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人と自然コミュの国際穀物価格高騰と日本の進むべき道・3

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国際穀物価格高騰と日本の進むべき道・3

3)日本はコメ輸出のための農業基盤を確保せよ

 そこで、世界の人口が1.5倍になる将来を見越して、日本ができること:コメの増産体制です。
 休耕地などはそのままにしておくと再生できませんし、補修にコストがかかります。そうならないうちに農地を確保しておくこと。コメ生産を続けること。国際価格が上昇してよいものではないから、国内価格と国際価格の差額を生産者に補償して、米の輸出をはかること。これでいくらかは国際価格の上昇を抑えることもできます。輸出分生産を目的として生産者を募ることも一つの道です。
 例えば、現在ですと、キロ200円を生産者最低保障価格として、50円の上乗せ補償をして、キロ200円以下で輸出しようという提案です。この国内・国際価格の差額(の50円)を国と生産者で分割負担するという案も現実的です。国際価格とはタイ輸出コメ価格またはシカゴ穀物相場を指しています。
 これからは、日本・東南アジアはコメ食の世界の穀倉になるだろうとの長期計画の下、これくらいの農業基盤整備のために国家予算を投じること、国民的コンセンサスが得られるでしょう。国際価格の2倍のコメをそう不満も上げずに食べ続けてきたので、穀物価格の国際的高騰が対岸の火事程度の見物、という実績があるのですから。

 繰り返しますが、50年後の世界人口は93億から100億人とされます。現在の人口の1.5倍なので、1.5倍の穀物など食糧が必要。それもリーズナブルな、貧しくとも手に入れるような価格であることが必要。国際価格の高騰を抑えるためにも、日本で増産して輸出しようというプロジェクトの提言です。国家の食糧安全保障の範囲内の問題を越えて、世界的に穀物価格の高騰を防止する意味もあり、世界中の飢餓を少しでも少なくする効果もあります。
 コメ農家全戸への補償ではありませんし、補償価格以上で売れるブランド米生産者は対象外ですし、ブランド米でも希望価格で輸入する国もあるでしょう。

 コメの国内100%自給はもちろんのこと、コメを増産して輸出する!

 これまでとは情勢が変わってきたのです。現在の国際穀物不足は、人口増のもたらす前兆だと受け取れます。もっと厳しい事態が世界の各地で起こるでしょう。最低限でも主食を世界に提供・輸出しようという長期的な企画、現実的でないでしょうか。
 石油も高騰しています。アジアなどからの人たちに稲作を担ってもらうこともできるでしょう。人海戦術も回復するかもしれませんし、外国人就労の場が増えます。

予想される問題点など:
 i)「国内の食糧自給率を100%とすることは不可能ではないか?」
 現在の人口と食生活を基準にしての計算では不可能ですが、変動します。アメリカ・カナダなどからの穀物輸入が激減することは近い将来あり得る(アメリカのトウモロコシ6割が国内需要、2割がエタノール需要、2割が輸出)ことで、またこれまでのコメ輸出国が輸出規制に乗り出したこと、すなわち外国から穀物を輸入できない事態がせまっているのです。100%は無理でも80%くらいまであげることは可能です。肉食・パン食を減らすだけでも数十%上昇するでしょう。自給率達成目標が45%とは、弱々しいです。

ii)「食糧問題の本質は量不足ではなく、高い価格の食糧を買えるかどうかで、そのために所得水準を高く維持する必要があり、そのような産業特化が必要(野口悠紀雄氏)」
 弱肉強食のグローバル資本主義の発想ではこうなるでしょう。ネオリベ的でもあり、弱者を振るい落として、強いモノだけが生き残り、そこから経済活性化を図ろうとします。その途中経過で日本は派遣労働が拡大、貧民層が増加しつつあり、全体でも格差が広がっています。単身女性の半分近くは年収180万円以下、4分の1は120万円以下です。すでに上の産業構造は崩壊してしまっています。この格差の現実から、これからの食の構図を考えるべきです。
 コメの価格も低下。今や5キロ1400円くらいでも買えます。これは加工米からの選別米、および粒の小さなものばかりを選別したもので、このようにブランドコメの高品質でなくて、低価格でコメを購入する低所得層が日本にも増加しつつあります。安倍晋三元首相は「再チャレンジ」というかけ声だけで、もともとそれは実効性はありませんでしたが、それはともかくとしても、国民的主食は有り余るほどあってよく、安価でなければなりません。これと主食の生産者の所得保障を両立することが肝腎です。そうして初めて食の安全保障が可能になる。主食穀類の消費と生産の両方を安定させるために国家は予算を組むことには国民的合意はとっくに得られています。そうこうしているうちに外国のコメ価格が日本の価格に追いつきつつあります。日本のコメ価格は国際的に高いので買えない国があるようだ。それでそのような国も買えるような価格設定のために国が生産者に一定の補償をする。人道的に間違っていません。
 これまでエコノミストは、日本農業は過保護で国際競争に太刀打ちできないのだから、保護をやめれば国際競争力が付く、と言ってきた経過がありましたが、アメリカ・カナダとの栽培規模は100倍差で、これをどうしたら埋めることができるのかの提言は、誰もできていません。
 この事情はかなり知られるようになり、「過保護が日本農業をダメにした」などと最近は言わなくなりました。加えて、穀物国際価格の高騰です。外国に安い穀物が無くなりつつあります。
 
