ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

経営戦略 Strategic Managementコミュの7.五つの力分析?

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  世に知れ渡ったこの5Fsに弱点などあるのか?と思われる方が多いと思われます。ビジネスや経済学の参考書ではその簡単な定義のみ紹介しているものが多いようです。しかし、一番大事なことはそのフレームワークの実戦への応用方法と、その限界についてだと思われます。実践への応用方法は前回紹介させていただきました。加算方式でその業界を取り巻く5つの競争的力の度合いを測定し、「業界の魅力(経済利益率)」を判定するというものでした。では、その限界についてはどうでしょう?3つのポイントを考察していきたいと思います。
  まず第一に、5Fsは業界分析をしていますが、その結果はその業界の「スナップショット」でしかないという点です。言い換えると、2005年11月20日のある業界の5Fs分析結果は、その一時のものでしかないということです。11月21日の段階ですでに内容が変わってしまっている恐れがあります。
  この点は財務諸表でいう貸借対照表(以下B/S)の弱点と類似しています。B/Sも、企業の財務状況の会計年度によるある一点「スナップショット」に過ぎません。次の日の在庫状況はすでに変わっており、流動資産合計は常に変動しています。しかし、B/Sは現在でも大事な財務諸表の一つとして、法律でも定められた会計基準に基づき、企業は毎年作成する義務があります。
  では、5Fsも問題ないのではないか?と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、問題はその使用目的にあります。B/Sは企業が対外的に財務状況を報告することを目的として作成されます。つまり、ステークホルダー(この場合は、株主、銀行、税務署等)に対してのものなのです。株主はB/Sをみてその会社の資産状況や配当の正当性などを知ります。銀行は、長期借入金の額や、利益率、営業規模などに興味があります。税務署は法人税等の支払額が正当であるかをB/Sを基に調査します。
  さて、5Fsの使用目的はB/Sのそれと同じでしょうか?違います。5Fsは業界の魅力を分析し、その業界に参入していていいものか?もしくはするべきか?という決断を下すためのツールです。その場合、「スナップショット」ではどうでしょう?参入を決断したその次の日に代替品の脅威が比較的に伸びて、もはや魅力的な業界ではなくなった…なんてこともあるかもしれません。例えば、お見合い写真を見てとても魅力的な男性が、実際に会ってみたら(動いてる姿を見たら)そんなに魅力的な人じゃなかったということは意外に多いはずです。関係ないですか…?
  第二点目。5Fsは加算方式でそれぞれの力のパラメーターを測定すると前回で説明させていただきました。この測定の仕方自体に問題があります。例を挙げます。

「コンビニ業界の新規参入の脅威は低い、なぜなら、コンビ二業界はたくさんの参入障壁で守られているから。規模の経済性の存在(1)、設立費用が高いこと(1)、販売ルートの確保(1)…。以上の分析から1+1+1=3で、3/5(60%)これらがこの業界は魅力的であるといえる要素となっている。」

…。これらの要素一つ一つの競争力がみんな共通して(1)ってどうしていえますか?みんな均等な強さ、もしくは重要性をもっているでしょうか?違うと思います。これら参入障壁を数量計算することは非常に大変な作業だと思います。そして、ポーターもその方法については触れていません。さらに、一つ一つの要素と同じように、一つ一つの力も均等に測定できないと思います。コンビニ業界では、新規参入などそれほど脅威ではないと思います。代替品についても同じです。それより、業界内の競争力、買い手、供給者の交渉力の方がよっぽど重要だと思います。前者2つの力と後者3つの力を均等に(1)として計算してしまうのは分析方法の過単純化ではないでしょうか?
  第三点目はもっとも重要です。ポーターは5Fsで分析することにより、業界の魅力(=経済利益率)を測定できる。と定義していますが、それの証明が一切なされておりません。5つの力と利益率の間に因果関係があるかどうかという研究はすでになされ、因果関係は結局証明されませんでした。
  以上の点が5Fsの弱みとなります。最後に、SWOTを批評したときと同様に言えることは、5Fsは1980年の産物ということです。20年前です。ファミコンが大流行していたころです。今のPS2などをもって、ファミコンの画像の荒さを批判出来ません。ましてや、DQ2の復活の呪文が長すぎる!なんて…、いや、脱線しました。
  ただ、SWOTと違う点がひとつ。ポーターはここで議論を終わりにしていません。この「業界分析ツール」とこのあと考察する「包括的競争戦略」の理論を結び付けています。このことによって、SWOTでは成し得なかった「未来」への考察を可能にしたわけです。この意味でポーターは、現在の「経営戦略論の定義」を満たした最初の戦略論者と位置づけられ、経営戦略の神様的存在として賞賛されているのかもしれません。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

経営戦略 Strategic Management 更新情報

経営戦略 Strategic Managementのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング