人と自然コミュの私の町の衆議院選挙事情

私の町の衆議院選挙事情


８月３０日の衆議院議員選挙の、この町での投・開票結果です。
　なんだか、全国の傾向とちょっと違うような・・・。


小選挙区 （愛知８区）

伊藤　忠彦（自民）　　 ７３２０　票
ばんの　豊（民主）　　 ４６５２　票（当選）
三丁目　しんや（幸福） ２８７　票


比例代表選出議員選挙

自由民主党　　４３９４　票（東海ブロック　６人当選）
民主党　　　　　４１２８　票（　　　　　　　　１２人）
公明党　　　　　１８０７　票（　　　　　　　　　２人）
日本共産党　　　５５８　票（　　　　　　　　　１人）
みんなの党　　 　４５６ 票
国民新党　　　 　２１９　票
幸福実現党　　 ２１５　票
社会民主党　　 ２０２　票
新党日本　　　　 　８３　票

投票率：７０．６１％（愛知８区全体では７０．１９％）


ご存じかと思いますが、愛知県の１５選挙区をすべて民主党が独占の圧倒的勝利。自民党は、県連会長の大村氏が一人比例復活当選、という結果です。

　比例でも復活できないほどの自民党でしたが、上のように私の町では自民候補・自民党が選挙区・比例でも引き離しています。
　このようなケースは県下でもまれで、この町、三河の大村議員の選挙区の市、そして尾張地方南部の小さな町くらいです。

　この町は、６年前の前々回町長選挙で、一票差で当選が決まったことが週刊誌で報道されたり、また、平成の市町村大合併に関連して「南セントレア市」という命名を巡って意見が分かれ、結局合併がご破算になったり、また前回の町長選で現役が落選し数ヶ月後の県議選で当選するなどの変な結果が出たことも以前、こちらでリポートしたことがありました。

　これを「町では日本中の風が吹かなかった」と言うのでしょうか。そもそもなぜ風が吹かなかったのでしょうか。

　ちなみに、自民党の３００選挙区の当選者は６４人で、東北５、北陸６、中国１０、四国８、九州１３人。これらの合計４２議席で選挙区獲得議席の３分の２、ただし、北海道１。

　これに対し、民主党の選挙区当選者は２２１人。東北１９、北陸３、中国８(他に亀井静香、平沼氏）、四国５、九州１８議席。合計は５３議席（北海道１１込みだと６４）。

　自民優勢の地域は北陸・中国・四国ということになります。奢る平家ならぬ自民が屋島から壇ノ浦へ、西に落ちて行く様のようでもある。

　すると、私の町は、このような地方と同じような傾向を示したということであろうか。
人口２万３千人なので、町としては大きい方だ。観光と農業と漁業の町。いずれの産業も振るわない。ここ数年、観光旅館がいくつも閉鎖。農業も高齢化で町のミカン共選出荷場は無くなり、農家は隣町へ運ぶことになっている。
　それでも農協の力は残っている。町の一等地にＪＡバンクがあり、ガソリンスタンドがある。介護の特養施設も作り増設中。葬儀所も作った。どうやら、ここに上の選挙結果の理由がありそうだ。農協の地盤なのであろう。農協はずっと自民の支持団体であり、農家は農協の指図どおり農作業・出荷作業をしてきたし、農家が自分で考えないで済んできた。どこかから投票の指令または依頼があれば、そのとおりに動くだろう。産業としての農業は衰退しているが、農協の企業活動は元気なのだ。
　あと一つの理由は、町長選に負けた前町長（＝前々回に１票差で当選した人）が県議選では無所属のまま自民公認候補（隣町元町長）を破り、今は半島南部の自民党県議である。こういう人を支持する人たちも多いのだろう。この図式もよくわからないんだが。

　開放的に見える観光の町の反面、上のような体質もあり、閉鎖的。私はこの町に来て３０年になるが、なんとか住民扱いされるようになったのは、ここ数年のことであって、それまではよそ者扱いである。別に肩身が狭いことはなかったけれども、困ったときには頼りに出来る人もいなかった。新たに農業を始めた人は珍しくて、ただ冷ややかにお手並み拝見と見ているだけ。応援しようともしない。３０年も経つと、まだ農業者として生き残っているのは、回りにはほとんどいなくて、ブドウ農家、観光農園（直売店）、そして複合有機の私だけ。あとは兼業か老後の手間仕事程度。
　近頃は野良仕事（農作業）中でも、よく小さな頼み事をされるようになった。ご主人を先に亡くしたおばちゃんが多いのだ。ちょっとした力仕事をいつも頼みに来るし、道具を貸してくれとか、機械を動かしてくれとか・・・。

　それはともかくとしても、小さな政党の得票を見ても、よくわからない。社民党よりも幸福の科学が多い。共産党は町議がいるのでわかるが、みんなの党の善戦とか国民新党なども結構入っている。結論から言うと、投票の動機が、まぁようわからんのだわ。変な町だなぁ。田舎芝居を見る感じ。笑ってもいいんだけれども、国政ともつながることなので、ちょっとはまじめに考えないといけない。

　九条の会とか、政治・社会をよくしようという小さなグループはあるものの、広がりに欠ける感じ。町議会議員も不勉強。今春には、隣の集落の小学校廃校にストップを掛けるどころか、賛成する議員が多数。住民も生徒数を増やす自助努力は何も無い。

　どこか、いいところがあるのだろうか、この町。景色だけはいいんだがなぁ・・・。

　あなたのお住いでの選挙、いかがでした？