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<ガラパゴス諸島>外来種による脅威と人間による進化のゆがみ
1月4日8時31分配信 毎日新聞



エコツアーの観光客の前で草を食べるガラパゴスゾウガメ=ガラパゴス諸島サンタクルス島で2008年11月8日、平田明浩撮影

 ◇独自の動植物を守れ 国を超え、協力の輪

 ガラパゴス諸島は、大陸と陸続きになったことがない。何らかの方法で海を渡った動植物は独自の進化を遂げた。天敵がいない環境で爬虫類は大型化し、飛べない鳥も生まれた。大型樹木がなく、高さ10メートル以上にも育つキク科のスカレシアが森を作った。両生類はおらず、昆虫も少ない。限られた生物のユートピアだった。

 状況は中世に一変する。1535年、パナマの司祭の船がガラパゴスに漂着した。その後、海賊の隠れ家となり、18世紀以降は捕鯨基地となった。

 飲まず食わずで1年以上生きるゾウガメは船乗りの食料として乱獲された。15亜種、推定25万頭以上いたガラパゴスゾウガメは4亜種が絶滅、懸命な保護活動で2万頭に回復しただけ。バルトラ島のガラパゴスリクイグアナは第二次世界大戦中、米軍の開発行為で絶滅し、現在いるのは戦前に隣の島に避難させた個体を戻したものだ。

 世界遺産登録後の79年、年間1万2000人だった観光客は、08年には10月までで15万人に迫った。人口は約3万人と四半世紀前の7倍。1泊1000ドル(約10万円)の高級ホテルも誕生し、エクアドルで最も外貨を稼ぐ街となった。

 人間の増加と共に持ち込まれた外来種の動植物は、固有種を駆逐しつつある。サンタクルス島では数万ヘクタールのスカレシアの森がブラックベリーなどとの競争に負け、150ヘクタールに減った。家畜として持ち込まれたヤギはゾウガメやイグアナの餌を奪い、ネズミやネコは鳥の卵を食べ尽くそうとしている。外来種が、加速度的にガラパゴスの環境を変えている。

 野放しにしているわけではない。例えばチャールズ・ダーウィン研究所(CDRS)と政府ガラパゴス国立公園局(PNG)は98年、甚大な影響を及ぼしていた野生化ヤギの駆除計画に着手。10年に完全駆除できる見通しが立った。ヤギによる生態系破壊は小笠原諸島など世界中で問題になっているが、成功すれば初めてだ。乱獲で激減したイセエビやナマコは禁漁期を設定。植物では固有種を残しつつ、1本ずつ外来種を枯らす作業が続く。

 日本からの支援もある。国際協力機構は昨年3月、プエルトアヨラに「環境教育コミュニティーセンター」を建設。地元の魚が泳ぐ水槽や標本展示室を設け、子供たちの環境学習の場になっている。CDRSやPNGのスタッフによる中高生向けの授業も実施中だ。

 07年5月にはスカレシアの植林が始まった。91年からガラパゴスの変遷を追う写真家、藤原幸一さん(53)が設立した「ガラパゴス自然保護基金」が呼びかけた。当初は日本人観光客だけだったが、昨年11月には、地元高校生やPNG職員が初参加。広がる地元での輪。「国を超えた市民レベルの協力で、本来の姿に戻したい」と藤原さんは意気込む。

 ◇生ごみ増、くちばし変える

 ビーグル号の航海(1831年12月〜36年10月)こそ、進化論の「ゆりかご」だった。この旅でダーウィンは三つの関係に興味を抱く。(1)化石で見つかる絶滅生物と現在生きている生物の関係、(2)近接した場所に生息する、よく似ているが異なる生物の関係、(3)大陸で見られる生物と、それに似た大陸から遠く離れた島で見られる生物の関係。これらに共通する視座は「生物の種はどうして生まれたのか?」だ。

 世界一周の旅の中でも、ガラパゴスの自然は不思議に満ちていた。ダーウィンの目に真っ先に入ったのは、ムクドリの仲間、マネシツグミ。捕まえてみると、島によって少しずつ異なる特徴を持っていた。更に島民からガラパゴスゾウガメは甲羅の形で「どの島出身か」が分かると聞いた。植物も同様だ。上陸した4島で集めた種の大半が、それぞれの島だけにしか生息していなかった。

 数々の驚きの中で、進化論を導く重要な鍵となったのは、彼の名を冠した鳥、ダーウィンフィンチだろう。ホオジロの仲間のスズメのような地味な小鳥。ダーウィンが英国に持ち帰った標本を鳥類学者、ジョン・グールドが分類調査した。

 グールドはダーウィンが別種と考えた鳥がすべてフィンチ類で、13種類(当時)に分けられると報告した。違いはくちばしの形と体のサイズに表れる。虫を食べるムシクイフィンチのくちばしは細くとがり、硬い種子を好むオオガラパゴスフィンチは太く大きい。報告を聞いたダーウィンは驚きと共に「生物の種は不変」という考えに疑念を抱いた。

 今も、ガラパゴスでは新たな発見が続く。

 06年、米プリンストン大のピーター・グラント教授らが、ガラパゴスフィンチのくちばしが人間活動の影響で今も進化し続けていると発表した。

 人の影響が少なかった60〜70年代や、現代でも人が立ち入らない地域では、気候によって変化する餌の量に連動してくちばしのサイズが変わる。餌である植物の種子が減ると体が大型でくちばしも太く、硬い種子を割って食べられる個体が増える。餌が豊富でフィンチの数が過剰になると、小型でくちばしが細いタイプが増加する。

 ところが現代、諸島最大の街プエルトアヨラでは人間が大量に出す生ごみで、年中労せず餌が得られる。すると従来のルールが覆り、中程度のサイズの個体ばかりが増えた。

 ダーウィンが見つけた「進化の証し」は長い時間をかけて蓄積された。一方でプエルトアヨラのフィンチのように急変の進化がある。それは、激変する環境に生きる生物の「生命力の発露」なのだろう。

 ◇ガラパゴス諸島とは

 諸島の総面積は約7900平方キロ。約500万年前、現在の諸島の北西方向で、海底から噴き出したマグマによって最初の島が形成された。地質学的に最も新しいイサベラ島やフェルナンディナ島では現在も活発な火山活動がある。1832年にエクアドルが領有を宣言。ガラパゴスという名はスペイン語で「リクガメの島」という意味で、政府の正式名称は「コロン諸島」とされている。78年に陸上部分が世界遺産に、01年には周辺の海洋保護区も追加指定された。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000001-maiall-soci

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