まもなく、医師が患者にハーブや天然治療薬を合法的に処方できるようになる。全てのフィリピン人が平等に医療を受けられるように、安価な代替医療を提供することが重要である。 貧しい人も裕福な人も同じ質とレベルの治療を受けられるべきで、そのため誰でも利用できる代替医療が重要である。通常医療の主流である「西洋医薬品」は未だ多くのフィリピン人にとっては手が届かない。フィリピンの医療費が米国がその他の先進国と比べて非常に低いにも関わらず、そうである。 代替医療は鍼やマッサージや瞑想に限らず、あらゆるレベルの予防・診断・治療法を含む。 フィリピンにおける代替医療としてはラマーズ出産法、Navarro Beta hCG尿ガンテスト(ガンの存在を症状の出る3-4年前に検出できるとされる)、植物sambong(腎石を溶かすのに有効とされる)、 lagundi(咳や気管支炎などに効くとされる)などがある。 現在政府はTuguegarao、Tacloban、Davao、Cotabatoに4つのハーブ加工工場を所有している。 この法律は通常医療を代替医療に替えることを意図するのではなく、貧しい人々の希望のために、通常医療と代替医療の共存を意図したものである。 医師は根拠のある代替医療を患者に提供することができるようになるが、保健省又はその付属機関であるフィリピン伝統代替医療研究所Philipine Institute of Traditional and Alternative Health Care (PITAHC)が認めていない疑わしい別の治療法には注意するよう警告する。
■痛みがカナダの若者に代替医療を求めさせる Pain drives Canadian youth to seek alternative medical treatment Thursday October 13, 2005 http://qnc.queensu.ca/story_loader.php?id=434ec30270e8f カナダの青年が代替医療を求める最もよくある理由は腰痛や慢性の痛みである。 Queen’s大学によるカナダの若者による補完・代替医療(CAM)使用状況調査で明らかになった。CAMにはメッセージ治療・鍼・ホメオパシー・自然療法が含まれる。 200-2001年に行われたカナダ健康調査の一環として得られた12-19才の17,545人のデータを解析した。 ・12ヶ月以内にCAM治療者を訪問したカナダ人青年は4.9%で、女の子の方が男の子より2:1以上多い。 ・最も多い理由は腰痛(16.7%)、障害(9%)次いで喘息とアレルギー(7%)だった。 ・CAMの使用はカナダ西部で多く(人口あたり6%)、大西洋と北部で少ない(3%)。 ・CAM使用者の75%は家庭の収入が高い方の2/4の階層の家庭である ・最も多いCAMの種類はメッセージ治療である この報告書の要約のPDFは請求すればもらえる
■補完医療はコストに見合うか? Is complementary medicine cost effective? 13-Oct-2005 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-10/bmj-icm101305.php BMJ Volume 331, pp 880-1 BMJに掲載された英国における補完医療の有効性に関する系統的レビュー2005年4月までに英国で行われた補完代替医療についての研究はわずか5つで、1つは頭痛に対する鍼治療、残りは腰痛に対するせき髄操作である。著者等はこれらの処置は疑わしい臨床効果のために通常の医療の他にさらなる費用を上乗せしただけである結論している。
■鍼は緊張性頭痛を約半分に削減する Acupuncture cuts tension headache rates by almost half 28-Jul-2005 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-07/bmj-act072705.php BMJオンラインに発表された研究。 緊張性頭痛患者270人を、伝統的鍼治療・ツボではないところへのハリ・対照群の三群に無作為に振り分けた。伝統的鍼治療とツボではないところへのハリ群では治療後4週間の頭痛の頻度が約半分になったと報告した。治療効果は数ヶ月続いたが時間が経過すると頭痛頻度は増加した。伝統的中国鍼とツボでないところのハリとの間にほとんど差がなかったことから、ツボやその他の伝統要因は効果に関係ないと考えられる。 ハリには強力なプラセボ効果があるが、患者の症状を改善する方法として受け入れられると著者は語っている。 オープンアクセス 以下から入手できる。 http://bmj.bmjjournals.com/onlinefirst_date.shtml
□ BMJ:British Medical Journal :英国医師会が発行している雑誌
■偏頭痛に対して鍼治療は偽鍼治療と効果に違いはない Acupuncture treatment no more effective than sham treatment in reducing migraine headaches 3-May-2005 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-05/jaaj-atn042805.php JAMAの5月4日号に発表された論文によれば偏頭痛患者に「正しい」鍼治療をした場合と適当に鍼を刺した場合とで効果に違いはない。どちらの場合も患者の偏頭痛を訴える回数が同程度減った。従って鍼治療の効果は鍼による非特異的効果か強力なプラセボ効果によると考えられ、「ツボ」は関係ない。
2007年9月25日に鍼及び偽鍼(ツボに関係なく針を刺す)が通常の腰痛治療より有効であるという報道を4紙が行った。4紙の報道内容は概ね正確であった。 この試験はドイツでレーゲンスブルク大学のMichael Haake博士らが行ったもので、ドイツの340の病院に通う患者を対象にした。18才以上で6ヶ月以上の慢性腰痛で痛みの強度スコアがグレード1以上の人を対象にし、過去に鍼治療の経験がある人などは対象外とした。 患者は本物の鍼治療(ツボに14-20本の針を5-40mmの深さで刺す)(387人)、偽鍼(ツボでないところに表面的に針を刺す)(387人)、ドイツガイドラインに沿った通常治療(投薬と理学療法と運動の組み合わせ)(387人)に無作為に振り分けた。介入群への治療は週に2回、30分で合計10回で、10回治療して痛みが減った患者にはさらに5回治療した。患者は鍼治療が本物か偽物かは知らない。 6週、3ヶ月、6ヶ月時点で評価し、一次評価項目は6ヶ月時点での効果である。 6ヶ月の時点で、鍼治療群で47.6%、偽鍼治療群で44.2%、通常治療群で27.4%が腰痛の改善を報告した。鍼と偽鍼の間に有意差はない。 German Acupuncture Trials (GERAC) for Chronic Low Back Pain Michael Haake et al. Arch Intern Med. 2007;167:1892-1898. (偽鍼のほうがいいかも。でも鍼だと信じてるから効くのかな?「痛み」は難しい)