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人と自然コミュのJAS法違反の化学肥料使用育苗を考える

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北陸のF農園で、化学肥料入り培養土で育てた稲苗を植えて、「有機栽培」であると表示したのは、JAS法違反である、との報道。
米88トン(2年分)とのこと。

 「有機栽培」と表示するためには、JAS法指定の栽培法と、認証団体の認証が必要です。

JAS有機認証は、経費もかかるし、記録などの時間もかかるし、その上、生産者が期待するほど高い評価がつくわけでないので、私はJAS認証を無視しています。それほどの規模の栽培でもないですから。

 そもそも、JAS有機は有機農業者とはまったく無関係に定められた基準で、最近の有機農業推進法基本方針では、「生産方法・販売方法については、有機農業者の意見を聞くこと」となっていて、これには全く反する形で制定されました。
 JAS有機の前身である、有機栽培のガイドライン以来、「有機」は付加価値型農産物という位置づけであって、有機栽培表示をすることによって、市場の高い評価を得る(高い価格で売る)というのがJAS有機の真髄です。だから、今後も偽装事件は起こるでしょう。消費者の健康と環境保全に関わる本来の有機農業の理念とはぜんぜんかけ離れたものです。生産者である有機農業者の生活・暮らしのゆとりも、当然考慮されるべきです。

 私は、化学肥料が入っているかもしれない「市販培養土」を使って、野菜の苗作りをしています。今のところ、自分での培養土作りには納得できるものが作れず、成功していません。
 しかし、これくらいの作業の軽減法はいいのではないでしょうか。
(私はJAS表示・認証を今後も受けるつもりはないので、違反ではありません、念のため。このように、資材栽培法をオープンにしていますよ)
 有機農家の中には強硬な意見の持ち主もいて、完全に化学肥料を使わない方法であるべきだ、と主張する方もいます。
 上の違反例は有機農家の告発だとのことですが、どうかなぁ。

 もっと緩やかな基準にした方が、生産者も楽になるし。そもそも有機農家って、ちっとも増えないし、また零細で貧乏な農家ばかりなんですね。仕事は激しい長時間労働、収入は低い。こんな職業じゃ広がらないのも無理はないと思う。撤退例も相次いでいます。

 たとえば、とりあえずはこんなケースがあります。

 種子段階で殺菌または、コート処理されたものを使うのはいけないかどうか。

 サツマイモのツルなどは慣行栽培(またはハウス栽培)のものだが、使ってはいけないか。

 ジャガイモ・里芋の種芋などはどうか。有機栽培の種芋など存在しない。

 野菜ではないが、ひよこを中ヒナで導入するのはいけないか。
(足りない苗を市販苗購入するのは、いけないか)

 紙マルチ、生分解性マルチなどの使用は分解時に、難燃剤などの化学物質残留の可能性があるとして、使用を控えなければいけないか。

 こういう問題を原則的に守っていくと、それこそ農作業は極めてハードなものになり、作業が持続性を失ってしまいかねないです。私は緩和していいのではないかと思います。もっと緩やかな範囲でもっと多様な方法を許容したいと思います。もちろん、その方法は公開することが前提です。ですから、有機栽培をたった一つのJAS有機に縛り付けること、そのものに反対なのです。多様な段階の有機農産物があっていいはずだ、ということです。現在の基準は「JAS有機」と「特別栽培」これだけです。
 消費者の側が、そんなに原則的な生産・栽培法を要求しているとはとても思えません。アンケートなどでは多少高くても安心できる食物を購入する、などと出ますが、実際の購買行動はそうではありません。1割も高いともう購入しないというのが現実です。
 有機農家って、そんなに儲かっていませんよ。零細ばかり目立ちます。
上記のF農園は有機栽培米の2〜3%のシェアだそうですが。大きくすれば、どこかでそのようにひずみが生じる例です。大規模の有機農業、基本的に無理です。表示だけに頼って購入すれば、こういうことはまた起きます。付加価値型のJAS有機そのものに問題があるのではないでしょうか。

 減農薬栽培や無農薬栽培という言葉は「特別栽培」になってしまい、使われなくなっていますが、JASに関わっていなければ、使ってもいいはずです。無農薬栽培ってわかりやすい言葉ですよね。

 近所に共同出荷している「特別栽培」果樹園がいくつかあります。ある果樹園は(除草剤を使わず、刈っているので、時に)雑草が茂っています。別の果樹園は土がそのまま見えています。雑草の根さえありません。「特別栽培」の認証って、信用できるんでしょうか。
 この話は次に続きます。この春まで姿を見せていた農園主がいなくなったので、どうしたのかと、周りに聞くと、心臓病で入院したとのこと。その雑草が茂っている果樹園の主です。

 JAS法は、もう無理なのではないだろうか。認証という海外からのシステムを採用したのは、貿易障壁排除の意味はあるとしても。私の規模では、どんなことになっても輸出するなどということはありえないので、JAS有機に無関係なんですね。多様な多段階の有機農産物、有機農業、野草に近いような栽培から、慣行栽培に近い栽培まで、多様な栽培を「有機」の中に多段階に構築できないでしょうか。私はこういう風に考えていますが、みなさん、どう考えますか?
 
 最後に、有機農産物の需要は増えていません。これが実はよく知られていないのです。新たに有機栽培に挑戦する人たちの悩みは消費先に決まっています。「提携」団体はもう新しい生産者を受け入れるだけの余裕もない。現在の流通規模を大きく拡大することが、ひいては有機農業者の増加に繋がるはずなので、この面でもっとがんばって欲しいと思います。

(上のJAS違反と、このコミュの過去ログ「中国産キクラゲ」、有機農業推進法基本方針を読み比べてください。いろいろな問題点が浮かび上がりそうです)
 

コメント(3)

 こんにちは。とりのさとさんの言いたい事もよくわかります。

 僕個人的には有機認証は取得していません。今後も取得する考えはありません。有機栽培農産物を販売するのは、つくる人食べる人がお互い良く見える関係が本質であると思うからです。良く見える関係であればお互い理解し合えばいいだけなので、本質から離れた細かい事まで気にする必要はないと考えています。
 細かい事まで気にしたら何も作れません。何から何まで自分だけで完結する事は出来ないし、出来るとしても莫大なコストがかかるでしょう。
 まぁこのような農業形態は隙間産業ですから、万人にはオススメできかねる部分も多いのですが。有機農業で日本農業を立て直すなどという大それた事をしようとするなら話しはまた別ですけど、そこまで考えたら国の進む方向性の問題にもなりますからね。
 
 自分で販売するとわかりますけど、ホントまずは値段です。しかも一般のみなさん知識が無さ過ぎです。年配者も同じようなものです。食物を他人に生産してもらうことは生命を他人に預けることと同じです。中国産は確かに問題も多いですが、金にものをいわせている日本という国のことも考えなければいけないのではないでしょうか。
 
こんにちは

今でも「無農薬で野菜を作れるはずがない」と言う人、いますよ。このように思い込んでいる人を説得するのは、とてもむつかしい。「夜、農薬を散布しているのだろう」とかも。本当にあった話。数ヶ月くらい実習見学に来てもらえるくらいでないと、「思いこみ」を切り替えるのは無理かもしれません。

 別の所でも書いてありますが、新しく有機農業を始める場合でも、JAS有機を取るのでなくて、提携関係を広げていくことだと思います。
http://torinosato.blogspot.com/
こちらに、上の最初の文をすこし長くして、書き直しました。

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