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人と自然コミュのなぜ人は宗教にハマるのか

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島田裕巳「なぜ人は宗教にハマるのか」河出書房新社 ¥1260
        ----14歳の世渡り術

 新年に神社寺院に初詣する人は9千万人に達するほどで、これはほとんど国民的慣習行事と言っていいと思う。一応は神社が基本だが、寺院でもいいとされる。また、七五三という成長の行事にも神社に詣でる。だからといって、参拝者が神道の信者というわけではない。また、死後には葬儀が仏式で執り行われることが多いが、これらが宗教的な儀式であっても、数珠を持っていても仏教の信者ではなく、あくまで日本人の慣習であると著者が言う。欧米でも日曜日に教会に通う程度はクリスチャンと呼べるほどの信者ではなく、ごく普通の慣習なのだとも著者は言っている。生まれた土地がたまたま日本であり、その地の歴史的伝統的慣習なので、普通に受け入れられているのだと。
 私は数年前に「スピリッチュアルを考える」という文章をまとめたことがあって、そこで宗教と科学の問題を考えたことがあるので(ここの過去ログにあります)、目に止まったのがこの本です。

 ただ、この本で取り上げられるのは、神道とか仏教・キリスト教という伝統的宗教でなくて、いわゆる新宗教、新々宗教である。昭和に入って広がった創価学会など、エホバの証人、統一原理教会、法の華、オウム真理教、ヤマギシカイなどの話題が取り上げられる。始まったばかりの時期はどれも「新興宗教」で信者拡大活動が激しく、創価学会などは「折伏」と呼んだ、昭和三〇年代は勧誘が社会的な問題とさえなった。私も関西に住んでいた頃、勧誘を受けて夜に幹部の訪問を数回受けたことがあり、ずっと拒否し続けたが、それもずいぶんエネルギーのいることだった。
 また、学生時代には統一原理教会に誘われて、事務所に行って「神の世界、サタンの世界」についての講義を聴いたことがある。合同結婚式とか日韓海底トンネル建設などが一時大きく取り上げられたこともある。
 それから、今の町ではエホバの証人の信者の訪問を受けて、聖書に興味を示したら、別の本格的な勧誘員がやってきたが、ただの教養的な関心があるだけで、入信する気はないことを伝えたら理解された。
 名古屋に住んでいた頃には、夜外国人が聖書を持って入会の勧誘にやってきて、中に入ってもらって話だけを聞くことにしたら、外国人は感激して聖書を置いていったことがある。米国の新興宗教・モルモン教の勧誘であった。
 二〇年くらいまえであろうか、保育園などでヤマギシカイへの入会の誘いがあったようで、町でも入会しようとする子供(成年)と、止めようとする家族や友人がいて、私も知人から相談を受けたことがあった。なにしろ全財産を提供して入植地へ入ろうとするので家族が止めるのだが、聞く耳を持たずに強行してしまったようが、その後どうなっただろうか。ただし、私はそれ以前にヤマギシカイに理解があって、農産品購入もしたことがあり、実顕地に泊まって農作業を体験してきたことがあった。一九七〇年代にはコミューン(共同体)運動が注目されていて、その最大規模がヤマギシカイでもあった。入会した大学教授新島淳良氏がよく知られている。今もいくつかの共同体が現存している。そこでの体験は面白かった。

 おそらくはだれでもこの程度の宗教への勧誘は受けていると思われるが、入信されたケースもあるだろう。私は六人兄弟だが、そのうち三人が創価学会の家族になっている。その理由は以下に書く。

 入信の動機は「貧病争」であると著者が分析している。これに私は「弧」を付け加えたいと思う。また、オウム真理教では、それほど強い勧誘行動は無くて、自分から進んでサティアンに向かったというケースも少なくないと言う。高学歴の人も多いが、若い人ほど「自分探し」が動機であるとも説明される。「垣根を越えた人たち」と、ここにとどまる私たちの間の対話は難しいけれど、聴いてあげることはできる。1人で上京したり、進学で都会に行ったりした時、話し相手も相談する人もいない時に勧誘を受けることがあるだろう。大学新入生が勧誘を受けるのもこれだし、私の姉が都会で(創価学会に)入会したのも孤立が理由だろうと思う。

 この本は子供向きに書かれているので、社会的波紋を起こした団体の原因解明までは迫ってはいないが、だいたいの概観は得られるのではないかと思う。まわりに信者がいるが、どうつきあえばよいのか、などはひとつの答えがないので、参考にはならないかもしれないが、若い人たちは(勧誘を)受け止める心構えができるかもしれない。(2012年一月)


(年明けに二つ文章をあげてみました。日常の雑記ではないので、これくらいの文章でも推敲すると一時間では書けません。農場ブログも書いているので、これでは訪問者のブログまでなかなか見ることができないので、どうしようか迷っていますが、しかし発信することを優先してもよいのではないかとも思うし、揺れているって状態です)

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