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人と自然コミュのどうなる日本の食糧と農業(その1)

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どうなる日本の食糧と農業(不連続シリーズの1)

 最近の農業の話題としては、「企業の参入続出」でしょうか。
農地が株式会社への借地規制(所有は認められない)が緩和されたことで次々と参入が続きました。
JR東日本、イオングループ、ワタミ、カゴメ、そしてトヨタ通商です。トヨタ通商については、下記が詳しい。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44619827&comment_count=130&comm_id=357925
 これによると、補助金12億円とかで設備の5割補助と。年間売り上げ100億円目標。トマトやパプリカの溶液栽培。

 参入する企業は、トヨタ通商を除けば、加工・消費の「下流」からの参入なので、グループ内での農産品利用ないし販売を見込んでいるので、その消費規模の範囲内でならば、維持は一応可能かもしれない。販売・加工までの一貫生産であるから、流通までのどこかで利益が出ればよいのだ。ところが、参入企業の姿勢はとても慎重に見える。そんなに簡単ではないと言う。
 農の現場から見ても、とても農業の企業経営は難しいと思う。大半の農事法人は家族経営である。雇用労働で農業はどこまで可能か、という問題は、この農事法人では問題にはなりません。ただ中山間地農地集約型の農事法人も出てきました。農産物の売り上げから人件費を出すというのが、なかなか困難。工場型だと天候の影響は「少ない」だけで皆無ということはないです。
 私は現在年収400万円以下くらいに当たると思いますが、会社勤めの経験もあり、30年前でも35歳で300万円くらいはあったでしょう。管理職・役員に近い位置で、そのまま勤務し続ければ年収1千万円くらいにはなったでしょうが、農業ではその半分にも満たない収入です。これは何を意味しているかというと、やはり農業では企業勤務のようには収入が確保できないのです。大規模化が事実上不可能に近い有機農業の現場でもあり、高給は不可能だが、ま、自然環境の中での仕事とか、気持ちの(体力でなく)ゆとりなどがあるから続いている、といった弁明になってしまう。
 (農家の聞き取りとか、本を読むと、きまって上のような精神論の強調ばかりのようで、私はちょっとどうかなぁと思っていたが、実はそれが気持ちの支えになっているようなので、あんまりむげにしてもいけないみたいだ)

有機農業全体への補助金が5億円程度なので、これに比べると12億円を1社にというのがいかにアンバランスかがわかります。


 カロリーベースでの自給率を上げようとするのなら、トマトやパプリカ生産に補助金を上げても有効ではありません。また、企業がトマト、パプリカを生産しようというのは、発想が単純です。トマトなどは1年中需要があり、そして末端価格も1個100円程度と安定しています。パプリカも高い。(冬のトマトなどは味が薄いですけど、これは横に置いて)
 さて、生産量が増加して市場へ大量が出回った時、その価格が維持されるかというと下がるわけです。ここでも農業ってそんなに計算通り行きません。


 コメです。一応自給率は97%くらいありますから、日本人の食糧は当面大丈夫です。最近インド政府が穀物の輸出を禁止しました。稲作のパンジャブ地方が小雨で不作予想です。
 農業に関連して、国際的水争いが起こりそうです。メコン川、上流は中国で、下流はビルマ、タイなど。上流でダムを作られると下流の農業は打撃を受けるでしょう。ナイル川、下流のエジプトが上流国のかつての支配国イギリスの植民地であった頃に水利権を確保したのです。上流国では既に水不足で農業・食糧不安が起きています。日本はこれらは本当に対岸の火事です。


 以前に肉食について調べたことがありました。カロリーについて言うなら、肉類、魚介類、穀物。これらの国内生産を優先すべきであり、消費が国産志向になるような政策が必要です。肉類、魚介類の国内産シェアは5割を切っています。畜産飼料は8,9割が外国産というのも大問題で、米国カナダのトウモロコシがバイオ燃料に、中国が輸入国に変貌して、世界に出回る穀物が減少傾向です。それで穀物の世界の相場が上昇傾向にある。中国が世界の工場となって、経済成長率が右肩上がりで、生活水準が向上して肉食が増加、するとトウモロコシ・飼料の消費がさらに高まります。

http://homepage2.nifty.com/torinosato/wadai9.htm

そこで、牛肉の国内自給率が36%であっても、その飼料の国内自給率が20%程度だとすると、この牛肉自給率の数字は表面上だけであり、実際はその5分の1の7.2%ということになります。同様に、豚肉:62%は12.4%、鶏肉:67%は13.4%、玉子:96%は19.2%、牛乳:71%は14.2%の国内自給率と推定できるでしょう。

 日本人の食生活もコメ離れ、肉食志向となっていて、これを元の穀物志向に戻そうとしても、戻ることはありません。そういうキャンペーンは成功しないでしょうが、価格が高騰すれば、おのずと消費が減少するでしょう。とは言え(肉食を減らし)コメを食べれば自給率は上がります。

 食糧と農業の両立の問題は本来矛盾しているものです。米の価格がじわりと低下しています。銘柄米でも60キロ1万5千円を割り込みつつあります。この価格がほとんどの農家の採算ラインと言われています。国内だけでも自由化すれば、米価は下がるのが当たり前なんです。自由化前には食管法というので国が全量買い上げしていました。毎年、米価で農民・農協が自民党農業族議員と結託して、米価の引き上げをしてきた歴史があります。それまでの米価が政治的に「加算」されて高かったので、市場価格ではありませんでした。
 ある意味では農業保護の政策ではあったのでしょう。今年も、米価が下がる傾向になったので、あわてて在庫のために30万トンを国が買い入れました。今回の選挙でも、「選択的減反」や「全戸補償」などと保護政策が出ています。国際価格は上昇し、国内価格は低下しているという変なコメ。

 この解決は本当に難しいです。農村は都市ではありません。地方です。大規模化が言われていても、本当にたとえば1戸20ha以上の稲作に集積すると、農家の数も減少して、従事者人口が激減、農村が無くなってしまう。こういう地域の問題が起こること、都市住民にはわからないでしょう。山間地ではすでに限界集落であり、集落が壊滅してしまっています。今も離農が進んでいます。全国で販売農家数は194万9千戸と200万戸を割ってしまいました(自家用や縁故米生産者は販売農家に含まれない。飯米農家と呼んでいます)。


 なかなか、総合的な解決策というのは見つかりません。頭が痛い問題です。

(不規則に続く)

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