最近のイギリスの研究では、2007年に発症した1346例のがんに既往のがんに対する放射線治療が関連していると推定されており、それは1年間にイギリスで登録された新規発症がん患者298000人の0.45%に相当する。3 放射線治療に関連して続発する悪性腫瘍のうち、最も多いものは肺がん(全体の23.7%)であり、続いて食道がん(13.3%)、女性の乳がん(10.6%)であった。 放射線治療に関連した二次がんは、ホジキンリンパ腫、口腔がん、咽頭がん、子宮頸がん患者でみられる頻度が高い。 同様に、アメリカのがん患者データベースであるSurveillance, Epidemiology and End Results(SEER)データベースを用いた後ろ向き検討では、若年のホジキンリンパ腫患者に対して放射線治療が行われた場合、乳癌、肺癌、その他の癌の発生リスクが上昇することが示された。 ほとんどの成人発症の悪性腫瘍では、放射線照射に続発して放射線誘発がんを発症することは一般的ではないが、乳がんに対する初回の放射線治療後には、肺がん、食道がん、肉腫の発症リスクが上昇すると報告されている。4