にゃんちゃコミュ フォーエバーコミュのDocumentary１ 〜かわいや　にゃんちゃん〜

■突然ですが、自分の働き先の社長であるにゃんちゃんの飼い主は今年の春先に重い病気の宣告を受けました。


　それから確実に日が過ぎて、とうとう今週から入院してしまい、執刀を明後日に控えています。


　少なくとも入院予定である３週間飼い主不在のにゃんちゃん宅に、呼ばれるべくして自分がお世話係を引き受けました。



■昨年までの会計事務所でのアホみたいな安月給に嫌気が差し、一大芝居を打って今の社長のとこに移ってきたものの、まさかこんな嫌な人だとは思わなかった。


　それまでも人が入ってきては折が合わず、ある人は大喧嘩して辞め、ある人は執拗ないやがらせに耐えられずに辞め、そして今年新たな犠牲者が１人。


　「これじゃ何の役にも立たないし。処遇も期待してたのと違うし。長々と続けられる仕事じゃないし。」ってことで「やっぱ辞めます」と言ったその日に切り出された社長の病名。




■「はぁ？」としか言えず、自分の退職願も立ち消え、あとは日に日に弱っていく社長の代わりを見よう見まねで務めながら、物忘れと勘違いが甚だしい自己中で身勝手な人格ゆえに言いたいこと言われて我慢を余儀なくされることも少なくなくなった今日このごろ。



　「勝手にすれば？」と放棄してしまえばそれっきりなのに、こんなかわいいにゃんちゃんが心配で心配でたまらなくて。


　きっとあの人のことだから、自分が世話をしなければ平気でペットホテルに預けるはず。


　こんなにかわいいにゃんちゃんが小汚いホテルで、飼い主を恋しがって夜な夜な鳴き続けるワンちゃんと隣り合って不安な夜を過ごす姿を想像したらいてもたってもいられない。


　食事だって、安いけど大好きなニャンプチ☆ももらえず、ホテル指定の安い物を与えられるに違いない。
お散歩だって時間制で好きなようにできない。それ以外は狭い檻の中でうんちとおしっこにまみれて暮らさなきゃいけない。




■こんな時、人間のエゴを思う。
　これまで散々かわいがってきたにゃんちゃんを一切かわいそうな目には遭わせられない。
　にゃんちゃんには精一杯天寿を全うしてもらいたい。
　こんなかわいいにゃんちゃんに悲しい思いをさせてはいけない。




■それなのにさぁ。なに、あの人。
　入院初日から付き添ってやってんのに、早速仕事絡みで勝手な思い込みして怒鳴りだすし。


　ねぎらいも感謝の言葉もない。別にいらないけど。
　とはいえこっちだってプライベートも勉強時間も運動時間も逢いたい人との時間もみんな犠牲にしてやってきてんのに、てんでお構いなし。なに、この人。


　いくらにゃんちゃんのためとはいえ、癪に障るから今月の自分の給与からのポン引き（というのかしら）１５万円は渡さないつもりでいた（今まで黙ってたけどもう言っちゃったからいいよね〜）。


　それなのにあの人。
　病室で「お前、あれはどうした？」
　まさかこの期におよんで“金”の話じゃないよね？と思いつつ。「あれって？」
　「１５万だよ」


　キター。なに、この人。
　「あれは茅ヶ崎の生活費にあてるつもりでいるんですけど」

　「それぐらい自分で払えるだろ」

　「ほんっとイヤな人ですね」

　「金が必要なら明細作ってあとで請求でもすればいいだろ」




■ほんと悪いけど「勝手に●ね」と思う。
　でも、学校帰りで遅くなった自分を真っ暗な部屋で待っているニャンちゃん。
　うれしいのか、お決まりなのかは分からないけど、玄関先に来て「にゃんにゃん。にゃんにゃん。」って前足と後足を同時に跳ねながら。部屋に入ると後足で立って一生懸命に人の身長に合わせようとして両手を振り上げるにゃんちゃん。


　ご飯もばくばく。元気もりもり。
　部屋を歩けばちょこちょこ付いてくる。



　　　　あぁ。
　　　　にゃんちゃ　かわいや。　かわいや　にゃんちゃん。