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人と自然コミュの農と食の本、4冊(2)

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3)本野一郎「いのちの秩序 農の力」コモンズ \1900+税

 本野さんは、京大大学院を出た後、西神戸JA(現兵庫JA)に入られた。JA職員でありながら、有機農業にも関心が強く、「有機農業の可能性」という本を出されて、私は読んだことがある。兵庫県市島町が、山形県高畑町と並んで西の有機農業の町になったのは、この人の力もあるのだろう。また、神戸大学で定期的に有機農業講座が持たれているのも補強材料だ。
 この本は雑誌などへの掲載文の再録で各章で内容が独立している。3分の2くらいがJA職員としての活動や仕事の内容であるが、普通JAの職員というのは、役場の職員と同じように、ただ上からの指令に従って事無きように「動かない」ものだが、本野さんはJA内では邪道・外道である有機農業普及拡大でも精力的に動いたし、地産地消、それから阪神大震災での農家の食糧支援でも農家と被災者のルートの橋渡しをされたようで、これらは職域を越えた活動であろう。いわゆる「都市近郊農業」というメリットもあって、中山間地・過疎地では、なかなかこうはいかないのではないだろうか。
 後半に、本のタイトルのような解説が続く。伝統野菜の自家採種の必要性を説き、種取りネットワークに関与する。で、その関係本が出版されて、実は私も書評を書いたのだけれど、これがまだ掲載されていました。(http://tane.fubyshare.gr.jp/handbook.htm)。
 遺伝子組み換え植物を受け入れない意味とか。消費者と生産者との交流の意義。そして、貨幣では評価できない農の力を解説して貨幣の秩序でなく命の秩序を基準とすべきだと言う。インドの経済学者バンダナ・シヴァとのインタービュもあり、グローバリズムへの対策を考える。全体としてはいいのではないかと思いました。最後に本野さんは150人規模の共同購入グループに参加して、農産物を定期購入されている。同じような規模に私は逆に農産物を供給している。まだ、このような小規模の原則を守る産消提携のグループが存在するのだ。


4)安部 司「食品の裏側」東洋経済新報社 \1400+税

 食品添加物の営業マンであった著者が、添加物がどのように食べ物に使われているのか、の暴露話で、なかなか面白かった、などというと顰蹙を買うかもしれないが。
 最近は商品の裏の含有添加物表示がかなり詳しくなったので、判断の目安にはなっている。魚肉などの練り物、漬物、飲料水、惣菜、その他あらゆる食品に添加物が含まれている。メーカーサイドで、これらを実験で安全が証明されているので安全だ、と主張する学者さえいるわけだが、その根拠は単一の化学物質のデータであって、いくつもの、あるいは数十の添加物を複合的に摂取してしまった時にはどうなるかのデータはどこにもない、と著者は言う。実際、アトピー性皮膚炎は増える一方だし、若者はすぐキレるようだし、注意欠陥他動性障害という、落ち着きのなさが子供たちにも現れてきた、その原因としては、このような食べ物もあげられるのではないか、と私は推測している。化学調味料で子供の味覚が壊されてしまう。これをおいしさだと思ってしまうのだ。家庭料理よりも惣菜、おにぎり、サンドがおいしいと思うのなら、問題ではないだろうか。
 かつて「カニかまぼこ」というのがあったが、カニが入ってないのだ。それで「カニ風味かまぼこ」と呼ぶようになった。「**風味」と書いてあるのは、それが含まれていないという逆の意味なのだと思い知ろう。
 とにかく、安い食べ物は、添加物満載だ。果汁1%のドリンクなんて果実の味も香りもするわけがなく、そこは調味料と香料で「調整」(すなわちごまかし)しているわけだ。安い銘水などは水道水を加工しているだけとか。カット野菜や千切りキャベツがいつまでも傷まないで変色しないのはなぜなのか。保存料の液にしっかり漬けられているからだ、と知っては積極的に買えないだろう。。
 輸入されて、変色してしまった野菜を漂白して(漂白剤)さらに着色し(着色剤)、そうして(調味料で)味付けする。スナック菓子とか、ハム・ソーセージ、おにぎり、明太子なども。
 まぁ、私は有機農家なので、これらはそうだろうなぁと知っていたが、最近は上に書いたように、添加物擁護学者もいるくらいだ。
 工場でそのような添加物を使って製造した漬物や練り製品を現場で作った人が食べないという、信じられないお話。
 結局、製造現場は最低限に添加物を利用する、消費者は以上の現状を知って、手料理手作りも心がけるとずいぶん摂取量が変わってくる、という緩やかな提言ではある。仕事などで忙しいけれども、少しは手作りの時間をふやそうという趣旨だ。

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