出所:2017年7・8月号米ハーバード・ビジネス・レビュー誌掲載のエリン・メイヤー氏による論文「Being The Boss In Brussels, Boston, and Beijing」から本誌作成 [画像のクリックで拡大表示] だが米国以上にユニークなのが日本だ。アジアの多くの国と同じように日本のリーダーシップは階層主義的だ(図の右半分)。上下関係がはっきりしていて、部下が人前で上司に意見することはめったにない。リーダーシップが階層主義的な国の多くは、意思決定はトップダウン型になる(図右上)。迅速で柔軟、一度決まったことでもすぐに変更や修正がある。中国やインドがこうしたケースだ。一方、日本の意思決定は合意型だ(図右下)。組織のなかで合意を積み上げていく。意思決定に時間はかかるが、ブレずに迅速に実行される。
意思決定の仕方にも文化がある 2017年に米ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論文(Being The Boss In Brussels, Boston, and Beijing)で、メイヤー教授は2014年にサントリーに買収された米ビームのマネジャーが直面した文化摩擦を取り上げている。ビームに関わる重要な問題が生じ、日本まで出向いて担当役員の前で説明する機会を与えられた米国人マネジャーは、日本側を説得する好機と考えてパワーポイントを準備した。