01. ウィンブルドン世界選手権 wimbledon, the championships ウィンブルドン世界選手権は、イギリス・ロンドンのウィンブルドンで開催されるテニスの四大国際大会の一つである。短いスコートを履いた女子プレイヤー同士のシングルス、ポケットには沢山のテニスボールが詰め込まれている。コートには喘ぎ声が響き渡り、ボールは延々と決められた小さな白線の中を、宙に浮いたり、地面に叩き付けられたりする。 そう、トーナメントを勝ち抜いてきた選手が今、決勝を迎えている。育ちの良い観客が優雅に試合を見ている。庶民はそれをテレビで見ている。選手のポニーテールがガッツポーズで揺れて、世界は一体となる。こんなにセクシーで洒落のきいたスポーツ、他にありませんよね。
02. ニューヨークと呼ばれた場所 a place called new york エンパイア・ステート・ビルディングから見たニューヨークも、どこかのカフェらしきところで食べた朝食のバナナパンケーキも、元旦に映画の日だしっつって観た『ニュー・イヤーズ・イブ』のアメリカ人たちも、タイムズスクエアの近くにあるYOSHINOYAも、ブルックリンのハンバーガーも、ヴィレッジヴァンガードで見たThe Bad Plusも、ニューヨークは現代の風景に開拓者の香りを充満させてるから、たまらなくミステリアス。つまづくんじゃないの?って言うぐらいに前のめりに時代を走ってるくせに、時が止まったみたいな感じ。全然寄り添わない感じ。私と時間とニューヨーク、みたいな感じ。なぞ!
03.台湾人と一杯のお茶 un thé avec une taïwanaise ここは九份(ジョウフェン)。台湾人の女の子と、炎天下で熱いお茶を頂く。私は慣れないのだが、彼女はとても優雅に頂く。汗ばんで背中がくっついたワンピースの裏地さえも、優雅。少し閉じ気味のまつげも艶やかだ。台湾映画でよく観るな、こういう美人。少し頬っぺたが赤く、肌が白い。ああ、この子と付き合いたい。
06. サッドナイトダンス sad night dance エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地だ。神が宿る場所。この旧市街からオリーブ山が見える。狂ったようにダンスをして夜明けを待つ。私たちは長いスカートを国旗のように翻しながら踊る。解放の夜明けは、まだ来ない。
07. アデュー世界戦争 adieu à la guerre mondiale « 革命 »なんて格好良いこと言うじゃないか。何人が血を流したと思ってんだ。何人が涙を流したと思ってんだ。人生むちゃくちゃだ。責任とれよ。とれんのかよ。とれないから支配するんだろう。言葉にだまされちゃいけない。私たちは歌えばいい。苦しみから解放される時代なのだ。もうそろそろ、そんな時代を迎えないと、苦しむことにさえ退屈しそう。武器は捨てよう。本当は必要ではなかった妬みや怒り、取り憑かれたように振り回した剣や刀、誠実さのない言葉や態度。これ、全部何の意味もない。何の意味もないのに、それで苦しむ人がいる。ばかだろう、いい加減そんなの。