この立体視の原理は,けっこう簡単で,月の首ふり運動(秤動と言います)によって,少し右のほうを向いた満月と,少し左のほうを向いた満月を並べているだけです。この,ちょっとした月の向きの違いを,視差として利用しています。
この方法で月の立体写真を初めて作ったのは,1850年のこと。昔からこういう着想があったわけですね。この,人類初の月の立体写真を撮影したのは,英国のアマチュア天文家,De La Rue。現在,李国で紙幣を印刷している会社De La Rueの御先祖様に当たります。
……そんな歴史を噛みしめつつ,令和の月の立体画像を眺めてみるのも,一興かと思います。