が激変する。洪水被害は東北から四国までに20世紀末の2倍を超える可能性。熱中症患者も2倍に。農業分野では温州ミカンの適正栽培地がなくなり、替わって亜熱帯系のタンカンが34%に増える。コメは収量に変化は無いようだが、白濁で半分近くが品質低下する、などという深刻な影響が予測されている。私は野菜農家でもあるが、現在でも今までの野菜作りでは、適応できなくなってきて、栽培が困難になっているが、しかしどのような品種に変えたらよいのかの判断材料も無い。


3月22日毎日新聞夕刊
「CO2濃度400ppm超え 2ヶ月早く危険水準に 米・ハワイで観測、前年よりも加速」来年はもっと早く超えると予想されている。400ppm未満に抑えるのが望ましいとされるが、このままでは時間の問題だ。

 この他に、海水中のアマモという緑藻が炭酸ガスを利用吸収して、酸素を作ることで、炭酸ガス吸収効果があることがわかった、という記事が続く。アマモが育つと、そこに魚が住み着いて、多様な生物が増えることがわかっている。

そして、
3月25日、毎日新聞朝刊「IPCC横浜総会 今日開幕」特集記事、広告無しの1ページ全部
「温暖化危険水域に 悪化シナリオ生々しく 熱帯性感染症 本州でも  環境激変 ブナ林9割減 風速77メートルの台風襲来 パラオの島『家という家、壊れた』」という見出しが続く。内容は上に挙げたような予測される環境や生態の激変の様子。
 31日に温暖化影響や被害軽減策についての最新の報告書が公表されます。


 いったい、この地球はどうなるのか。50年100年後の予測でもこんな具合になっている。取り返しのつかない原発事故も起こしてしまって、さらには半減期10万年とされる放射性廃棄物の処理をどうするのか、未来にツケを渡していいのか、などと考えると、心配はきりがないが、それでもなんとかしなければと思う。私個人はエコロジー的な視点から有機農業を生業として選択したので、それが先見の明なのかどうかはまだわからない。現代科学文明からは遠ざかっていたいというスタンスだけは実現できていると思うのだが。

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