日本のコメが高いなんて言っていたのは、売りたいアメリカだけです。
日本人がそう思っていないのだから、余計なお世話というものです。
結局、工業製品と同じような貿易ルールを食糧にも適用して、(これまでの)食糧生産・輸出国(ケアンズ・グループ)に便宜を図ったことが、干ばつやエタノールへの転化(と食生活の洋風化)で穀物の国際高騰につながったのです。

 ここでの提案は、国内の主食コメの消費者への保証は当然として、さらに外国へ輸出して、世界の穀物需要に応えようとするものです。
 当面の数年間は、我彼の価格差があって厳しいかもしれませんが、長期的には世界中で穀物不足になることは間違いないです。

 最初に戻ると、日本や東南アジアは水(降水量)も豊富、気候もコメ栽培に適していて、特に日本は休耕地(減反)が多いのです。米を輸入したい国からの投資を受けて、その国へ輸出する、という道だって出てくるかもしれません。
 現在の農業従事者は高齢化していて、若年従事者が続きません。これも課題ですが、希望が持てるようになれば参入が増加するはずです。

 このあたりになると、単に道筋を説明しただけで、現実にどのように展開できるのか、を私ではデータ・資料・計算不足で、なかなか困難なので、農水省あたりで100年の長期計画を立案してほしいところです。

 現在は、コメ離れもあり、米の価格は国内では低下しており、生産意欲も低下しています。世界の穀物高騰とは全く反対の価格低下が起こっているという、変な国です。それもこれまでで、石油高、輸入穀物高騰ないし激減はもう起こっていることです。これから、その影響が食糧に向かいつつありますから、食と農の未来、私は、上のように考えました。 
 今すぐ増産しても、それを国内需要に回せば、国内コメ価格はさらに低下して、生産者を打撃します。国内需要でなくて、国際需要に回すためにあれこれ検討しようと、いう考えです。

http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/43.html
コメを輸出向けに増産せよと言うのは、実は私が初めてではなくて、すでに識者が書いている。そのための国庫負担額も1600億円程度で、たいしたことはない。国際流通量はコメ総生産の15%程度しかなく、一国で300万トン程度輸出できているだけ。日本は今でも500万トンくらい輸出できる休耕水田があるのですから輸出向けに利用しないのがおかしいのです。

 50年100年の計で、日本農業を、食糧をどうするのかのプログラムが必要です。日本国内では、高齢化と人口減でコメの消費量が減少して、価格が低下する半面、国際的には人口増でコメ価格は上昇して、国内・国際価格があと10年程度でほとんど並ぶようになります。コメの輸出で世界に貢献できるし、稲作が国際産業として成り立つ条件が整いつつあります。
 いかがですか。この構想、夢物語だと思いますか? (終)

コメント(3)

アリです指でOK
減反なんてやめればいいexclamationexclamation
コシヒカリなんて今や世界で通用するブランドだし
国内でも、小麦粉のかわりに米粉をつかったパンや麺などの食品が増えつつありますわーい(嬉しい顔)
値上がりした外国の飼料にとってかわるものとして、米が注目されてるって話もあります。
日本が昔からしてきた得意なことをやることで、
道が開けるなんて最高じゃないですか指でOK
あとは、その担い手…。
いっそ米農家を公務員にするとかexclamation
学生は一年間農業しないと卒業出来ないとかexclamation
思い切った政策が欲しいですねexclamationexclamation
 個人的にも農業への提言は山ほどあります。日本の食料基地をうたう北海道に住んでいるということもありますし。でも就農して8年目、こんな言い方をすると曲解されても仕方ないと思いますが、どのような時代になろうとも自分の周囲だけを守っていければいいと思うようになってきました。

 日本の農業政策や穀物価格高騰、ガソリン・軽油の高騰も大きな問題ですが、化学肥料になくてはならないリン鉱石の禁輸措置まで出てきました。アメリカはすでに禁輸。中国も輸出関税を100%にし実質的に禁輸です。他国も禁輸に動く可能性は高い。日本はリンを100%輸入です。年間70万トン。多くは中国から.国際価格は5倍。窒素、カリウムも2〜3倍。
 北海道農業から考えると、トラクター燃料である軽油価格高騰は、いくら農家が免税軽油を使えるからといっても相当辛い。加えて化学肥料価格は6割増。来年からは2倍と言う声も聞こえてきます。燃料や肥料は農業の根幹を成すものなので、今後の先行きは全くわからない。
 
 しかし、日本のこのお気楽なムードはなんなんでしょう?? 誰かが何とかしてくれると思っているのでしょうか。これまでも何とかなってきたのだから、これからもなんとなると言う思考でしょうか?? お金があっても食糧が手に入れられない時代はすぐそこまでやってきています。でも街中にはそのような兆候はない。このギャップが事実を事実として認識できないでいる。

 日本農業の担い手は事実上65歳以上の方です。何度か言ってますがあと10年です。間違いありません。このコミュに参加している方だけでももう少し真剣に考えましょう。
 
価格の高騰は、これで終わりではありません。鉄が値上がりしているので、金属などの回収も盛んです。
この後は、あらゆる工業製品も値上がりするでしょう。

さて、北海道の稲作、元気ですね。今や秋田新潟を凌駕して、ブランド米のトップの勢い。きらら397に続く新品種がコシヒカリ、あきたこまちを抜いて最高値。これなら、北海道の稲作、希望が持てますね。

私は農家なので、農家を補助しろなどとは言いませんが、国際的な食と農の事情を考えると、上のような文章になってしまっただけです。

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