ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

人と自然コミュの中国産コメ5kg1299円の衝撃

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
中国産コメ5kg1299円の衝撃


 関東地方のスーパー西友は中国産コメを5キロ1299円で販売すると発表しました。10キロならば2600円になりますが、この価格は新潟産コシヒカリの半額、国産低価格コメの3割安になります。
このほか、牛丼の松屋は2月から豪州産コメを国産コメにブレンドして使用を開始しました。

 コメの輸入には778%強の関税が掛けられますが、ミニマムアクセス最小輸入が義務づけられており、70万トンが輸入されているものの、大半は加工用飼料用であって、主食用は10万トン程度であり、西友のコメはこの10万トンの枠内からのものです。なお、国内のコメ消費量は年間770万トンになっています。
 全体消費量から見れば、西友で売られる米の量は微量ではあるが、その価格は衝撃的と言わざるをえないでしょう。また、その品質・見ばえ・味も国産コメと見劣りがしないと評価されています。

 現在、TPP(環太平洋連携協定)への参加前提で、個別国との協議が進んでいますが、その内実の情報がちっとも明らかになっていません。それはともかくとして、TPPへの参加ということになれば、例外無き関税撤廃ということですから、あらゆる分野に影響がありますが、農業について考えてみたいと思います。


1)TPP参加が産業界から叫ばれていますが、この価格に国内の稲作農家が耐えられるかどうかは疑問です。コシヒカリなどのブランド米が生産者価格60キロ(玄米)7000円になるということです。稲作農家には戸別補償制度が適用されて、10a当たり15000円の補償があります。10a(1反)で8俵が平均収穫量なので、1俵60キロあたりで2000円弱の補償ということになります。この補償額では、上の国産コメ価格と輸入コメ価格の差額には全然達しないということがわかります。差額の全額補償は、財政上の理由でとても実現できないのではないでしょうか。たとえ、大規模農家であっても、この差額(補償額を加えても生産者価格は9000円なので)では経営維持は困難です。
 そもそも戸別補償は「減反」を受け入れた農家のみが対象であって、スケールメリットを狙っての大規模生産は減反に参加しませんので、補償対象にはなりません(減反参加もありえますが)。


2)TPP参加を好機と見る農家もいないわけではありません。コシヒカリなどの高級ブランド米をたとえば上海の上中流層へ販売を考えている人たちです。景気の動向もありますし、高級米は必需食料品ではない「贅沢品」であるという弱さがあります。加えて、西友輸入の中国産コメが国内産コメと品質で見劣りしないほどになっている進歩が見落とされています。国内産コメの品質の優位差は縮小しているのではないでしょうか。米を輸出というのは産業界からの提言でもあったのですけれどね。


3)この後も、日本は少子高齢化が続き、50年後には人口は5千万人程度減少する予測が立てられています。そこまでは減少しないとしても、減少の傾向は間違いないでしょう。どういうことかというと、コメの消費量が減少するということです。現在の消費量は770万トン程度です。ただ人口減で消費量が減少しているということではなくて、生活水準との関連で上中流層ほどコメの消費が少なく、パン食などが増えているのですが、今後はベースの人口も減少していきますので、消費量も減少していきます。
 それと生産農家との関係はどうなるでしょうか。


4)都道府県によっては4割くらいの田を減反すなわち休耕しています。減反によって生産調整していることになります。減反をしなければ国内ではコメ余りになります。もう日本人は昔ほどはコメを食べなくなったんですね。消費量の減少に見合うように稲作農家も減少していったのです(減少したのは「稲作」農家だけではありませんが)。ですから、何もしないでも(戸別補償をしようがしまいが)稲作農家は今後も減少し続けます。ところが、仮に生産価格と国外への輸出価格の差額を補償しようというのであれば、農家は経営を維持できるでしょう。その差額は60キロあたり(現在で)7000円、10aでは平均反収は8俵(=8×60kg)なので、差額補償となれば、7千円×8俵=5万6千円の補償額が必要ということになりかねません(コシヒカリの場合)。くりかえしますが、現在の戸別補償額が1万5千円ですから、検討の余地がないという結論を先に出しておきました。


5)では、国内のコメ農家は将来どうなるのでしょうか。私も農家の片割れなので、もっと楽観的な未来を語りたいと思いますが、その材料がほとんどありません。農林漁業だけでなくて、あらゆる産業は消費者の数あるいは消費量によって将来を決められています。グローバル化はコメ以外ではとっくに実現されてしまっています。林業などは安い外国産木材の進出で衰退、漁業でも消費減や高級魚志向や近海での漁獲高減少で衰退。少子化で後継者難ということが起こっているかもしれませんが、「儲かっている」なら新規参入が容易にあるはずです。つまり、コメ農家も同じような道をたどるのではないだろうか、というのが私の予測であり、実は大半の識者の予測なのです。露骨に言えば「ほっとけばいいものを戸別補償などするから、つい延命してしまうんだ。」と身も蓋もないのですよ。農業を守ることが自然環境の保全というのなら、林業も守るべきでしたね。


6)最後に、農業者の希望を語ります。ある程度、農業従事者が減少すれば、もう競争も起きず、安定した消費を背景に安定した営農ができるようになります。需給のバランスが取れた段階のことです。繰り返すのですが、消費量が減少する傾向以上に農業者が減少しています。国内自給率の低下に歯止めをかけたい農水省は新規就農や環境保全型農業に補助金給付を検討し始めました。補助金を当てにするような産業は持続しませんので、私はあんまり受給には気が進まないですけど、別に受けてもかまわないですよ。補助は一時的ですし。農業についてはコメはまだ見通しは不明ですが、それ以外では受給のバランス状態に近づいているのではないか、というのが私の見解です。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

人と自然 更新情報

人と自然のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。